放送研究と調査
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70 巻 , 2 号
放送研究と調査
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 斉藤 孝信
    2020 年 70 巻 2 号 p. 2-15
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    メディア利用実態を測定した複数の世論調査の結果から、現在の20代にとってのテレビの存在感や距離感を探った。20代では、週に1度もリアルタイムでテレビを見ない人が約3割である。リアルタイムのテレビを視聴している人についても、1週間のうち毎日視聴したり、1日のうち長時間視聴したりする人の割合が減少している。一方で、タイムシフト(録画)視聴する人や、インターネットで放送局の提供するコンテンツ・サービスに接触する人は増えておらず、20代がテレビコンテンツそのものから離れていることがわかる。20代は、リアルタイム視聴率が減少した夜の時間帯に、スマホを使って「SNS」「動画」「ゲーム」など、さかんにメディア行動をしている。インターネットでテレビ番組の動画を視聴している20代へのアンケートでは、「見たい番組をテレビで見逃した場合」、「放送後に見たいと思った場合」、「テレビでは放送していないコンテンツを見たい場合」などにインターネットを活用している様子もうかがえた。
  • 「東北人」のカメラマン
    渡辺 勝之, 七沢 潔
    2020 年 70 巻 2 号 p. 16-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    いまも地域の取材現場で光る「地上の星」を描く「制作者研究NEO」シリーズ<地域にこだわる>。第3回の主人公、伊藤孝雄(69)は1950年秋田県の農家に生まれた。70年NHK入局。東京の制作技術局、故郷の秋田局を経て85年に東京の制作技術局映像制作部(旧撮影部)に異動。技術採用の職員で初めてフィルム撮影の伝統をもつ旧撮影部に入り注目され、NHKスペシャル『社会主義の20世紀』(1990年)『ベルリン美術館』(1991年)など海外取材の大型番組を連作する。ところが91年に希望して仙台局に異動後は一転して農山村や漁村などを舞台に東北の大地に根付いて生きる人たちを描く番組の撮影と制作に没頭する。28年の間に作った番組はNHKスペシャル『マサヨばあちゃんの天地~早地峰のふもとに生きて~』(1991年)、『雪の墓標~奥会津・葬送の風景~』(1993年)、『イグネ』~屋敷林が育む田園の四季~』(2002年)、『イナサがまた吹く日~風 寄せる集落に生きる』(2012年、「地方の時代」映像祭グランプリ)など多数。とくに漁師と農家が昔ながらに住む仙台市荒浜の集落の暮らしを描いた『イナサ』は東日本大震災を挟んで去年まで8本にわたりシリーズ化され、津波被災後を懸命に生きる人々の姿を継続して見つめる映像記録として高い評価を得た。伊藤はなぜ故郷である東北にこだわり「記録」し続けるのか。前編ではそのマインドが生まれた過 程を制作してきた番組の分析と本人や関係者へのインタビューで検証する。 (伊藤孝雄は現在NHKテクノロジーズ仙台総支社シニアスタッフ)
  • 番組の自動解説音声の試みから
    山田 潔, 越智 慎司
    2020 年 70 巻 2 号 p. 42-49
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    NHK放送文化研究所はNHK放送技術研究所などと連携して、視覚障害者向けに番組の補足情報を自動で音声化し提供する「自動解説音声」のサービス実現に向けた調査研究を行ってきた。視覚障害者に情報を届ける解説放送は、字幕放送に比べて普及率が大幅に下回っている。さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に、障害者向けのサービスへの関心も高まっている。視覚障害者が放送サービスを円滑に利用すること、放送へのアクセシビリティーの向上には何が必要となってくるのか。この課題に取り組む一環として、収録番組の『きょうの料理ビギナーズ』に「自動解説音声」を付与した音声を作成し、視覚障害者にどう受け止めたのかをWEBアンケートで尋ねた。その結果、障害の度合いに応じて求める補足情報やサービスが異なることなどが浮かび上がった。今回のWEBアンケートの分析を交えて、解説サービスの現状と今後について報告する。
  • 小笠原 晶子
    2020 年 70 巻 2 号 p. 50-56
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    国際公共放送会議(PBI:Public Broadcasters International)が、2019年9月9日から11日、フィンランドの首都ヘルシンキで開催された。PBIは各国の公共放送の幹部が集い、公共放送が直面する課題や、解決に向けた手法の共有などを目的に組織されたもので、1991年から毎年開催されている。2019年のテーマは「急変する世界で社会に向けた価値の創造(Creating value for society in a rapidly changing world)」。デジタル化が進み、欧州では視聴者が、公共放送のサービスからNETFLIXを初めとする有料動画配信サービス、およびFacebookやYouTubeなどSNSによる情報共有やニュース配信サービスを利用する傾向が強まっている。こうした動きに対し、公共放送はどのような価値を創造し、視聴者の信頼をえて、利用者を増やしていくことができるのか、会議に参加した公共放送事業者からは、様々な試行錯誤が報告された。会議から見えてきた、デジタル時代の公共放送のコンテンツ展開やジャーナリズムを取り巻く現状と課題を中心に報告する。
  • メディア利用の生活時間調査2018から
    吉藤 昌代
    2020 年 70 巻 2 号 p. 58-63
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「国民生活時間調査」は日本人の生活行動を時間の面からとらえることを目的に、1960年から5年おきに実施している世論調査である。定例の「国民生活時間調査」は、一日の行動を28に分類した行動項目に振り分け、その行動をした時刻に15分単位で矢印をひいてもらう方法で行っているが、先行研究で、細切れ行動の想起・記入がしにくいことが具体的な課題のひとつとして挙げられている。そこで、2018年に実施した機動調査「メディア利用の生活時間調査2018」では、細切れのメディア利用を捉えることに焦点をあて、10分未満の短時間の行動を通常の矢印とは別の「×印」で記入してもらう方式を実験的に採用した。「×印」のありなしによる行為者率を比較した結果、特に「スマートフォン・携帯電話」でのメディア利用行動や、「身のまわりの用事」「食事」といった生活行動で、10分未満の短時間利用がなされ、それが「×印」として記入された様子がみて取れた。定例の「国民生活時間調査」は調査結果の時系列性を担保する必要があることに加え、特に行為者率に差がみられなかった生活行動を行動項目として多く使っていることなどから、今後も×印を導入することは考えていないが、スマートフォンなど細切れのメディア利用を捉えることに特化した機動調査で「×印」を使用することは調査の目的に適うと思われる。
  • 平田 明裕
    2020 年 70 巻 2 号 p. 64-71
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    NHK放送文化研究所では,これまで、調査結果については、「放送研究と調査」などの刊行物や公開ホームページなどで、視聴者に広く公表してきている。ただ、世論調査ローデータについては、長い間、個人情報保護などの理由で公表してこなかった。海外では、1960年代に多くのアーカイブが設立され、ローデータの保存・公開が進められてきたが、日本では、アーカイブの設立は遅れ、東京大学がSSJデータアーカイブ(Social Science Japan Data Archive)を設立し、データの提供を開始したのは1998年になってからであった。こうした動きに伴い、文研にも研究者やアーカイブからローデータの提供を求められるようになり、提供について検討を開始した。提供先の学術アーカイブの条件や提供対象とする調査の条件などを検討した結果、2009年にSSJデータアーカイブへ段階的に提供することを決定した。文研では、この10年間に「日本人の意識調査」など20調査のデータを提供し、利用申請件数は346件で、34の2次分析論文が発表されている。本稿では、提供に至るまでの背景や経緯、それに提供の現状について報告する。
  • 海外の大規模調査から見えたもの
    宮下 牧恵
    2020 年 70 巻 2 号 p. 72-75
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
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