植物分類,地理
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47 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 菅原 敬
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    五島列島福江島からカンアオイ属の1新種, Asarum mitoanum T. Sugaw. (フクエジマカンアオイ)を記載した.この種は, 上部が強くくびれたがく筒をつくり, その内壁には縦横に隆起したひだが発達し, またがく裂片基部には微突起が多数形成され, 花柱は角状の付属突起をもたないなどの点からミヤコアオイ節(sect. Aschidasarum)のAsarum hexalobum F. Maek. (サンヨウアオイ), 特に平戸島に固有なA. hexalobum F. Maek. var. controversum. Hatus. et Yamahata(シシキカンアオイ)によく類似する.しかし, がく筒が洋なし形あるいは台形状で, 花柱背部ははっきりとした角状の付属突起をもたないにもかかわらず柱頭が頂端からずれた位置につき, また雄しべが6個に半減(花柱と向かい合う外輪の雄しべ6個が完全に退化)し, 子房の位置が半下位であるなどの点で区別できるので別種とみなした.この植物の発見者でもあり, また現地調査の案内をしてくださった水戸源氏氏ならびに水戸惣右エ門氏に心よりお礼申し上げます.
  • 高橋 晃, 鈴木 三男
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 143-152
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    ヒマラヤ産ツツジ科の着生植物3種Agapetes serpens, A. incurvata var. hookeri, Vaccinium nummulariaにおいて, 水質化し肥大した根を解剖学的に調べた。それらの肥大した根の二次木部は, 大部分が広い多列放射組織によって占められ, それ以外の木部組織は狭い帯状部分に限られている。この基本的構造は調べた3種に共通してみられるが, いくつかの特徴がAgapetes属とVaccinium属とで異なっている。とくに目立つものとして, 放射方向に連なった著しく扁平な平伏細胞の集団が, 広い多列放射組織の柔細胞のあいだに散在しているという構造があり, それはAgapetes属にのみみられた。狭い帯状部分に限られる木部組織は道管, 繊維状仮道管, 軸方向柔組織, 単列放射組織からなり, いずれの要素も直径が小さい。この多列放射組織の大きな柔細胞は主に方形細胞であり, 薄壁であまり木化していない。この広い多列放射組織は, 単列放射組織の小さな直立細胞を形成していた放射組織始原細胞がより大きな柔細胞を形成するようになったことと, 木部通導要素を形成していた紡錘型始原細胞が柔細胞を形成する放射組織始原細胞に転換したことにより生じる。広い多列放射組織は水分貯蔵の働きをしていると考えられ, 著しく扁平な平伏細胞の集団は水平方向の養分の移動に関係していると考えられる。それがAgapetes属にのみみられるのは, 肥大した根の形状や大きさに関係しているもかも知れない。
  • 戸部 博, 高相 徳志郎
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 153-168
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    エノキ科とニレ科の葉と子房表皮にある毛の形態を全15属29種について走査型電子顕微鏡を使って調べた。両科とも, 他のイラクサ目の科と同様に, こん棒形(または頭状, 盾型)の多細胞性の腺毛と漸先形の単細胞性の毛を持っている。エノキ科の腺毛の形態は多様であるが, ニレ科のものは常に短いこん棒形である。漸先形の単細胞性の毛の表面はエノキ科(Ampeloceraを除いて)では一般に細かな乳頭状突起を持つが, ニレ科では滑らかである。このように, 毛の形態はエノキ科をニレ科から区別するばかりでなく, (Ampeloceraを除く)エノキ科はニレ科よりもクワ科やイラクサ科などイラクサ目の他の科に似ている。しかし, イラクサ目の外群と推定されている植物群(つまり, マンサク亜綱やビワモドキ亜綱の目)は比較すると, エノキ科とイラクサ目の他の科と共通する毛の形態は原始的形質で, むしろニレ科の毛の形態が派生形質であることが示唆された。エノキ科の類縁についてはまだ分からないが, ニレ科についてはイラクサ目の他の科の群とは離れた進化系列にあるらしいことも示唆された。また, Ampeloceraがエノキ科やニレ科とは異なる点なども議論した。
  • 荻沼 一男, 戸部 博
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 169-172
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    Nesaea属は4亜科31属からなるミソハギ科の1属で, 最も大きな亜科ミソハギ亜科に含まれる。主に南アフリカとメキシコに50種が分布している。これまで2種について染色体数の報告があるが, まだ, 属の染色体基本数は確定していない。この研究では, アフリカ産の2種Nesaea cordata HiernとN.aspera Koehneの核形態が初めて調べられた。その結果, N.cordataは2n=10, N.asperaは2n=30をもつが, 2種とも間期に"simple chromocenter type"を示し, 二次狭窄をもつ染色体を含む(2n=10の場合は1対, 2n=30の場合は3対)点で中期の核型は良く似ていることが分かった。この結果に基づき, これまで知られている報告と合わせ, Nesaea属の染色体基本数をx=5と確定した。また, ミソハギ亜科(28属)の原始的染色体基本数がx=8であることが推定されているため, Nesaea属と同様の派生的基本数x=5をもつDiplusodon, Lythrum(ミソハギ属), Peplisとの類縁についても議論した。
  • 岡田 博, 久保 さおり, 森 康子
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 173-181
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    インドネシア, 西スマトラ, パダンにおいて, 袋かけ, 除雄, 交配実験, 野外観察によりNeuwiedia veratrifoliaの送粉様式を研究した。集団内及び近隣域の多くの固体は同調して花序を形成し, 開花する。30〜50個の花をつける無限花序は1日最大7個, 平均1個を開花する。袋かけ実験で高い結実率が得られたことから, この種は自家和合性であることが分かった。袋かけ実験による高い結実率と柱頭と内向やくが近接していることから, この種は多くの場合自家受粉をしていることも分かった。更に野外で訪花昆虫を観察し, その中でもからだに花粉をつけていたハリナシバチ類が送粉者として働いている可能性が明らかになった。
  • 山口 裕文, 高松 祐子, 藤田 智樹, 副島 顕子
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 183-193
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    北海道のユリ根の栽培品種は, オニユリとコオニユリの雑種由来とされたり, コオニユリとも扱われている。しかし, 品種育成の詳しい記録がなく, その系譜は不明である。野生のコオニユリとオニユリおよびユリ根用の在来品種と近代品種の葉緑体DNAのRFLP分析を行ったところ, コオニユリには7種類のハプロタイプがみられ, オニユリには1種類のハプロタイプが検出された。オニユリと扱われている在来品種は全てハプロタイプIを示し, コオニユリと扱われている栽培品種は広島県と滋賀県, 岩手県に野生するコオニユリと同じ2種類のハプロタイプIII, IVを示した。ハプロタイプの伝達は近代品種の育成の系図と一部で一致せず, 同一の品種系列と扱われた品種が異なる細胞質を保持した可能性が示唆された。また, 北海道の栽培品種が雑種起源であるとしても, オニユリは栽培品種の細胞質の親とは考えられず, 近代品種は広島と兵庫県から北海道に導入されたコオニユリの在来品種から育成されたと考えられた。
  • 三島 美佐子, 伊藤 元己
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 195-201
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    日本産ワレモコウ属7種の分子データを用いた系統解析を行った。葉緑体DNAの2領域(計約8Kbp)をPCR法で増幅し, 8種類の4塩基認識酵素で処理した。その結果得られた断片長多型に基づき, ヒメキンミズヒキを外群として最節約法により系統樹を構築した。その結果, 一つの共有派生形質によりワレモコウ, ナガボノワレモコウ, ナンブトウウチソウが, 4つの共有派生形質によりカライトソウ, タカネトウウチソウ, エゾトウウチソウ, シロバナトウウチソウが, それぞれ単系統群を形成した。ナンブトウウチソウ・カライトソウ・タカネトウウチソウ・エゾトウウチソウ・シロバナトウウチソウは高山から亜高山帯にやや遺存的に生じ, 外部形態的に類似した形質状態を示す。このうちナンブトウウチソウ(岩手県早池峰山固有種)が, 低地から産地に広く分布し互いにやや類似した形質状態を有するワレモコウ・ナガボノワレモコウと単系統群に含まれた事は, 以下のいずれかの可能性を示している。1)現在の高山種に見られる形態の類似した形質状態は収斂による, 2)ワレモコウとナガボノワレモコウに見られる形態の類似した形質状態は派生的な状態である。3)ナンブトウウチソウは低地性2種のいずれかと, 高山種のいずれかとの間の雑種起原種であり, 低地性の種の葉緑体ゲノムを受け継いでいる。
  • 加藤 英寿, 山田 恭子, 上田 都, 高橋 弘, 河野 昭一
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 203-211
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    外部形態に変異が多いため種及び種内分類の混乱している日本産シュロソウ属3種(コバイケイソウ(広義)Veratrum stamineum sens. lat., バイケイソウV. album ssp. oxysepalum, アオヤギソウ類V. maackii sens. lat.)について葉緑体DNAの制限酵素断片長多型分析を行い, それらの遺伝的変異とそれによる系統関係を調べた。研究は, シュロソウ属植物について32集団(日本29集団, 韓国2集団, Austria1集団)から集めた固体について, 8制限酵素を使って行われた。その結果, 19サイトに変異が見つかり, そのデータを基にして行われた最節約系統解析によって, 比較した32集団は以下の3群に分かれた。即ち, コバイケイソウ(広義)と本州(関東から近畿地方)産のバイケイソウからなる1群, 北海道, 中国地方, 四国, 九州, 韓国, Austria産のバイケイソウ(広義)からなるII群, アオヤギソウ類からなるIII群, である。形態的にはI群にはいるコバイケイソウと本州産のバイケイソウとの差は明瞭であり, むしろI群とII群のバイケイソウは, 前者の花被のサイズがやや大きいことを除いて, ほとんど差がない。そこで, I群のコバイケイソウと本州産のバイケイソウの遺伝的近縁性を説明するために, 二つの可能性が考えられる。ひとつは葉緑体ゲノムの結果が示すように本州産のバイケイソウとコバイケイソウは単系統群であるという可能性, もうひとつは本州でコバイケイソウとバイケイソウの間で浸透性交雑(introgression)が起こって核ゲノムとオルガネラゲノムが入れ換わってしまっているという可能性があげられる。これらの仮説を検証するために, 今後は核ゲノムの解析を進める必要があろう。
  • デブコッタ M.P., アチャルヤ N.
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 213-219
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    ネパール, カトマンズ谷における生物学研究の第一歩として, ヤドリギ類(ヤドリギ科Viscaceae, マツグミ科Loranthaceae)について, その分布高度, 宿主, 送粉者および種子散布者を, 1995年1月16日から5月15日にかけて調査した。カトマンズ谷は標高の高低差が1200-2700mと大きく, 様々なタイプの植生が存在し, すでに多種のヤドリギ類が報告されている。本研究の過程で9種のヤドリギ類が見いだされたが, うちDendrophtoe falcata, Macrosolen cochinchinensisはカトマンズ谷での初報告であった。9種のヤドリギ類のうち7種は広い範囲の高度に分布していた。ヤドリギ類の宿主として, 25科46種の樹木が確認された。さらに, 2種の鳥類, Aethopyga nepalensisとDicaeum ignipectusがヤドリギ類の花および果実にそれぞれ訪れているのが観察された。分布高度を限定する要因として, 宿主の分布と送粉者あるいは種子散布者の分布, という二つの可能性が考えられた。
  • KONSTANTIN A. VOLOTOVSKYI, 高橋 英樹, 佐藤 利幸
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 221-238
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    シベリア南東部に位置するトキンスキー・スタノビク山脈の高山植物相を初めて明らかにし, 1)日本の高山植物相, 2)東シベリアの極地植物相との定量的な比較をおこなった。トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物51科・136属・278分類群(274種4亜種)のうち, 73分類群(26%)は日本の高山植物相にも現れ, 154分類群(55%)は東シベリアの極地植物相にもみられる。さらに1)トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物には極地・高山性のヤナギ属やユキノシタ属の種が多数みられること, 2)主要10番目までの科や特に属の類似性を考慮すると, トキンスキー・スタノビク山脈の高山植物相は日本の高山植物よりも東シベリアの極地植物相に似ていることが分かった。このことは, トキンスキー・スタノビク山脈がアジア北部における極地-高山植物の移動経路において地理的・歴史的に重要な一角を占めていることを反映した結果と思われる。日本の高山植物相では, 主要10科・属の種数/全植物種数の比率が小さく, 特定の分類群に偏らない傾向がある。シベリアの高山植物相や極地植物相に較べて日本の高山植物相が温和な気候に支配されているためと思われる。東シベリアの極地植物相はイネ科やアブラナ科, マメ科, イヌナズナ属の種数が多い点で他の2植物相から区別される。
  • 田中 教之
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 239-252
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    いかなるとらえ方で種をとらえても, 種はその固体のすべてが有機的に組織化された統合的な構造と機能を持つものではない。ある個体群が種であることを実質づける絶対的, 普遍的な性質はない。自然の中に存在しているのは個体の群れであり, 種という枠組みは存在しない。このような意味において, 種は実在するものではない。種も含めてすべての分類階級のカテゴリーは, あくまでカテゴリーであり概念であって実体ではない。一方, 自然界には個体群の顕著なまとまりが存在する。個体が持つ属性に従ってこのようなまとまりをカテゴライズ(把握)したものが種の分類群である。従って, 種という分類群は存在していると言える。この意味においては, 他の分類階級の分類群も存在していると表現されよう。しかし, この場合においても, 実際に存在するのはあくまで個体の一群であり, それらは自らを種であるとする決定的要因を何一つとして持つものではない。個体群間には質的な隔たりが存在するが, どの隔たりが種の境界に相当する隔たりであるのかを決めるのは人間である。すなわち, 種の輪郭は人間によって与えられる。いかなる分類も人間の行為にほかならない。種という構成ないし枠組みは元来自然に存在するものではない。従って種は単位であるとは言えない。また, 種は進化の単位でもない。種が単位であると表現される場合の種とは, あくまで人間によって種の枠組みが与えられ, それが単位であるとみなされた場合に限定される。一般的にもっとも広く受け入れられている種の概念とは, いわゆる分類学的種概念であると思う。筆者が抱く種の認識もこの概念と一致する。このような概念によって種を定義すると, たとえば次のようになる。"種とは属性において類似する個体の一群であり, 他のそのような個体群とは分類学的に重要と認められる性質において明確な差異をもつもの"である。ただしこの表現にある類似という語などについては本文を参照されたい。種は個体が持つ属性, 換言すれば, その質的内容の類似性に基づいて把握されるものであり, このためには, あらゆる面からの総合的検討が必要である。生殖的隔離だけを基準として種を境界づけることには賛成できない。種と他の分類階級との間に本質的な差異は存在しない。生物界には構造の階層的発達が認められる。そして, しばしば種がこの階層の中に位置づけられることがある(たとえば, 細胞-(多細胞)個体-種というように)。しかし, このような構造の階層的発達の程度は種によって異なる。また, 種は個体によって組織化された構造を持つものではない。従って, 種はこのような階層の中に位置づけられるべきではない。種とこのような構造的階層性とはまったく別の性質のものである。Mayrの種の定義, および唯名論的, 類型学的種概念への彼の批判に対して, 筆者の批判的見方も述べた。
  • 高相 徳志郎
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 253-269
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    針葉樹類での受粉機構は多様であるが, この多様性を各々の科で要約した。スギ科, ヒノキ科などの受粉には胚珠から分泌される受粉滴が必要である。これらの科の花粉は気嚢がなく, 受粉滴に沈む。胚珠が上を向いている場合は, 花粉は受粉滴の中を落下して直接珠心に届く。胚珠が下を向いている場合は, 受粉滴が体積を減少する際にこの液のメニスカスによって上に運ばれる。珠心の先端は親水性であり, 珠皮の内表面がクチクラで疎水性であるため, 受粉滴の液柱が珠孔道の中を珠心に向かって動くからである。マツ科のマツ属, トウヒ属またマキ科の多くの属でも受粉に受粉滴が関わる。これらの植物では胚珠が必ず下を向いていて, 気嚢で受粉滴に浮く花粉が珠孔の周りに浮揚する。花粉はその後, 液のメニスカスによって胚珠内に導き込まれるようである。マツ科のカラマツ属, トガサワラ属では珠皮の先端が胚珠内に陥入することで, 珠皮先端についていた花粉が胚珠内に運び込まれる。マツ科のツガ属, ナンヨウスギ科などでは苞葉に落ちた花粉がその位置で長い花粉管を珠心に向けて伸ばす。針葉樹類のおよそ半数の属でしか受粉機構が調べられておらず, 残りの属での研究が望まれている。今までの研究でも受粉滴の化学組成, 分泌と吸収(あるいは単に蒸散かもしれない)のメカニズム等は解明されておらず, 受粉機構と進化の関係についても研究が進んでいない。受粉機構は種子生産に直接関係するので森林の再生にも重要な意味を持つ。
  • 高橋 英樹
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 271-283
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
    北日本の植物相の成立過程を解明する上で千島列島は大変重要な地域である。1995年, 96年の夏に千島列島の生物多様性を調査する米・露・日による国際プロジェクト(IKIP)に参加したのを機に, この地域の植物分類地理に関する資料を整理した。千島列島全体の植物地理を解析するためにはまず島毎のフロラを明らかにする必要がある。この観点からすると特に中部千島での調査が遅れている。維管束植物以外の生物群による地理区境界が, 維管束植物のそれと一致するのかどうかという問題はこれから明らかになるだろう興味深いテーマのひとつである。日本-ロシア間で少なくない植物の学名が不一致であるという分類学上の問題, 戦前の日本側による膨大な植物標本資料の存在, 基礎的な科学研究をおこなう上での最近のロシア側の経済的困難などを考えると, 日本・ロシアを中心とした生物多様性解明のための国際共同研究を進展させることが特に求められている。
  • 三浦 励一, 草薙 得一
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 284-285
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 永益 英敏
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 286-
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 北村 四郎
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 287-290
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
  • 吉田 國二
    原稿種別: 本文
    1997 年 47 巻 2 号 p. 291-292
    発行日: 1997/01/28
    公開日: 2017/09/25
    ジャーナル フリー
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