放送研究と調査
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68 巻 , 11 号
放送研究と調査
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 被災地住民の防災情報認知と避難行動調査から
    入江 さやか
    2018 年 68 巻 11 号 p. 2-27
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/20
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    「平成29年7月九州北部豪雨」では、線状降水帯による猛烈な雨が福岡県と大分県にかけての同じ地域で降り続けた。短時間のうちに中山間地の中小河川が氾濫、流域の集落が浸水や土砂災害に見舞われ、福岡県・大分県での死者・行方不明者は42人にのぼった。NHK放送文化研究所は、被災した福岡県朝倉市・東峰村、大分県日田市の20歳以上の男女2,000人を対象に世論調査を実施した。本稿では、この調査結果や現地取材に基づき、避難行動や情報伝達をめぐる課題を検討した。回答者のうち、自宅などから避難場所など安全な場所に「立ち退き避難」をしたのは朝倉市で20%、東峰村で29%、日田市で21%だった。「立ち退き避難」の主要な動機は、避難勧告などの「情報」よりも、激しい雨や河川の水位の上昇などの異常な現象だった。また、「立ち退き避難」をした人の半数程度は自治体の指定避難場所以外の場所に移動していた。立ち退き避難者の多くが浸水した道路を通って移動しており、指定された避難場所にたどり着けなかったケースもあった。「土砂災害警戒情報」「記録的短時間大雨情報」などの防災気象情報や「避難勧告」「避難指示(緊急)」などの避難情報を知ったのは「NHKテレビ」と「行政からのメール」が主要な手段であった。災害時の情報入手が「メール」などネットメディアにシフトする中で、「テレビ・ラジオ」の防災・減災情報はどうあるべきかが問われる時期にきている。
  • 「2018年3月東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」の結果から
    原 美和子, 斉藤 孝信
    2018 年 68 巻 11 号 p. 28-57
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/20
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    「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」は、2020年東京大会への人々の関心度や放送サービスへの期待を明らかにするため、2016年から継続して行っており、今回は2018年3月のピョンチャン大会直後に実施した第3回調査の結果を報告する。東京大会に『関心がある(大変+まあ)』人はオリンピック78%、パラリンピック56%だった。東京オリンピックで「見たい競技」は、「体操」「陸上競技」が6割を超え上位となった。期待する放送サービスでは「高画質・高臨場感(4K・8K)」が第2回から増加(34%→44%)した。東京大会の準備状況について『順調だ』と考える人が大幅に増加(18%→35%→49%)した。それに伴って、準備に関する不安感は多くの具体的な項目で減少したが、「外国人観光客の受け入れ」(30%→44%)と「ボランティアの育成」(18%→25%)は第1回より増加した。ピョンチャン大会の視聴頻度は、「ほぼ毎日視聴」がオリンピック48%、パラリンピック19%で、リオデジャネイロ大会とほとんど変わらなかった。ピョンチャンオリンピックで「見た」人が最も多かったのは「フィギュアスケート」(79%)だった。第2回の「見たい競技」と比べると、「スピードスケート」(37%→70%)、「カーリング」(25%→70%)など日本選手が活躍した競技で大幅に増加した。ピョンチャン大会で放送局のインターネットサービスを利用した人は19%と、リオデジャネイロ大会(16%)より増加した。
  • ピョンチャンパラリンピックの放送に関するWEB調査より
    山田 潔, 大野 敏明
    2018 年 68 巻 11 号 p. 58-82
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/20
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    共生社会実現の起爆剤として期待されるパラリンピック。その放送は、障害者にどう視聴され、受け止められているのであろうか。NHK放送文化研究所では2018年3月~6月にかけ、障害者を対象にしたWEB調査を実施。パラリンピック放送の視聴実態、放送から受けた影響、字幕放送・解説放送・手話放送といった「ユニバーサル放送」の評価などを聞いた。調査は、知的障害、精神障害等を含む障害者全般に対して行ったが、本論考ではパラリンピックの主たる参加対象である肢体不自由、ユニバーサル放送の主たるサービス対象である視覚障害、聴覚障害の3障害に該当する「身体障害者」の調査結果を抜粋。自由回答やインタビューから得られた“生の声”と合わせ、東京パラリンピックのコンテンツ制作や、共生社会実現に向けた、メディアのあり方への示唆を探った。調査結果は、回答者がWEBでの調査に回答できる人に限られるなど、代表性があるものとは言えない。しかし、パラリンピックの放送を巡る同様の調査に先行事例がないことから、放送事業者である我々にとっては有意義なものとなった。特に、障害者のメディアおよびユニバーサル放送の利用や評価は、デジタルメディアの活用も含め、障害者の情報アクセシビリティ向上に向けての参考となり、パラリンピック放送に対する賛否両論の多様な意見は、メディアが共生社会実現に寄与していく上で、示唆に富んだものであった。
  • 「大阪府北部の地震」の事例などから
    福長 秀彦
    2018 年 68 巻 11 号 p. 84-103
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/20
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    SNSの普及によって誤情報や虚偽情報は急速に、そして広範囲に拡散するようになった。本稿は、拡散抑制にマスメディアとして、どう向き合うのかを考察した。考察と検証の結果は以下の通り。■拡散抑制の対象:流言、デマ、フェイクニュースには、大災害などの非常時に不安や恐怖などの社会心理によって急激に拡散し、人びとの安全を脅かすおそれがあるものがあり、打ち消し報道の対象となる。■打ち消し報道を行う意味:先行研究によると、社会不安などが高じている非常時に、マスメディアの情報が状況を曖昧にしか説明できない場合に、流言が拡散する。曖昧さを少しでも払しょくするために、打ち消し報道を行う必要がある。■拡散の実相:「大阪府北部の地震」では、「京阪脱線」の流言が拡散した。Twitterの投稿を見ると、地震発生直後のツイートは「脱線するかと思った」だった。暫くすると、「脱線したの?」という疑問形、「脱線しているらしい」という推測のツイートが増えた。やがて「脱線した」という確定的な表現の投稿が現れた。■ポスト・トゥルース時代に求められるもの:誤情報・虚偽情報には人びとの生命・安全などに係わり、迅速に拡散抑制をする必要がある「急性」「亜急性」のものと、民主主義社会の健全な世論形成を徐々に蝕む「慢性」の毒性をもつものがある。後者の打ち消し報道を行う場合には、その公益性が人びとの納得を得られるものである必要がある。
  • 1960年代の放送制度論議の記録(2)
    村上 聖一
    2018 年 68 巻 11 号 p. 104-107
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/20
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