愛知県および岐阜県南部にはキヨスミギボウシ,ミズギボウシ,コバギボウシが広く分布しており,それらの間の自然雑種と推定される植物も見られる.岐阜県三国山産の標本をもとに記載されたバランギボウシは,キヨスミギボウシ×ミズギボウシである.ミズギボウシ×コバギボウシはあちこちにあり,不稔性で識別も容易なのでミズコバギボウシという和名を与える.バランギボウシからは葉が細く,葉の側脈が少なく,花がややまばらにつくことで区別できる.キヨスミギボウシ×コバギボウシは栽培種のオハツキギボウシによく似ており,それとの比較検討が必要である.
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