白金電極を用いて塩酸性,硫酸性,硝酸性,酒石酸性,アンモニア性,シアン性電解液およびEDTAを用いる電解液におけるパラジウム,セレン,テルル,ヒ素,鉄,マンガンおよびクロムの電解析出について検討を行なった.析出電位は0.3
N塩酸+0.14
M塩酸ヒドロキシルアミン電解液では,パラジウム+0.20V,テルル-0.10V(
vs.S.C.E.),0.4
N硫酸電解液ではパラジウム+0.45V,セレン-0.45V,テルル-0.10V(
vs.S.C.E.),0.7
N硝酸電解液ではパラジウム+0.40V,セレン-0.45V,テルル-0.10V(
vs.S.C.E.),0.4
M酒石酸ナトリウム+0.1
M酒石酸水素ナトリウム電解液ではパラジウム+0.10V,セレン-0.55V,テルル-0.40V,鉄-0.95V(
vs.S.C.E.),1.2
Nアンモニア水+0.2
M塩化アンモニウム電解液ではパラジウム-0.60V,テルル-0.55V(
vs.S.C.E.),0.3
M硝酸アンモニウム+0.14
M塩酸ヒドロキシルアミン+EDTA電解液(pH≒3)ではパラジウム-0.05V(
vs.S.C.E.),0.32
M酢酸アンモニウム+EDTA電解液(pH≒5)ではパラジウム-0.40V,セレン-0.35V(
vs.S.C.E.),1.5
Nアンモニア水+0.2
M塩化アンモニウム+EDTA電解液(pH≒10)ではパラジウム-0.60V,テルル-0.55V,ヒ素-1.10V(
vs.S.C.E.)であった.これらのうち,0.3
N塩酸+0.14
M塩酸ヒドロキシルアミン電解液,0.4
N硫酸電解液,0.7
N硝酸電解液および1.2
Nアンモニア水+0.2
M塩化アンモニウム電解液におけるパラジウム,テルルならびに0.3
M硝酸アンモニウム+0.14
M塩酸ヒドロキシルアミン+EDTA電解液(pH≒3),0.32
M酢酸アンモニウム+EDTA電解液(pH≒5)および1.5
Nアンモニア水+0.2
M塩化アンモニウム+EDTA電解液(pH≒10)におけるパラジウムの定電位電解定量が可能であった.
なお,本報には既報の各種電解液における各種金属の析出電位の一覧表を記載した.
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