大豆たんぱく質がカルシウムやマグネシウムなどの塩類もしくは,酸類などの添加により凝固すること,及び一般にたんぱく質が重金属イオンと錯体形成する性質を利用し,水中の微量金属を捕集濃縮することを目的として発光分光分析の技法を用いて検討した.
試料水に捕集剤として一定量の豆乳及び凝固剤として所定量のδ-グルコノラクトンを加えて加熱したんぱく質を凝固させた.この凝固物(豆腐)に捕集濃縮された金属を発光分光分析した.その結果,用いた大豆中に検出されない金属元素のうち,金,銀,水銀,白金,ベリリウム,バリウム,カドミウム,ガリウム,セリウム,イットリウム,ランタン,インジウム,パラジウム,アンチモン,トリウム,ジルコニウムなどの捕集濃縮に応用しうることを明らかにした.
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