放送研究と調査
Online ISSN : 2433-5622
Print ISSN : 0288-0008
ISSN-L : 0288-0008
69 巻 , 10 号
放送研究と調査
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ~放送事業者の“コアミッション”とは?~<2019年2月~7月>
    村上 圭子
    2019 年 69 巻 10 号 p. 2-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿は、2017年から約半年に1度まとめてきた、放送に関連する新サービスや政策の最新動向を俯瞰し論点を提示するシリーズの第4回である。今回は、2019年の2月から7月までを対象とする。この時期の地上放送事業者の動向を端的にキーワードで示すとすれば、民放においては“視聴ログデータ活用”、NHKにおいては“常時同時配信”となるだろう。あらゆるメディアサービスがインターネットテクノロジーをベースとする方向に向かう“メディア構造変化”時代を迎える中、民放は視聴率を前提とした広告によるビジネスモデルを、NHKはテレビ受像機による視聴を前提とした受信料による運営モデルを、新たな時代に見合うモデルにするための模索が本格化している。本稿は4つの柱で構成する。1つ目は、最新の筆者の認識として、テレビ・放送を取り巻く構造変化について俯瞰図を示す。2つ目は、新たな取り組みが進む地上波民放のビジネスモデルについて考察する。3つ目は、法制度についてである。NHKの常時同時配信を解禁する改正放送法の公布が最大のトピックであった。最後に、地上放送事業者の今後の存在意義について考える。これまで地上放送はメディアプレイヤーとしては“オールラウンド型”であったが、これからは“コアミッション型”に変えていく必要があるというのが筆者の見解である。ではこれからの社会における地上放送のコアミッションとは何か、それを考えるきっかけを提示したい。
  • ~「2019年6月 全国放送サービス接触動向調査」の結果から~
    保髙 隆之, 渡辺 洋子, 林田 将来
    2019 年 69 巻 10 号 p. 34-51
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「全国放送サービス接触動向調査」は,テレビ・ラジオ放送,データ放送,録画再生,ホームページ,動画,SNSなど放送局が提供するコンテンツやサービスのリーチ(1週間に1日でも接触した人の割合)を世論調査で定期的に把握し,メディア利用や放送関連コンテンツの展開を考えるうえでの基礎的なデータを得ている。今回は5年前の2014年からのリーチの推移を中心に分析した。放送局が提供するコンテンツやサービスへのリーチを「リアルタイム」「タイムシフト」「インターネット」に分類すると,インターネットのリーチは5年前の24.0%から31.6%に増加し、タイムシフトリーチは5年前と同程度の50.1%だった。一方、リアルタイムのリーチは5年前の93.2%から89.1%に減少しており,いずれかに接触した「トータルリーチ」は5年前の94.8%から92.3%へと減少した。3つの組み合わせによる接触パターンの変化をみると,5年前から<リアルタイムのみ>(37.3%→32.2%)や<リアルタイムとタイムシフトのみ>(32.9%→27.2%)など従来型の接触が減少した一方、リアルタイムとタイムシフトとインターネットの<いずれにも接触>が増加(16.6%→21.1%)した。特にリアルタイム接触が少ない20代では、<リアルタイム以外のみ>接触が増加(4%→12%)してトータルリーチは5年前と同水準を維持している。放送局のコンテンツやサービスの接触は,従来型のリアルタイムのみから,多様な組み合わせによる接触に移行しつつある。
  • 宇治橋 祐之
    2019 年 69 巻 10 号 p. 52-75
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    1959(昭和34)年1月10日(土)に日本初の教育専門テレビ局として開局したNHK教育テレビは、2019年で開局60年を迎えた。現在では唯一の教育専門局として「教育番組75%以上、教養番組15%以上」という編成比率で放送を続けている。NHK教育テレビ60年の変遷をみると開局当初は学校放送番組や語学番組などの講座番組が中心であった。1980年代になると、社会全体が高齢化、生涯学習を志向するようになり、社会人向けや高齢者向けの生涯学習番組が増加していく。1990年代には対象を明確にして放送枠をまとめる「ゾーン編成」が取り入れられると共に子ども向け番組が増える。そして2000年代になると多様な視聴者に向けて、多彩な趣味実用番組や教養番組、福祉番組などが放送されると共に、インターネットへの展開が積極的に進められるようになる。「教育テレビ60年」を扱う本シリーズでは、開局40年の際に放送文化研究所で16に分類したグループ分けに基づきつつ、3回シリーズで番組グループごとの変遷をみる。記述にあたっては各年度の『NHK年鑑』、「国内放送番組編集の基本計画」「番組時刻表」と共に番組制作者、編成担当者の記録を参照する。シリーズ第1回の本稿では『高校講座』『大学講座』『教師・保護者向け番組』『語学番組』の4グループについて、放送時間帯や放送内容時間の変遷だけでなく、視聴者の学習スタイルの変化や、番組の演出の変容も含めてみていく。
  • ~愛媛県における西日本豪雨インターネット調査から~
    入江 さやか
    2019 年 69 巻 10 号 p. 76-99
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2018年7月の「平成30年7月豪雨(以下、「西日本豪雨」と表記)は、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨が降り、平成最悪の豪雨災害となった。発災1年を前に、NHK放送文化研究所とNHK松山放送局では、2019年5月に愛媛県在住の20代から60代の男女3,000人を対象にインターネット調査を実施した。その結果や取材を元に、災害情報の伝達や災害報道のあり方について考察した。■今後、豪雨災害のおそれがある場合に何をきっかけに避難するかという設問に対しては、「防災情報」をきっかけにすると回答した人が64%で最も多かった。しかし、被害が大きかった大洲市、西予市、宇和島市では「雨の降り方が激しくなる」「災害の前兆を見聞きする」と回答した人の割合が高い。自治体やメディアの情報を待たず、自ら状況を判断して難行動を起こそうとする姿勢がうかがわれる。■「災害時、テレビやラジオはどのような放送をすべきか?」を自由記述で回答してもらったところ、「警報音や全画面表示などで避難情報を伝えてほしい」など、緊急事態に切り替わったことが瞬時にわかるような放送を求める意見が多くみられた。また、20~30代を中心に、「周囲の人が避難しているかどうか知りたい」「どんな格好で、何を持って避難したらいいのか知りたい」など、避難行動を後押しする具体的な情報を求める意見も目立った。災害時の多様な情報ニーズに対応するため、放送とネットの相互補完、役割分担が一層必要とされていると考えられる。
  • アディ・ロウクリフ氏(イギリス ITV ダイバーシティー担当責任者)
    中村 美子
    2019 年 69 巻 10 号 p. 100-105
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    アディ・ロウクリフさんは、イギリスのテレビ業界でほかの多くの新人と同じように下積みの仕事からスタートし、チャンネル4のロンドンとリオのパラリンピック放送に携わった。現在は大手商業テレビのITVで番組制作上の多様性(ダイバーシティー)を推進する責任者を務めている。この仕事は、ITVが放送するテレビ番組の出演と番組制作で人種や障害など社会的少数者とされる人々の起用を推進することだ。ロウクリフさんは、2016年リオ大会の現場で世界の放送事業者が障害者プレゼンターを起用していることを目撃し、2012年ロンドン大会で初めて障害者プレゼンターを起用したチャンネル4の挑戦が世界のテレビを変えたと実感した。イギリスでは、公共放送のBBCや商業テレビが共同でテレビ業界のダイバーシティーの現状をモニターしている。イギリス社会は男女、人種、障害、LGBTなど多様な人々で構成され、テレビの視聴者もそれとともに変化している。ロウクリフさんは、テレビにはありのままの社会を反映する義務があり、多様な人々が参加することによって、テレビの創造性が豊かになると考えている。ロウクリフさんは、テレビ業界がダイバーシティーで協働できるのは、こうしたテレビの役割と責任を自覚しているからだと言う。イギリスだけでなく世界の放送やさまざまな産業でダイバーシティーの重要性が共有されつつある。ロウクリフさんは、この動きを時代のファッションに終わらせないと言う。障害者の社会参加には長い道のりがあったように、変化を起こすには長い時間がかかる。ロウクリフさんは、なぜ多様性が重要なのかという原点を説きながら、テレビ業界のダイバーシティーを推進している。
  • 原 由美子
    2019 年 69 巻 10 号 p. 106-109
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
feedback
Top