巻号一覧
46 巻, 3 号
選択された号の論文の12件中1～12を表示しています
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川崎 幹生, 村口 友美, 蠣崎 悌司, 長谷部 清1997 年 46 巻 3 号 p. 169-174
発行日: 1997/03/05
公開日: 2010/02/16
ジャーナル フリー微分パルスポーラログラフィーによる極大波を用いた微量オスミウムを定量するための基礎的諸条件を検討した.塩酸溶液中, システインの存在下で四酸化オスミウムは-0.85 V (vs.SCE) に明りょうな極大波を示す.この極大波の波高は塩酸の濃度に依存し, 塩酸濃度が0.75～1.25mol/dm3の問でその波高は最大かつ一定になった.この極大波はシステインの濃度にも依存し, 四酸化オスミウムのおよそ2000倍の濃度のシステインを添加することにより最大になった.最適条件下で, システイン共存下のピーク電流値は共存しない場合の電流値に対しておよそ1600倍大きいことが分かった.本法により, 8.0 × 10-10 ～ 2.7 × 10-7mol/dm3のオスミウムを直接定量することができる (検出限界3.5 × 10--10mol/dm3 : k =3).電位ステップ法, 電気毛管曲線及び温度依存性などの検討から, この極大波の電極反応過程は非常に複雑であり, 反応, 吸着及び接触電流が関与していると考えられる.又, 実試料として電子顕微鏡用試料の廃液に本法を応用し, 好結果を得ることができた.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1071K) -
池田 光治, 遠藤 昌敏, 阿部 重喜1997 年 46 巻 3 号 p. 175-180
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリーポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル.2を抽出溶媒とする銅 (I) -ネオクプロイン錯体及び陽イオン色素の抽出分離法について検討を行った, ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が小さな界面活性剤相は水溶液表面に球状に浮遊し, 特にかさ高い対陰イオンを添加しない系においても, 陽イオン金属錯体及び陽イオン色素を界面活性剤相に定量的に抽出できた.弱アルカリ性溶液から抽出した陽イオン色素は非水溶媒の添加によって, 発色状態に著しい差異を示した.この現象を利用して, 二元系溶媒 (エタノールージオキサン系) の組成分析が可能であった.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (983K) -
N, N'-ジメチル-N, N'-ジヘキシル-3-オクサペンタンジアミドと, テノイルトリフルオロアセトン協同抽出におけるユウロピウム (III) 及びアメリシウム (III) 抽出錯体種のpH依存性佐々木 祐二1997 年 46 巻 3 号 p. 181-186
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリーN, N-ジメチルN, N'-ジヘキシル-3-オクサペンタンジアミド (DMDHOPDA) とテノイルトリフルオロアセトン (TTA) を用いるEu3+, Am3+の協同抽出において, 異なる4種の抽出錯体種が認められた。それらは, M (a) 3 (x) 3, M (a) 3 (tta) (x) 2, M (a) 2 (tta) 2 (x) とM (a) (tta) 3 (M : Eu3+又はAm3+, a : DMDHOPDA, x- : ClO4-又はClCH2COO-) である.これらの錯体種の存在割合は2種の試薬 (DMDHOPDAとTTA) の割合と水相の水素イオン濃度に依存し, pHに対する上記4種の錯体の存在割合の関係を得ることができた.EuとAmの分離係数はpHが2より低い領域で最も高く, pHの上昇につれて減少した.これはより高いpH領域では, DMDHOPDA, TTA共にこれらの元素の抽出反応に関与し, 協同効果が現れるためと解釈される。pHが3以上の高い領域では, 顕著な協同効果が観測された.この領域では金属イオンに錯形成するtta-がpH上昇とともに増加し, 逆に対陰イオン, x-の数が減少する.トルエン中により抽出されやすい錯体は対陰イオンを抽出反応に伴わない, 中性の種であることが確認される.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (855K) -
藤野 陸由, 吉川 富美子, 野口 駿雄1997 年 46 巻 3 号 p. 187-193
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリーN, N-ジメチルホルムアミド (DMF) 中における無機混合酸の同時示差定量をテトラヒドロホウ酸ナトリウムのDMF溶液を標準溶液とする電導度滴定法により検討した.その結果, DMF中において無機混合酸は, 反応性や酸度の違いによる複数の変曲点が得られ, これらの変曲点によりそれぞれの酸濃度を同時示差定量することができた.一般に, DMF中におけるテトラヒドロホウ酸ナトリウムと無機酸との反応は中和反応と酸化還元反応との競合反応と考えられるが, 電導度滴定で追跡可能なこれらの反応は主として中和反応であると考えられる.これらの反応過程で生成及び消失するイオン種や沈殿生成物について高速原子衝撃質量分析法 (FAB-MS) 及びフーリエ変換赤外線分光法 (FT-IR) により検討した.又, 実際分析に先がけ, 滴定時における水分の影響についても合わせて検討した.その結果, 水分含有量が5%以下ならば変曲点には影響しなかった.本法における定量下限は0.01Mであった.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1170K) -
森重 清利, 上村 幸次, 木村 文彦, 西川 泰治1997 年 46 巻 3 号 p. 195-199
発行日: 1997/03/05
公開日: 2010/02/16
ジャーナル フリー3- (2-ヒドロキシフェニル) -1-フェニルトリアゼン-N-オキシド (HPTO) を合成し各種金属イオンに対する蛍光定量試薬としての有効性を検討した.本試薬はSc (III), Y (III), La (III), Zr (IV), Hf (IV), Th (IV), Nb (V) 及びTa (V) と蛍光性錯体を生成することを見いだした.そこで本研究では蛍光定量法の少ないニオブ及びタンタルの蛍光定量法を詳細に検討した.その結果ニオブは0.05～7μg/25m1 (Ex.439nm/Em.539nm, pH5.0, 50℃, 30min加温, 冷却) の濃度範囲で, 一方タンタルは0.1～10μg/25ml (Ex.420nm/Em.537nm, pH60, 50℃, 30min加温, 冷却) の濃度範囲でいずれも相対標準偏差1%で微量のニオブ及びタンタルの蛍光定量法を確立した.又, 微酸性溶液中で生成するニオブ及びタンタル-HPTO錯体の組成はいずれも1 : 1であることを明らかにした.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (820K) -
北出 達也, 北村 桂介, 和田 穣, 山本 恵理1997 年 46 巻 3 号 p. 201-205
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリーThe effects of the drying condition in a microwave oven and the surface form of a poly (vinyl alcohol) substrate on the room-temperature phosphorescence (RTP) intensity and its reproducibility were investigated by monitoring the p-amino benzoic acid (PABA) RTP intensity. The position of the substrate in the microwave oven used in the drying process severely affected the RTP intensity. Reproducible and intensive values were obtainable when the substrate was dried on an activated silica-gel layer in a small crucible fixed at the center of a rotating plate in a microwave oven. The calibration curve under this condition was linear from 0.2 to 1200 pmol/spot with a correlation coefficient of 0.999, and nearly intercepting the origin. Grooving the substrate surface with cross stripes before drying further improved the reproducibility of the RTP signal intensity of PABA with a relative standard deviation of 9.7%.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (916K) -
町野 彰, 内田 郁野, 松延 邦明, 吉森 貴柱1997 年 46 巻 3 号 p. 207-209
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリーTetrahydrothiophene (THT) is one of the most commonly used gas odorants in Japan. To control the quality of the distribution gas, a simple method is required for the determination of THT. In our previous work, a gas detector tube able to determine THT in natural gas was developed. The principle of coloration is the oxidation of THT by KMnO4. In this study the authors determined THT in steam reforming gas and liquefied petroleum gas (LPG). Sulfur compounds (CS2COS, dimethylsulfide, diethyl-sul-fide) and methanol had no effect on the length of coloration. 1-C4H8 had no effect on the length of coloration at concentrations below 1000 volppm. THT in fuel gases free from olefins could be determined using the gas detector tube.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (459K) -
笠原 一世, 高山 典子, 山本 弘美, 桜井 一英, 田口 茂1997 年 46 巻 3 号 p. 211-215
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリーAn improved synthetic method for silica-gel immobilized 8-quinolinol is proposed. An aminopropylated silica-gel was reacted with 4-aminobenzoic acid in the presence of 1-ethoxycarbony1-2-ethoxy-1, 2-dihydroquinoline (EEDQ) to synthesize aminobenzamide silica-gel. The product was diazotized with sodium nitrite and coupled with 8-quinolinol by the usual method. EEDQ is easy to handle, since it is stable, less toxic and does not require critical pH control in the synthesis reaction. The synthetic method was simplified and made certain. The adsorbent prepared by using EEDQ was compared with that prepared by a reported method using 4-nitro-benzoyl chloride and sodium dithionite, the other one was synthesized by a Mannich reaction. The silica-gel immobilized 8-quinolinol synthesized by an improved method was applied to the determination of a trace amount of vanadium in river, snow and bottled drinking water samples by ICP-AES after preconcentration. Vanadium (V) and vanadium (IV) were adsorbed quantitatively within the pH range 3.0 to 7.5 and 4.0 to 6.5, respectively. It was possible to determine sub μgl-1 levels of vanadium after a 100-fold preconcentration using synthesized silica-gel immobilized 8-quinolinol.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (763K) -
北村 照夫, 渡辺 潔, 吉本 栄治1997 年 46 巻 3 号 p. 217-222
発行日: 1997/03/05
公開日: 2010/02/16
ジャーナル フリー2- (5-ブロモ-2-ピリジルアゾ) -5- (N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ) アニリン (5-Br-PSAA) とFe (II) の錯体反応を利用して高純度アルミニウム中のsub ppnレベルの極微量鉄の定量方法を確立した.5-Br-PSAA濃度をFeの6倍モル以上添加し錯形成することで, A1が高濃度 (5mg/ml) に存在しても影響なく, 5-Br-PSAAのFe (II) 錯体のεは8.7×104mol-1cm-1 (λmax=558nm) と大きく, 高感度定量が図られた.A1のマスキング剤を種々検討した結果, pH4～5.5の範囲で酢酸ナトリウムが最適であることが分かった.5-Br-PSAAとFe (II) 以外に錯体を形成するCu (II), Ni (II), Co (II)については, Cu (II) の影響はチオ尿素の添加で除け, Ni (II) は50, Co (II) は5ppmといった一般的な工業用高純度アルミニウム製品に含まれない量だと妨害する可能性があるものの, 実際にはppm, 及びppm以下なので, 実用上は問題ないことなどが分かった.Fe濃度が0～15μg/100m1の範囲で558, 及び714nmにおける測定のいずれの場合ともベールの法則が成立し, 検量線は良好な直線を示した.実際試料に適用したところx=0.71ppmの試料でRSD=4.5%であり, Feを抽出した後, 1, 10-フェナントロリン吸光光度法で定量した値とよく一致していた.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1033K) -
鈴木 章悟, 岡田 往子, 平井 昭司1997 年 46 巻 3 号 p. 223-227
発行日: 1997/03/05
公開日: 2010/02/16
ジャーナル フリー機器中性子放射化分析法 (INAA) により, 日本分析化学会が調製した河川水標準物質中の微量元素を定量した.河川水標準物質は道志川系の河川水を原料とした無添加試料 (JAC 0031) と, それにCrなど12元素を1～50μgl-1 添加した添加試料 (JAC 0032) の2本1組となっている.試料約450m1から回収率を向上させるために凍結乾燥を2回行って照射用試料を作製した.照射は立教大学原子炉で10秒間及び6時間行った.γ線測定は通常のγ線スペクトロメトリーと, 同軸型Ge検出器と井戸型NaI (T1) 検出器による反同時及び同時測定γ線スペクトロメトリーを行った.57元素の分析を試みて, 無添加試料で27元素, 添加試料で29元素が定量できた.認証値の示されている約10元素について, 認証値と誤差範囲内で一致した値が得られた.更に, 認証値, 参照値の求められていない15元素が定量できた.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (804K) -
我妻 和明1997 年 46 巻 3 号 p. 229-234
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリー原子種の励起準位間のカップリング計算により波長表データベースを作成した.この方法は波長入力の膨大で煩雑な作業を行うことなく, 比較的簡単にデータベースを構築できるという大きな特長がある.又, 個々のスペクトル線について帰属情報が得られるのでグロー放電スペクトルの解析に有効である.データベースの運用に不可欠な検索プログラムも併せて作成した.応用例として, 鉄の分析線に対するニッケルの分光干渉をデータベース情報を用いて解析した結果を述べる。抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (867K) -
岩下 正人, 島村 匡1997 年 46 巻 3 号 p. 235-238
発行日: 1997/03/05
公開日: 2009/06/30
ジャーナル フリー日本分析化学会による河川水標準物質作製のための共同実験に参加し, 河川水試料中の溶存元素の定量をICP-MSにより行った。対象試料は無添加試料 (JAC 0031) 及び添加試料 (JAC 0032) であり, 測定元素はMg, A1, Mn, Ni, cu, Zn, As, Cd, Pbの9元素である.得られた結果は, この共同実験により認証された値に比較し, JAC 0031において, Mgがやや低い値, Znがやや高い値を示した。一方JAC 0032においては, Mg, Alがやや低い値, Znがやや高い値を示した.そのほかの元素はほぼ認証値と一致した値が得られデータの再現性も良好であった.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (770K)
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