分析化学
Print ISSN : 0525-1931
12 巻, 5 号
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  • 一柳 昭成, 沢田 敏男
    1963 年 12 巻 5 号 p. 429-435
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    多量の銅が某存した試料溶液中の水銀を分離することなく,ジチゾン抽出して定量する方法を検討した.水銀と銅のジチゾン塩の抽出定数には大差があり,銅が多量共存していても水銀のジチゾン塩の抽出には影響がない.この性質を利用し,希薄なジチゾン溶液で抽出し,過剰のジチゾンを銅イオンと反応させる定量法を確立した.
    硫酸溶液(1N)中に銅イオン100mgを加え,ジチゾン-クロロホルム溶液(5ppm)10mlで抽出すれば,水銀約20μgまでの検量線は直線となる.銅量は35mg以上共存させる必要があるが,500mg以上になると検量線の直線部分は短縮される.
    銅-水銀合金(Hg:0.02%)の試料に応用し,標準偏差率5%以下の結果を得た.
  • 小山 克己, 田口 豊, 江口 鎮子
    1963 年 12 巻 5 号 p. 435-438
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ガソリン中の四エチル鉛の定量を,従来の化学分析法で行なう場合は,長時間を要するため,迅速,かつ簡易に定量する方法として,四エチル鉛を臭素で分解し,硝酸(0.1N)で抽出後,EDTAで滴定する方法について検討した.
    分液ロートに試料をとり,2分間臭素の色が持続してから消える程度に臭素30%の四塩化炭素溶液を加え,0.1Nの硝酸25mlで2回抽出し,抽出液を加熱して過剰の臭素を追い出し,酒石酸,シアン化カリウム溶液および標準マグネシウム溶液を加え,エリオクロムブラックTを指示薬として,pH10にて,EDTA滴定する.本法では,1試料1回の分析所要時間は約40分で,0.01~1.19ml/lの範囲の試料について,ASTMD-526-61あるいはJISK-2260(1959)法とよく一致した.
  • 伊藤 三夫, 武者 宗一郎
    1963 年 12 巻 5 号 p. 439-442
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    二酸化炭素不含の空気を通じたpH緩衝液中におけるタングステン電極は,復極性のよい電流-電圧曲線をしめし,その混合電位は単位pHあたり約40mVずつ負に移行する.したがって,弱酸を水酸化バリウム標準液で電流滴定するにあたって,まず当量点におけるpHに加電圧を調整し,指示電流がゼロになるまで標準液を滴加すれば求める終点が得られる.酢酸,安息香酸,ギ酸,フタル酸水素カリウム,ο-ニトロフェノール,マレイン酸,シュウ酸,リンゴ酸,サリチル酸,コハク酸などの0.1N,0.01N弱酸を滴定したが,いずれも0.9%以内の変動係数でガラス電極を用いたpH滴定よりも良好な結果を得た.特にマレイン酸は第一当量点からも終点を決定することができた.酸化剤は本滴定を妨害する.
  • 秋定 辰夫
    1963 年 12 巻 5 号 p. 443-446
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    ニトログリコール,ニトログリセリンは加水分解によって,亜硝酸,硝酸両イオンを遊離する.これらニトロ化合物の定量のために加水分解生成物を検討して,亜硝酸イオンを定量するほうが有利であることがわかった.加水分解条件を選択し,アルカリ濃度によっては大差ないこと,加熱は高温が望ましく沸とう水浴中で加熱することがよいことなどがわかった.また,ミゼット・インピンジャーで空気中のニトログリコール,ニトログリセリンを吸収する場合の収率を求めた.
  • 加藤 力太郎, 菊池 康夫, 上田 進一
    1963 年 12 巻 5 号 p. 446-450
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    酸化エチレンとn-ブタノールからエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを合成する際の反応液の分析をガスクロマトグラフィーにより行なった.カラム分配液は反応液中の低沸点成分にDC-703シリコン油:テトラエチレングリコールジメチルエーテル(18:1重量比)の混合液を,高沸点成分にDC-703シリコン油を使用した.
    反応生成物はエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル以外にジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル,トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルならびに原料不純分より生成するグリコール類などであった.
    水素をキャリヤーガスとした場合のエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルを基準とした二,三の成分の面積補正係数を最小自乗法で求めた.また,4種の分配液でグリコールエーテル類の相対保持値を算出した.配合液による分析精度は±1.0%以内である.
  • 荒木 峻, 加藤 龍夫, 跡部 輝彦
    1963 年 12 巻 5 号 p. 450-457
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    反応性物質のガスクロマトグラフィーを確立する目的で,全ガラス製の装置を試作し,四フッ化エチレン粉末を担体とし,三フッ化塩化エチレン油を固定相液体とした分離管の性能を検討した.窒素酸化物,ハロゲン,ハロゲン化水素などの一般的な反応性ガスについて実験し,これらのクロマトグラムを得ることができた.最も適当な操作条件として,分離管充てん剤はダイフロイルNo.3,50重量/ポリフロン粉末30~60メッシュ,100重量,分離管内径6mm,長さ6m,常温使用を定め,広範囲の試料に対して十分実用に耐えうることを確かめた.
  • 赤岩 英夫
    1963 年 12 巻 5 号 p. 457-460
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    TTAを用いて微量の銅を抽出比色する方法について研究を行なった.Cu-TTAキレートはベンゼン層に抽出された場合緑色を示すのでこれの吸収曲線を求め,430mμで比色することができた.妨害イオンとして鉄(III),アルミニウム,マンガン,亜鉛,鉛を取り上げ,それらの妨害の度合をしらべたのち,しゃへい剤としてフッ化ナトリウム溶液を用いることによって,これらの妨害を大部分除くことができた.抽出時のpHについて検討した結果,鉄(III)の妨害を少なくすることを考慮すると4.0が最適であった.0.01M TTAベンゼン溶液を用いた場合の定量範囲はベンゼン層中の銅として5~80ppmであった.
  • 農薬分析法の研究(第1報)
    小田 仲彬, 則島 勝典, 内島 宏和
    1963 年 12 巻 5 号 p. 461-466
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    工業製品であるベンゼンヘキサクロライドにはすでに確認されている6種の異性体が共存していることは周知のとおりである.これら異性体のガスクロマトグラフ法による分離および同定の条件を検討し,さらにB.H.C.の大部分を占めるα-,β-,γ-およびδ-異性体のガスクロマトグラフィーによる同時定量法を確立した.
    すなわち.試料に内標準物質として,テトラクロル-p-キノンを添加し,固定相液体にThermol-2(島津製)を用い,分離管温度:215℃,キャリヤーガス:H2,45ml/minの操作条件でクロマトグラムを求め,切抜法で各ピークの重量を測定し,あらかじめ作製した検量線から各異性体の含有率を求める方法である.
    本法をポーラログラフ法や赤外線法と比較すると,分析の精度や正確度は同等もしくは本法が良好であるうえに,操作簡易,所要時間が短いなどの利点がある.従って,従来のポーラログラフ法や赤外線法と同等以上に工業的実用に適する方法である.
  • 舟阪 渡, 小島 次雄, 藤村 一美, 南 尚宏
    1963 年 12 巻 5 号 p. 466-469
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    酸性の濃厚な塩化ナトリウム水溶液中において,ナフトールモノスルホン酸が弱酸性陽イオン交換樹脂であるAmberlite CG-50に吸着される現象を見いだし,これを利用してα-ナフトールのスルホン化の際に生成する,α-ナフトール-2-スルホン酸および4-スルホン酸を相互に分離する方法について検討した.
    塩化ナトリウムの濃度およびpHを適当に選ぶと,両異姓体の吸着性に相当の差を生じるので,200~400メッシュの樹脂をつめたφ11mm×240mmのカラムを用い,pH2.8の5N塩化ナトリウム溶液で展開を行なって両者をクロマトグラフ的に分離し,吸光光度法により定量を行なって良好な結果が得られた.
    本法は塩析クロマトグラフィーの一種であり,芳香族スルホン酸異性体の分離に有効であることがわかった.
  • グルコサミンおよびその誘導体の金属錯塩の研究(第1報)
    田村 善蔵, 宮崎 元一
    1963 年 12 巻 5 号 p. 470-475
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    D-グルコサミン塩酸塩,N-methyl-D-glucosamine塩酸塩,N-acetyl-D-glucasamine,tetra-O-acetyl-D-glucosamine塩酸塩およびpentaacetyl-D-glucosamineについてフェーリング試薬を用いる定量法を研究した.
    D-グルコサミン塩酸塩について定量条件を検討し,定量操作を定めた.試料とフェーリング試薬の反応により生成した酸化第一銅を硝酸に溶かし,ムレキシドを指示薬としてEDTA滴定でCu2+を定量し,試料量と銅量とについて検量線を作成した.D-グルコサミン塩酸塩は1~10mgの範囲で直線関係が認められ,ほかの4種の化合物についても検量線が得られた.D-グルコサミン塩酸塩定量のさいの金属イオン共存の影響をCu2+,Ni2+,Co2+,Pb2+について調べた.さらにこれらの5種の化合物のフェーリング試薬にたいする還元力を比べた結果,還元力の大きさは,N-methyl-D-glucosamine≧D-グルコサミン>tetra-O-acetyl-D-glucosamim>N-acetyl-D-glucosamine≧pentaacetyl-D-glucosamineの順であった.
  • 杉本 正勝
    1963 年 12 巻 5 号 p. 475-483
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    前報で明らかにした地の成分とケイ光X線強度の関係式を用い,現場分析に利用しやすい線型結合の補正式WI=kI(IIaIJIJ)を導いた.
    本補正式は,種々の近似をとっているが,なお一般性を失なっていないものであることを検討し,広い範囲のステンレス鋼を同一の補正係数で精度よく分析できることを示した.
    本補正で得られた精度は,クロム1.43~34.24%について0.13%,ニッケル7.99~21.86%について0.075%,モリブデン0.03~4.54%で0.028%の標準偏差であった.
  • 鉄鋼中のヒ素の分離定量
    中谷 省三
    1963 年 12 巻 5 号 p. 483-486
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    鉄鋼中の比較的微量ヒ素の分離定量に,ヒ素-チオナレートのエーテルによる抽出分離を試みた.すなわち,試料を4±0.5N硫酸酸性にして三塩化チタンで鉄(III)を還元したのちヨウ化カリウムでヒ素(V)を還元し,遊離するヨウ素をエーテルで抽出除去し,ヒ素をチオナレートとしてエーテルで抽出分離し,ヘテロポリ青法で比色定量した.
    mg量のマンガン,アルミニウム,亜鉛,アンチモン,ビスマス,コバルト,水銀,銀,鉛などは妨害せず,また,銅などのこの条件でヨウ化物沈殿を生ずる金属は,遊離ヨウ素をエーテルで抽出除去するとき同時に除去され,50mlエーテル抽出1回で7mgの銅が妨害にならなかった.スズのmg量は低値を与える.
    この方法で約1gの鉄中から10~15μgのヒ素を1~2%の誤差で分離定量できる.
  • 吉川 要三郎, 久下 芳生
    1963 年 12 巻 5 号 p. 487
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 杉本 正勝
    1963 年 12 巻 5 号 p. 488-489
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 小野江 敏浩
    1963 年 12 巻 5 号 p. 490-498
    発行日: 1963/05/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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