分析化学
Print ISSN : 0525-1931
43 巻, 12 号
選択された号の論文の30件中1~30を表示しています
  • 佐々木 与志実, 小泉 貞之, 吉國 忠亜, 山田 明文
    1994 年43 巻12 号 p. 1039-1044
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    抽出剤に,1-フェニル-3-メチル-4-デカノイル-5-ピラゾロン(HPMDP)とトリオクチルポスフィンオキシド(TOPO)の混合ベンゼン溶液を用いて,溶媒抽出-ミクロ逆抽出を行い,数千から1万倍に濃縮した後,黒鉛炉AASによって天然水中のカドミウムの定量を試みた.この方法を水道水,河川水,蒸留水,海水などの0.001~0.1μg/lのカドミウムの定量に適用したところ満足な結果が得られた.
  • 村田 正治, 前田 瑞夫, 古賀 実, 山下 俊郎, 原口 公子, 高木 誠
    1994 年43 巻12 号 p. 1045-1051
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    環境大気中に存在する微量多環芳香族炭化水素を,XAD-2樹脂を充てんした吸着管を用い捕集し,アセトニトリルで超音波抽出後,GC/MS-SIM法で定量する方法を検討した.大気中でガス状として存在すると考えられる縮合2環系のナフタレンから縮合4環系のピレンまで15種の多環芳香族炭化水素を対象とした.定量用の内標準にはアントラセン-d10を用い,面積比でプロットした検量線は15種の化合物とも直線性が得られ,検出下限はpgレベルであった.構造的閉鎖性の高い都市人工空間におけるガス状多環芳香族炭化水素濃度を本法により測定し,芳香族炭化水素を指標とした環境評価を試みた.本法はサンプリング装置が小型・軽量であり,煩雑な前処理を必要としないため,環境大気中多環芳香族炭化水素化合物の迅速測定及び個人暴露量の測定を目的とするパーソナルモニタリング等に広く応用できる.
  • 佐々木 与志実, 小泉 貞之, 吉國 忠亜, 山田 明文
    1994 年43 巻12 号 p. 1053-1058
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    銅(II)錯化容量が水質の指標となるのみでなく,重金属の環境への影響を評価する指標として重要な意味を持っていると考え,重金属との結合の強さ別の錯化容量の測定を試みた.農薬や医薬には金属イオン封鎖剤としてEDTAやニトリロ三酢酸が,織布の精練廃液や写真現像の漂白処理剤にもEDTAが含まれる.これらはいずれ環境水中に現れる.動植物はその腐敗によって,フミン酸,フルボ酸,アミノ酸,タンパク質,酒石酸,クエン酸等を生ずる.これらも一種のキレート剤である.これらのキレート剤を銅(II)と反応させ,反応した銅(II)の量を原子吸光分析で定量して,銅の量よりキレート剤の量を測定した.1)酸化銅(II)の可溶化,2)Cu(BFA)2を用いる逆抽出,3)Cu(PMBP)2を用いる逆抽出を試み,1),2)と3)の値の比較を行った.いずれも,酸化銅(II)や銅(II)錯体中の銅(II)を水中のキレート剤が奪い取ることに基づいている.それぞれ銅(II)錯化容量値を求めれば,それぞれ中性付近での条件安定度定数(大,中,小)の異なったキレート剤の推定に役立つと思われる.
  • 奥村 稔, 橋谷 博
    1994 年43 巻12 号 p. 1059-1063
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    環境水中の溶存酸素濃度を測定するために,還元形メチレンブルー(RMB)の発色(吸収極大波長600nm)を利用した吸光光度法を検討し,それに基づいた迅速で簡便な現場目視定量法を開発した.操作には,空気による影響を防ぐためにガラス製注射器を用いた.RMBは,市販のメチレンブルーをグルコースで還元して調製した.その際,RMBの析出を防止するためにエタノールを添加した.グリセリンを添加した従来法と比較して粘性が低くなり,注射器内での試料水とRMB溶液との混合が容易になった.発色反応は瞬時に完了し,発色は90分間は安定であった.標準列法による目視法は溶存酸素濃度13μg/mlまで判別,定量できた.本法における発色は従来のRMBによる吸光光度定量法のものより安定であり,又海水の塩分の影響を受けない.本法を汽水(塩分18~30‰)に応用したところ良好な結果が得られた.
  • 平山 和雄, 関根 俊範, 宇野原 信行
    1994 年43 巻12 号 p. 1065-1070
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    プロピルイソチオウロニウム基(PIT)を保持した陰イオン交換シリカゲルにクロムアズロールS(CAS)を固定したシリカゲル(CPS)を合成し,天然水中の微量アルミニウムの分離濃縮を検討した.イオン結合部分にフッ素樹脂(PTFE)の被膜を形成させるコーティング法を応用して,CASの固定を強化した.CASの固定量は3.1μmolg-1であった.10ml min-1の流量とpH5以上の条件で,カラム法によって1000mlまでの試料溶液中のAl(III)が定量的に吸着され,溶離剤に0.1M塩酸の20mlを使用すると,99%以上の回収率と50倍の濃縮倍率が得られた.ICP-AESの検出下限は0.28ppbであった.本法は,海水などの濃厚な塩溶液中のAl(III)も濃縮でき,連続20回の濃縮操作を繰り返しても,フッ素樹脂をコーティングしたCPS(CPS-F)の捕集能力は変化しなかった.本法を水道水,河川水そして海水中のアルミニウムの定量に応用し,満足する結果を得た.
  • 亀山 紘, 島田 了八, 中込 真二, 渡邉 眞, 武山 斌郎
    1994 年43 巻12 号 p. 1071-1076
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    魚腸骨処理場から発生する代表的な悪臭物質である脂肪族アミンの種類やその量を測定して悪臭の発生状態を調べ,検出された成分濃度と官能試験及び半導体センサーを用いた臭気測定の結果との関係を考察した.9.0wt%の水酸化カリウムを担持したクロモソルブ102を分離カラムに用いたGCにより,分離困難とされてきたC1~C3脂肪族アミン類をほぼ完全に分離することができた.分離定量された成分濃度[C]iに,トリメチルアミンの嗅覚いき値濃度と個々の脂肪族アミンの嗅覚いき値濃度との比,[Th]TMA/[Th]iを掛けた値の総和ΣTc(=Σ[C]i×[Th]TMA/[Th]i)を有効トリメチルアミン濃度と定義し,これを指標として官能試験法による臭気指数及び半導体センサー指示値との間の整合性を確認した.
  • 胡 新成, 北野 優, 竹中 規訓, 坂東 博, 前田 泰昭, 張 大年
    1994 年43 巻12 号 p. 1077-1082
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    アルカリ性の水溶液中で,フミン酸と次亜臭素酸ナトリウムとの反応によって化学発光が生じることを見いだした.化学発光の最大波長は560~600nmであった.この化学発光反応を利用して,自然水中の微量のフミン酸のフローインジェクション分析法を開発した.又,Fe2+はこの化学発光反応に対して増感効果があることが分かった.フミン酸に対する検出限界は0.01ppmである(0.5ml試料を注入する場合).この化学発光反応は非常に速いので,試料と次亜臭素酸ナトリウムとの混合は二重管を用いて,発光セルの中で行った.過酸化水素,尿素やアンモニウムイオンと次亜臭素酸ナトリウムとの反応によっても化学発光が生じるので,フミン酸の測定を干渉する.アンモニウムイオンの干渉はオンライン陽イオン交換カラムによって除去された.自然水中に存在する過酸化水素や尿素の濃度は低いため,それらの干渉は無視できる.
  • 高橋 隆子, 高久 雄一, 増田 公彦, 島村 匡
    1994 年43 巻12 号 p. 1083-1086
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    We report the possibilities for multi-elemental analysis of suspended particulate matter (SPM) by glow discharge mass spectrometry (GDMS). To cope with the small sample volume, SPM sample was deposited on the surface of a high purity (7N grade) indium electrode. NIST SRM 1648 Urban Particulate Matter was analyzed to evaluate the method. For 34 elements, GDMS results agreed well with their reference values within a factor of 2 from the major constituents (12.5 wt % of Si) to the trace constituents (down to 0.8 μg/g of Eu), even when using typical relative sensitivity factors (RSF). A total of 53 elements including halogens were analyzed using approximately 10 mg of SPM sample by GDMS with sub-μg/g sensitivity.
  • 太田 一徳, 古川 正道, 中嶋 邦雄, 田中 一彦
    1994 年43 巻12 号 p. 1087-1092
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    イオンクロマトグラフィーの試料注入において,種々のpH及び濃度を有する試料溶液をサンプルループに大過剰量(20倍程度)に通液した場合,試料溶液が中性(pH7)以上では陰イオンの検出器応答は一定であったが,酸性の試料溶液では,陰イオン(特に硫酸イオン)がサンプルループに吸着濃縮され,それが溶離液により脱着し,試料溶液とともにカラムに送られることから吸着された陰イオンの検出器応答が増大した.そこで,酸性の試料溶液中の陰イオンを良好に分離定量するために,サンプルループへの陰イオンの吸着の抑制法について検討したところ,試料溶液を溶離液に溶解する方法が最も簡便かつ効果的であった.本前処理法を用いて,種々のpHを有する酸性雨及び河川水等の環境水中の陰イオンの定量を行ったところ良好な結果が得られた.
  • 小倉 久子, 大谷 保弘, 浜田 孝敏, 小熊 幸一
    1994 年43 巻12 号 p. 1093-1100
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    イオンクロマトグラフ法(IC法)及び,気泡分節式水質自動分析計(AA法)について,現行の手分析法との比較を行い,公共用水域の水質モニタリング調査にこれらの適用が可能かどうかを検討した.IC法は塩化物イオン,亜硝酸性窒素,硝酸性窒素,及びアンモニア性窒素について検討し,現行法の値とほぼ一致したが,亜硝酸性窒素はIC法のほうが定量下限値が高く,やや大きめであった.又,1mgl-1以下のアンモニア性窒素は共存するナトリウムイオンの影響で定量困難であった.AA法についての検討は上記4項目に加えてフッ素化合物及びフェノール類について行い,どれも現行法の値とよく一致した.AA法はIC法に比べて,海水も含めて環境水一般に広く適用が可能であり,処理速度も数倍速かった.
  • 坂尾 昇治, 内田 弘, 札川 紀子, 久保田 正明
    1994 年43 巻12 号 p. 1101-1105
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    超高純度硝酸と超純水中の微量不純物の定量において,濃縮時の環境からの汚染量をICP-MSによって測定した.通常の化学実験室とクリーンルーム内で濃縮した試料の分析値,並びに製造メーカーの参考値との差から,各濃縮環境における元素別の汚染量とその変動幅を求めた.環境からの汚染が大きく観察された通常化学実験室においては,ドラフトの前扉を大きく開けた場合,ホットプレート上の手前側に置いたビーカーのほうが汚染量が多かった.又,前扉の開け方が少ない場合は,後側のビーカーのほうがわずかではあるが汚染を大きく受けるように思われた.空試験を併用した実試料分析においては,両環境から得られた平均分析値は良く一致したが,クリーンルームから得られた分析シグナルと空試験との比(S/BL)は大きく,再現性も良好であった.
  • 清水 尚登, 井上 嘉則
    1994 年43 巻12 号 p. 1107-1112
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    ジビニルベンゼン-親水性メタクリル酸エステル共重合ゲルを用いた固相抽出法と高速液体クロマトグラフィー(ダイオードアレイ検出器,電気化学検出器)を組み合わせて,フェノール類(18種:フェノール,m,o,p-クレゾール,m,o,p-クロロフェノール,m,o,p-プロモフェノール,ジクロロフェノール類6種,カテコール,レゾルシノール)の濃縮及び定量について検討した.その結果,0.5,及び5μg/lのフェノール類溶液(200ml)を濃縮した場合,カテコール,レゾルシノールを除くフェノール類の回収率はいずれも90%以上,再現性(相対標準偏差n=7)は10%未満で,本手法がフェノール類の高感度分析に対して有効であることが分かった.又,ODSゲルを用いた固相抽出法に比べ,本法は親水性の高いフェノールの濃縮にも有効であった.
  • 宮本 好明, 片岡 洋行, 大類 諭, 蒔田 政見
    1994 年43 巻12 号 p. 1113-1118
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    ガスクロマトグラフィー(GC)による第一級アミンの選択的高感度定量法を検討した.第一級アミンをSchotten-Baumann条件下ベンゼンスルホニルクロリドで処理してベンゼンスルホンアミド体とし,リン酸酸性下ジエチルエーテルで抽出後,さらに無水トリフルオロ酢酸と反応させてN-ベンゼンスルホニル-N-トリフルオロアセチル誘導体を調製した.得られた誘導体はSE-30パックドカラムを用い,電子捕獲検出器(ECD)により分析した.本誘導体は分子内にアシル化ベンゼンスルホンアミド構造を有することから,ECDに対して高感度を有し,第二級アミンの妨害を受けることなく選択的な第一級アミンの検出を可能にした.ブチルアミンの誘導体化収率は95%以上で,各第一級アミンの検出限界はGC注入量として1~5pgであった.又,2.5~50ngの範囲で作成した検量線は直線性を示し,再現性も良好(RSD:4~8%)であった.
  • 野村 俊明, 伊沢 美枝, 三井 利幸
    1994 年43 巻12 号 p. 1119-1126
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    電極分離型水晶発振子を川いて,種々の金属イオンについて,種々の沈殿剤を兼ねたpH緩衝液を逐次連続的に流し,金属イオンの水酸化物,炭酸塩,あるいはリン酸塩を形成させ,生じた沈殿の水晶振動子上への付着及び脱着による振動数変化を数値化し,多変量解析法で,定性,定量分析を行う方法を確立した.この方法により,ステンレス鋼中のニッケル及びクロムの同時定量を行った結果,分離やマスキングなどの前処理なしに,定性および定量分析を行うことができ,本法が,簡単で迅速な定性,定量分析法であることが確認できた.
  • 鈴木 康弘, 白崎 俊浩, 中口 譲, 小池 祐一, 平木 敬三
    1994 年43 巻12 号 p. 1127-1132
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    溶媒抽出/ICP-AESを用いた天然水中のモリブデンの定量法について検討を行った.その際,ICPのプラズマトーチに直接導入可能な有機溶媒としてニトロベンゼンを選択し,抽出pH,8-キノリノール濃度の影響について調査し,それぞれpH3.5,8-キノリノール濃度0.01%以上が有効であるとの結果を得た.又,抽出時の妨害物質の除去には0.5~2.0 Mの塩酸での逆抽出が有効であった.本法の抽出,定量を通しての繰り返し精度は3%未満で,感度も従来法に匹敵していた.本法で天然水中のモリブデンを定量したところ酸処理の有無で分析値に有意差が認められた.この結果,現在まで考えられていたモリブデンの溶存種に加え,新たな分子種(有機形,あるいは過モリブデン酸)の存在が示唆された.
  • 小杉 善雄, 松本 幸三
    1994 年43 巻12 号 p. 1133-1136
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    イオン源への直接導入法を用いた電子イオン化質量分析法により貝紫色素の検出を試みた.アカニシ貝から得られる貝紫の色素を含む試料は,粗製のものでもジブロモインジゴとその前駆体とされる6-ブロモ-2-メチルチオインドレニノンの親ピーク,及びm/z404,406,408(1:2:1),386などの特性ピークを与えた.この手法を実際に染織した布地約2mm2ら色素を検出するのに適用したところ,複雑でない質量スペクトルから,貝紫成分として判定できることが分かった.
  • 守屋 芳夫, 菅井 幹夫, 大嶋 洋三, 小川 信明, 松尾 茂樹
    1994 年43 巻12 号 p. 1137-1142
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    金属-カルボン酸錯体抽出系の抽出挙動をもとにして金属イオンを分類し,それから更に金属イオンの結合特性の違いを明らかにするために,4種の脂肪族カルボン酸の各ヘキサン溶液による30種の金属イオンの抽出を行い,結果をpH1~9に対する3相(水相,有機相及び析出固相)への金属分配率エリアグラフで表示した.半抽出pHの順位は金属イオンの静電的効果と分極性で説明された.サイズの大きい金属イオンのn-脂肪酸錯体は界面に析出し,その2-エチルヘキサン酸錯体は有機相に完全に溶解した.これは界面凝集を誘起するn-脂肪酸錯体間疎水結合を側鎖が弱めるためと考えられ,逆にカルボン酸の種類によらず抽出された高イオンポテンシャルの金属イオンでは抽出種が凝集しにくいオリゴマー構造をとっているものと考えた.
  • 板垣 昌幸, 渡辺 邦洋
    1994 年43 巻12 号 p. 1143-1148
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    高速フーリエ変換を用いた演算により,エタノール溶媒中におけるアントラセンの蛍光放射の伝達関数H(ω)について検討した.H(ω)の理論式を蛍光放射モデルに基づいて導き,実験的に求めたH(ω)からの蛍光寿命の決定法及び検量線の作成法を提案した.この方法はH(ω)をボード線図又は複素平面上に描くもので,蛍光寿命を一義的に決定することができる.本法により,アントラセンの蛍光寿命として4.8±0.2nsを得た.更に検量線の傾きの値からアントラセンの蛍光量子収率を計算した結果,0.28の値を得た.これらの値は,従来の方法で得られた蛍光寿命及び文献値と良い一致を示した.
  • 白崎 俊浩, 仲村 弘子, 平木 敬三
    1994 年43 巻12 号 p. 1149-1154
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    グラファイト炉AASにおいて,硝酸コバルト(II)-リン酸二水素アンモニウムの二元系マトリックス修飾剤を用いることにより,河川水中の鉛を分析する方法を検討した.マトリックス修飾剤を用いないときには,実試料と標準試料とで原子吸光信号のプロフィルは一致せず,鉛の回収実験もほとんどの河川水において50%以下の回収率であった.本法を用いた場合にはプロフィルはよく一致し,回収率も90~110%以内と良好であった.個々の元素の干渉については,河川水中に多量に存在するカルシウム,ナトリウム等の下渉は抑制することができたが,20μg/mlのケイ素は負の干渉を与えた.本法を用いて河川水の分析を行い,マイクロ波プラズマMSによる分析値と比較したところ,両者の結果はよく一致した.本法における鉛の検出限界(3σ)は0.03μg/lであり,環境基準値の十分の一の濃度である1μg/lも3%(n=10)以内の相対標準偏差で分析が可能であった.
  • 河合 範夫, 森重 清利
    1994 年43 巻12 号 p. 1155-1162
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    クロロフィルa,b及びフェオフィチンa,bの非イオン性界面活性剤非水溶液中での吸収並びに蛍光特性を検討し,クロロフィル分子と非イオン性界面活性剤分子間の相互作用について考察した.その結果,無極性溶媒を用いた場合,界面活性剤の添加によりモル吸光係数は1.5~2倍に,蛍光の量子収率はクロロフィルaで約6倍,クロロフィルbは約2倍に増加した.しかし,クロロフィルの中心金属であるマグネシウムが脱離したフェオフィチンa,bは添加前後ではモル吸光係数及び蛍光の量子収率は変化しなかった.又,蛍光の偏光度を測定し,ペラン-ウェーバー式を用いて溶媒和分子の体積を求めた.その結果,界面活性剤の添加によるクロロフィルの溶媒和体積の増加を確認し,クロロフィルのマグネシウムとエチレンオキシド(EO)鎖の酸素原子との相互作用が示唆された.
  • 渡辺 真之, 井村 久則, 鈴木 信男
    1994 年43 巻12 号 p. 1163-1168
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    亜ジチオン酸でバナジウム(IV)を還元して調製したバナジウム(III)溶液を用い,アルゴン雰囲気下,pH1~3で非極性溶媒(ベンゼン及びヘプタン)中の0.003~0.10mol dm-3トリフルオロアセチルアセトン(Htfa)によるバナジウム(III)の液-液分配平衡を調べた.バナジウム(III)-tfaキレートの抽出定数と分配定数及び生成定数を決定し,アセチルアセトナトキレートと比較した.バナジウム(III)の抽出性はHtfa系のほうがはるかに高く,その抽出定数はアセチルアセトン系より100倍以上も大きい.配位子の酸解離定数,エノール分率,そして分配定数並びにキレートの生成定数と分配定数を比較検討し,抽出定数の差異が主にキレートの分配定数の項に帰されることを明らかにした.
  • 中島 靖, 吉田 烈
    1994 年43 巻12 号 p. 1169-1173
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    高価な装置を用いない簡易環境分析法開発の一環として,酸化ジルコニウムを用いる水中微量リン酸イオンの前濃縮法を開発した.まず,二塩化酸化ジルコニウム(IV)溶液をアンモニア水で中和し,引き続き室温で12時間混合し生成した水酸化ジルコニウムを〓過,洗浄し次いで800℃で焼成して酸化ジルコニウムを調製した.この1.0gを水100mlに懸濁させた後,直径47mmのメンブランフィルター上にて吸引〓過し,厚み1mmの酸化ジルコニウムベッドを作った.これにpHを3~9.5に調製した試料水を(最大101),吸引〓過により通水し酸化ジルコニウムベッドヘリン酸イオンを吸着させる.次いで1.0mol dm-3水酸化ナトリウム溶液50mlを通液しリン酸イオンを脱離し回収する.この方法におけるリン酸イオンの吸脱着は酸化ジルコニウムに対するリン酸イオンと水酸化物イオンとの競争反応に基づくもので,極めて速い可逆的反応であり,本吸引〓過フロー方式は繰り返し多数の試料を取り扱うことができる.本法を天然試料に応用したところ定量的な濃縮と回収が行われ良好な分析結果が得られた.
  • 小田嶋 次勝, 木幡 勝則, 檜垣 勝敏, 石井 一
    1994 年43 巻12 号 p. 1175-1182
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    2-ピリジンカルバルデヒド5-ニトロ-2-ピリジルヒドラゾン(PA-5-NPH)のアルデヒド側のピリジン環の3-位にニトロ基,4-及び5-位にはニトロ基を含む種々の置換基を導入した8種類の新規ヒドラゾン化合物を合成した.液-液分配法により,合成したヒドラゾンの酸解離定数(Ka)及び分配定数(ベンゼン-水間)を求めた.得られたpKa値とHammettの置換基定数(σ)との間には良好な直線が得られ,導人した置換基の電子的効果がpKaによく反映していることが分かった.いずれのヒドラゾンもCu(II),Fc(II),Ni(II),Pd(II),Zn(II)などと錯体を形成してベンゼンなどの有機溶媒に抽出された.それらの中で,5-位にニトロ基を導入したヒドラゾンのNi(II)錯体の吸収極大は561nmに存在し,この波長におけるモル吸光係数(ε)は,ヒドラゾン錯体の中で最も大きな値(ε=1.35×105dm3mol-1cm-1)であった.
  • 五十嵐 淑郎, 荒井 貴史, 川上 貴教
    1994 年43 巻12 号 p. 1183-1188
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2010/01/15
    ジャーナル フリー
    水-酢酸-クロロホルム三成分系において,pH依存相分離現象を利用した新しい均一液-液抽出法を開発した.まず,三成分溶媒系の相分離における最適操作条件を決定した{クロロホルム230μl(0.66vol%)と酢酸2cm3(5.71vol%)を含む均一水溶液に水酸化ナトリウム水溶液([NaOH]T=1.03moldm-3)を添加し相分離を行う.最終体積:35cm3}.又,あらかじめ添加するクロロホルムの量を調節することにより,水相(VW=35cm3)と析出相(VO=3.5μl)との体積比を一万倍とすることができた.モデル溶質としてα,β,γ,δ-テトラキス(4-ピリジル)ポルフィンを選定し,本法を適用した結果,VW/VOが700のとき,分配比(D)は5600及び抽出率(E)は88.9%であった.更に,本法と8-キノリノール比色法を組み合わせた均一液-液抽出法では,飲料水中の鉄の定量に対し,良好な結果が得られた{鉄(III)-8-キノリノール錯体:VW/VO=700のとき,D=1230及びE=63.7%}.
  • 加藤 弘眞, 田中 満寿子
    1994 年43 巻12 号 p. 1189-1192
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Bacteriorhodopsin(BR) has been reported to adsorb or desorb moisture reversibly. The application of a quartz crystal coated with BR as a moisture sensor was investigated. Results show that a quartz crystal coated with BR is capable of monitoring moisture concentration. A near-linear relation of the change in frequency with moisture was obtained in the range from 0.1 v/v% to 2 v/v%. The performance as a moisture sensor has been maintained over more than 3 months. The performance is unchanged even if exposed to an environment of 100°C for ten hours.
  • 川井 秀芳, 片山 嘉男, 二宮 康雄, 奥田 潤
    1994 年43 巻12 号 p. 1193-1196
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    An analytical method for the determination of heavy metals incorporated in PET film was investigated using punched-out PET film introduction and direct atomization graphite furnace AAS. Commercially available PET films (thickness is about 0.12 mm) were punched out with a 1 mmφ (or 3 mmφ) puncher. The ashing condition was carefully chosen to avoid fusion of PET film which interferes with complete charring of the sample. The optimum heating conditions were as follows: drying at 120°C (30 s), ashing-1 at 120650°C (60 s), ashing-2 at 6501000°C (30 s), atomizing at 3000°C (710 s) and cleaning at 3000°C (3 s). Concentrations of heavy metals incorporated in PET films ranged from 10-8 to 10-4g/g, accordingly experimental conditions such as the volume of samples, the analytical line of the elements and the flow rate of purge gas were also optimized. The concentrations of metals (Sb, Mn, Co) were determined using the calibration curves obtained by the standard addition method. The results by the present method which requires no sample pretreatment were in good agreement with those obtained by flame AAS after acid digestion.
  • 志田 惇一, 望月 次郎, 松崎 伸一
    1994 年43 巻12 号 p. 1197-1200
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    Trace amounts of Ga were determined by graphite furnace AAS after anion-exchange resin separation with Tiron utilizing the direct one-bead-of-resin insertion technique. The analytical procedure is as follows; a 2-ml portion of sample solution containing less than 0.5μg Ga was transferred into a 15-ml stoppered transparent test tube and 0.5 ml of 1.0×10-4 M Tiron solution and 2 ml of buffer solution (pH 5.5) were added. After dilution with water to 5 ml, 10.0 mg of anion-exchange resin was added and the mixture was shaken vigorously for 30 min. The liquid phase was discarded through a filter paper (5A) and the resin was washed three times with 5 ml of buffer solution diluted to ten times. The resin was dried in a desiccator at room temperature and one bead of the resin was set in a cup type cuvette, the absorbance was then measured. The working curve for Ga was linear over the range of 0.050.50 μg. The relative standard deviation for five determinations of 0.50 μg Ga was 3.8%. The detection limit, defined as three times the standard deviation of the reagent blank, was 1.5 ng ml-1. The tolerable amount of sulfate, nitrate and chloride ion increased ten-fold, one hundred-fold and one thousand-fold, respectively compared with the ordinary method by graphite furnace AAS. Al(III), Fe (III), In (III), and Mo(VI) were found to interfere.
  • 新井 隆, 一瀬 充範, 二村 典行, 木下 俊夫
    1994 年43 巻12 号 p. 1201-1204
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    We investigated diastereoisomer derivatization procedures of carboxylic drugs by the mixed anhydride (MA) method, phosphate ester activation method and DCC coupling method using reversed phase HPLC. As a result, the MA method was found to be suitable as a derivatization method in terms of sample handling, rapidity and practical use. We applied the MA method to the derivatization of phenyl acetate drugs, such as ketoprofen, to L-leucinamide diastereoisomer or R-naphthylethyl amine diastereoisomer. Good stereo isomeric resolutions of L-leucinamide diastereoisomers were obtained by reversed phase HPLC. These results suggest that derivatization to L-leucinamide diastereoisomers by the MA method is suitable for chiral separation of carboxylic drugs using reversed phase HPLC.
  • 富崎 理代, 馬場 嘉信, 津波古 充朝
    1994 年43 巻12 号 p. 1205-1207
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    The effect of the gel composition, electric field strength, and capillary length on the separation of DNA sequencing reaction product was investigated in order to achieve highspeed DNA sequencing on a large-scale for the Human Genome Project. In this study, we prepared gel-filled capillaries differing in gel concentration (3%T6%T), degree of crosslinking (0%C5%C), and capillary length (15.3 cm36.3 cm). Fluorescencelabeled A-termination sequencing reaction product (M13mp 18 template) was first separated by capillary electrophoresis using the gel-filled capillaries prepared here in electric fields from 200 V/cm to 414 V/cm and then detected at 560 nm by using an on-line argon ion laser (488 nm)-induced fluorescence detector. In conclusion, the use of the short capillary, high concentration gel, and high electric field realizes high-speed separation of DNA sequencing reaction product with high resolution. Under optimum separation conditions, only 10 min is required for sequencing of 250-base DNA.
  • 鬼塚 初喜, 引間 聡
    1994 年43 巻12 号 p. 1209-1212
    発行日: 1994/12/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
feedback
Top