分析化学
Print ISSN : 0525-1931
11 巻, 5 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 岡 宗次郎, 奥野 久輝, 平野 四蔵
    1962 年 11 巻 5 号 p. 481-483
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 高木 誠司
    1962 年 11 巻 5 号 p. 485-487
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • サブリマトグラフィーによる混合系の分離(第3報)
    吉村 清
    1962 年 11 巻 5 号 p. 488-492
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    サブリマトグラフィーによる混合物の分離を行なうにあたって,それらの分離をより効果的に行なうため,装置および操作法について検討して分離法を定めた.これによって実際に各混合物の分離を行なった結果,アントラセンとアントラキノンは互によく分離され,ニトロフェノール,アミノ安息香酸のp-化合物とo-化合物はそれぞれの混合物からよく分離され,また,p-ニトロフェノールとm-ニトロフェノールは完全には分離されないが,ある程度の分離は可能であった.分離性の指針となる各成分の加熱温度thと凝縮位置を示すV.C.P.との関係曲線を作成し,これから推定される混合物の分離性は実際の分離結果とよく一致した.
  • 鉄鋼中微量元素定量法の研究(第9報)
    前川 静弥, 米山 善夫, 藤森 英一
    1962 年 11 巻 5 号 p. 493-497
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    金属中の微量ヒ素を塩化物として抽出分離する方法を検討した.塩酸および過塩素酸の混合溶液からクロロホルムでくりかえし抽出すれば,ヒ素(III)は定量的に有機相に回収できることを確かめた.抽出したヒ素は水相に逆抽出したのち,モリブデン青吸光光度法で定量した.本法を鉄鋼および鉄鉱石中の0.001~0.1%のヒ素の分析に適用した結果について記述する.分析所要時間は5試料につき約2時間である.
  • 銅,スズ,アンチモン,鉛地金およびその合金について
    前川 静弥, 米山 善夫, 藤森 英一
    1962 年 11 巻 5 号 p. 497-500
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    前報で塩化物抽出法によるヒ素の分離法を報告したが,試料の分解方法や抽出前の予備分離などを改良すると,容易に非鉄地金や合金中のヒ素分析に応用できる.濃縮過程におけるヒ素の挙動を観察するとともに,その分析方法をも確立した.高純度地金およびヒ素を微量含む実際試料について,行なった結果を報告する.
  • 吉武 寛人
    1962 年 11 巻 5 号 p. 500-506
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    Fe-Fe2+-Fe3+ の3成分よりなる酸化鉄はその組成により電磁誘導起電力が異なることに着目,酸化鉄組成と誘導起電力の相関性,再現性,ならびに誘導起電力に影響を与える各種要因につき検討を行ない,組成と誘導起電力の間には一定の規則性が存在し,同一試料についての起電力測定値の精度が1%以内にあること,Fe%は誘導起電力にかなり大きな影響を与えるが,比体積を併用することによりかなりの精度で酸化鉄組成を測定できることを認めた.この結果を応用し,従来の化学分析の補助手段として十分に実用性を有する酸化鉄の簡易分析法を考案した.本報においてはFe2+%/Fe3+%≧0.5の場合について報告する.
  • 小沢 恭一, 江頭 暁
    1962 年 11 巻 5 号 p. 506-509
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    Ruhemann紫[2-(1,3-dioxoindan-2-yl)imino-1,3-indandione]が有機水銀化合物と錯塩をつくり,これがエチルエーテルによって抽出されることを見出し,これを有機水銀化合物の光度定量に応用することを試みた.この方法によると,銀以外の多くの金属イオンによる妨害がほとんどなく,水銀量として2~20μg 程度の有機水銀化合物の定量が可能であることがわかった.
  • 小沢 恭一, 江頭 暁
    1962 年 11 巻 5 号 p. 509-510
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    Ruhemann紫[2-(1,3-dioxoindan-2-yl)imino-1,3-indandione]の水銀錯塩がSH化合物と定量的に反応してRuhemann紫を遊離することを見出し,SH化合物の光度定量に応用した.この方法により5~50μMの濃度(あるいは絶対量として15~150mμモル)のSHを定量することができた.
  • 微量リンの吸光定量法の研究(第1報)
    宮本 正俊
    1962 年 11 巻 5 号 p. 511-516
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    微量リンを定量するヘテロポリ青法の信頼性をますために,ヒドラジンで還元する方法を検討した結果,試料溶液中のリン酸をモリブデン酸と縮合させる段階で,酸性度を1.2~2.0Nに調節し,5分間以上沸騰水中で加熱することが必要であり,このようにしないと,ばらついた高値を得ることを知った.生じたヘテロ縮合酸をヘテロポリ青に還元する段階では,硫酸,モリブデン酸ナトリウム(2水塩)および硫酸ヒドラジンを,それぞれ,0.85~1.10N,0.225~0.275%および0.003~0.024%にしてから,沸騰水中で約10分間加熱する.これらの濃度範囲外では誤差を生ずる危険がある.青色は2時間は安定である.以上の結果に基づいて,リン1.25~30μgを定量する方法を提案した.最終容積は25mlであり,820mμの吸光度を1cm吸収セルを用いて測る。リン10~30μg および1.25μgの場合,それぞれ,2%以下および13%以下の誤差を期待できる.
    ヒドラジンを還元剤に用いるヘテロポリ青で微量のリンを吸光定量する方法を詳しく調べた.その結果,本法による定量値の信頼性を高くするには,リンをモリブドリン酸にするときに,1.2~2.0Nの硫酸酸性で温めなければならないことを知った.また,このヘテロ縮合酸を還元するときの硫酸,モリブデン酸ナトリウム,硫酸ヒドラジンなどの発色に及ぼす影響を調べて,これらの濃度範囲を,それぞれ0.85~1.10N,0.225~0.275%,0.003~0.024%とした.吸光度は,発色後2時間以内に測る.定量誤差は,820mμの吸光度を測るときは,10~30μgで2%以下,1.25μgで13%以下を期待できる.
  • 土屋 陽平
    1962 年 11 巻 5 号 p. 517-523
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    アルカリ融解後,塩酸蒸発法でケイ酸をロ別定量する.ロ液を分取し,0.01M EDTA溶液の過剰および過酸化水素水を加え,酢酸アンモニウムおよび酢酸でpHを3.0~3.5に調節する.沸点近くで10分間加熱後Cu-PANを指示薬として,熱時に0.01M銅溶液で逆滴定して鉄,アルミニウム,チタンの合量を求める.別にロ液を分取して鉄およびチタンを比色法などで定量し,先の合量から差引いてアルミニウム量を算出する.更にロ液を分取してアンモニア水で中和してアルミニウムなどの水酸化物をロ別する.そのロ液に20%水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを12.3~12.8に調節後,溶液100mlについて無水炭酸ナトリウム5gおよびエタノール10mlを加え,約1時間放置後ロ別する.沈殿を塩酸(1+20)に溶かし,適当量を分取してpH10でEDTA滴定によりカルシウムおよびマグネシウムの合量を求め,さらに適当量を分取してpH13でEDTA滴定によりカルシウム量を求め,先の合量から差引いてマグネシウム量を算出した.この方法を用いてケイ砂,長石,カオリン,ガラスなどのケイ酸塩を分析してほぼ良好な結果が得られ,所要日数は2日間であった.なお,多量の塩類の共存下でカルシウムおよびマグネシウムをヒ酸塩として沈殿させたのち塩酸に溶かし,ついで還元剤を加えて乾固してヒ素を除去後塩酸に溶かし,pHを調節してカルシウムおよびマグネシウムをEDTA滴定によって定量しほぼ良好な結果を得たが,上記の方が操作が簡単な点においてすぐれている.
  • 農薬のガスクロマトグラフィー(第5報)
    金沢 純, 佐藤 六郎
    1962 年 11 巻 5 号 p. 523-526
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    除草剤水中2,4-Dの有効成分2,4-ジクロルフェノキシ酢酸エチルエステルのガスクロマトグラフィーによる定量法を研究した.固定相液体にはアピエゾングリースL(30wt%セライト545)を用い,カラム温度223℃,ヘリウム流速65ml/minで操作し,定量分析はジメチルフタレートを用いる内部標準法によった.この方法を水和剤,粒剤の分析に応用し,製剤分析法として十分使用できる測定精度,正確さを得た.
  • 小田 仲彬, 則島 勝典, 久保 正二
    1962 年 11 巻 5 号 p. 526-533
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    金属マグネシウム中の全酸素の定量法について研究した.まず,従来の金属中酸素分析法のマグネシウムへの適用性について検討した結果,反応性の過少あるいは妨害を伴うなどの難点のために適用困難であることを認めた.次に塩素または塩化水素と炭素の組合せなどによるマグネシウムの塩化を考察し,金属マグネシウム中全酸素の定量にには試料を塩化水素で塩化し,反応生成ガスを炭素還元する方法(塩化水素-炭素還元法)が適用できるものと推定した.
    次に塩化水素-炭素還元法に必要な装置の各部につき実験的に考察し,実用に適する装置を試作し,また,えられた装置との関連においてブランク値の測定条件を明らかにした.
    次に塩化水素-炭素還元法の実用性を明らかにするために,金属マグネシウムに無機物型の酸素(各種金属酸化物)とガス型の酸素(酸素,一酸化炭素,……)のおのおのを添加し酸素の回収実験をおこなった.その結果いずれも約100%の酸素回収率を示し,本法が金属マグネシウム中の全酸素の定量法として適用できることを認めた.えられた方法の骨子は次のとおりである.すなわち,黒鉛ボート(粉末炭素1gをしく)に試料2gを入れ塩化水素気流中900℃で塩化し,白金内張した反応管部に充テンした白金-炭素層(1000℃)で反応生成ガス中の酸素化合物を一酸化炭素に還元する.のち,過剰の塩化水素を液体酸素凍結とアルカリ吸収で除去し,一酸化炭素をHI3O8で二酸化炭素にかえ,重量法により二酸化炭素を求めて全酸素を算出する.
    本法の分析精度(σ%)は酸素0.03%水準で約8%(Table IV),分析下限は0.01%,分析所要時間は約100分である.
    なお,本法による金属マグネシウム中の全酸素の分析値と湿式法による金属マグネシウム中の酸化マグネシウムの分析値の比較から,金属マグネシウム中の酸素は主として酸化マグネシウムの形態で存在するものと思われる.
  • 荒木 峻, 加藤 龍夫
    1962 年 11 巻 5 号 p. 533-543
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    大気汚染成分の全分析法を得る目的でガスクロマトグラフを用いる方法を試みた.とくに試料濃縮操作の検討を行ない,液体酸素冷却でケイソウ土耐火レンガ粉に低温吸着させる方法が汚染成分の分析に最も適当であることを確かめ,エチレンからヘキサンまでの沸点範囲の炭化水素類に対する定量的操作法を定めた.またメタン,一酸化炭素に対してはそれぞれ酸化して濃縮する方法を試み,亜硫酸ガスに対しても他成分とともにガスクロマトグラフで分析できることを示した.この方法を数種の実際試料に適用して満足な結果を得,汚染源および汚染空気に広く適用できることを認めた.
  • 沢田 敏男, 加藤 栄
    1962 年 11 巻 5 号 p. 544-549
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    チタン合金中の微量および少量のパラジウムを定量するために,1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール(PAN)を用いる抽出吸光光度法の適用をくわしく検討して分析方法を確立し,良好な結果を得た.
    試料を塩酸とクエン酸およびフッ化水素酸で分解後硝酸とホウ酸を加えて溶解する.EDTA溶液とPAN試薬を加え,pH=3.0~3.5に調節して,湯浴で加温する.冷却後クロロホルムを用いて抽出し,波長675mμで吸光度を測定してパラジウムを定量する.
    チタン合金中に含まれる範囲の諸元素は全く影響を与えない.
    この方法を用いてチタン合金中の0.001%の微量および0.01~0.50%の少量のパラジウムを標準偏差率9.5%および1.8%以下で迅速に定量することができた.
  • 吉田 仁志
    1962 年 11 巻 5 号 p. 549-554
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    テルル(IV)は塩酸溶液中でテトラエチルチウラムジスルフィドと反応して黄色の沈殿を生ずる.この沈殿は四塩化炭素に抽出されて透明な黄色溶液を与える.この事実を利用するテルル(IV)の新しい抽出吸光光度定量法を確立した.すなわち,テルル(IV)を含む塩酸溶液(3N)9mlに0.5%テトラエチルチウラムジスルフィドのアルコール溶液1mlを加え,400℃で3分間加温し,冷却後10mlの四塩化炭素を用いて抽出する.この溶液の吸光度を380~440mμ間の適当な波長で測定し,テルル量を求める.テルル(IV)量10~200γ/10mlの濃度範囲で検量線はベールの法則に従う.380mμおよび390mμにおける分子吸光係数はそれぞれ6350,4250である.銅(II),セレン(IV),水銀(II)および硝酸イオンの共存はテルルの定量に妨害となるが,15倍量のビスマス,50倍量のコバルト,100倍量のニッケル,200倍量の鉄(III),その他多くの金属イオンが共存しても妨害とならない.なお,テルル(VI)はこの条件下では本試薬と反応しない.
  • 双金属極電位差滴定法における電極について(第12報)
    上野 幸三, 太刀川 哲平
    1962 年 11 巻 5 号 p. 554-558
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    亜硝酸ナトリウムによりスルファニルアミドを1~6N塩酸酸性溶液中において7組合わせの双金属電極,白金-アンチモン,白金-ニッケル,白金-タングステン,白金-パラジウム,白金-タンタル,白金-モリブデン,白金-銀を用いて電位差滴定を行ない,おのおのの組合わせの滴定曲線および終点における電位変化を求め,さらに,塩酸の濃度のそれらにおよぼす影響につき比較検討した.白金-タングステンおよび白金-パラジウムの組合わせはピーク形滴定曲線を示し,終点において電位は急激に降下した.ほかの5組合わせはS字形を示し,終点において電位は上昇した.1N塩酸酸性溶液中においては終点の急激な電位変化は求められず,塩酸濃度が高くなるにつれて終点における電位変化の大きさ(ΔE/ΔV)は大きくなった.7組合わせを用いて,6N塩酸酸性溶液中において40~170mg/55mlのスルファニルアミドを定量することができる.
    白金-タングステンおよび白金-パラジウムの組合わせはピーク形の滴定曲線を示し,終点において急激に電位降下し,一方,ほかの5組合わせはほぼS字形の曲線を示し,終点において急激に電位上昇した.また,7組合わせのうち,白金-モリブデンが終点における電位変化の大きさは小さく,ほかの組合わせはほぼ同じ大きさであった.1N塩酸酸性溶液の場合は明確な終点が求められず,また,塩酸濃度の増加にともない終点における電位変化の大きさは大きくなった.したがって,その濃度は6Nがよい.7組合わせを用いた電位差滴定法によりスルファニルアミド40~170mg/55mlを直接定量することができる.さらに,ほかの芳香族第一級アミンたとえばアニワン,p-ニトロアニリン,α-ナフチルアミンなども本法により定量可能と考えられる.
  • 内川 浩, 猪股 吉三, 井上 亨
    1962 年 11 巻 5 号 p. 558-566
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    不均斉な粉末試料の螢光X線分析法を検討することを目的として,セメント製造用調合原料を用いて試料の調製法を検討し,粉末状分析試料の不均斉性が螢光X線分析値におよぼす影響に関して考察した.純薬調合試料は粉砕のみにより均一な分析試料を調製できるが,工場使用の調合原料では,粉砕のみでは均斉とならず,焼成操作により,原料鉱石の産地,成分,地質学的および鉱物学的性状の相違による不均斉を取除くことができ,分析元素の二次X線強度を安定した値とすることができた.
    J.Shermanの理論式と著者らの模型より,二成分系試料についての検量線を均一系および不均一系試料について導き,試料の不均斉度が螢光X線分析値におよぼす影響について考察した.不均一系試料における試料の粒径x0と試料が不均斉であるために生じる分析誤差fとの間の関係式x0=(f-1)/Fb・ρBを導いた.また,微量成分および強熱減量のみが異なり,他の成分が近似する試料についての二次X線強度の補正式を求め,このような試料の分析が一本の検量線で可能であることを示した.
  • 石原 義博, 古賀 守孝, 小室 秀夫
    1962 年 11 巻 5 号 p. 566-570
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    高純度テルル中の微量のアンチモンをローダミンB吸光光度法により定量することを検討した.多量のテルルが共存するまま直接アンチモンを比色することはむずかしいので,アンチモンを臭化物として蒸留しテルルと分離した.留出液よりアンチモンをカーバメイトークロロホルムで抽出濃縮したのち,硫酸と塩酸の混酸液性からアンチモンをイソプロピルエーテルで抽出し,ローダミンBで発色させ定量した.本法は共存他元素の影響がほとんどなく,定量下限はアンチモン0.5ppm程度である.
  • 日色 和夫
    1962 年 11 巻 5 号 p. 571-576
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    キナリザリンは従来から濃硫酸溶媒中でホウ素の光度定量用試薬として用いられていたが,水溶液中でもホウ素と反応し,光度定量に利用できることがわかった.キナリザリン水溶液はpH8.35付近において550mμ付近に吸収極大を示すが,この吸収はホウ素の共存によっていちじるしく減少するので,この退色した試料溶液を対比液として,試薬ブランクの吸光度をもとめる測定法を用いた.本報告では最適の定量条件,すなわちpH値,キナリザリン試薬濃度,緩衝溶液使用量などについて検討し,さらに呈色の安定性ならびに温度,共存イオンなどの影響について実験した.本法によって,16.0ppmまでのホウ素量の範囲内において吸光度との間に直線関係が得られ,また,透光度比法を適用すれば16.0~38.4ppmのホウ素量についても定量できることがわかった.
  • ウラン-ニオブ合金の分析
    石渡 名澄, 大西 寛
    1962 年 11 巻 5 号 p. 576-581
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    ニオブは0.1N硫酸酸性においてキシレノールオレンジと反応し,525~530mμに吸収極大を示す.530mμにおける吸光度を測定して5~60μgのニオブ(液量25ml)を簡単に定量することができる.試料の溶解にはフッ化水素酸を用いるが,このために溶液中に残存する微量のフッ素イオンの影響はアルミニウムの添加により除くことができる.トリウムおよび鉄(III)の妨害は,それぞれ硫酸ナトリウムおよびアスコルビン酸によっていんぺいできる.ウランはニオブの定量を妨害しないので,本法をウラン-ニオブ合金に適用して満足すべき結果をえた.さらにニオブ-キシレノールオレンジ呈色生成物の組成についても若干の検討を行なった.
  • 本島 健次, 橋谷 博, 勝山 和夫
    1962 年 11 巻 5 号 p. 582-583
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    金属ウラン精練工程でつくられる四フッ化ウラン中の塩素の定量については,硝酸アルミニウムを加えてフッ素をマスクし,蒸留して塩素を分離したのち,塩化銀にして比濁定量をおこなっている報告がある1)2).著者らは主として燃料再処理の過程に関連して鉄,ニッケル,およびウランなどが存在する場合の微量塩素の比濁定量法4)を参考にし,ウラニルイオンの影響を黄色フィルターを用いて除き,蒸留しないで直接塩化銀比濁法で定量したが満足できる結果を得たので報告する.
  • 益子 洋一郎
    1962 年 11 巻 5 号 p. 584-586
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 杉山 登
    1962 年 11 巻 5 号 p. 587-595
    発行日: 1962/05/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
feedback
Top