悪臭防止法で規制されている6種のアルデヒド(アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド,
iso-ブチルアルデヒド,バレルアルデヒド,
iso-バレルアルデヒド)と7種の有機溶剤類(
iso-ブタノール,酢酸エチル,4-メチル-2-ペンタノン,トルエン,スチレン,
m/
p-キシレン,ο-キシレン)を2,6-ジフェニル-
p-フェニレンオキサイド樹脂(Tenax TA)とカーボンモレキュラーシーブ吸着剤(Carboxen569)を充てんした試料管(外径6.45mm×内径4mm×長さ89mm)に常温吸着捕集後,全自動加熱脱着装置付きGC/MSで一斉分析する方法を開発した.全自動加熱脱着装置では,試料管に捕集した対象物質を加熱脱着し,-30℃に冷却したポーラスポリマー樹脂(Chromosorb 102)を充てんした石英管(外径3.8mm×内径3mm×長さ165mm)に再濃縮後,更に加熱脱着してGC/MSに導入することにより,対象12物質の測定を行った.各化合物20ngを試料管に添加し,500mlの清浄な空気を流した後に測定したときの回収率の平均は95%,相対標準偏差の平均は4.4%であった.又,吸着後の試料は3日間程度保存可能であった.本分析法では,臭気強度2.5の1/10
2~1/10
5の濃度が検出可能であり,発生源調査ばかりでなく,環境大気試料への利用も可能であることを確認した.
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