放送研究と調査
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71 巻, 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 全体の量的分析から
    宮田 章
    2021 年 71 巻 5 号 p. 2-25
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
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    日本のテレビドキュメンタリーの基礎を築いた『日本の素顔』(1957~64)の制作技法を解明するシリーズの第3回。今回は、アーカイブに映像と音声がそろって残る全193本のテクストについて、映像と言語との関係に的を絞った量的分析を行う。得られた知見の中で特に重要と考えられるのは次の5点である。 ①制作・放送された6年半の間、ほぼ一貫して言語化(映像に伴う言語の量が増えること)が進行している。61年度以降は現代のTDでも珍しくない水準に達している。 ②インタビューを用いることで、同時代の記録映画的な技法から離脱している。 ③全期を通じてナレーションを用いる説明的モードが卓越する。このモードが『素顔』を形式的、技法的な意味で啓蒙的にしている。 ④61年度以降、技法的な転換が見られる。それまで『素顔』の言語化を牽引していたインタビューなど被取材者の声の伸びが止まる。以後、ナレーションの増加がさらなる言語化の主因となり、『素顔』を技法的に一層説明的、啓蒙的にしている。 ⑤『素顔』末期に同時録音の自生音を多用するそれまでにないテクストが出現している。この技法は、『素顔』後のNHKのTDの制作技法に影響を与えた可能性がある。
  • 激戦地における放送工作とその潰散~フィリピンとビルマを例に
    松山 秀明
    2021 年 71 巻 5 号 p. 26-43
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    太平洋戦争下、南方の占領地で日本軍が行った放送について検証する本シリーズ。今回は、フィリピン(比島)とビルマ(緬甸、現ミャンマー)で行われた放送工作の実態を考察した。 日本軍が1942年1月にフィリピンのマニラを、3月にビルマのラングーンを占領して以降、放送工作のために次々に日本放送協会から職員たちが派遣された。フィリピンでは「比島放送管理局」のもとに、1942年1月14日にマニラ放送局、1943年11月1日にセブ放送局、同年12月20日にダバオ放送局が開局し、ビルマでは「緬甸放送管理局」のもとに、1943年1月25日にラングーン放送局が開局した。欧米植民地体制の打破とアジア解放を旗印に、両地域では「現地住民の宣撫」と「対敵宣伝」に注力していくことになる。フィリピンでは音楽を中心とした現地住民向けの放送と米比軍への対敵放送、ビルマでは日本文化の浸透を狙った現地住民向けの放送とインドへの対敵放送が行われた。 しかし、両地域はとくに激戦地で、比島放送管理局でも緬甸放送管理局でも終戦の詔勅を放送することができていない。しだいに戦況が悪化するなかで、日本放送協会の職員たちは山中に逃げまどい、あるいは戦闘要員となって、その多くが殉職した。大東亜共栄圏構想の浸透のため文化工作に加担した南方占領地の放送局は、その目的を果たすことなく多くの犠牲者を出して、潰散したのである。
  • 2020年6月WEB幼児視聴率調査から
    阿曽田 悦子
    2021 年 71 巻 5 号 p. 44-52
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    毎年「幼児視聴率調査」を実施し、幼児のテレビ視聴と、録画、DVD、インターネット動画の利用状況を調査している。幼児のメディア利用は、リアルタイムでの視聴だけでなく、様々なメディアでの視聴がみられ、映像コンテンツが多様化している。しかし、現在の測定方式では、視聴形態の異なるコンテンツ視聴を同じ基準で測ることができないのが課題であった。 そこで、昨年度のWEB幼児視聴率調査の結果を、リアルタイム、録画、DVD、インターネット動画の視聴を同じ基準で再集計し、視聴形態の異なるコンテンツが、メディアを超えた形でどのように見られているのか、検証を行うことにした。 今回、まったく新しい指標として、全てのコンテンツを同じ分数で統一して集計し、1週間に見られたコンテンツ視聴の総量を示したものを「幼児視聴パワー」と定義した。また、リアルタイム、録画、DVD、インターネット動画それぞれの幼児視聴パワーを算出し、すべて合算させたものを「幼児トータル視聴パワー」と定義し、コンテンツ全体のパワーを測った。 幼児トータル視聴パワーの上位では、Eテレや民放アニメ番組などのテレビコンテンツが中心であったが、「BabyBus」「Hikakin」などのYouTubeのコンテンツも上位に入った。 今回の集計方法での課題もみえてきたが、リアルタイム以外のコンテンツの視聴傾向をうかがうことができコンテンツ全体の視聴を捉える、一つの指標としてみることができるのではないかと考える。
  • 指示語をめぐるニュースの謎①
    井上 裕之
    2021 年 71 巻 5 号 p. 54-55
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 宮川 大介
    2021 年 71 巻 5 号 p. 56-57
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
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