分析化学
Print ISSN : 0525-1931
7 巻, 13 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 長島 弘三
    1958 年 7 巻 13 号 p. 1-5
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/15
    ジャーナル フリー
    発光分光分析法の近年の進歩は著しく迅速性および少量の成分の定量では化学分析に匹敵する精度を示すことなどから広く実用化された。ことに光電式発光定量装置(カントメーター)の採用以来,金属地金等では試料採取から分析結果報告まで数分で行われヤ金工業などにおいて品質管理上重要な武器の一つとなった.本稿には主としてこの期間の炎光法を除く発光分光分析の進歩を取り扱う.分光分析法に関する報文の数は年間500をこえるが,これは近年の分光器や発光装置の著しい発達と,また一つには分光分析法がきわめて経験的なことによるものであろう.
  • 久保 輝一郎, 加藤 誠軌
    1958 年 7 巻 13 号 p. 6-8
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
  • 佐伯 慎之助
    1958 年 7 巻 13 号 p. 8-11
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    近年の学界,工業界における赤外線吸収スペクトルの応用の盛んなことはまことに目ざましいものがあり,したがってそれに関する研究や分析データなどの報告の量も莫大なものに上っている.のみならず赤外線吸収スペクトルの応用分野はきわめて多種多様で,その報文も広範囲にわたつて分布しているので,これらの報告のすべてに洩れなく目を通すことは不可能である.従ってこゝに引用した文献はたまたま筆者の目にふれたものの中から抜すい(萃)したものであり,こゝに引用したものがその主題に関する報文の中で最も主要な代表的なものであるというわけではない.またその応用分野の全部にわたって,一々例をあげて紹介することは与えられた紙数から言っても到底不可能であるから,こゝでは主として一般的問題-すなわち総説の紹介,分光器およびその付属品の進歩,分析法の進歩などについて述べよう.
    ラマンスペクトルによる分析に関する報告は赤外スペクトルにくらべて遙かに少い-というよりはむしろほとんどないといつてもよいくらいである.これは現在の段階ではまだ自記装置を備えたラマン分光計がほとんど普及しておらず,そのためラマンスペクトルを分析に使用することがごく少いからである.
  • 土屋 利一
    1958 年 7 巻 13 号 p. 11-14
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    質量分析に関する報文は年と共に指数函数的に増加するといわれていたが,その増勢は一時ややにぶったかにみえた.しかしいま55~57年の報告を集めてみるとその数は約600におよんでいる.従来はいずれかというと装置自体に関する報告が多かったのに比較すると,これを純然たる測定道具として使用した研究の占める割合が多くなってきたのが最近の傾向である.
    本稿においては主として直接分析に関係あるもののみをとりあげ,他の大多数の文献は分析の立場からみて特に興味あるもの以外はすべて割愛した.
    a) 単行本その他 55年以降各種の単行本が刊行されたが,質量分析計による分析のみを主題としたものはない.文献のレビューがある.
    b) 学会,専門誌 わが国においては質量分析研究会が53年に設立され,専門誌「質量分析」を年2回発行し,研究発表会を定期的に行うなど活発に活動している.海外においては米国ASTM E-14委員会主催の報告会が毎年行われている.
    c) 現在各国において市販されている装置の主なものはつぎのごとくである.日立RMU-5,RMD-2(重水素専用),CEC21-103,21-401,21-201,21-610,21-620,21-611,アトラスCH-3,メトロポリタンMR-5,ベンディックス12-100,12-101,GEイオンレゾナンス.
  • 藤原 鎮男
    1958 年 7 巻 13 号 p. 14-17
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
  • 吉野 諭吉
    1958 年 7 巻 13 号 p. 18-25
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    希土類元素とアミノ酸の一斉分離を二つのピークとして喧伝されたイオン交換樹脂は,ここ数年間に基礎および応用化学のあらゆる分野で不可欠なunit processとして完全に市民権を獲得したといえるであろう.このようなイオン交換の広汎な進歩に鑑み,本篇ではイオン交換分離方法に重点をおき,主として無機物質を対象にした展望を試みる.有機・生化学的物質への無数の応用例については本誌カラムクロマトグラフ篇および内外の成書を参照して頂きたい.
  • 武藤 聡雄, 益子 洋一郎, 田村 善蔵, 小沢 均, 宮崎 元一
    1958 年 7 巻 13 号 p. 25-39
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    1948年始めて世に紹介された無機ペーパークロマトグラフィーはめざましい進歩を続け,研究領域も多方面にわたっているが,近年までの状況は多くの成書や総説により知るととができる.
    本稿では1955年から1958年までの進歩を分離と同定に主眼をおいて簡潔に紹介することにした.
    分析化学において最近ガスクロマトグラフィーぐらい普及,発展のめざましい方法は一寸類が少いと思われる.これは単に最近の情報交換のはやさのためばかりではなく,これが本質的に革命的な分析法でありかつ応用範囲が極めて広いからである.それにしてもMartinらが最初に本法の原理を1941年に発表して以来10年近く誰もこれに気づかなかつたことは,「なぜ本法を分析関係で発表しなかつたか」との質問に対し彼が,「私は生化学的興味からあの仕事を行つたので,本当の功績は熱伝導度セルの本法への利用にある」と答えたという話とともに一つの歴史的エピソードとなるであろう.
    さてわが国においてもすでにガスクロマトグラフィーの声価は定まり各方面で実際に本法を利用している現在,本法の分析化学におけるこゝ3ヶ年間の進歩の跡をふりかえつてみることは有意義である.しかしながら与えられた紙数も多くないので余り内容を欲ばらずにきわめて概略的にこれを行うこととする.記述は,1.著書,文献集,総報など,2.装置特に検出器関係,3.分析条件,理論,4.定性分析,5.定量分析,および6.応用例の順を追うこととする.
  • 平井 秀松, 牧 正文, 島尾 和男
    1958 年 7 巻 13 号 p. 39-45
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    本法の用語にはElectrochromatography, Electrophoresis, Electromigration, Ionophoresis(濾紙を用いるときは頭にpaperを附す)などが用いられており多くは濾紙を使用する.これに関しては多くの総説が発表された,通常のchromatographyと併記された著書,医学関係が主であるが一般原理,無機関係を若干含んだ著書が出版された.
    支持体(supporting medium)中での電気泳動を利用する実験法は,自由溶液内の電気泳動を利用する方法(Free electrophoresis)とともに,電気泳動分析の代表的な方法であつて,後者に比べてはるかに多種類の物質について分析をおこなうことができる.被検物質の種類によつてそれぞれ適当な支持体や泳動条件を考慮することが必要であるので,用いられる支持体の種類や装置もかなり多く,また実験法のよび方もまだ統一されていない.また支持体として同じ濾紙を用いる方法でも,通常の分析に用いられる濾紙電気泳動と,分離に用いられる連続濾紙電気泳動や高圧濾紙電気泳動のように,同一項目のもとで記述することが,かえつて不便な場合もある.このような事情から,ここでは最もひろく用いられていると考えられる呼び方にしたがつて実験法を分類して,それぞれについての文献について記述することにする.
  • 木羽 敏泰
    1958 年 7 巻 13 号 p. 46-50
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
  • 中西 正城
    1958 年 7 巻 13 号 p. 50-53
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    滴定の溶媒として古くから常用されてきた水の代わりに,多種類の有機溶媒から適当なものを選択して使用すると,水に難溶の試料をも扱えるのみならず,水溶液では弱酸,弱塩基となるものも容易に滴定でき,また一つの溶媒ではそのleveling effectのために強さの差を表わしえないいくつかの酸や塩基を,溶媒を変えてその差を明らかにしうるという利点がある.そのために特色ある非水溶媒滴定はほとんどすべてが酸塩基滴定であるといつてもよい.非水溶媒滴定の研究文献は1950年以後加速度的に増加しており,すでに分析化学の立場からの解説書や総説も出ているので,ここには主として1955年以後3年間の進歩について記す.
  • 平野 四蔵, 飯田 芳男
    1958 年 7 巻 13 号 p. 53-58
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    本進歩総説では方法別と試料別により分類している関係で他の項目,たとえば1957年版中の16.有機試薬,17.指示薬容量分析,23.非鉄金属分析,本年版中の15.鉄と鋼,16.地球化学,18.工業用水および廃水,その他と重複するものが相当多い.他の項目ですでに集録されているものは省略あるいはなるべく簡略にした.無機定量分析の研究はその歴史がきわめて古くかつ近年は数多くの新分析方法が出現したとはいえなお重量,容量分析の報文はきわめて多数で筆者らの研究室に備えてある雑誌で抄録雑誌を除いた中からカードにしたものは1955~1957年の間で約500にも達している.紙数の関係もあるのでこれらの中から興味のあるものだけを取上げて簡単に解説する.
  • 百瀬 勉
    1958 年 7 巻 13 号 p. 58-62
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    有機定性分析の化学的方法につき原子団によつて分類し,その分離,呈色反応,誘導体による確認方法などの進歩を紹介する.原子団の定量法は化学的方法によるものは紙面の都合により除き,呈色反応を利用する方法のみにとどめた.また化合物の個々についてはほとんどふれないことにした.この分野において有名なShrinerらの著書は翻刻版ができて安価に入手できるようになり,Veibelの著書は英語版ができ,McElvainの著書も2版が発行され,微量呈色反応を取り扱つたFeiglの著書が英訳された.近時邦書も続々出版されている.しかし総説はこの数年ないようである.
    各論にはいる前に有機物の微量検出法につき述べておく.多量の無機物中微量の有機物を検出する必要がしばしば起るが,混合物を単に加熱してタールの発生を見るのは不確実であり,酸化銅と加熱してCO2の発生を検出するには多量の試料を要する.このような場合微量の試料をAg3AsO4と加熱してAgとして検出する方法,MoO3を還元してモリブデン青とするか,KIO3を還元してヨウ素とすることにより検出する方法,Naと(NH4)2SO4あるいはMgと加熱して検出する方法が発表されている.
  • 有馬 啓, 田村 学造
    1958 年 7 巻 13 号 p. 62-67
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    本法によるアミノ酸およびビタミンの定量については既に多くの総説,成書が報告されている.
    本法は微生物の栄養およびこれに関連した微生物の代謝の研究を基として居り,これらの知見により検討され改良される.従つて本報においてもこれらの知見につき述べる.又,新しい未知因子の発見は,直ちに新しいbioassay法の発展を促す.本法による定量の特異性は,検定菌の定量物質に対する栄養要求の特異性による.従つて同一ビタミンを要求する菌種の中,その前駆物質,類似体,又はそのビタミンの関与する代謝物質の影響等が検討され,要求の特異性の高い菌株が用いられる.定量の精度,正確度をあげる為には,定量物質に対するresponseが直線的になる様に基礎培地を改良したり,検定菌の生育促進物質又は障害物質等につき検討されている.本法によるアミノ酸定量の精度,B12定量の精度等も検討されている.
  • 浜口 博, 村上 悠紀雄
    1958 年 7 巻 13 号 p. 68-76
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    放射性同位元素(以後RIとかく)を用いた実験ではすべてまず分離し,つぎに測定試料調製および測定技術が必要である.これはよくassayとよばれる.放射線の種類,エネルーギーの差違によるためでこの試料調製,測定技術が正しくないと正確な結果をうることはのぞめない.
    分離法についてはすでに総説があるのでこの点についてはふれず,上記の見地からのみ55,56,57年の研究から試料調製,測定技術の参考になるものをながめることにし純放射化学的なものは割愛した.
    放射化分析は比較的近年,とくに原子炉の出現以来急速な発展を見た分析法で,ある種の元素に対して特に高感度が得られるため,超微量分析の分野で偉力を発揮しつつある.その原理,感度,利点と欠点などについてはいくつかの総説がある.ジユネーブ会議の報告にはSmales, Jakovlevによるこの分野の現況報告がある.最近2つのすぐれた総説が出た.1つはJenkins, Smales(文献72およびいくつかの一覧表)により,他はLoveridge, Smales(文献118)によるもので生化学への放射化分析の応用を論じている.Jakovlevはジユネーブ報告の継続として高純度金属中の不純物の定量を論じている.Morrison, Plumbは金属試料中の微量成分の定量に伴なう問題点と操作を論じた.その他の総説としてはオークリツジ研究所からのもの,単行本,邦文のものなどがある.Odebladは荷電粒子による放射化分析を総説した.
    放射化分析の感度については上記の総説のいくつかに表が含まれているが,最近の熱中性子断面積値と生成核種の半減期との関係をプロットした図,半減期の順にならべた有用な表が提出された.Mellishらは速中性子による(n,p),(n,α)反応による放射化分析を論じた.
  • 後藤 秀弘, 鈴木 進
    1958 年 7 巻 13 号 p. 76-83
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    1955年~1957年の間における鉄鋼の分析法に関する報告を概観すると,光度定量法および発光分光分析法による分析法の報告がきわめて多くなつているのが特長である.ことに吸光度定量法は金属の有機あるいは無機化合物を有機溶剤により抽出して,その特有の吸収の強さを測定する方法が近年著しい発達をとげつゝあり,吸収スペクトルを測定する機器の発達とあいまつて鉄鋼分析法にも画期的な進歩をもたらしつゝある.本法は感度が著しくすぐれている上に妨害イオンの除去も比較的容易であり,かつ,迅速性もあるので今後ますます発達してゆくものと思われる.また,発光分光分析法も発光装置の進歩と高分散能を有する大型分光写真器の発達により,従来の難点であつた主成分のFeおよび高合金鋼に含まれるNi,Coなどのスペクトル線がきわめて複雑で分析元素のスペクトル線と分離不可能であつた点が改良され,直読式記録計も設備されてますますその有用性が高められつゝある.
    1956年にASTM法が若干改訂され,またJIS分析法も年1958中に改訂版が発行予定である.また「金属材料の光度定量法」および日本学術振興会より「鉄鋼迅速分析法」の著書が発行されている.
  • 太秦 康光, 菅原 健, 吉村 恂, 岩崎 岩次, 山県 登, 桂 敬, 松尾 禎士, 中井 信之
    1958 年 7 巻 13 号 p. 83-103
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
  • 熊田 恭一, 浅野 千秋
    1958 年 7 巻 13 号 p. 103-109
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    土壤を構成する物質はきわめて多種多様である.すなわち土壤は動植物および微生物遺体,その分解産物,更に土壤中において新たに形成された,土壤に特有な有機物である腐植,岩石破片や鉱物,それらの風化生成物である各種の粘土,酸化物,イオン等の複雑な混合系である.従って土壤の化学分析における分析対象は著しく多く,しかも土壤学の進歩あるいは社会事情の要請によってその数はますます増加するのであるが,その背後には分析化学一般における進歩が伴なっていることは見のがせない.近年土壤中の各種有機化合物の検索ないしは定量,微量元素の定量などに関する報文の著しく多いことはその一例であろう.土壤の化学分析に関する成書あるいは総説も少くない.なお本稿に主として引用した英国の土壤肥料関係抄録誌Soils and FertilizersはS.F.と略記した.
    肥料の分析法の報告は,製造試験や植生についての特別の目的のほかは,公定分析法の改正,追加に対してなされたものが多い.内外の肥料分析法の概要については筆者が分析化学誌に紹介した.本邦の公定法の改正,追加に対する研究の多くは,農林省農業技術研究所および肥料検査所,またはこれらに肥料生産業者の分析小委員会との共同研究であり,その結果などから公定法に採用する.それゆえこれらの報告は,研究担当者の属する機関誌,また関係学会誌に報告される.とくに肥料分析法の報告の多い米国では,主としてJ. Assoc. Offic.Agr. Chem., J. Agr. Food Chem. に報告される.そのほかの国は,それぞれの関係会誌に報告するが,肥料についての報告は少ない.また最近の肥料分析法の実験法,解説書が前記農研,肥検で行われる講習録および文献のほか現在適当なものが市販されていない.
    最近の傾向として,分析法は機器による研究が多くなり,分析法の改正や追加などの試験に統計的方法が利用され,とくに研究対象が公定法について多いので,カタヨリ,バラツキの大いさの調査報告が多くなってきた.
  • 加藤 多喜雄, 沢谷 次男
    1958 年 7 巻 13 号 p. 110-115
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    人類文化の発展条件にはいろいろのことが複雑に関係しあっている.各種産業開発の場合も同様で,近年工業用水,廃水問題が日本においてもようやく一般の関心を集めるようになってきた.工業用水,廃水はその地帯の地理的条件と共にその量と質とが常に問題となる.工業の種類により各工業が要求する用水水質には大きな開きがあり,一般的基準は決められないが,飲用水には従来から日本薬局方,衛生試験法などがある.工業用水の一般試験法には最近のもので著書,報文がある.日本では近く汚水防止法が制定されようとしているが,JISの用水試験方法の中に含まれていない有害成分の統一された試験法も必要であろう.海水も時に工業用水として使用され一般分析法の報告があり,石油化学工場地帯の水質分析を論じたものもある.化学分析の繁雑を避け主成分を発光スペクトルによって定量する試みもある.
    工業の発展につれて種類も多くなりその規模が大きくなって,そこから流出する廃水問題がわが国においても最近ようやく世間の耳目を集めるようになり,近く廃水処理に関する法律が生れんとしている.従来日本では廃水処理について何か問題が起ったらその都度補償などによって局部的に処理されていた訳である.外国の事情は大島,柴田の最近の帰朝報告がある.工業廃水の全般的試験方法には幾つかの文献がある.廃水は一般に種々の成分の濁りを有するので,サンプリングした後の溶解成分との分離には(特に活性汚泥分析において)膜濾過をするのがよいと云う.
  • 浅原 照三, 三橋 啓了
    1958 年 7 巻 13 号 p. 116-119
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    1955~7年の間の本邦における油脂全般の研究業績はすでにまとめられているが,外国文献を含めて特に油脂の分析に関する研究発表の概要をここにまとめてみることにする.まず概観してみると油脂分析の分野にも赤外,紫外スペクトルはもちろん,光電比色,クロマトグラフなどが存分に利用されていることが目だつ.
  • 高山 雄二
    1958 年 7 巻 13 号 p. 119-123
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    高分子物の範囲は天然高分子から合成高分子にかけて非常に高範囲であるがここでは天然繊維素高分子,合成繊維,合成樹脂,高分子油剤ならびにそれらに関連あるモノマーについて主としてのべる.これら高分子物では低分子物と異り,物性論的見地からながめる必要も大いにあるので,重合度ならびに重合度分布についてもふれたかったが紙面の都合でそれらは省略した.
  • 藤田 秋治, 佐橋 佳一
    1958 年 7 巻 13 号 p. 123-128
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 正行, 北村 元仕
    1958 年 7 巻 13 号 p. 128-135
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 奥井 誠一, 石倉 俊治
    1958 年 7 巻 13 号 p. 135-137
    発行日: 1958/12/05
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    裁判化学の分野で最も多く行われる試験としては,
    (1)死因または中毒の原因となった毒物の生体からの検査
    (2)医薬品,劇毒物特に麻薬,覚醒剤の鑑定
    (3)血液中のアルコール,一酸化炭素(焼死の場合)などが多く,ついで放火事件の揮発油等の鑑定,犯行現場の遺留品について,血痕試験,色素顔料などの附着物の鑑定,土壤検査等もがなりあり,その他試験を行うべき対象となるものはその種類がきわめて多く,範囲を限定することは困難であるが,ここでは中毒の原因として最も頻度の高い劇毒物のいくつかについての鑑定定量方法についての最近の進歩をふりかえってみることにする.またすでに編集された,薬事分析その他の項と若干重複することもあるが,検体の取扱方法や試験の目的には自ら差があるので,ここではこれらを含めて記すことにする.
feedback
Top