モノアザクラウン環にカルボジチオ酸基を導入した1,4,7,10,13-ペンタオキサ-16-アザ-シクロオクタデカン-
N-カルボジチオ酸アンモニウム (A18CC) 及び1,4,7,10-テトラオキサ-13-アザ-シクロペンタデカン-
N-カルボジチオ酸アンモニウム (A15CC) を合成し, その重金属錯体のキャピラリーゾーン電気泳動挙動について検討した. 検討したA18CC及びA15CC錯体のうち, エレクトロフェログラムに明りょうなピークを与えたのはCo
II, Pd
II-A18CC錯体だけであった. Co
II, Pd
II-A18CC錯体の電気泳動移動度は泳動液中のアルカリ金属イオン濃度の増加に伴い増大した. 特記すべきことはLi
+イオンとCo
II, Pd
II-A18CC錯体との会合反応が認められたことである. 一方, 重金属-A15CC錯体はいずれのアルカリ金属イオンを含む泳動液を用いても電気浸透流マーカー (メシチルオキシド) のピークからは分離されなかった. 非線形最小二乗法によりCo
II, Pd
II-A18CC錯体の電気泳動移動度に及ぼす泳動液中のアルカリ金属イオン濃度の影響を解析した.
抄録全体を表示