分析化学
Print ISSN : 0525-1931
6 巻, 8 号
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  • 田中 正雄
    1957 年 6 巻 8 号 p. 477-486
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    白金電極を用いて0.4M酒石酸ソーダ,0.1M重酒石酸ソーダの電解液における金,銀,水銀,銅,ビスマス,鉛,カドミウム,亜鉛,アンヂモンなどの電解分離定量を試みた.まずおのおのの金属イオンについてその析出電位を,陰極電位と電解電流の関係から求めた.各析出電位は次のとおりである.
    金+0.50V,銀+0.30V,水銀+0.25V,銅-0.30V,ビスマス-0.35V,鉛-0.50V,カドミウム-0.90V,亜鉛-1.10V,アンチモン-0.75V(vs.S.C.E.)
    ついで陰極電位限定法により電解定量を行うための条件を定め,これを基礎として銅-ビスマス,銅-カドミウム,ビスマス-カドミウム,銅-鉛,鉛-カドミウム,銅-亜鉛,銅-ビスマス-カドミウム-亜鉛の電解分離定量を行い好結果を得た.
    (1)白金電極を用いて0.4M酒石酸ソーダ,0.1M重酒石酸ソーダ溶液で各種金属の電解について検討した結果,金,銀,水銀の電着は定量的でないが銅,ビスマス,鉛,カドミウム,亜鉛,アンチモンは定量的に電解できることを確めた.
    (2)これら金属イオンの析出電位を測定し次の結果を得た.金+0.50V,銀+0.30V,水銀+0.25V,銅-0.30V,ビスマス-0.35V,鉛-0.50V,カドミウム-0.90V,亜鉛-1.10V,アンチモン-0.75V,(V vs.S.C.E.)
    (3)陰極電位限定法により銅-ビスマス,銅-カドミウム,ビスマス-カドミウム,銅-鉛,鉛-カドミウム,銅-亜鉛の電解分離を試み,いずれも定量的に電解分離することができた.
    白金電極を用いて1.2Nアンモニア,0.2M塩化アンモニウムの電解液における銀,水銀,銅,コバルト,ニツケル,カドミウム,亜鉛などの電解分離定量を試みた.まずおのおのの金属イオンについてその析出電位を,陰極電位と電解電流の関係から求めた.各析出電位は次のとおりでる.
    銀-0.05V,水銀-0.05V,銅-0.45V,コバルト-0.85V,ニツケル-0.90V,カドミウム-0.90V,亜鉛-1.40V(vs.S.C.E.)
    ついで陰極電位限定法により電解定量を行うための条件を定め,これを基礎として銀-銅,カドミウム-亜鉛,銅-ニツケル,銀-カドミウムの電解分離定量を行い好結果を得た.
    (1)白金電極を用いて1.2Nアンモニア,0.2M塩化アンモニウムの電解溶液で各種金属について電解を行った結果,銀,水銀,銅,亜鉛,カドミウム,ニツケル,コバルトは定量的に電解可能であることを確めた.
    (2)これらの金属イオンの析出電位を測定し,銀-0.05V,水銀-0.05V,銅-0.45V,カドミウム-0.90V,ニツケル-0.90V,コバルト-0.85V,亜鉛-1.40V(V vs.S.C.E.)の結果を得た.
    (3)陰極電位限定法で銀-銅,カドミウム-亜鉛,銅-ニツケル,銀-カドミウムの電解分離定量を試み好結果を得た.
  • 鉄鋼中硫黄の微量分析法(第2報)
    先浜 昭
    1957 年 6 巻 8 号 p. 487-491
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    重クロム酸カリ溶液と亜硫酸ソーダ溶液との反応を電位差滴定法および光度法によって調べた.電位差滴定法において重クロム酸カリと亜硫酸ソーダが1:3のモル比で反応すると仮定した場合の反応の収率は重クロム酸カリの初濃度の減少とともに減少し,重クロム酸カリの初濃度8.33×10-6M/lにおいて0.4N塩酸酸性の場合16.5%および0.4N硫酸酸性の場合13.0%となることを認めた.
    この値は光度法による同じ重クロム酸カリの初濃度における実験結果とよく一致した.
    また光度法においてあらかじめ溶存酸素を除いておくと収率は100%となり,反応溶液中に酸素が溶存していない場合には重クロム酸カリと亜硫酸ソーダは1:3のモル比で反応することおよび電位差滴定法において収率が重クロム酸カリの初濃度の減少とともに減少するのは溶存酸素の影響によるものであることが確められた.
  • 硫化物の定量
    木卜 光夫
    1957 年 6 巻 8 号 p. 491-493
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    赤血塩を酸化標準液として用い,硫化物の定量を試みた.試料の硫化ナトリウムを,水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウムおよびアムモニア溶液にし,指示薬としてニトロプルシドナトリウムを加えると赤紫色を呈する.これを赤血塩で滴定すると硫黄まで酸化されこの赤紫色の消える点を終点とし,その定量可能なpH範囲を調査した結果いずれもpH10.0~12.0の範囲で定量的に酸化され,亜硫酸塩およびチオ硫酸塩が共存しても影響しないことを知った.
  • 須藤 猛郎, 下江 大三, 辻井 孝朋
    1957 年 6 巻 8 号 p. 494-502
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    アセチルとC-メチル基の定量を容易かつ迅速にするために,酢酸の中和法と蒸溜法とを検討した.
    中和法では種々の条件下で酸の使用量χに対するアルカリ量yの回帰式を求め,蒸発による酢酸の損失と,フェノールフタレインのアルカリ色を示すに要するアルカリ量などを明らかにするとともに,酢酸の滴定法とアルカリ規準液の力価の測定法とを確立した.
    蒸溜法ではあらたに水蒸気蒸溜の装置を作り,各条件下で酢酸の定量精度を検討した.その結果,蒸溜フラスコの液量は10~25ml,(1:2)硫酸は3ml以下,また無水硫酸ナトリウムの使用量は液量10mlについて5g以上であれば,常に正確に定量でき,その精度は相対誤差約0.2%であることを確めた.また,蒸溜と滴定とに要する所要時間は約15分で,迅速でかつ正確な方法であることを明らかにした.
    前報の装置を用いてアセチルとC-メチル基の半微量定量を検討した.
    アセチル基では,ケン化温度とケン化時間との関係を明らかにして1回の定量所要時間を45~55分に短縮し,フェナセチンを用いて,分散不偏推定値の平方根が0.14%という良好な精度で定量できることを確めた.
    C-メチル基の定量は,Kuhnの装置では操作に熟練を要するが,本装置によればアセチル基と同様に容易に定量でき,しかもその精度が優れていることを明らかにした.また市販無水クロム酸の精製法,還元剤として30%過酸化水素水の使用などについても言及した.
  • オキシンによる同時比色定量
    粟屋 裕, 三好 千八, 本島 健次
    1957 年 6 巻 8 号 p. 503-507
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    苛性ソーダあるいは炭酸ソーダ中の微量アルミニウムの迅速にして正確な定量は現在一般に行われている諸方法ではきわめて困難である.筆者らはオキシンを用いる抽出比色法により迅速正確に諸アルカリ中の微量のアルミニウムと鉄とを同時に定量する方法を検討し,これを確立し得た.操作は次のように非常に簡単である.すなわち微酸性にしたアルカリ試料溶液にオキシンを加え,pHを調節して,アルミニウムおよび鉄のオキシン錯塩を生成せしめ,クロロホルムで抽出し,抽出液の470および390mμの吸光度を測定する.この二つの吸光度の値より鉄およびアルミニウムの存在量が容易に算出される.この方法によればアルカリ中0.0001%程度のAl2O3をFe2O3と同時にきわめて短時間にしかも正確に定量することができる.
  • ポリビニルアルコール製造工業へのスペクトロメトリーの応用(第1報)
    西野 豊, 小南 次夫
    1957 年 6 巻 8 号 p. 507-510
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    醋酸ビニル中にメタノールおよび醋酸メチルが少量混入している場合,化学的な分析法の適用ははなはだ困難である.われわれはこれに赤外線吸収スペクトルの利用を試み,醋酸ビニルの3μ附近の吸収が比較的弱いことに着目して,約0.1mmの厚さの液層で吸収スペクトルを得,この2.78μおよび3.37μの吸光度を測定することにより2vol%以下のメタノール,6vol%以下の醋酸メチルを,それぞれ精度±0.03vol%および±0.2vol%以内で同時に定量できることを見出した.検知限度はそれぞれ0.05volおよび0.2vol%である.この分析法は,簡単迅速に行えるから作業分析法として有用である.
  • 桝井 雅一郎
    1957 年 6 巻 8 号 p. 511-523
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    滴定分析法は分析法のなかでも簡易迅速な方法として最も広く用いられるものである.これには溶媒として水が重要な役割を果して来たが,水を用いないで種類の豊富な有機溶媒や,水以外の無機溶媒をその代りに用いることによって,滴定法の範囲が著しく拡大され,従来不可能か困難かまたは繁雑であった多くの滴定が容易に実施できるようになって来た.用いる器具類は大概の場合従来の水溶液滴定法と全く変りなく,往々電位差測定用に入力抵抗の高い装置,また大気と遮断された滴定系を必要とするが,前者は今日では大抵の研究室に常備されるガラス電極pHメーターなどで充分用が足りる.このような理由で急速にその応用が広まって来て,文献数も1940年代以後,特に1950年代になって急に増して来た.
    また著書や総説類も多数出てをり紹介は比較的よく行なわれている.このうち,わが国では木本氏の総説が1952年に出た後1954年に基礎分析化学講習会にて高橋氏の講座(テキスト)があり,1955年本誌に大内氏の文献紹介が出された.
    筆者は先に"最新の分析化学"第8集にイオノトロピーを紹介し試薬の解説を行い,1957年度薬学会年会総説講演要旨に主として薬学上の応用について紹介した.ここでは与えられた紙数がはなはだ少ないので,もっぱら日常分析法に関連したものについて,主として溶媒と終末点検知法の面からまとめてみた.従って基礎化学研究上行なわれた滴定,たとえば液体アンモニア中金属化合物の滴定などのごときは原則として含めないことにし,またそれぞれの物質については本総説によって応用は容易になると思われるし,"Analytical Chemistry"に出るReviewその他個々の文献から比較的索引しやすいので省くことにした.なお引用文献は"Chem.Listy"その他若干のものはChem.Abstr.によった.
  • 服部 安藏
    1957 年 6 巻 8 号 p. 524-530
    発行日: 1957/08/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
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