分析化学
Print ISSN : 0525-1931
42 巻 , 3 号
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  • 斎藤 栄二, 星 正人, 近藤 征弘, 徳田 一, 松本 清
    1993 年 42 巻 3 号 p. 119-125
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    各種家庭用製品中の多種多様の高分子を,熱分解キャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析した後,自動的に高分子を検索することが可能な,全自動高分子同定支援システムの開発を試みた.検討の結果,熱分解された高分子の分離には,DB-17キャピラリーカラムが最適であることを見いだし,検出には水素フレームイオン化及び窒素,リン同時検出法を用いた.分離成分の同定には保持指標を用い,熱分解後に多数の同族体を与えるポリエチレンを保持指標計算のための基準物質とすることにより,良好な保持指標安定性を得ることができ,保持指標のデータベース化が可能となった.本分析法は,熱分解ガスクロマトグラフをパーソナルコンピュータとオンライン結合させることにより,完全に自動化することができた.
  • 江崎 泰雄, 中井 恭子, 荒賀 年美
    1993 年 42 巻 3 号 p. 127-132
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    顕微赤外装置下での全反射吸収(ATR)測定法を開発すると共に,本法を局所分析に適用するための基礎的検討を行った.その結果,断面が"く"の字形の六角柱構造を有するATRプリズムの開発によって,顕微赤外装置の透過光路を利用したATR測定が可能になった.本法を点分析に適用したところ,試料面上の10μmオーダーの微小部のスペクトルが測定できた.又,試料を保持したプリズムを,プリズムの柱軸方向に移動しながら連続測定することによって分解能20μm,測定精度1.0%(RSD)で線分析できることが分かった.更に,プリズムの二次元方向の移動によって,1.3mm×6.6mmの視野の面分析が可能になった.以上の結果をもとに,本法を工業材料の分析に応用したところ,材料表面の局所分析法として有効な手段であることが確認できた.
  • 飯島 善時, 平岡 賢三
    1993 年 42 巻 3 号 p. 133-140
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    X線光電子分光法(XPS)を用いて,C 1sスペクトルの形状解析より,ダイヤモンド薄膜の解析評価を試みた.その結果C 1sスペクトルの半値幅,ピークの対称性の解析より,XPSがダイヤモンド薄膜の評価,及び膜の構造解析に有効な分析法であることを明らかにした.
  • 山口 仁志, 山田 圭, 大河内 春乃, 長谷川 良佑
    1993 年 42 巻 3 号 p. 141-144
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    フッ化物分離/モリブドケイ酸青吸光光度法による黒鉛中の微量ケイ素の定量について検討した.黒鉛試料をメタ過ヨウ素酸ナトリウム及び過塩素酸を用いて分解し,フッ化水素酸及び硫酸を用いてケイ素を揮発分離してモリブドケイ酸青吸光光度法で定量した.本法で日本原子力研究所黒鉛標準試料G3を分析した結果,AAS及び吸光光度法により求めた定量結果と良い一致が見られた.又,ケイ素含有量1ppm以下の試料についても,本法では十分定量可能であり,ケイ素10μgにおける回収率は101%,RSDは1.2%であった.なお,本法の検出限界は試料1gで0.05ppmであった.
  • 山口 仁志, 山田 圭, 鯨井 脩, 長谷川 良佑
    1993 年 42 巻 3 号 p. 145-150
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    超LSI材料として用いられる二ケイ化タングステン中の不純物であるナトリウム,カリウムなどの極微量定量法を確立した.試料をテフロンビーカーにはかり取り,フッ化水素酸及び硝酸で加熱分解後,過塩素酸を加え白煙が生ずるまで加熱しケイ素を揮散させる.更に,不純物元素を陽イオン交換樹脂に吸着させタングステンマトリックスより分離する.次に,硝酸を用いて不純物を溶出させ,定容とする.この試料溶液を黒鉛炉AAS及びICP-AESにより分析する.本法は二ケイ化タングステン中の15元素(Al,Ca,Cd,Co,Cr,Fe,Ga,K,Mg,Mn,Na,Ni,Pb,Ti,Zn)を0.0nppmから0.0n%まで精度よく定量できる.高純度タングステンの分析にも適用可能である.
  • 後藤 伸武, 大島 光子, 本水 昌二
    1993 年 42 巻 3 号 p. 151-157
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    フローテーション/対イオン交換抽出法を用いる極微量リン酸,及びヒ酸の吸光光度定量法を確立した.オルトリン酸とモリブデン酸との反応により生成したモリブドリン酸にマラカイトグリーン(MG+)をイオン会合させ,この会合体を水相と有機相(シクロヘキサン+イソブチルメチルケトン=8+1v/v)の界面にフローテーションさせる.この後,MG+と近い極大吸収波長をもつ染料陰イオン(A-と略記)とモリブドリン酸を交換し,(MG+・A-)イオン会合体を有機相(フローテーション溶媒+1,2-ジクロロエタン)に抽出する.ヒ酸も類似のイオン会合体を形成するため,同様にして定量することができる.A-としては新規合成酸性染料の4'-ヒドロキシ-3,5,3',5',2",6"-ヘキサクロロフクソン(以後,Cl6BZと略記)を用いた.リンを基準とした見掛けのモル吸光係数は620nmで5.7×105dm3mol-1cm-1であった.この方法によるRSDは1×10-6Mのリン酸で0.29%(n=10)であった.本法は試薬から試験値が0.005と低く,6倍の濃縮も可能であり,これによりsub-ppb(10-10gml-1)レベルのリンの定量が可能となった.又ヨウ化物イオン,過塩素酸イオン,ラウリル硫酸イオンなどのイオン会合抽出されやすい疎水性イオンの影響は,溶媒抽出法に比べはるかに小さいことが分かった.本法を海水,鉄鋼試料中のリン,ヒ素の定量に応用した.
  • 中田 邦彦, 小田 健司, 森田 尚文, 澤田 恵夫, 高木 正之助
    1993 年 42 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    各種緩衝液中での直流ポーラログラフィーの還元波に及ぼす2,3-ジケト-L-グロン酸(DKG)のカルボニル基の水和及びカルボキシル基の解離について検討を行った.酸性,中性,アルカリ性の各種pHの緩衝溶液中におけるDKGの直流ポーラログラムから3種の異なった還元波A,B,Cが観察された.酸性溶液では,還元波A(E1/2=-0.63Vvs.SCE,pH4.0)のみが大きく認められ,中性溶液では減少するが,新たに還元波B(E1/2=-1.11Vvs.SCE,pH6.5)が大きくなった.アルカリ性溶液中では,還元波Bの減少に伴い,還元波C(E1/2=-1.02Vvs.SCE,pH10.8)が認められた.サイクリックボルタンメトリーではこれらの還元波に対応する酸化ピークは認められず,非可逆反応であった.又,無酸素中性及びアルカリ性溶液中でDKGから二つのエンジオール型のジケトグロノ-δ-ラクトンは,中性溶液中では3,4型が,アルカリ性溶液中では2,3型のものが多く生成された.これらのことより,酸性溶液中で認められる還元波はDKGの一つのカルボニル基が水和したもの,中性溶液中のそれはカルボキシル基が解離型でカルボニル基が水和したもの,アルカリ性溶液中では,カルボキシル基が解離し,かつカルボニル基の非水和に対応したDKGに由来する還元波と結論される.
  • 固体試料のための標準添加法
    厚谷 郁夫, 南 尚嗣, 張 強斌
    1993 年 42 巻 3 号 p. 167-172
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    ミニチュアカップ固体試料の直接定量法では検量線作成方法が最も重要な問題の一つであった.この問題を解決するため原子吸光法による生物粉末試料中の微量元素の直接定量のための検量線の新しい作成方法として固体試料のための標準添加法を考案した.本法を生物試料中のppmレベルのニッケル,コバルト,銅,マンガンなどに適用した場合,正確度の高い結果が得られることを明らかにした.又,sub-ppmレベルの前灰化濃縮を必要とする生物試料に対しては標準物質の選択の問題があったが,固体試料のための標準添加法を適用することによって良好な結果が得られることを明らかにした.
  • 石井 幹太, 小池 充
    1993 年 42 巻 3 号 p. 173-181
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    超臨界流体(SCF)の高密度流体特性を利用した微量ラクトンの化学発光(CL)分析法をFIAを用いて確立した.本分析システムは1流路から成る.CLは2基の注入器(試薬用S1:100μl,試料用S2:20μl)を用いてCO2-SCF中に試薬(NaOH/C2H5OH),試料(ラクトン/CH3COCH3)の順で導入して発生させる.CL発生機構は次のとおりである.ラクトンとNaOH及びC2H5OH/NaOHとの反応でそれぞれオキシカルボン酸とグリコール酸エステルが生成する.それらの反応でジエステルが生成し,溶存酸素と反応して過シュウ酸エステル様の高エネルギー中間体が生じる.この励起化合物からCLが得られる.又CLはCO2-SCFで増感される.本分析システムの分析化学的特性(代表としてγ-ブチロラクトン:γ-BuLac)は以下のとおりである.検出下限:1.0×10-10M(20μl注入法:S/N=2).検量線の直線範囲:1.0×10-9~1.0×10-7M.選択性:ラクトンに高選択的でβ-BuLacなど他のラクトン類には同程度の感度を有してCLが得られる.再現性:RSDで5.5%(20μl注入法で1×10-8Mのγ-BuLac試料の5回繰り返し測定).分析所要時間:約3秒.コーヒーエッセンス中でのγ-BuLacの回収試験も良好であった.
  • 大野 陽一, 保母 敏行, 田村 理佐子, 石井 幹太
    1993 年 42 巻 3 号 p. 183-190
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    銅(II)で表面化学処理したクリノプチロライト系天然ゼオライト(Cu-Zeo)にあらかじめ既知量のアデノシン三リン酸(ATP)などのヌクレオチド三リン酸化合物を負荷したCu-Zeoを用いた物質交換と,1,10-フェナントロリン化学発光(CL)検出を用いたヌクレオチド三リン酸化合物の高選択的FIA/CL分析法を確立した.本分析システムは3流路から構成されており,目的成分はCu-Zeoから目的成分と交換溶出した銅(II)量をCL検出して間接定量する.検出下限はATPを代表例にあげると50fmol(100μl注入法)であった.ヌクレオチド三リン酸(1×10-9M)のCL強度は約105倍量の他のヌクレオチド類との共存においても相対誤差で約1%以内の変動しか示さなかった.RSDは2.1%であった(1×10-9MATPの5回繰り返し測定).尿中の細菌数測定への応用も行った.
  • 小泉 貞之, 今任 稔彦, 石橋 信彦
    1993 年 42 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    塩化トリフェニルスズ(TPTCl)含有液膜型イオン電極の陰イオン応答性を考察するために,有機溶媒中における数種の陰イオンとTPTClとの相互作用について,濾紙電気泳動法並びに電導度滴定法により検討した.濾紙電気泳動法では,トリオクチルメチルアンモニウムの各種陰イオンの塩のニトロベンゼン溶液を含浸した濾紙上にTPTClのニトロベンゼン溶液をスポットし,通電に伴うスポットの移動方向や移動速度を調べた.又,電導度滴定では,上記トリオクチルメチルアンモニウム塩のニトロベンゼン溶液を入れた電導度セルにTPTClのニトロベンゼン溶液を滴下し,その混合液の電導度と滴下したTPTCl溶液の容積の関係を調べた.その結果,硝酸イオンや過塩素酸イオンはTPTClとほとんど相互作用をしないことが分かった.一方,塩化物イオンやチオシアン酸イオンは1分子のTPTClに一つのイオンが配位したTPT・Cl2-又はTPT・ClSCN-のような付加錯体を形成することが示唆された.
  • 木下 英明, 臼井 敏明, 高山 勝己, 池田 篤治
    1993 年 42 巻 3 号 p. 197-199
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    The activity of γ-glutamyltranspeptidase (γGTP) in serum was determined by measuring the increase in current for a given time due to the oxidation of 5-aminosalicylic acid, as enzymatically released from γ-glutamyl-3-carboxy-4-hydroxyanilide in Tris buffer of pH 8.5 containing glycylglycine, with a dialysis membrane-covered glassy-carbon electrode. The activities determined amperometrically for twenty six serum samples were in excellent agreement with those determined by a colorimetric method using γ-glutamyl-p-nitroanilide as the substrate (with the correlation coefficient of 0.997). The electrode was free of deactivation of electrode surface by the protein adsorption typically encountered when an electrode without a dialysis membrane was employed.
  • 樋田 行雄, 渡部 和男
    1993 年 42 巻 3 号 p. T43-T47
    発行日: 1993/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ホウ酸メチル蒸留分離/クルクミン吸光光度法を用い,ニッケル基耐熱合金中の酸可溶性及び不溶性ホウ素の分別定量について検討した.酸不溶性ホウ素回収のための濾過材としては,濾紙では5種Cが,メンブランフィルターでは孔径が0.45μm以下のものが適当であった.試料溶液を蒸発濃縮する際のホウ素の揮散防止には,グリセリンの添加が極めて効果的であった.検討した方法を幾つかのニッケル基耐熱合金に適用した.酸可溶性及び不溶性ホウ素定量値を足し合わせた値は,別途定量した全ホウ素定量値とよく一致した.
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