植物分類,地理
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4 巻, 4 号
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  • 平塚 直秀
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 195-201
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    Hamaspora 屬の既知種は今回新種として記載した Hamaspora taiwaniana HIRATS. f. et HASHIOKA を加へて總数9種であり,此等の内我國領土内に産する種類は次ぎの5種である.即ち,1. Hamaspora Hashiokai HIRATS. f. - シマバライチゴに寄生,臺灣(臺北州)に産し,日本特産種である. 2. Hamaspora Rubi-Sieboldii (KAWAGOE) DIET. - ホウロクイチゴに寄生,四國(土佐),九州(薩摩)に産し,日本特産種である. 3. Hamaspora benguetensis SYD. - ミツマタフユイチゴに寄生,臺灣(臺北,新竹,臺南諸州)に産し,海外ではフィリツピン諸島に分布して居る. 4. Hamaspora acutissima SYD. - メフユイチゴ,テガタイチゴ,ケオリイチゴ,ナントウヒチゴに寄生,臺灣(臺北,新竹,臺中諸州)に産し,海外ではフィリツピン諸島,瓜哇,濠洲,印度(?)に廣く分布して居る. 5. Hamaspora taiwaniana HIRATS. f. et HASHIOKA(新種) - タカサゴクワバイチゴに寄生,橋岡良夫氏が臺灣臺南州阿里山,新竹州大覇尖山山彙伊澤山で發見採集された種類で今回新種と認定記載したものである.未だ其の冬胞子時代を採集されたのみであるが,冬胞子のより長い點,冬胞子隔膜数の多い點で他種と明かに區別する事が出來る,本種は日本特産である.
  • 田川 基二
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 202-206
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    オホバノヒノキシダ,オホバノカウザキシダ Asplenium trigonopterum Kunze は今日まで不明の種類であつたが,これは Asplenium Mertensianum Kunze の裸葉に附けた學名である.全面に嚢堆を附けた實葉と嚢堆を全く附けぬ裸葉とを比較すれば大變に異るもののやうであるが中間型を示すものもあり,又嚢堆を附けた上半は A. Mertensianum Kunze の記載に,嚢堆を附けぬ下半は A. trigonopterum Kunze の記載に一致するやうなものもある.ところが裸葉のほうが實葉よりも1頁さきに記載せられてゐるから好ましいことではないが本種の學名は Asplenium trigonopterum Kunze を採用することにしやう.小笠原島及び八丈島の特産である. 110. ホソバクロガネシダ(新稱) 臺灣の東岸,景勝の地として有名なタロコ峽の奥,セラオカとタビトの間の石灰岩の絶壁上に發見した一小羊齒,クロガネシダ Asplenium Toramanum Makino によく似てゐるが葉は更に細く切れて3回乃至4回羽状に分裂して末次裂片には一脈あるのみ,嚢堆を附けぬ裂片は線形で幅0.5粍,嚢堆を附けた裂片は卵形で幅1粍ばかり,包膜は比較的幅廣く時に2/3粍以上もあるのでその端は裂片の外に出てゐることもある.今一つの大きな差は葉肉の細胞中葉緑粒を有するものの排列の模樣である,即ちクロガネシダは葉緑粒を有する細胞は網状にならび,その直上の表皮細胞中には葉緑粒を有するものがあるので葉の表面を低度のレンズで見ると灰白の地に緑色の細點が澤山あるやうに見へる.これに反しホソバクロガネシダでは葉肉の細胞は一樣に葉緑粒を持てゐるから全體一樣に緑色に見へる.學名は Asplenium calcicola Tagawa と云ふ. 111. ホソバヰノモトサウ(新稱) テガタワラビ Pteris dactylina Hooker に比するに根莖の鱗片が長く,實葉は3乃至5個の狹長な羽片を有し,3個のときは掌状になつてゐる.臺灣臺中州の高地八通關と東埔との間の石灰岩の絶壁で發見した新種.學名を Pteris angustipinna Tagawa と云ふ.又大和の山上嶽から柏木に至る間の石灰岩上で小泉博士の發見せられたものはホソバヰノモトサウによく似てゐるが裸葉の羽片の鋸齒が形を異にし,低平でもなければ内曲もしてゐないから變種として Pteris angustipinna Tagawa var. yamatensis Tagawa ヒメヰノモトサウと命名した. 112. リウキウヰノモトサウ(新稱) ヰノモトサウ Pteris multifida Poir. に比し實葉の中軸は無翼,裸葉は掌状に3乃至5個の羽状に羽裂してゐる.沖縄や徳之島にある.學名を Pteris ryukyuensis Tagawa と云ふ. 113. ミツバヰノモトサウ(新稱) オホバノヰノモトサウ Pteris cretica L. に比し羽片は少数で通常3個,鋸齒の形も異り,側脈も疎である.雲南,四川,貴州,廣東にあり又沖縄の伊江島にある.學名を Pteris deltdon Baker と云ふ.
  • 初島 住彦
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 207-212
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    テリハミヤマガマズミ Viburnum Wrightii ver. lucidum HATUSIMA ミヤマガマズミに比し葉の表面は殆んど無毛で非常に光澤の強い變種である.肥前の黒髪山,豊後の深邪馬溪に産する. ヒゼンガマズミ Viburnum dilatatum subsp. hizenense HATUSIMA 本種は外見ミヤマガマズミに一番近いが全種無毛(但し開葉期には葉脉上に微に認められる)なると,葉は稍厚く新芽並に切株から萌芽する若生へに生ずる毛はガマズミ式の短い毛であるので區別出來る.尚生へてゐる塲所はミヤマガマズミの生へさうにない海岸に近い山麓でポロポロノキ等の暖地性植物の多い黒松林内である.又附近にガマズミの星状毛が著しく少くなつた中間型のものを發見したのでミヤマガマズミよりもガマズミに近いものと認めた.しかしいづれにしても特徴ある種類である.肥前の眉山に生じ稀である. チヤウジガマズミ Viburnum Carlesii var. bitchuense NAKAI 從來九州豊前の香春岳にカラスガマズミを産する如く報ぜられしが今回門司市の吉岡重夫氏の好意により花のある完全なる標本を手に入るることが出來たので注意して見るとカラスガマズミではなくチヤウジガマズミであることが解つた.勿論九州本部には初見である. ビロウドウツギ Diervilla praecox LEMAIRE 本種は著者筑前の古處山の頂上附近に只一本を發見したが最初朝鮮に多いカラタニウツギかと思つたがよく注意して見ると花筒,萼筒共に毛茸を密生して見るので上記のビロウドウツギと同定した.本種は朝鮮北部,滿洲には極めて普通なものであるが我國本土には初めてヾある. コシデ,イハシデ Carpinus Turczaninovii HANCE 本種は北支那,朝鮮南部,對馬等に多い所謂滿朝分子の一要素であるが著者は肥前島原半島の南端にある加津佐村の岩戸山に多数自生してゐるのを發見した.其後吉岡氏の好意によつて上記豊前の香春岳にも分布することが解つた尚土佐國に産する外瀬戸内海の小豆島にも産する由. タチネコハギ,オホネコハギ Lespedeza pilosa var. erecta HATUSIMA ネコハギに比し莖は丈夫で斜上又は直立性なると葉が大分大きいので直に區別出來る.最初上記肥前の眉山の山麓で採集したが最近中島一男氏は對馬で採集された. コバノホヽノキ Magnolia obovata var. Yanagidana HATUSIMA 本變種は柳田由藏氏により Magonlia longifolia として霧島山産の種子より發芽した稚樹に就て發表せられたるが既に同一名の學名が SWEET氏により設定されゐるので採用出來ない.本變種はホヽノキに比して小枝は細く從つて稍密に出る傾向があつて葉は一般に小形で巾12cm.を出るものは稀であるが其他の點では別に差異は認められないので變種に止めた方がよいと思ふ.九州各地に分布してゐる.
  • 外山 礼三
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 213-219
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    1. ハナシスヂゴケ (Alienomuscus nipponicus TOYAMA gen. et sp. nov.) 蘚齒なく.口輪發達.〓は條あり.Vaginula は甚だ長く.〓は乳頭あり.高出葉は二枚柄をつつむ等が之のの屬の特徴である.何れの科に何れの屬の近くに置くべきかは蘚齒の無い事により決定甚だ困難である.葉の形細胞の有樣は強て言へば Bryobrittonia に似る.シツポゴケ科の Rhabdoweisioideae に蘚齒なく〓に條あるものがみられるが,葉の構造,高出葉口輪の發達等之の近くにおく事も出來ぬ.不十分の自信をもつて Pottiaceae に入れておく.京都市外貴船の産°櫻の小古木の幹に密生す. 2. コモチカトウゴケ (Clastobryum glomerato-propaguliferum TOYAMA sp. nov.) Acroporium diminutum (BRID.) FLEISCH. にあててある屋久島地方の蘚によく似る.枝の先端が多少とものび,先端の葉にも明に分化があるので Acroporium の一新種と考へてゐたが,芽体の出る點に重きをおいて Clastobryum に入れる方が混雜を來さぬと考へる.大隈高隈山の溪流に臨む樹小枝に密生す.種名は芽体の束状に集りつくを意味して命名した. 3. クラバホウヲウゴケ Fissidens nitidocostatus TOYAMA sp. nov.) Semilimbidium に屬し,細胞多乳頭,中助は光澤あり突出.外觀葉形 サクラジマホウヲウゴケに似る.屋久島の永田,尾の間よりそれぞれ山に入つた所で採集す. 4. ヒメホウヲウゴケモドキ (Fissidens pseudogymnogynus TOYAMA sp. nov.) 樹皮着生の生態,外觀ヒメホウヲウゴケに似るが葉の構造はトサカホウヲウゴケに一致するが小形,多分枝にて長くのびず,區別は筒單である.屋久島安房より小杉谷に登る途中にて採集す. 5. ヤクシマホウヲウゴケ (Fissidens yakushimensis TOYAMA sp. nov.) 岩着生.生長の悪い赤色をおびたホウヲウゴケと思つて採集したが葉肉は全て一層細胞よりなる點いちぢるしい.屋久島永田より山に入つた所にて採集す. 6. フトスズゴケ (Forrstroemia dendroidea TOYAMA sp. nov.) スズゴケに似るが大形で枝の先端はかはくと巻き,〓は沈生で明な種類である.肥後内大臣山にて樹幹に着生せるを多量に採る.
  • 小泉 源一
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 220-230
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 大井 次三郎
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 230-233
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 田代 善太郎
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 233-234
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 234-236
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 236-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 236-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 236-237
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 237-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 237-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • G KOIDZUMI
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 237-238
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 大井 次三郎
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 238-239
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 大井 次三郎
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 239-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 大井 次三郎
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 239-240
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 北村 四郎
    原稿種別: 本文
    1935 年 4 巻 4 号 p. 240-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1935 年 4 巻 4 号 p. 240-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1935 年 4 巻 4 号 p. 241-242
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1935 年 4 巻 4 号 p. 242-
    発行日: 1935/12/01
    公開日: 2017/09/25
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