分析化学
Print ISSN : 0525-1931
19 巻, 3 号
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  • 有元 博三, 服部 重彦
    1970 年 19 巻 3 号 p. 313-317
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    不活性ガス融解法による金属中のガス分析に対して,近年著しい発展を遂げたガスクロマトグラフィーを適用し,一連の装置を試作した.本装置は高周波発生装置,石英製試料融解筒,ガスクロマトグラフから構成されている.ここで使用した高純度ヘリウムのキャリヤーガスはガスクロマトグラフならびにガス抽出のふんい気ガスに併用し,試料の融解は市販の高周波誘導加熱装置(出力2kW)を用い,黒鉛るつぼ中で加熱して行なった.ヘリウム中の一酸化炭素の定量は全量を分析することなく二つの部分に分けて,その一方を分析し,そのクロマトグラムから酸素量を求めた.本装置による定量限界は,試料1g採取のとき酸素で約10ppmである.分析時間は1試料につき約15分であり,定量値の再現性は約6%である.
  • 去来川 汎人, 仁木 栄次
    1970 年 19 巻 3 号 p. 318-324
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    分光器のスリットを上下に分割して使用することにより分光器を複光束型に改造し,スペクトル線強度を非走査で測定した.出口スリットの上半分の直前に傾けた平行石英板を置き,上半分から出る光の波長をわずかずらし,一方の光束による光電流がIB(バックグラウンド強度)+IL(線強度),他方の光束による光電流がIBを示すようにしておき,上下交互に光を通し光電流の交流成分を同期整流すると,直流出力としてILが得られる.
    本法の利点は以下のとおりである.(1)一つの光電管を用いて複光束化を行なっているので,光電管の感度の変化・直流増幅器のゼロラインの移動・IBの変動の影響を受けずに線強度を求めうる. (2)出力の積分を行なうことにより雑音の影響を小さくできる. (3)3分間の積分を行なうことにより,検出限界が通常の方法の30分の1になり,またIBの250分の1のILを測定することができた.
  • 林 謙次郎, 佐々木 義明, 野島 弘義
    1970 年 19 巻 3 号 p. 325-330
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    エチルキサントゲン酸塩を用いる亜鉛イオンのクロロホルム抽出を,水溶液のpH,イオン強度および[EtX-]を変えて調べた.抽出化学種はZn(EtX)2でその分配係数は30.2である.分配係数の温度依存性は小さい.[EtX-]の大きいところではZn(EtX)3-の可溶性錯体(logβ3=5.30,イオン強度1.0)を生成する.Zn(EtX)2の錯生成定数(β2),溶解度および溶解度積は,それぞれlogβ2=5.12,約4×10-7mol/l,(4.8±2.6)×10-12という値を得た.また,Zn(OH)42-の全生成定数(β4)はlogβ4=20.7という値を得た.Zn(EtX)2の抽出の最適pHは4.5~7.5であり,有機相中の錯体は安定で300mμに吸収極大を示す(キサントゲン酸のそれは270mμにある).モル吸光係数は2.03×104で,抽出は完全ではないが水溶液相のはじめの亜鉛イオン濃度と有機相中の吸光度との間にはよい直線関係が示される.
  • 梶田 武俊, 千田 貢
    1970 年 19 巻 3 号 p. 330-339
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    L-アスコルビン酸(AA)とエリソルビン酸(EA)は,いずれもpH9~11付近で2段の酸化波を示す.さらにアルカリ性になるとAAでは両波が合一するが,EAでは2段波のままであり,たとえば0.5N水酸化ナトリウム中での半波電位はAA -0.31V(vs.SCE)であり, EA -0.25V, -0.39Vである.これらの波は除酸素された溶液中では安定であり,拡散電流の性質を示す.また,両者の混合液では加成性がなりたち,適当な電位2点での電流値から代数計算により両者の分離定量が可能であることを認めた.なお,本法を食品分析に応用し,所期の結果を得た.
    (1)pH12以上のアルカリ溶液中でAAは1段,EAは2段の酸化波を示し,これらの波は除酸素された溶液中では安定であり,ともに拡散電流の性質を示す.
    (2)両酸を混合した場合は,0.5N水酸化ナトリウム溶液中で電流値と濃度との間に,限界電流のみならず,波の上昇部でも一次加成性が成立する.したがって波の分離はふじゅうぶんであっても,適当な電位2点を選び,その電流値から計算により,AAとEAの分離定量が可能である.
    (3)本法を食品中の分析に応用したところ,所期の結果を得,従来のペーパークロマトグラフ法に比べ,測定時間を著しく短縮できた.
  • テノイルトリフルオルアセトンとピリジンなどとによる金属イオンの沈殿(第1報)
    谷野 孝一
    1970 年 19 巻 3 号 p. 339-343
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    ニッケルはテノイルトリフルオルアセトン(TTA)およびピリジン,ピコリンあるいはメチルエチルピリジンなどと反応し三重塩の結晶性沈殿を生成する.ニッケルの重量法にこの沈殿を用いるとニッケル重量の10倍以上をひょう量することになるので反応の鋭敏度高く,少量ニッケルの重量法に好適である.試薬のニッケルイオンに対する反応はその特異性,選択性には欠ける.定量的に沈殿するpH範囲は5~9であった.この方法による沈殿の組成はNi(tta)2(py or pico)2と推定される.(tta:TTAアニオン,py:ピリジン分子,pico:ピコリン分子)
  • 飯盛 喜代春
    1970 年 19 巻 3 号 p. 344-349
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    N-サリチリデンチオセミカルバゾンは銅(II)と反応して,緑色の水溶性錯体を生成する.そこで,発色した緑色の溶液の吸光度を測定して銅を直接定量することができる.本試薬は冷水には溶けないが,熱湯には溶ける.定量にあたっては,pHを2.5~3.5に調節した試料溶液を恒温そうで約60℃に保ち,試薬の粉末を銅の量の約5~6倍量(モル比)加え,じゅうぶんかき混ぜながら約30分間~1時間反応させる.試料溶液は冷水で冷やし,未反応の試薬をろ別して,ろ液の緑色を波長630mμで吸光度を測定し銅を定量する.銅として1~7mg/50 mlの範囲で満足な結果が得られた.
  • 平岡 賢三, 神 丕志, 織田 昌平, 江口 洋英, 鎌田 仁
    1970 年 19 巻 3 号 p. 349-355
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    数mmHgの酸素ガスを高周波放電で励起しその際生ずる原子状酸素で有機物をプラズマの下流で燃焼した.プラズマと有機物の距離を変化させて原子状酸素の濃度を測定した結果,原子状酸素の再結合反応は以下の反応が主過程であることがわかった.
    O+O2+M k1→O3+M
    O+O3 k2→2O2
    O+wall kw→1/2O2+wall
    有機物としてしょ糖および木炭を用いた場合k1はそれぞれ5.5×1014,1.1×1015cc2/mol2secとなる.木炭および種々のポリマーをプラズマ外で燃焼処理し燃焼成分を分析した結果,これらはほとんど完全燃焼することがわかった.このことより放電によって生ずる原子状酸素を用いれば灰分分析のうえで不可欠な有機物の除去をほとんど室温下で穏やかに行なうことができることがわかった.
  • 橋谷 博, 勝山 和夫
    1970 年 19 巻 3 号 p. 355-361
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    チオテノイルトリフルオルアセトン(STTA)を合成し,金属の抽出光度定量試薬としての有用性を検討した.試薬の性質はジチゾンと似ているが,その吸収のため抽出液から過剰のSTTAを除かないかぎり金属の定量はむずかしいという結論に達した.検討した30あまりの金属のうち定量条件を見いだせたのは水銀だけであった.水銀(II)は強酸性からpH5に至る広い範囲からSTTAと1:2の錯塩をつくって抽出され,アルカリ溶液でSTTAを除いたのち吸光度を測定して定量される(モル吸光係数3.0×104).感度はジチゾン法にやや劣るが,選択性の点でははるかにすぐれている.水銀(I)も水銀(II)と同じ条件で抽出され(モル吸光係数1.5×104),共存する両者の定量が可能である.
  • 錯形成剤を用いるボルタメトリー(第3報)
    北川 豊吉, 丸山 康博
    1970 年 19 巻 3 号 p. 362-365
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    強酸性中のタリウム(III)イオンは水銀滴下電極でタリウム(I)イオンに還元されるが,拡散電流の経時変化が大きく定量に用いられない.支持電解質として1M硝酸カリウム+3~50mM EDTA(pH 11.0~12.3)を用い,タリウム(III)-EDTAのタリウム(I)-EDTAへの還元波の基礎的検討より,拡散電流定数2.93,温度係数+1.8%という拡散律速の第1波がタリウム(III)の定量に有用なことを見いだした.この方法で0.05~0.4mMタリウム(III)を精度よく定量できた.少量の鉛(II),銅(II),コバルト(II)およびカドミウム(II)は妨害しないが,パラジウム,有機アミンおよびヒドロキシ化合物は妨害する.
  • 北川 豊吉, 丸山 康博
    1970 年 19 巻 3 号 p. 366-370
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    タリウム(III)オキシンキレートはpH5.5の水溶液でほぼ完全に沈殿するが,110~120℃で乾燥しても完全に脱水しない.130℃付近から分子内電子移動反応が起こり,タリウム(III)からタリウム(I)に還元を受け,同時に8-ヒドロキシキノリンも遊離する.したがってタリウム(III)をオキシン塩として重量分析する場合には,厳密な条件下で行なわねばならない.熱重量分析,紫外および赤外吸収スペクトル,ポーラログラフ法および元素分析法を用いてタリウム(III)オキシンキレートの熱分解生成物について検討した.
  • 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第10報)
    石井 一, 永長 久彦
    1970 年 19 巻 3 号 p. 371-375
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    バナジウム(IVおよびV)がカルシクロムと錯体を形成することを見いだし,これらの錯形成について吸光光度法により検討するとともに,このうちバナジウム(IV)錯体の生成を利用して微量バナジウムを定量するための基礎的な条件を検討し,バナジウムの新しい定量方法を確立した.
    バナジウム(IV)はpH約3~7でカルシクロムと592mμに吸収極大を有する1:1錯体を,バナジウム(V)はpH約2以上で組成は1:1であるが,プロトン付加数が異なると推定される2種またはそれ以上の錯体を形成することがわかった.バナジウム(IV)錯体の生成を利用してバナジウムを定量する場合,バナジウム(IV)濃度と吸光度との間には良好な直線性が認められ,pH5.3,波長634mμにおける見かけのモル吸光係数は10000,感度は5.1×10-3μg V/cm2であった.銅(II),アルミニウム,チタン(IV),ジルコニウム(IV),鉄(IIおよびIII),ニッケル(II),クロム(VI),硝酸塩,クエン酸塩はバナジウムの定量を妨害した.
  • 金属溶解性試薬を用いる非水溶媒ポーラログラフィー(第3報)
    石井 猛, 武者 宗一郎
    1970 年 19 巻 3 号 p. 376-381
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    鉛合金を直接有機溶媒で溶解し,有機溶媒のまま交流ポーラログラフィーで鉛を定量する方法について検討した.試料を直接アセト酢酸エチルおよびアセト酢酸エチルと混合溶媒で加熱溶解し,得られた溶液にアセトニトリルと過塩素酸リチウムを加えて電解供試液とする.溶液の一部を電解びんにとり水銀池を対極とし交流ポーラログラムを記録して,あらかじめ作成した検量線で含有鉛を定量する.この方法は,旧来の定量法と比較して,試料の灰化および蒸発乾固などの繁雑な操作の要なく前処理が非常に簡単である.
  • 後藤 正二郎, 能代 誠
    1970 年 19 巻 3 号 p. 382-385
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    GC-MSで微量成分の分析を可能にするためには,ガスクロマトグラフ内へ多量の試料を注入し,質量分析しうる濃度まで微量成分濃度を高めねばならない.質量分析計内の真空度は10-6 torrに保たれる必要があるため導入しうる試料量は制限される.その問題点を解決する方法としてGCの出口にスプリッターを設け,ロータリーポンプで不要主成分を除去する方法を考案し検討した.吸引速度の変化はガスクロマトグラムに影響せず,吸引時間は保持時間を短くするが,保持時間間隔には変化を与えない.
    本法によって充てんカラム直径3mmを用いたとき10μlの試料導入が可能となり,従来1%とされた限度が0.05~0.002%までと著しく向上した.また質量分析計イオン源の汚染低減とともにGCのから焼き時間と主成分以降の出現ピークの保持時間短縮などの効果が追加された.
  • 坂口 武一, 高橋 妙子, 野口 弘美, 竹内 勝, 田辺 義次
    1970 年 19 巻 3 号 p. 386-393
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    皮膚糖の微量定量を皮膚処理,除たん白および糖の抽出,および糖の定量について実験した.
    まず皮膚処理ではロータリーパンチで皮膚を取り,皮膚の脂肪除去ははじめナイフで削り取り,のちにはぎ取る方法に変えたが,後者のほうが結果がよい.ついで切り取った皮膚(表皮と真皮)を精ひょうし,あらかじめ準備してあるドライアイス-アセトン中の試験管内のイソペンタンに皮膚を浸し,凍結切片を作製する.生理的食塩水0.8mlで包埋し,10μの厚さに皮膚切片を切断し,硫酸亜鉛(5%)で2時間冷所で浸出し,ついで0.3N水酸化バリウムで除たん白し,遠心分離する(この方法を著者ら冷浸出法と名づける).この浸出法は通常多量の皮膚を(50~100mg)要するホモジェナイズ法と比較して微量の皮膚(約10mg)ですむのですぐれている.
    次に糖の定量は血糖定量に準じ,Nelson-Somogyi法,ο-トルイジン-ホウ酸法およびグルコースオキシダーゼ法を吟味したが,Nelson-Somogyi法は皮膚定量に使用できなく,ο-トルイジン-ホウ酸法は40~50mgの皮膚に適用でき,グルコースオキシダーゼ法は10mg内外の皮膚に適用できることを知った.したがってここでは,グルコースオキシダーゼ法を用いて皮膚糖の微量定量法を確立した.
    ラット,モルモットについて実験し,人間の皮膚についても少数例実験した.ラット,モルモットの正常皮膚糖測定にあたっては食物の影響を除くため,24時間絶食を行なった.
  • 伊藤 敦子, 上野 景平
    1970 年 19 巻 3 号 p. 393-397
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    HNBはpH13でカルシウムに対する指示薬として使われており,そのpHでは終点で非常に鋭敏に変色するが,pH10では変色が早くから起こる.ところがマグネシウムについては光度滴定を行なえばpH10で正確に定量できる.したがって,カルシウム,マグネシウムの混合物についてまずpH13でHNBを指示薬としてカルシウムを滴定する.次にその液を中和し,沈殿していた水酸化マグネシウムを溶解し,同じ指示薬でpH10で光度滴定を行なってマグネシウムを定量するという連続滴定ができる.この方法は光度滴定法をとらねばならないという制約を受けるが,単一の指示薬でかつ簡単な操作で連続滴定ができる点有効である.鉄(III),アルミニウム(III)はトリエタノールアミンまたはシアン化カリウムでマスクでき,塩化ナトリウムは200モル倍まで共存が許される.この方法を海水,河川水などの天然水に応用したところ良好な結果が得られた.
  • 野村 毅, 中川 元吉
    1970 年 19 巻 3 号 p. 397-402
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    酒石酸塩(pH4~4.5)溶液中から白金線に金属ビスマスを電着させたビスマス電極をキレート滴定の指示電極として用いた.指示イオンに微量のビスマス-EDTAを加え各種金属イオンをキレート滴定した場合,pH<2.5では電位変化は滴定金属イオンの条件生成定数によって表わされる.一方ビスマスは加水分解しやすく,3<pH <6.5の間では電位はオキシ水酸化ビスマスの溶解度によって制約され,pH>7.5では酸化ビスマスの生成に基因する電位とよく一致した結果が得られた.
    本電極は塩素イオンの妨害が小さいので,水銀電極ではごく微量の塩素イオンによって妨害を受けるような強酸性溶液中でトリウム,インジウム,ジルコニウムなどを精度よくキレート滴定することができた.
  • 橋谷 博, 吉田 秀世
    1970 年 19 巻 3 号 p. 403-406
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    新しい原子炉材料として注目されているジルコニウム-ニオブ合金中の3%程度のニオブの定量法として吸光光度法3法と過マンガン酸カリウム滴定法を検討し,過酸化水素吸光光度法が最も好ましいという結論を得た.
    Wood,Adamsの原法を改良した方法を用い,12分析所で日本原子力研究所のけい光X線分析用標準試料を分析した結果,平均値3.95,2.63,1.69,1.38%に対し,それぞれ1.8,1.3,2.1,3.9%という変動係数を得た.
    ニオブ2~4mgを含む試料を硫酸アンモニウム,硫酸,過塩素酸で溶かし,硫酸で50mlとする.25mlを分取し,過酸化水素を加える.両溶液を硫酸で50mlとし,後者を対照に前者の365mμにおける吸光度を測定してニオブを定量する.
  • 藤原 純, 川瀬 晃
    1970 年 19 巻 3 号 p. 407-409
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Commercial dioxane of special grade reagent contains trace amounts of acetaldehyde and water, and sometimes about 1 % of glycol acetal. The glycol acetal is decomposed readily by hydrochloric acid but scarcely by metallic sodium, and is removed simply by stepwise distillation. The dioxane for ordinary pH titration is prepared by only distilling the commercial product in the presence of metallic sodium, but the refluxing with hydrochloric acid and successive recrystallization are necessary for the purification of dioxane for ultraviolet absorption measurement.
  • 塩化ヨウ素法,アセトンヨウ素法,シアン化ヨウ素法の比較
    滝野 吉雄, 澤西 直美, 佐々木 智恵子
    1970 年 19 巻 3 号 p. 410-412
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    The three methods for determination of potassium iodide by iodatimetry were compared.
    The iodine-cyanide method was the most precise and accurate, though it had a disadvantage in generating poisonous hydrogen cyanide in the procedure.
    The stochastical comparison of carbon tetrachloride and starch as an indicator in the iodine-cyanide method showed that the former was superior when the amount of potassium iodide was less than 150 mg.
  • 重松 恒信, 松井 正和, 青木 達, 伊藤 正彦
    1970 年 19 巻 3 号 p. 412-414
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    The trace amount of perchlorate was extracted as an ion association complex with Zn-phenanthroline (labelled with 65Zn) into nitrobenzene. The activity of 65Zn in organic phase corresponded to perchlorate. The method was more sensitive than the absorptiometric method.
  • 大沢 善次郎
    1970 年 19 巻 3 号 p. 415-423
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    4種類の結晶性ポリオレフィン共重合体を用いて,示差熱分析に関する共同研究を行なった.その結果高分子化合物の標準分析法として示差熱分析を利用するためには,精度的に問題があり,今後測定条件などについて慎重に検討する必要のあることが明らかになった.共同研究で得られた結果を要約すると次のとおりである.
    1.共通試料の融解のピーク温度は測定者によってかなりばらつきがあるが,安息香酸などの低分子化合物の基準物質を用いて温度補正を行なうことによって,ばらつきを小さくすることができる.したがって,装置の温度補正を測定時に常に行なう必要がある.
    2.共通試料の融解熱は非常にばらつきが大きく,測定条件を統一し,さらに融解面積を求める際の個人差をなくしても,このばらつきはいっこうに小さくならない.
    3.熱量測定の標準物質に用いた安息香酸は,その充てん方法によって融解面積が異なり,また融解曲線の形状もシャープなもの,ショルダーあるいは二つのピークのあるものが現われる.
    4.共通試料の場合,サンドイッチ法では試料量が多くなると融解面積は飽和する傾向を示し,検量線は直線性を示さなくなる.しかし試料単独法では試料量が約100mg以下の場合に直線関係が成立する.これは試料とセルとの接触面積に関係すると思われる.すなわち,試料量の増加あるいはサンドイッチ法のように希釈物質の添加は試料量に比べ接触面積が減少し,試料内温度分布が不均一になり,ΔHA(ΔH:エンタルピー変化,A:面積,κ:比例定数)のκが一定にならないことに基因すると思われる。
    5.したがって融解熱のばらつきの大きい原因は,充てん方法によって融解面積が著しく違うような安息香酸を熱量の標準物質に用いたこと,および測定条件ことに試料量および試料の充てん方法が必ずしも最適ではなかったことにあるように推察される.
  • 充てん法の検討
    山下 忠孝, 脇 国男
    1970 年 19 巻 3 号 p. 423-426
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 中野 正之, 望月 克郎
    1970 年 19 巻 3 号 p. 427-430
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
  • 黒田 六郎
    1970 年 19 巻 3 号 p. 431-440
    発行日: 1970/03/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
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