放送研究と調査
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70 巻 , 3 号
放送研究と調査
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 耳を傾けることから始める「信頼とつながり」を育むジャーナリズム
    青木 紀美子
    2020 年 70 巻 3 号 p. 2-21
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    伝統メディアが直面する危機を背景に、ジャーナリズムの新たな方向性を模索する動きが続いている。情報通信環境の激変は既存メディアからゲートキーパー機能を奪い、その存在意義に疑問を投げかけ、ビジネスモデルの見直しに加え、ジャーナリズムのありようの点検を迫っている。情報が氾濫する時代だからこそ、市民が必要とし、信頼できる情報を届けることができるかが問われ、わかりやすく、活用しやすいかたちで提供できるかが課題となっている。耳を傾けることから始めるEngaged Journalismは、メディアに向けられる目が厳しさを増す中で、信頼を得るためには透明性を、理解を得るためには説明を、つながりをつくるためには双方向の対話を増やすことで応えていこうという試みである。市民の知見を生かし、新たな「信頼とつながり」を育むことに重点をおき、人々を「消費者」から情報をかたちづくる権利を持つ存在、選挙でいえば「有権者」へと見直し、「オーディエンス」から「パートナー」へとより対等な力関係に近づけることをめざす。本稿では、Engaged Journalismに取り組むメディアが増える背景とその柱となるエンゲージメントの考え方、アメリカやヨーロッパでの実践例などについて2019年10月にアメリカで行った調査を中心に報告する。
  • 「皇室に関する意識調査」から
    荒牧 央
    2020 年 70 巻 3 号 p. 22-29
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2019年10月に行なわれた即位礼正殿の儀を前に、皇室に対する関心や皇位継承のあり方などについての意識を探るための電話調査を実施した。今の皇室について関心がある人、親しみを感じている人、皇室と国民の距離が近くなったと感じている人はいずれも7割程度で、国民の多くは皇室に対して関心や親しみを持っている。女性天皇、女系天皇を認めることについても、それぞれ7割の人が賛成している。一方で、女系天皇の意味を知っている人は4割で、皇室制度を改める必要があるという人も半数程度にとどまっている。
  • 肖像権処理ガイドライン(案)を契機に
    大髙 崇
    2020 年 70 巻 3 号 p. 30-48
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    テレビ放送開始から70年近く。放送局に大量に保存される過去の番組をさらに活用できる環境を作るためにも,汎用性のある再利用のルール作りを望む声は多い。本稿は,2019年9月にデジタルアーカイブ学会・法制度部会が公表した「肖像権処理ガイドライン(案)」の分析を軸に,過去の放送番組の再利用を促進する上で欠かせない課題である肖像権処理のあり方について考察するものである。2章では,法律に明文化されていない肖像権の侵害か否かを判断する基準を示した2005年の最高裁判決など,主な裁判例をひも解く。3章では,最高裁判例などをもとに作成されたガイドライン案の内容を,放送番組を再利用する観点から検討し,課題を抽出する。そして4章で,実証実験的にNHKの過去のドキュメンタリーを,ガイドライン案に沿って再利用できるか否かを分析。終章では,今後に向けてクリアすべき課題と展望を示し,まとめとする。
  • 樹と水と風と人との映像詩(ファンタジー)
    渡辺 勝之, 七沢 潔
    2020 年 70 巻 3 号 p. 50-73
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2月号に続く「制作者研究NEO」<地域にこだわる>第3回伊藤孝雄の後編。東京・制作技術局映像制作部(旧撮影部)に異動した伊藤は、NHKスペシャルなど海外取材の大型番組を連作するが、91年に希望して仙台局に異動してからは、一転して農山村や漁村などを舞台に東北の大地に根付いて生きる人たちを描く番組の撮影と制作に没頭した。後編では仙台での28年の間に伊藤がつくった番組とその制作の軌跡を検証する。   この間の伊藤の番組は、①NHKスペシャル『マサヨばあちゃんの天地~早地峰のふもとに生きて~』(1991年)、『雪の墓標~奥会津・葬送の風景~』(1993年)など風土の中の人の暮らしと結びつきを見つめる番組や、②プライム11『こぶしに“賭ける”~娘たちの民謡修業~』(1995年)のようにひたむきな職人像を追いかけた作品群、③宮沢賢治や太宰治など東北出身の文化人の内面をドラマの手法も交えて映像化した作品などに大別される。そして①の延長線上につくられたNHKスペシャル『イグネ~屋敷林が育む田園の四季~』(2002年)に始まる「仙台三部作」は仙台周辺の集落の自然と人の営みをカメラマン主導の映像記録として積み上げてゆく、発想も手法もユニークなプロジェクト。とくに季節風の恵みを受ける仙台市荒浜の集落の漁師や農家の暮らしを描いた『イナサ』は東日本大震災を挟んで去年まで8本にわたりシリーズ化され、津波被災後を懸命に生きる人々の姿の貴重な映像記録となっている。これらの作品群はいかにして生まれ、現在の日本に何を伝えているのか、番組分析とインタビューで浮き上がらせる。 (伊藤孝雄は現在NHKテクノロジーズ仙台総支社シニアスタッフ)
  • 戦争画などとの比較から考える
    井上 裕之
    2020 年 70 巻 3 号 p. 74-89
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
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    NHKは、戦争体験者に自身の体験を描いてもらう「戦争体験画」募集のプロジェクトを、1970年代から、広島、長崎、沖縄、札幌の各放送局で、計6回実施し、4900枚余りの絵を集めてきた。これらの絵を、戦争を題材にした「戦争画」と呼ばれる他の絵画と比較すると、日時、場所、状況説明といった言語による付加情報が現実世界の固有のどこかを指しており、その点で、丸木位里・俊夫妻の描いた《原爆の図》とは異なることがわかる。また、第2次世界大戦で軍の委嘱を受けた画家が描いた「作戦記録画」や、過去のできごとをアニメーションで再現する「アニメーション・ドキュメンタリー」などと比較すると、戦争体験画は、描き手がその出来事に立ち会っているという点が異なる。言語学には、実際に見た事柄をそうでないものと区別して表現する「証拠性」という文法的カテゴリーがあり、戦争体験画もこの証拠性を有していると考えられる。そして、放送局は、取材によってこうした絵に付加情報を与えるという役割を担ってきた。テレビは、限られた映像を繰り返し使うことで画一的な戦争のイメージを伝えてきたが、戦争の多様な側面を視覚的に伝えられる点で戦争体験画は貴重である。絵は、あらかじめ撮影しようと思ってカメラを向けておくことが不可能な対象も描くことが出来る点で優位性があり、カメラ付きのスマホなどが普及した現代においても可能性を有する手段だと考えられる。
  • 2019 年 11 月全国個人視聴率調査から
    中山 準之助, 伊藤 文, 保高 隆之, 内堀 諒太
    2020 年 70 巻 3 号 p. 90-97
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
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  • 比島放送管理局 関連史料 「外地」放送史料から(5)
    松山 秀明
    2020 年 70 巻 3 号 p. 98-99
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/16
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