分析化学
Print ISSN : 0525-1931
19 巻, 1 号
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  • ペーパークロマトグラフィー展開中の電示的定量(第2報)
    筑井 俊平, 森 五彦
    1970 年 19 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    ペーパークロマトグラフィーの上昇展開中におけるアルカリ金属イオンに対し,検索電流による定量方法の諸条件を検討した.加電圧は,直流3.0Vで一定とし,試料には,各アルカリ塩の5~100μgを採取した.定量条件として,おもに次の項目を検討した.(1)各種展開剤組成とその分離効果,(2)試料量と検索電流値または,電流-時間積との関係,(3)対イオンと検索電流との関係,(4)Na+とK+のいずれか多量のときの検索電流ピークの分離状態,(5)これらイオンの混合物に対する分別的沈殿剤の添加.
    本法において,Na+ 4~20μg,K+ 5~25μgの範囲では,1μgあたり2.6%以内の電流測定の偏差で定量できることが判明した.
  • 吸光光度法による鉄鋼中の微量テルル定量法(第2報)
    前川 静弥, 加藤 清敏
    1970 年 19 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    テルル(IV)はうすい塩酸,硫酸および過塩素酸溶液中でビスムチオールIIと反応して淡黄色の沈殿となる.その組成(金属:試薬の結合比)は1:4で,四塩化炭素,クロロホルム,ベンゼンなどに抽出され,その色は335mμに吸収極大を示す.分子吸光係数は1.1×104であり,0.05~5.0μg/mlの範囲においてベールの法則に従う.この試薬を鉄鋼中の0.0001~約0.01%範囲のテルル分析に適用した.テルルは金属状テルルとして予備分離したのち,ヒ素を担体とする塩化第一スズ還元法で分離して発色させればよかった.
    分析所要時間は約50分間である.
  • 坂東 昭次, 岸 肇
    1970 年 19 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    中性子放射化分析によって高純度リン中の銅,ヒ素,アンチモンの定量を行なった.試料0.2gをJRR-2で20分の照射を行ない,それぞれの担体を加え硝酸により分解したのち,硫化物の沈殿をつくりリンと分離した。陰イオン交換分離法を適用し個々の分離を行ない,ガスフローカウンターおよびγ線波高分析器によって放射能の測定を行なった.平均化学収率は銅:86%,ヒ素:85%,アンチモン:79%であり,本法により銅:7×10-4μg,ヒ素:5×10-4μg,アンチモン:9×10-4μgが検出可能である.
  • 梶山 緑郎, 市橋 浩司郎, 伊原 卓
    1970 年 19 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    標準試料は分析装置の校正,測定値の補正など分析結果に重大な影響を与えるものである.クーロン滴定による鉄鋼中炭素定量法も,炭素量既知の標準鋼を実際に分析し,得られた定量値が標準値と一致するように装置を校正している.数種の標準試料を選び,それぞれの標準値に従って装置を校正し,共通試料の炭素分析を行ない,得られた分析値について分散分析を行なった.その結果共通試料の分析値間に強度の有意差が認められるものがあり,これは校正に用いた標準試料の炭素分析値にかたよりがあるものがあるのではないかと推定された.
  • 梶山 緑郎
    1970 年 19 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    沈殿法によるニオブ,タンタルとタングステン,モリブデン,チタン,ジルコニウムなどとの分離はきわめてむずかしく,繁雑な操作と熟練とを要する.著者はフッ化水素酸酸性溶液からニオブ,タンタルがTPACにより定量的に沈殿し,これらの金属と容易に分離できることを知り,定量条件を明らかにするとともに耐熱合金の分析に応用して好結果を得た.ニオブ,タンタル相互の分離はできず,高濃度のフッ化水素酸溶液中で操作をするという不便さはあるが,操作が簡単で所要時間も短く,定量法または分離法として従来の方法に比べすぐれているものと考えられる.
  • 西田 宏
    1970 年 19 巻 1 号 p. 30-33
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    チタン(IV)は過酸化水素の存在でクロムアズロールS(CAS)と560mμに吸収極大を有する錯体を生成するので,これをチタンの定量に利用した.チタンを含む酸性溶液を水で10~15mlにうすめ,0.3%過酸化水素溶液0.25ml,0.25%CAS溶液1.5mlを加え,0.25M酢酸ナトリウム溶液でpH4.7に調節したのち水で25mlにうすめ,試薬ブランクを対照として560mμで吸光度を測定する.チタン0.048~1.44ppmにわたりベールの法則に従い,見かけの分子吸光係数は4.4×104,感度は0.0011μg Ti/1cm2であった.鉄,アルミニウム,銅はチタンの定量を妨害した.錯体中のチタンと過酸化水素とCASのモル比は,1:1:2であった.
  • 西田 宏
    1970 年 19 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    クロムアズロールS(以下CASと略記,H4Lで表わす)は過剰のコバルトと反応し,pH8.1以上でCoL2-(吸収極大595mμ)を,pH6.4以下でCoHL-(吸収極大500mμ)を生成する.これらの構造はそれぞれ,コバルトがCASの水酸基-カルボキシル基およびカルボニル基-カルボキシル基に配位したものと判定された.また,過剰のCASの存在でコバルトは,モル比1:2の錯体(吸収極大567mμ)を生成し,これを用いpH10,3.42×10-3M CASにおいて,0.08~2ppmのコバルトを定量した.分子吸光係数は3.3×104,吸光度0.001に対する感度は0.0018μg/cm2である.
  • 竹村 功
    1970 年 19 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    昇温ガスクロマトグラフィーについての理論的考察は詳細になされている.Giddingsの式から,同族列に対しては保持温度と等温ガスクロマトグラフィーの保持容量の対数との間に,近似的ながらも一次関係があると推論される.
    n-アルコール,n-アルデヒドについてn-オクチルアルコールを内部標準とした相対保持時間を比較したところ,等温ガスクロマトグラフィーの相対保持時間の対数と昇温ガスクロマトグラフィーの相対保持時間との間に一次関係がなりたつことを知った.そこで,昇温ガスクロマトグラフィーの初期温度と昇温速度について検討し,また合成香料を用いてこの一次関係が等温ガスクロマトグラフィーの場合のように同族列の間でのみなりたつだけでなく,異族間でも同じであることを示した.
  • 田嶋 蓉子, 長谷川 博子, 由岐 英剛, 滝浦 潔
    1970 年 19 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    アニリンはメチルセロソルブ中でクロラニルと反応して,395mμと550mμの二つの吸収極大を示す紫色の反応液を与える.そのうち550mμの吸収はアニリンの濃度が5~60μg/mlの範囲でベールの法則が成立するので,これを用いてアニリンの定量を行なうことができた.
    他の芳香族1級アミンもアニリンと同じ方法で呈色させると,吸収極大は少しずれるが,ほとんど550mμでよい検量線を与えた.しかしpKaが3より小さいアミンは呈色しにくく,したがってpKa3以上のアミンがこの方法により定量可能である.
  • 小原 人司, 石橋 信彦, 安部 清実
    1970 年 19 巻 1 号 p. 48-54
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    第4級アンモニウム塩によるモリブデン(VI)-ピロカテコールバイオレット錯体の抽出とこれを利用する微量モリブデン(VI)の抽出吸光光度定量法について検討した.
    モリブデン(VI)とピロカテコールバイオレットとの錯体は第4級アンモニウム塩のdialkyl monomethyl benzylammonium chlorideの存在で種々の有機溶媒に抽出される.有機層に抽出された錯体の組成は配位子濃度や水溶液のpHによって異なるが,これらの錯体のうち0.25~0.6Mの塩酸溶液からクロロホルムに抽出される錯体は560mμに吸収極大波長を有し,モリブデン(VI)とピロカテコールバイオレットとの結合モル比は1:2である.抽出された錯体の吸光度に影響を及ぼす諸因子の検討の結果,定量の最適条件ではモリブデン(VI)濃度0.1~10×10-6Mでベールの法則が成立する.スズ(IV)およびタングステン(VI)はモリブデン(VI)の定量を妨害する.ジルコニウム(IV)は錯体を生成するが抽出されない.
    なお,第4級アンモニウム塩による抽出法を併用することによって,酸性溶液中でピロカテコールバイオレットのカルボニル基へ付加した水素イオンを解離させることができることを認めた.
  • 宮井 良孝, 村尾 安一, 加藤 俊作
    1970 年 19 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    水銀法食塩電解工程におけるマッド中の水銀定量につき,簡便でしかも精度の高い分析法を確立する目的でアマルガム法につき検討した.その結果,還元剤として鉄粉を混合し,さらに亜鉛末を添加することにより,酸化第二水銀は約100℃の低温においても定量的回収値を得た.また塩化水銀化合物は昇華することなく完全に分解できた.金板面への水銀以外の付着物質の防止にはクロマトグラフィー用シリカゲルが効果を示した.るつぼ底部の加熱温度600℃,加熱保持時間30分の条件で定量的にアマルガムの生成が認められた.回収実験ならびにマッド試料の分析結果の精度は良好であった.
  • 田村 英夫, 穂積 啓一郎
    1970 年 19 巻 1 号 p. 60-66
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    多成分系混合ガス中の特定成分の濃度検出に用いる差動熱伝導度計は試料側および比較側セルの動特性が完全に等しいことを必要とするが,両セルのフィラメントのわずかな不ぞろいに対してはフィラメントを含むブリッジ回路に入れたセル平衡用ポテンショメーターで供給電流を相互に増減することでキャリヤーガスの熱伝導度変化に不感のブリッジを構成することができる.本報においてはこれに引き続きキャリヤーガスの流量およびセルの温度変化の影響について検討した.ヘリウム20~60ml/minの範囲においては,流路内での流速分布の変動に基因するブリッジ出力電圧の変化があり,セル電流100mAのとき1ml/minの変化あたり約0.1mm(0.04mV)が観測された.この変動値は直通形,半拡散形,拡散形セルに共通である.また2%二酸化炭素を含むヘリウムを用いて測定した検出感度は流量およびセルの形態に無関係で,検出感度の決定要素はフィラメント特性であることが明らかとなった.セルの温度変化による出力電圧のドリフトは,両フィラメントの供給電流の加減で消却できるが,このためのセル平衡用ポテンショメーターの設定位置は,上記キャリヤーガスの熱伝導度変化に不感のポテンショメーター位置と若干の相違があることが判明した.
  • 京谷 武朗, 半井 達明, 仁木 栄次
    1970 年 19 巻 1 号 p. 67-76
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    比色法における光電比色計において,メーターの目盛が,吸光度Aを線形表示とした吸光度A線形光電比色計を試作した.
    さらに吸光度A線形表示における,メーターの読み取り誤差,ゼロ合わせ誤差,フルスケール合わせ誤差,吸光度範囲切り替え法における誤差などを検討し,従来の透光度T線形表示の誤差と比較した.
    吸光度A線形表示におけるメーターの各誤差に対する吸光度Aの相対誤差は,読み取り誤差では1/A,ゼロ合わせ誤差では1/A,フルスケール合わせ誤差では(1-A)/Aで示される.それらを総合した誤差において,Aが大きくなるほど,誤差は小さくなる.吸光度範囲切り替え法における読み取り誤差では,Aの相対誤差は1/(A+A1)で示される.これらは実験でも証明された.
  • 近藤 尚志
    1970 年 19 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    セファロスポリンCは,2,4-ジニトロフェニルヒドラジンの過塩素酸溶液と沸騰水浴中で加熱すると,黄色のグリオキサール・ビス2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンを生成するから,これを濾取し,テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド含有のジメチルホルムアミドで溶解すると,λmaxが615mμにある青色となり,2×10-8~2×10-7mol/mlの範囲でベールの法則を満足し,定量に利用できる.
    本定量法において,グリオキサールの生成部位が,セファロスポリン母核の6,7位の炭素からであるので,セファロスポリン類および,類似構造のペニシリン類の定量にも利用できることがわかった.
  • 石田 宏二, 黒田 六郎
    1970 年 19 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    有機溶媒としてメタノール,エタノール,n-プロパノール,iso-プロパノール,n-ブタノール,iso-ブタノール,アセトン,ジオキサン,エチルエーテル,酢酸エチル,酢酸,テトラヒドロフランを選び,有機溶媒-8M硝酸(20:1,v/v)系について弱塩基性セルロースイオン交換体,DEAEに対する47金属イオンの薄層クロマトグラフ的挙動を調べた.メタノール-硝酸系については溶媒組成比を20:1に固定して各イオンのRf値を硝酸濃度の関数として求めた.メタノール系では硝酸濃度を適当に調節することにより多数の分離が可能である.そのほかの溶媒系では少数のイオンだけが上方へ移動し,残りのイオンは原点付近にとどまるのでDEAE-混合溶媒系は特定イオンの選択的分離系となりうる.たとえば,iso-プロパノールはセレン(IV)とレニウム(VII),n-ブタノールおよびiso-ブタノールは金とセレン(IV),アセトンおよび酢酸エチルは金とアンチモン(III),ジオキサンはアンチモン(III),エチルエーテルは金,酢酸は鉄(III)とゲルマニウム,テトラヒドロフランはバナジウム(IV)と金の選択的分離に適している.
    二,三の溶媒系について各イオンの微結晶性セルロース,アビセルに対する挙動を調べ,DEAE系との比較を試みた結果,硝酸を含むメタノール系においては弱塩基性陰イオン交換体に対してイオン交換吸着機構が関与していることを明らかにした.
  • 山田 清継, 秋山 純一, 沖野 孝之
    1970 年 19 巻 1 号 p. 87-91
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    ミクロDTAにより,ヘキサメチルベンゼン-ピクリルクロリドの2成分系状態図の作成を行なった.適当なモル比で混合した試料3mgを密封形セルに入れ試料の昇華を防ぎ,昇温速度5℃/minで測定した.近接したピークの分離が可能となったため,マクロDTAよりも正確な状態図の作成が行なえた.
    さらにミクロDTAの新しい応用としてアルキルベンゼン系の沸点測定を行なった.密封セルにピンホールをあけて試料の蒸発を押さえ,そのピンホール直径,試料量,昇温速度の関係を検討して測定条件を求めた.試料量5μl,昇温速度10℃/min,ピンホール直径0.1φの条件下において,オルトキシレン,メタキシレン,パラキシレン,トルエン,ベンゼンの沸点を測定した結果,従来の方法による沸点と非常によく一致し,ミクロDTAによる沸点測定が可能であることがわかった.
  • 神原 富民, 速水 邦勝, 大関 邦夫
    1970 年 19 巻 1 号 p. 92-94
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    シュリーレン法を用いて,四塩化炭素に溶解した8-キノリノール(オキシン)が塩酸水溶液中に抽出されるときのキノリノリウムイオンの拡散定数の測定を行なった.拡散セルとして下半分内面をシリコーン処理した吸光セルを用いることにより,四塩化炭素と水溶液の安定した界面を実現することができた.得られた拡散定数の値は0.3N塩酸水溶液中,18.5±0.1℃において(0.437±0.009)×10-5cm2・sec-1,1N塩酸水溶液中,16.5±0.1℃において(0.325±0.005)×10-6cm2・sec-1であった.
  • 坪内 真二, 五郎丸 毅, 井口 定男
    1970 年 19 巻 1 号 p. 95-98
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    アマンタジンを1-(モノクロルアセトアミド)-アダマンタンとし,電子捕獲型検出器を備えたガスクロマトグラフィーによるアマンタジンの微量定量法を検討した.その結果,1.5%SE-30のカラムを用い,カラム温度220℃の条件で,アマンタジンを10-2μgオーダーで定量できることを確認した.また別に光電光度法による定量をもあわせて検討した.アマンタジン自身はまったく紫外部吸収を示さないが,これを水酸化アルカリの存在下でPニトロベンズアルデヒドと反応させて得られた1-(P-ニトロベンジリデンアミノ)-アダマンタンは,292mμ付近に吸収極大を示し,そのモル吸光係数は1.69×104で,検出限界は1μg/mlである.ガスクロマトグラフィーならびに光電光度法による,生体試料中からのアマンタジンの定量条件および回収率の検討を行なった結果,これら二つの分析法はともに生体試料からの微量定量に適用できることを確認した.
  • 工藤 久幾, 田中 善正
    1970 年 19 巻 1 号 p. 99-103
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    硫酸イオンの比色定量試薬を見いだす目的で,数種のジハイドロキシキノン類について検討した結果,ジハイドロキシトルキノンバリウムが呈色液の安定性,再現性,鋭敏性にすぐれており,本試薬を用いた良好な硫酸イオンの比色定量法を確立した.ジハイドロキシトルキノンバリウムは,硫酸イオン量に対応して,515mμに極大吸収を持つ赤紫色のジハイドロキシトルキノンアニオンを遊離し,呈色液は長時間安定であった.本法によって1ml中,5~70μgの硫酸イオンが容易に定量できた.また,共存イオンの影響,および妨害イオンの除去方法についても検討した.
  • 配位子交換クロマトグラフィーに関する研究(第2報)
    舟阪 渡, 藤村 一美, 栗山 智
    1970 年 19 巻 1 号 p. 104-111
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    銅(II)形の強酸性陽イオン交換樹脂ならびに希薄なアンモニア水または水をそれぞれ固定相ならびに移動相に使用する配位子交換クロマトグラフィーにより,アミノ安息香酸異性体を分離する方法について検討した.
    液相中においては,Cu2+の濃度が比較的高く,かつCu2+に対してアミノ安息香酸が多量に存在する場合には,各異性体とも緑色の不溶性錯体を形成したが,Cu2+の濃度が低く(1×10-3M以下),しかもアミノ安息香酸の量がCu2+に対してモル比で1:1以下のときには無色の可溶性錯体が生成した.なかでも,ο-アミノ安息香酸は他の異性体よりも安定な錯体を形成したために,銅(II)形樹脂に対する分配係数は著しく大となった.また配位子交換速度は,m-異性体のみがほかの異性体と異なり,吸着速度は小さく,逆に脱着速度は大となったが,これは銅-m-アミノ安息香酸錯体の構造に基因するものと考えられた.ο-およびm-異性体,あるいはο-およびp-異性体のクロマトグラフ分離には,φ14mm×390mmのカラムを使用し,pH8.4のアンモニア水で溶離を行なえば,それぞれが良好に分離できた.しかしながらm-およびp-異性体相互の分離には.両者ともアンモニア水中での分配係数が著しく小さいので,純水を溶離液として用いる必要があった.さらに,銅-ο-アミノ安息香酸錯体のアンモニア水中における安定性の検討から,水酸化ナトリウム水溶液も溶離液として使用しうることが示唆された.
  • 山本 勝巳, 野田 泰稔
    1970 年 19 巻 1 号 p. 112-114
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Reactions of 8-aminoquinoline with 35 kinds of metal ions were compared in acetic acid, ammonia and sodium hydroxide solution. Cu(II), Zn(II), Fe(II), Fe(III), Ni(II), Co(II), Pd(II), Mn(II), V(V), W(VI), .Ag(I), Ce(IV), Pt(IV), Sn(II) and Tl(III) precipitated immediately or after standing overnight. Pd(II) and W(VI) were precipitated even in 0.1 N HCl solution.
    A bromimetric method for 8-aminoquinoline was also proposed.
  • 高田 健夫, 中埜 邦夫
    1970 年 19 巻 1 号 p. 115-117
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Some experiments were carried out to enhance the sensitivity of flame emission photometry by heating the chamber of premix atomizer system. Although the emission intensity of sodium is increased by heating the atomizing chamber, an upper limit exists. The chamber of larger diameter was more effective at higher temperature. When the sample was mixed with organic solvent, the enhancement rate of emission intensity was rather lower than in aqueous solution.
    The sensitivity of this method was three times higher in the range of 5080°C, and the precision was not decreased.
  • 今井 博, 渡辺 倭文子
    1970 年 19 巻 1 号 p. 117-119
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    A simple and rapid titrimetric method was proposed for the determination of 0.010.3% of aluminum in zinc base alloy. For the separation of aluminum from large amounts of zinc and other metals, the benzoate precipitation method was applied, first in the presence of a large amount of ammonium acetate and then in the presence of thioglycollic acid.
    Optimum amounts of ammonium acetate, benzoate and thioglycollic acid were decided. The amount of iron which was precipitated with aluminum benzoate had no effect on the recovery of aluminum in the reprecipitation step.
    The proposed method was applied to the analysis of synthetic sample and secondary zinc base alloys. Aluminum recovery of more than 95% was obtained with several percent of relative error. A single determination could be done within 45 hrs.
  • 山本 勝巳, 大橋 弘三郎
    1970 年 19 巻 1 号 p. 120-121
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    It has been related hitherto that trivalent chromium reacts very slowly with EDTA and sexivalent chromium does not react with it.
    The authors have found that, if trivalent chromium is newly prepared by reducing sexivalent chromium with a suitable reducing agent, it reacts rapidly with EDTA and subsequently forms Cr(III)-EDTA complex which shows absorption peaks at 395 mμ and 550 mμ. Consequently, reducing agents such as ascorbic acid, hydroquinone, sulfite and thiosulfate can be determined indirectly by measuring absorbance at 555mμ.
    It is considered that the very slow reaction of Cr3+ with polyaminocarboxylic acids may be due to the slow rate of exchange reaction of water molecules coordinated to chromium ion, which makes it reasonable that the newly reduced trivalent chromium ion reacts rapidly with EDTA.
  • 三井 哲夫
    1970 年 19 巻 1 号 p. 122-126
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 高橋 照二
    1970 年 19 巻 1 号 p. 126-135
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 安達 政一
    1970 年 19 巻 1 号 p. 135-148
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    質量を精密に測定する最も一般的な方法として,化学はかりと分銅が使用される.
    化学はかりは二つの物体の重さが同じであるかどうかを検知する機器であって,はかろうとする物体と同じ重さの分銅をはかりとることによって,その物体の質量を知るものである.
    昨今では化学はかりに分銅を組み込んだ直示化学はかりが多く使用されるようになって,以前に比べると操作が簡単になり,たいへん楽に使用できるようになった.しかし精密な測定を行なうときに要する注意の大半は従来となんら変わるところはないのであるから,ここでは直示化学はかりをも含めた一般的な化学はかりの基本的な事がらについて述べる.
  • 三井 哲夫, 木村 栄作
    1970 年 19 巻 1 号 p. 149-162
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 穂積 啓一郎
    1970 年 19 巻 1 号 p. 163-169
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 坂岸 良克
    1970 年 19 巻 1 号 p. 170-181
    発行日: 1970/01/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
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