地質調査研究報告
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最新号
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巻頭言
  • Satoshi NAKAE, Takayuki UCHINO
    原稿種別: Preface
    2020 年 71 巻 4 号 p. 235-237
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー
  • Tsuyoshi ITO, MORIA, Hayato YOKOYAMA, Sayaka ISHIWATA, Atsushi MATSU ...
    原稿種別: Frontispiece
    2020 年 71 巻 4 号 p. 239-242
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 寿志, ガウリック ハンス - ユルゲン
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 71 巻 4 号 p. 243-280
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    北部石灰アルプスのフルダーグラーベン(オーストリア)において,アンモナイトで年代決定されたクラウス層石灰岩 (ジュラ系中部統最上部)の直上に累重する放散虫岩から放散虫群集を記載した.この放散虫群集はジュラ系上部統最下 部(Oxfordian)からのものであり,放散虫生層序を考える上で重要である.ジュラ系中部統から得られる長期間生存種 が多い中で,上部統最下部から初めて出現する指標種 4 種(Kilinora spiralis,Fultacapsa sphaerica,Protunuma japonicus, Pseudoeucyrtis reticularis)を識別した.得られた放散虫種の生存期間について再検討し,ジュラ系中部統から産する種が 引き続き上部統からも産する例を明らかにした.その結果,北部石灰アルプスのジュラ紀放散虫化石帯において,これ まで Zhamoidellum ovum 帯中に含められていた Williriedellum dierschei 亜帯を,新たな指標種に基づき独立した帯として 再定義した.古生物学的記載の章では 37 属 67 種 2 亜種を記載し,2 属(Loopus 属,Pseudodictyomitra 属)1 種(Protunuma japonicus)の標徴を改定するとともに,Loopus 属の模式種を再指定した.

  • 西園 幸久, 米光 功雄
    2020 年 71 巻 4 号 p. 281-296
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    豊浦層群は西南日本山口県に分布する日本における下部−中部ジュラ系模式地の一つであり,アンモナイト化石を 多産する.しかし,放散虫のような微化石の報告は今まで知られていない.豊浦層群最上部 7 か所から Transhsuum hisuikyoense 帯および Striatojaponocapsa plicarum 帯の放散虫を見出した.これらの放散虫は,中期ジュラ紀 Aalenian か ら Bathonian を指示すると考えられる.この放散虫指示年代は,アンモナイトやイノセラムスで決定された地質年代よ りもやや古い.先行研究によれば Stj. plicarum の初出現年代は,Aalenian と Bajocian の境界付近と推定されているにすぎ ない.この課題を検討するためには,アンモナイトと放散虫の産出間隙から Aalenian を指示するアンモナイトのような 化石資料のさらなる蓄積が必要である.

  • 伊藤 剛
    原稿種別: 概報
    2020 年 71 巻 4 号 p. 297-312
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    チャートの単層中に発達するストライプ構造は,西南日本内帯のジュラ紀付加体丹波 - 美濃テレーン及び足尾テレー ンでみられる.本研究では,栃木県足利市及び佐野市の 4 セクション(飛駒・大岩・月谷・織姫セクション)中にみら れるストライプチャートについて記載するとともに,飛駒セクションを除く 3 セクションの放散虫化石年代について検 討する.ストライプチャートは,ストリークとスペーシングからなる.ストリークは,ピンストライプ状構造における 薄い部分を指し,主に粘土鉱物からなる.スペーシングは,ストリークの間の厚い部分であり,隠微晶質石英を主体と する.ストライプチャートに富む大岩セクションは,上部三畳系カーニアン階中部~ノーリアン階中部に部分的に対比 される.ストライプチャートを部分的に含む月谷セクションと織姫セクションは,中部三畳系アニシアン階中部~上部 と上部三畳系ノーリアン階上部~レーティアン階下部にそれぞれ対比される.

  • 内野 隆之, 鈴木 紀毅
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 71 巻 4 号 p. 313-330
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    青森県下北半島の北東部では,北部北上帯に属する付加体が,桑畑山地域,片崎山地域,大森地域に分布している. 桑畑山地域の付加体については,後期ジュラ紀の岩屋ユニットと前期白亜紀前半の尻労ユニットに区分されるなど,こ れまで多くの研究がなされているものの,片崎山・大森地域の付加体については,大森地域の砂岩から砕屑性ジルコン U–Pb 年代が得られているほかは,詳しいデータはほとんどない.  本研究ではジルコン年代が測定された砂岩近傍の泥岩から Eucyrtidiellum cf. pyramis をはじめとする後期ジュラ紀 (おそらくキンメリッジアン期)の放散虫化石が見出された.この泥岩の化石年代と砂岩のジルコン年代とは大差なく,また 泥岩と砂岩との層準の間に不連続構造面も確認されないことから,両者の堆積年代に大きな乖離はないと考えられる. 岩相・地質構造・放散虫化石年代から,片崎山・大森地域の付加体と,桑畑山地域の岩屋ユニットは対比可能である. つまり,下北半島北東部の付加体は,後期ジュラ紀に形成された桑畑山地域の岩屋ユニット及び片崎山・大森地域の未 命名ユニットと,前期白亜紀に形成された桑畑山地域の尻労ユニットとに区分される.

  • Maximilien BÔLE, 池田 昌之, Peter O. BAUMGARTNER, 堀 利栄, Anne-Sophie BOUVIE ...
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 71 巻 4 号 p. 331-353
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    全球シリカ循環は長期的気候システムの重要な要素だが,その制御要因は古環境指標の制約に乏しいため,不確実性 が大きい.本論では,二次イオン質量分析計(SIMS)によって測定された犬山地域の中生代チャートに含まれる放散虫 化石のシリカ変動(δ30Si)を報告する.測定の結果,放散虫殻 δ30Si は -0.3 ~ 2 ‰で,現在及び新生代の放散虫殻の値と 調和的であった.さらに,予察的な δ30Si 変動は低解像度にもかかわらず,1,000 万年スケールでは生物起源シリカ(BSi) 埋没速度と逆相関し,従来の古生産性プロキシとしての δ30Si の解釈に矛盾する結果となった.この時間スケールでは BSi 埋没速度は風化速度に依存するため,風化しやすく低 δ30Si の苦鉄質岩の風化速度変化によって,この逆相関は説明 されるかもしれない.さらに高解像度で δ30Si 記録を測定することで,過去のシリカ循環をより深く理解できると期待さ れる.

  • Maximilien BÔLE, 池田 昌之, Peter O. BAUMGARTNER, 堀 利栄, Anne-Sophie BOUVIE ...
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 71 巻 4 号 p. 355-393
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    化石殻の炭酸カルシウムの酸素同位体比(δ18O)を用いた古海洋研究が広く用いられているが,珪質化石殻について は分析の制約や同位体分別の不確定性等のため,古海洋研究への適用例は限られている.本論では,二次イオン質量分 析計(SIMS)によって測定した日本,イタリア,スイス,ルーマニアの中生代チャートに含まれる放散虫化石 δ18O 変 動の古海洋指標としての有用性について報告する.53 試料 507 点の測定の結果,放散虫殻 δ18O は 19.8 ~ 35.3 ‰で,現 世及び新生代の放散虫殻の値と調和的であり,標準試料 UNIL-Q1 の繰り返し測定誤差 0.3 ‰以上に 1 チャート試料中の δ18O 変化がみられる.このことから,続成作用(セグリゲーション)の影響による均一化は完全ではなく,初生的な値 が保存されている可能性を支持する.さらに,予察的な放散虫化石の δ18O 記録は低解像度にもかかわらず,1,000 万年 スケールではコノドントのアパタイトや低 Mg 炭酸塩殻に確認される前期−中期三畳紀の正のシフトや後期三畳紀の安 定した高い値と調和的であるが,前期ジュラ紀のパンサラッサ海遠洋域における放散虫化石 δ18O の約 8 ‰の負のシフト はテチス海沿岸域の低 Mg 炭酸塩殻には確認されない.さらに高解像度で他指標と比較することで,放散虫化石の δ18O 記録の古海洋学的意義をより深く理解できると期待される

  • 伊藤 剛, 中江 訓, 板木 拓也
    原稿種別: 資料・解説
    2020 年 71 巻 4 号 p. 395-437
    発行日: 2020/11/13
    公開日: 2020/11/22
    ジャーナル フリー

    1882 年(明治 15 年)に設立された地質調査所(現 産業技術総合研究所地質調査総合センター)は,2017 年に創立 135 周年を迎えた.その歴史の中で,地質図,論文,ニュース誌など,数多くの出版物を刊行してきた.本論では,これら の出版物の中で放散虫に関係するものを纏めた.1950 年(昭和 25 年)から 2019 年(令和元年)の間の出版物の中で,「放 散虫」という単語は,5 万分の 1 地質図幅では 252 編,20 万分の 1 地質図幅では 21 編,地質調査所月間報告及び地質調 査研究報告では 75 編,地質ニュースでは 14 編,GSJ 地質ニュースでは 21 編,Cruise Report では 7 編の論文・記事で記 述されている.放散虫研究にかかわる出版物の数は 1980 年代に増加しており,これはいわゆる放散虫革命と同時期である.

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