分析化学
Print ISSN : 0525-1931
17 巻, 13 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 今井 日出夫, 山下 和男
    1968 年 17 巻 13 号 p. 1R-22R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    本進歩総説は主として1966~67年にわたる電解法,クーロメトリー,電位差および電導度滴定法に関する最近の進歩を概説したものである.これら電気化学的分析法はポーラログラフィーを含むvoltammetryの進歩と相関連する面が多く,両者に相関連した報告が少なくない.また単に分析法にとどまることなく,電極反応機構など物理化学的領域に関するものが多いことが指摘される.ごく一般的にいって最近の傾向はラジカルなど不安定化学種の分析,非水溶媒,融解塩など特殊な媒体中の分析に興味がもたれ,一方有機物,希土類元素,核物質などへの関心はますます広まっている.装置面ではディジタル化,自動化がますます進んでいる.
  • 竹中 亨, 梅村 純三
    1968 年 17 巻 13 号 p. 22R-33R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    前回に引き続き,1966年と1967年に発表された文献をまとめて,この分野における進歩の跡をふりかえってみる.この期間に発表された赤外やラマンスペクトルに関する文献の数は非常に多く,それらを適当に取捨選択して,最近の傾向を正しく紹介することは至難のわざである.ここでは分析化学に関係のある論文を主体とするとの立場に立ち,基準振動解析,振動の非調和性,格子振動など振動スペクトルの基礎理論に関係したものは,著書を除いてほとんど省略することとした.これらについては他の総説を参照していただきたい.また紙数や文献数のつごうで,最近盛んに行なわれている物性論的研究や分子の吸着状態に関する研究などへの応用についても個々の文献を紹介することができなかった.後者に関してはあとに述べるような総合的な著書が出ているので参照していただきたい。
  • 重松 恒信, 太幡 利一
    1968 年 17 巻 13 号 p. 33R-42R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    前進歩総説以後,すなわち主として1965年から1967年末までにあらわれたけい光,りん光分析に関する報告によって,無機けい光分析の現状を述べてみたい.
    この間に,けい光分析に関する著書, シンポジウムの講演集,けい光に関係するいっさいの文献集などの出版があり,またけい光分析法の進歩と普及に関連して総説も多数書かれ,無機分析に重点をおいたものも少なくない.
  • 岡本 潤一
    1968 年 17 巻 13 号 p. 42R-50R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 山辺 武郎
    1968 年 17 巻 13 号 p. 50R-56R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    1966年のイオン交換クロマトグラフ分析の進歩総説に引き続き,本総説では1966年から1967年までの,主として粒状イオン交換体による無機および有機物質の分離法とそれに付随するイオン交換の基礎的研究について概説する.
  • 永井 英夫, 大倉 洋甫
    1968 年 17 巻 13 号 p. 57R-68R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    前回の進歩総説に引き続き, 1966,1967年に発表された研究のなかから,特長のあるものを紹介して,この分野の進歩を展望してみたい.
  • 福田 十三雄, 中村 亨
    1968 年 17 巻 13 号 p. 68R-78R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    1966年の進歩総説に引き続き,本総説では1966, 1967年のおもな文献を基にしてガスクロマトグラフィーの進歩について概説する.この間,ガスクロマトグラフィーの理論,装置および応用に関する報文は1966年に1985以上,1967年に1850以上報告され,ガスクロマトグラフイーの専門技術者は全分析化学者の15.9%,.装置の需要は年間約10,000台に達した.
  • 山本 勇麓, 熊丸 尚宏, 林 康久, 樽本 庸彦
    1968 年 17 巻 13 号 p. 78R-93R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    前回に引き続き,1966~1967年にわたる溶媒抽出法の進歩を概説する.この2か年における研究論文数は飛躍的に増大している.これは分離分析の実用的手段としての溶媒抽出法の有用性が拡張されたばかりでなく,水溶液および水と混ざり合わない非水溶媒中における化学反応の物理化学的研究,すなわち平衡論,速度論,溶質の構造,溶質と溶媒との相互作用などを究明する手段として溶媒抽出法がきわめて有力な方法となりつつあることを物語るものであろう.抽出系の分類については前回の区分をそのまま踏襲した.各抽出系の元素別各論を概観すれば分析法としての基礎的検討はほとんど完成された感があり,金属および非金属の諸材料,特に半導体,炉材料,核燃料,さらに生物学的試料への応用が多くみられる.また,比色法を併用して直接に抽出分離分析するものは従来どおり圧倒的多数を占めているが,発光,フレーム,ポーラログラブィーなどの諸方法へ応用する試みも多数報告され,特に原子吸光法に抽出液を直接供試する応用例が目だって増加してきたこともこの年間の一つの特色といえよう.元素別では従来比較的困難であったアルカリおよびアルカリ土類金属イオンの抽出についてかなり報告されるようになってきた.基礎的事項としてはこの数年間の大きな話題であった協同効果についてはその機構や抽出種の組成,付加物の構造などがほぼ解明されたと考えてよく,分後はその実用的応用が活発になるものと予想される.さらに前回では数例しかみられなかった速度論的研究が急激に増加しはじめたことも一つの特徴である.
    なお,記述を簡単にするために試薬類に次のような略号を用いる. acac: アセチルアセトン, BPH: N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン, DBP: リン酸ジブチル, DEDTC: ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム, DOA: ジオクチルアミン, DOP: リン酸ジオクチル, HDEHP: リン酸ビス(2-エチルヘキシル),HFA: ヘキサフルオルアセチルアセトン, HMPA :ヘキサメチルホスホリルアミド,MIBK:メチルイソブチルケトン, PAN: 1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール, PAR: 4 (2-ピリジルアゾ)-レゾルシン, phen :1, 10-フェナントロリン, TBP: リン酸トリーブチル,TBPO: トリ-n-ブチルポスフィンオキシド, TFA: トリフルオルアセチルアセトン, TOA: トリオクチルアミン, TOPO: トリオクチルホスフィンオキシド.
  • 仁木 栄次, 半井 達明
    1968 年 17 巻 13 号 p. 93R-98R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    1965年の進歩総説に引き続いて,1965年から1967年までの間の文献を採用した.
    化学工業,金属工業などにおけるプロセス自動制御の技術が進むにつれて,製造反応過程や品質管理のために連続自動分析の技術が重要になってきた.
    そのほか公害や安全の立場から有害物質や爆発性物質の管理のため,連続の迅速分析技術がまた必要とされている.またこれとやや異なるが,生化学や臨床医学方面において,多数生体試料の分析管理のため,自動分析の利用とその発表が非常に多い.
    これらの発表において完全な連続でないか,自動分析法で連続自動にもなりうるものも多いので,ここにはすべて自動分析法を含めている.
    分類は通常の分析法と同様の手法によった.
  • 福田 穣
    1968 年 17 巻 13 号 p. 99R-106R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    本編は前回の総説に続くものとして1964~1966年の論文を収録した.
  • 坂口 武一, 田辺 信三, 福元 守
    1968 年 17 巻 13 号 p. 106R-114R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    この3年間における非水溶媒の研究は,中程度の誘電率の溶媒からベンゼンのような低誘電率溶媒,および混合溶媒でも水の加わったものでの酸塩基平衡,溶媒と酸塩基との相互作用による水素結合,分子内水素結合,および会合などの強さや,変化が実験によってますますはっきりと測定された.特に注目すべきことは,機器の応用分野が発展し,いままで測りえなかった溶媒中での挙動が,NMR,赤外測定などによって知ることが可能になってきた.
    また,溶媒中での物質の置換基の位置や種類による酸塩基の強さの関係が盛んに測定されている.
    測定方法としては,電導度,温度,電位差,指示薬法による滴定が盛んで,特に電位差滴定は近年でもあいかわらず優勢を保っている.
    非水滴定に関する専門書として,理論,実験の概観および特異操作を述べたもの,いろいろな官能基と特異化合物の間接的測定法,その他,非水溶媒の性質,ルイスの酸-塩基反応や,いろいろな溶媒による平衡,酸性度関数について,また液体ハロゲン化水素やアンモニアなどの酸性および塩基性溶媒の作用を述べたものがある.
    いろいろな機器による非水滴定の理論,操作,応用についての書物もあり,非水溶媒中での新しい酸化還元滴定剤の専門書もある.
    また非水溶媒滴定に関する一般総説もあり,いろいろな溶媒中での過塩素酸とアルコキシド類による滴定の総説も出されている.
    この総説は1965年から1967年末の文献を集め,その発展を探った.
  • 宇野 豊三
    1968 年 17 巻 13 号 p. 114R-126R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    この総説では主として1966~1967年に出版された単行本およびその間に発表された医薬品分析に関する総説,報文について述べる.
  • 斎藤 正行, 丹羽 正治, 菅野 剛史
    1968 年 17 巻 13 号 p. 127R-140R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    本編は1966~67年に刊行された文献を中心に最近の臨床化学の進歩を展望してみた.ただ臨床化学分析の測定対象は広範なのでルーチン検査の範囲にしぼり,また前回の展望が電解質,金属を欠いているので,それらについては1965~67年をまとめた.そのため今回はホルモン,ビタミンを省略した.
  • 本田 雅健
    1968 年 17 巻 13 号 p. 140R-145R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    人類は広く宇宙特に太陽系に存在する物質のなりたちについて長い間知りたいという希望を持っていたが,近年その願いは徐々にかなえられようとしている.もちろん分光学的方法,電波を含む広範囲の電磁波を利用する方法によって天体物理学,空間物理学の成果は,すでにわれわれの知識の源となっている.しかしこのような方法に訴えることのできがたい低いエネルギー状態にある天体,すなわち惑星や固体星間物質を手にとって調べることが可能となってきていることはなんといっても大きな進歩といわなければならない.
    いわゆる宇宙物質,地球外物質の化学分析に関しはじめて進歩総説を試みるわけであるが,今年はそのスタートにふさわしくいくつか重要なトピックスに恵まれている.ただしここにいう「宇宙物質の分析」に何を含めるべきか少し迷うことがある.ここでは分光学的方法による太陽光球やコロナの元素存在度の測定などはいわゆる天体物理の問題として一応除外したほうが安全であると考える.しかしたとえば,まったく機器的方法ではあるが,月の表面物質よりのγ線測定やα線散乱を利用する"化学分析"など,新しい方法による直接的な測定は含めるべきであろう.また,たとえばイン石中諸元素の同位体測定に関するものは現実にわれわれの手を下して行なわれるものであり,宇宙物質の特徴をよく知ることができるので,なるべく含めてゆくつもりである.ただし,太陽系起源や惑星イン石などの成因についての論説は除いておくほうが適切であろう.また割り切れないものが少々残されるが,一応総説の取り扱う範囲をこのように決めて出発してみるつもりである.1967年内に発表されたおもな研究を主体にするが,重要なものについては筆者の現時点で知り得た新しいものを収録してゆく.また以前の研究については「分析化学」に発表した総説「宇宙物質の化学分析」などを参照されたい.
  • 多田 格三, 合志 陽一
    1968 年 17 巻 13 号 p. 146R-150R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    今回は,原則として1965~1967年の文献を取り上げた.単体および化合物半導体を対象とし,原材料は省略した.フェライト,けい光体,誘電体も対象に入れた.1965~1967年に見られる傾向は標準法ともいうべきものが登場し,一方では新材料開発のための分析が多種多様のものについて行なわれていることである.さらに,分布状態の分析と状態分析が重要な意味を持つようになっている.
  • 大倉 与三郎, 安田 和夫, 渡辺 俊雄, 渡辺 四郎
    1968 年 17 巻 13 号 p. 151R-158R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    本進歩総説は1966,1967の2年間に,内外の雑誌,単行本に掲載された,鉄鋼分析に関係するもののみをもとに作製した.採集した報告,総説その他の総数は600以上の項目に及んだが,スペースに強い制限があるため,その2/3以上の採用を見送らねばならなかった.またそのなかでも,編集方針に従い,国内文献を優先させることにした.また今回当然採用すべき文献のうち,1966年度のものの一部が,昨年度の本進歩総説のなかのいろいろの部門において,すでに採用されているものについては,特に必要ある場合を除き,重複を避けて,採用を見送った.
    この期間中の総説としては,一般的なものについてはAnal. Chem.に定期的に掲載されているものおよび単行本としてはASTM関係のものがある.その他のものについては,以下の各項目ごとに紹介する.
  • 沢谷 次男
    1968 年 17 巻 13 号 p. 158R-161R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    本総説は化学工業製品の分析方法として,実際に応用されている方法を概観することを目的としているように思う.したがって,分析法の化学的原理についてはすでに知られているものの応用とみられる.この方面の特長はなんといっても最近のいわゆる機器分析法の進歩にともないその応用が随所にみられる.しかしながら,依然として旧来の分析化学反応の利用による重量法または容量法の応用も少なくない.
  • 柳沢 三郎, 橋本 芳一, 山本 憲子
    1968 年 17 巻 13 号 p. 162R-172R
    発行日: 1968/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    本総説は主として1966年1月から1967年12月までの2年間に発表された研究報告などのうちから主要なものを紹介し,解説した.
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