植物分類,地理
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23 巻, 5-6 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 北村 四郎
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 129-152
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    東南アジアおよびヒマラヤのキク科植物のうち,日本に関係の深い植物について摘要し,ときに欧文にない解説を付ける.ブクリュサイ属 ブクリュウサイは,旧世界の熱帯種である.日本では九州の日向の鵜戸,四国の沖の島以南にある.岩崎灌園の本草図譜17巻19枚目には「ぶくれうさうは文政庚寅の年(1820),江戸に初めて栽う・・・・・・」とある.飯沼欲斎の草木図説の16巻29図版(1856)に,立派な図がある.欲斎は,茯苓菜琉球国志略として漢字をあげている.また「余この草の産するところをいまだ詳にせず,或は舶来という.名義また解しがたし」と書いている.大垣の近くの平林荘で栽培していたのだろうと思うと興味がある.これらの図説にあるので,牧野博士の日本植物図鑑などにも,もれなく取り上げられているが,日本では稀な,役に立たない南方の雑草である.こんなものまで栽培していた徳川時代の文化はまことに興味がある.タカサブロウ属 タカサブロウは汎熱帯種であるが,日本では東北地方にまで侵入している.街の道路の溝に沿ってよく生えている.葉が細いものや,やや幅の広いものがあって,変異は多いが,その中を区別できない.ミスミギク属 ミスミギクは旧世界の汎熱帯種である.この属はアメリカに種が多く,旧世界にはミスミギク Elephantopus scaber L. 一種だけであるから,アメリカ熱帯から古代に帰化したことが考えられる.しかし,ミスミギクは世界の中で,地域別に分化しているので,やはりアジア-アフリカ地域の原産であろう.E. scaber L. の type locality は印度である.そこでは,根出葉が倒卵状長楕円形で,葉の幅が広い.ヒマラヤのネパ-ル標本を多く見たが,琉球や台湾で見るような幅の狭いものはない.琉球,台湾,ベトナムにあるものは根出葉は倒披針形である.これを E. scaber の亜種と考える.ミスミギクの学名は E. scaber subsp. oblanceolata KITAMURA となる.泰国,カンボジヤ,ラオス,マライ半島,ジャワにあるものは,根出葉は倒披針状長楕円形で,形態上からも,地理上からも,印度の E. scaber subsp. scaber との中間である.これを subsp. oblanceolato-oblonga KITAMURA として区別する.
  • 北村 四郎
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 152-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 福岡 誠行
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 153-162
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    ある群の系統を考えるさい,各形質についての形態学的な研究がなされねばならない.このような立場からリンネソウ連の花序について調べた.その要約はすでに述べた(植物分類地理 23 ; 83-84)ので,ここでは日本産ツクバネウツギ属の花序について記す.本邦産ツクバネウツギはすべて頭状花序である.そのうちツクバネウツギとメツクバネウツギの頭状花序は2花から,コツクバネウツギは2〜8花の偶数個からなっている.それぞれの子房の基部は苞によって囲まれている.図2はこの関係を図示したものである.子房基部の苞の数と花の咲く順序からこれらの頭状花序の由来を推測すると,A'〜I' に示したような花序から各節間の短縮消失した結果できたものと考えられる.しかし,この推論は発生上からも今後確かめる必要がある.
  • 吉川 勝好
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 163-174
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    チリツバキ×トウツバキとの交雑F_1と両親の諸形質の観察調査結果を第7表にまとめ,両親との類似点について比較検討してみた.母親のチリツバキに近い形質として,葉面に光沢があり,裏面にタンニン黒粒が多く,表皮細胞の形や気孔の大きさが似ていることや,表皮部の粘液細胞がきわめてすくなく,子房に毛のないことがあげられる.父親のトウツバキに近い形質は葉の厚みがチリツバキよりうすいこと,鋸歯が多く,葉柄が短かいこと,葉の組織内に異形細胞がすくなく,柵状組織の2層目の発達が悪いことである.両親にない特色は広楕円形葉または広卵形葉がみられ,葉脈が葉面に浮き出ており,気孔数が多いことである.しかし,これらは樹の若さによるためであるかも知れず,この点については今後さらに検討を要する.第7表 チリツバキ,トウツバキ,F_1雑種の葉の諸形質の比較[table]上記諸形質を総合して,F_1雑種は両親の中間型よりやや父親のトウツバキに近い形質を示すもののようで,さらに,サクラバツバキによく似た形質をもっている(13-2がとくによく似ている).トウツバキの体細胞染色体数は90または45とされ,古く中国から伝わった.チリツバキも古くから日本にある品種で(染色体数は報告されていないようであるが,おそらくヤブツバキ系の園芸品種と同じく2^n=30である),現在ある品種のなかにもトウツバキとの雑種があるのではないかと思われる.一般に染色体数を異にした交雑F_1の形態的形質は染色体数の多い親の形質にかたよることが草本植物などで報告されているが,林木でも干葉によって行なわれたハンノキ属の交雑結果に示されたよぅに,本実験でもF_1の葉の形態的形質は染色体数の多い父親にかたよった傾向が顕著にみられた.また林木のようにヘテロである場合,両親にはみられないような形質が現われることが報告されているが,本実験でも前述のように葉の光沢や形状,葉脈にこのような傾向がみられた.チリツバキの自然結実の種子から得た実生群に変異の多いことは,母樹が咲分けの形質をもっていることから当然考えられるが,実生群は赤芽と青芽系統とにわかれ,その花色は赤芽系は赤系統のみ,青芽系は白系統(斑入りを含む)のみと判然と分かれた.このように咲分けの形質が単色に分離した子供の変異が永続的なものであるか,生育過程において母樹と同じように咲分けの現象が現われるものかどうか,いずれにせよこの事実および今後の観察結果は,咲分けの遺伝的解明に一つの資料を提供することになろう.青芽,赤芽など開舒時の新葉の色に変異のあることはヤマザクラ,クス,ケヤキ,ウバメガシなどの広葉樹にみられる現象である.トウツバキには不稔個体があると云われるが,Lion's headは結実し易い品種だとされている.しかしここで用いたトウツバキ(Lion's head)は現在までのところ雌性不稔であった.チリツバキ×トウツバキのF_1雑種には白色花が咲いたが,これを花粉親のトウツバキと戻し交雑により白色の優秀花を咲かせる期待がもてそうである.なお今後開花するF_1個体の花色,花形およびF_1と両親の染色体数について調査を行なう予定である.終りに,造園樹木の育種に対し深い御理解と御指導を賜っている京都大学農学部附属演習林長佐野宗一教授,文献について御助言をいただいたお茶の水女子大学理学部津山尚教授,御協力下さった立石新吉氏に厚く御礼申し上げます.
  • 村田 源
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 174-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 村田 源
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 174-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 田川 基二, 岩槻 邦男
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 175-178
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 岩槻 邦男
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 179-183
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 北川 尚史
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 184-188
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 北川 尚史
    原稿種別: Article
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 188-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 奥原 弘人, 鳴橋 直弘
    原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. 189-191
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. i-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. i-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 本文
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. i-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1969 年 23 巻 5-6 号 p. App5-
    発行日: 1969/03/30
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
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