分析化学
Print ISSN : 0525-1931
12 巻, 10 号
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  • 定電位電解分析法の研究(第16報)
    田中 正雄
    1963 年 12 巻 10 号 p. 897-903
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    白金電極を用いて塩酸性,硫酸性,硝酸性,酒石酸性,アンモニア性,シアン性電解液およびEDTAを用いる電解液におけるパラジウム,セレン,テルル,ヒ素,鉄,マンガンおよびクロムの電解析出について検討を行なった.析出電位は0.3N塩酸+0.14M塩酸ヒドロキシルアミン電解液では,パラジウム+0.20V,テルル-0.10V(vs.S.C.E.),0.4N硫酸電解液ではパラジウム+0.45V,セレン-0.45V,テルル-0.10V(vs.S.C.E.),0.7N硝酸電解液ではパラジウム+0.40V,セレン-0.45V,テルル-0.10V(vs.S.C.E.),0.4M酒石酸ナトリウム+0.1M酒石酸水素ナトリウム電解液ではパラジウム+0.10V,セレン-0.55V,テルル-0.40V,鉄-0.95V(vs.S.C.E.),1.2Nアンモニア水+0.2M塩化アンモニウム電解液ではパラジウム-0.60V,テルル-0.55V(vs.S.C.E.),0.3M硝酸アンモニウム+0.14M塩酸ヒドロキシルアミン+EDTA電解液(pH≒3)ではパラジウム-0.05V(vs.S.C.E.),0.32M酢酸アンモニウム+EDTA電解液(pH≒5)ではパラジウム-0.40V,セレン-0.35V(vs.S.C.E.),1.5Nアンモニア水+0.2M塩化アンモニウム+EDTA電解液(pH≒10)ではパラジウム-0.60V,テルル-0.55V,ヒ素-1.10V(vs.S.C.E.)であった.これらのうち,0.3N塩酸+0.14M塩酸ヒドロキシルアミン電解液,0.4N硫酸電解液,0.7N硝酸電解液および1.2Nアンモニア水+0.2M塩化アンモニウム電解液におけるパラジウム,テルルならびに0.3M硝酸アンモニウム+0.14M塩酸ヒドロキシルアミン+EDTA電解液(pH≒3),0.32M酢酸アンモニウム+EDTA電解液(pH≒5)および1.5Nアンモニア水+0.2M塩化アンモニウム+EDTA電解液(pH≒10)におけるパラジウムの定電位電解定量が可能であった.
    なお,本報には既報の各種電解液における各種金属の析出電位の一覧表を記載した.
  • ο-(2-チアゾリルアゾ)フェノール誘導体の分析化学的研究(V)
    川瀬 晃
    1963 年 12 巻 10 号 p. 904-910
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    標記化合物は過ヨウ素酸カリウムなどの酸化剤の共存のもとでコバルトと反応して緑色のキレート化合物を生成する.このキレート化合物は水にかなり溶解するが,クロロホルムにはよく抽出される.
    クロロホルム溶液は,600~700mμ,および400mμ付近に極大吸収を有し,長波長側の波長におけるモル吸光係数は1.5~2.5×104程度である.コバルト(II)キレートより感度は劣るが,極大吸収波長の移動が大きく,他の金属イオンによる妨害が少ない.
    NT系の試薬ではコバルト(III)として定量したほうがよい.
  • 鈴木 俊雄, 外林 武
    1963 年 12 巻 10 号 p. 910-913
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    N-ドデセニルトリアルキルメチルアミン(AmberliteLA-1)の10%キシレン溶液を用いて臭化水素酸溶液からの鉄(II,III),コバルト,ニッケル,亜鉛,鉛,スズ(IV),カドミウム,ビスマス,ガリウムおよびインジウムの抽出について研究した.これら金属イオンのうち鉄(III),コバルト,ニッケル,亜鉛およびスズ(IV)の抽出性は塩酸系と類似性を示すが,鉄(II)は塩酸系よりも抽出率が全体的に低く,逆に鉛とカドミウムは抽出率がはるかに高く,特にカドミウムは塩酸系に比べて非常に低い酸濃度まで抽出が完全である.ガリウムは塩酸系より高い酸濃度で抽出が始まり,低い酸濃度(<2.5N)ではほとんど抽出されない.一方,インジウムは塩酸系と異なり,比較的低い酸濃度からも高い抽出率を示し,高い酸濃度でも抽出率は減少しない.この抽出性の差を利用してガリウムとインジウムの相互分離を試みたところ,非常に良好な結果を得た.
  • 田中 孝, 日色 和夫
    1963 年 12 巻 10 号 p. 914-918
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ヒ素と呈色反応を示す吸光光度用有機試薬を見いだす目的で種々検討したところ,シュウ酸の存在のもとでルチンがヒ素と反応して黄色を呈し,450mμに吸収の極大を示すことがわかった.定量操作法はつぎのとおりである.すなわち,ヒ素試料溶液に0.1%ルチン試薬溶液0.5ml,10%シュウ酸溶液1.0mlおよび水1.0mlを加えてよく混合し,70±5℃の恒温そう上で蒸発乾固し,さらに90±5℃の空気浴中で15分間乾燥したのち,その乾固物を10.0mlのエタノールに溶解して得られた呈色溶液の吸収を450mμで測定する.本方法によって0.0~1.0ppmのヒ素量と吸光度との間に直線関係が得られた.本方法の分子吸光係数は450mμにおいて26,000,誤差平均値は4.3%であった.本報告では定量の際の基礎条件として,各種試薬類の添加量,乾燥条件,溶媒の種類および共存イオンの影響などについて検討した.
  • 日色 和夫, 田中 孝, 渡辺 倭文子
    1963 年 12 巻 10 号 p. 918-922
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ヒ素と反応して呈色し,微量ヒ素の吸光光度定量に用いられる試薬としてモーリンが有用であることがわかった.定量操作法は,ヒ素試料溶液に0.4%モーリン試薬溶液0.3ml,15%シュウ酸溶液1.0ml,水0.6mlを加えてエタノールで全量3.0mlとする.これを70~90℃の浴上で25分間加熱乾燥し,得られた乾固物を10.0mlのエタノールに溶解して440mμでその呈色溶液の吸光度を測定する.本操作法によって1.2ppmまでのヒ素量についてヒ素量と吸光度との間に直線関係が得られ,440mμにおける分子吸光係数は23,000であった.共存塩類の影響,乾固物溶解の溶媒や乾燥容器の種類の影響などについても実験を行なった.
  • 古矢 元佑
    1963 年 12 巻 10 号 p. 923-928
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    金属中のガスの定量に応用する目的で水素,一酸化炭素,窒素の混合ガスの定量分光分析を試みた.すなわち,窒素でうすめた試料ガスを銀電極間でホイスナー式スパーク発生装置を用いて放電させ,その可視部におけるスペクトルを撮影し,スペクトル線黒度をマイクロホトメーターで測定し,線対強度比I/IN5942,IC4267/IN4242を求め,あらかじめ同様な操作で得た検量線(log強度比-logガス濃度vol%)から水素,一酸化炭素の濃度を求めた。そのときの発光条件,写真測光条件などの検討,窒素線を内標準としたときの線対の選定,合成試料ガスの分析結果,ガス元素間の反応についての考察などから本方法は水素,一酸化炭素の定量に応用しうることがわかった.水素(0.2~10vol%)を1~20%の誤差で,一酸化炭素(水素の量の1/5以上のときで,0.1~10vol%)を1~50%の誤差で定量しえた.分析所要時間は10試料で約26時間であった.
  • 中 薫, 松前 鼎一, 田中 保夫
    1963 年 12 巻 10 号 p. 928-933
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    窯業原料としての各種のケイ酸塩鉱物中のアルミニウム,鉄,マンガン,チタン,カルシウム,マグネシウムを発光分光分析法により同時定量する方法を検討した.
    試料をフッ化水素酸と硝酸で処理後塩酸溶液とし,回転円板電極スパーク発光法で発光した.試料溶液の組成の変動の影響が少なく再現性のよい分析線対はAl2660.4,Al3092.7/Ga2943.6,Fe2599.4,Mn2593.7/Cr 2677.2,Ti3088.0,Ti3349.0,Ca3179.3,Mg2790.8/Be3130.4である.測定濃度範囲は試料0.2gを処理し10mlとした場合,酸化アルミニウム75~0.4%,酸化鉄,酸化チタン,酸化カルシウム,酸化マグネシウム2~0.05%,酸化マンガン0.5~0.01%である.
    定量値のわかった数種のケイ酸塩の分析の結果,窯業原料としてのケイ酸塩の分析値として満足できる結果である.分析所要時間は試料溶液調製後約3時間である.
  • 西村 耕一, 色川 宏
    1963 年 12 巻 10 号 p. 933-937
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    酸化タンタル中の不純物の定量にあたり一番問題になることは,試料の溶解である.本研究はまず酸化タンタルをフッ化水素酸溶液とする分解方法を確立し,つぎに不純物からタンタルを溶媒抽出分離する条件を検討した.得られた結果を要約すると,つぎのとおりである.
    (1)分解方法はフッ化水素アンモニウム-硫酸法とフッ化水素アンモニウム-硝酸法を考案した.
    (2)(1)の分解液からタンタルを抽出分離する研究を行ない,最適条件を定めた.MIBK-TBP(1:1)によるタンタル抽出率は,分解後添加した酸が0.2Nフッ化水素酸-6N硫酸のときは99%,0.2Nフッ化水素酸-3N硝酸では85%である.
    (3)(2)の抽出の最適条件において不純物(チタン,マンガン,スズ,アルミニウム)の分配係数は10-3~10-4程度である.
  • 大久保 悌二
    1963 年 12 巻 10 号 p. 937-941
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    メチルバィオレットを試薬として用い,過レニウム酸を有機溶媒に抽出するレニウムの吸光光度定量法について検討した.過レニウム酸は,pH 3~7の広い水素イオン濃度範囲で試薬と1:1の化合物をつくり,芳香族炭化水素に抽出される.抽出された化合物は,可視部では610mμと543mμに吸収極大があり,前者の吸収のほうが大きいので,分析にはこれを利用する.抽出溶媒はベンゼンが最もよく,トルエンがこれにつぐ.ベンゼンを用いれば抽出率がよいだけでなく,モル吸光係数も大きく,9.4×104を示すので,感度のよい定量ができる.分析に用いるためには,過剰の試薬が必要であるが,試薬が大過剰でも抽出は完全にはならない.微量の過塩素酸,フタル酸および四酸化オスミウム,数mg程度の硝酸,塩素酸,ヨウ素,チオシアンイオンなどが存在すると試薬と反応して抽出され,有機層を着色するので妨害となる.ほとんどの金属陽イオン,多価陰イオン,酢酸および塩素イオンは妨害しない.モリブデンおよびタングステンも4mg程度存在してもその影響は1%以下であり,モリブデンあるいはタングステンが200倍程度の存在のもとでも1~20μgのレニウムが定量できる.
  • 吉村 実, 出来 三男
    1963 年 12 巻 10 号 p. 941-945
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    熱伝導度検出器によるガスクロマトグラフィーをナルコチン,パパベリンの熱分解生成物に応用し,両者の鑑別を検討した.両者の熱分解生成物は220℃より生成し350℃まで変動しなかった.分解生成物は低沸点のメチルアミン類とベラトロール,ホモベラトロールなど高沸点物質からなることを知った.
    ポリエチレングリコール6,000を10%含浸させたダイアソリッドL(80~100メッシュ)をカラム充てん剤とし,カラム温度を低沸点生成物では65℃,高沸点生成物では200℃にしてガスクロマトグラフィーを行ない,ナルコチンおよびパパベリンの熱分解生成物の組成を知り両者を鑑別した.
  • 金子 啓二, 後関 璋一
    1963 年 12 巻 10 号 p. 946-951
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    酸化物-直流アーク法を用いてベリリウム銅合金に添加したイットリウムまたはランタンを定量する方法を研究した.標準試料は銅,ベリリウム,コバルト,イットリウムおよびランタンの各硝酸溶液を試料と同じ組成割合に混合し,蒸発乾固させたのち,電気炉中で酸化物に焼いて調製した.合金試料も同様に硝酸溶解-電気炉加熱の操作を経て酸化物とし,直流200V,12ampで励起させた.内標準元素はイットリウム定量のときはランタン,ランタン定量時にはイットリウムをそれぞれ用いた.この方法の定量範囲はイットリウムでは0.01~1.0%,ランタンでは0.07~1.0%で,変動係数はそれぞれ7.2,7.8%であった.
  • 内海 喩, 奥谷 忠雄, 田村 善蔵, 岩崎 岩次
    1963 年 12 巻 10 号 p. 951-957
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    臭素イオン,ヨウ素イオンを次亜塩素酸ナトリウムでそれぞれ臭素酸イオン,ヨウ素酸イオンに酸化してから,ヨウ素滴定法でそれぞれを定量する方法の基礎的条件を検討した.ヨウ素イオンはpH1~9,臭素イオンはpH7~8.3で定量的にヨウ素酸イオン,臭素酸イオンに酸化されるが,pH2以下では臭素酸イオンに酸化されないので分別定量ができる.過剰の次亜塩素酸ナトリウムはギ酸ナトリウムによってpH7以下で分解されるが,ヨウ素酸イオンはpH2.6,臭素酸イオンはpH3以下で一部還元されるので,次亜塩素酸ナトリウムの分解をpH3~7で行なう.
    空実験値は次亜塩素酸ナトリウムの未分解が原因と考えられる.試薬量とその添加順序,モリブデン酸アンモニウム添加の必要性についても検討した.天然水中に含まれる程度の共存物質は妨害しないことを確かめた.とくに塩化ナトリウムは3g共存しても妨害しない.この方法で5mg以下のヨウ素イオン,3mg以下の臭素イオンが正確に定量できる.
  • 松岡 徹, 山田 昭三
    1963 年 12 巻 10 号 p. 958-959
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 大西 一義
    1963 年 12 巻 10 号 p. 959-961
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 田中 正雄, 白川 彰一
    1963 年 12 巻 10 号 p. 961-963
    発行日: 1963年
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    従来のセレン中のヒ素の定量方法では,セレンとヒ素の分離操作に難点があり,操作が繁雑で,ヒ素が微量の場合には多量の試料を必要とし,結果が不正確になりがちであった.微量のヒ素の定量には,ヒ素をヒ酸塩とし酸性でモリブデン酸アンモニウムを加え,還元してモリブデン青としこれを測定する方法が広く用いられており,また,ヒ素のヘテロポリ酸を有機溶媒に抽出する方法,抽出後塩化第一スズなどで還元し,生じたモリブデン青を測定する方法なども行なわれているが,前者の方法ではセレンが共存するとヒ素の定量は行なえず,後者の抽出法でも多量のセレンが存在するとヒ素の抽出率がわるく,また,セレンがヒ素とともに抽出されてきてヒ素の定量を妨害する.
    著者らはこのヘテロポリ酸抽出法をセレン中のヒ素の定量に適用して直接抽出する方法を検討し,多量の亜セレン酸の共存のままでヒ素が完全に抽出される条件を求め,さらに簡単な洗浄によってセレンを水溶液層に移すことによってヒ素をセレンから完全に分離し,有機溶媒層に残ったヒ素のヘテロポリ酸を塩化第一スズ溶液により還元してモリブデン青を発色させ,これを測定する方法によってセレン中の数ppmのヒ素を迅速に定量することができたので報告する.本法によれば,まえもって種々の方法によりセレンを分離する必要がなく,試料溶液から直接ヒ素を抽出し,洗浄,還元と簡単な操作によって容易,迅速に定量を行なうことができる.本法の定量下限は0.0001%,所要時間は1~2時間である.
  • 室井 要, 小川 邦彦, 石井 八重子
    1963 年 12 巻 10 号 p. 963-965
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 中村 周, 平田 正
    1963 年 12 巻 10 号 p. 965-967
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 品川 睦明, 柳 忠
    1963 年 12 巻 10 号 p. 968-978
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    一般に融解塩は電気的にはよいFaraday-typeの導体であり,これらを取扱う場合には単に温度が高いというだけでなく,一方では非常に濃厚な電解質とも見なされている.また融解塩は水溶媒をはじめ,ほかの極性分子を溶媒とする場合と比べると,後者の場合の理論的取扱いが複雑であるのに対し,前者では系を比較的単純化して取扱うことができる便利さがある.というのも,融解塩では水やそのほかの極性溶媒が混っていなくて似たようなイオンが集まっているからである.しかしその反面,前者ではイオンが互に近い距離に接近しあっているということに基づく複雑性は免れない.このようなことから融解塩系が一般にかなりの高温下にあるにもかかわらず,錯イオンあるいはイオン対の生成などが当然考えられるわけである.
  • とくにSeveringhausのPO2およびPCO2電極について
    笹本 浩, 高木 康
    1963 年 12 巻 10 号 p. 979-984
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 滝山 一善, 蟇目 清一郎, Louis Gordon
    1963 年 12 巻 10 号 p. 985-990
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    金属キレート化合物に対する均一溶液からの沈殿(precipitation from homogeneous solution-以下PFHSと略記)が盛んになってきたのは近年のことである.PFHS法による金属キレート沈殿の生成方法は2種類に大別される.一つは反応溶液のpHを変化させて沈殿を徐々に生成させるもので,ニッケルジメチルグリオキシメートやアルミニウム8-ヒドロキシキノレートなどが酸性溶液から尿素の加水分解によってpHを徐々に上昇させると沈殿する場合などである.今一つはごく最近始められたもので,キレート試薬を反応溶液中で徐々に生成させる方法であって,アルミニウム8-ヒドロキシキノレートをpH5.0で8-アセトキシキノリンを母体試薬として生成する場合などである.ここでは後者の方法を中心として均一溶液から生成される金属キレート沈殿について述べる.
  • 猿橋 勝子
    1963 年 12 巻 10 号 p. 1001
    発行日: 1963年
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    アメリカの化学実験室で,ごく普通に用いられていて,しかも,わたしたちの研究室にあったら便利だと思うようなものを少し紹介したい.
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