分析化学
Print ISSN : 0525-1931
7 巻, 3 号
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  • ポーラログラフ法による試薬食塩中の重金属の分析(その2)
    杉原 喜四郎, 斎藤 俊英
    1958 年 7 巻 3 号 p. 139-142
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    試薬食塩中の不純物としての重金属をジチゾン抽出後,塩酸で再抽出してこれを蒸発乾固しポーラログラフによって定量することは,すでに鉛について行ったが,今回は銅,亜鉛について行った.操作法は,亜鉛については鉛の場合と同様であるが,銅についてはジチゾン抽出の際,ジチゾンを200倍位過剰にし,抽出時間は10分以上要した.支持塩としては前報のごとく,0.1M酒石酸+0.5M酢酸アンモン(pH:5.0),0.025Mロダンカリ+0.1M醋酸アンモン(pH:4.6)を用いた.抽出率は30%純食塩水中の15~40γの銅については約98%,10~23γの亜鉛については約101%であった.実際の試薬食塩およびチタンホワイトについて,鉛,銅,亜鉛の定量を行った.
  • 原 重雄
    1958 年 7 巻 3 号 p. 142-147
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    ジチゾンのアルコール溶液を用いて銀の比色定量を行い満足な結果が得られた.銀-ジチゾン錯塩の赤色の比色は液量100ccについてジチゾン0.005%溶液を含むアンモニアアルカリ性で行い,フィルターは562mμ,セルは10mmを用いて銀の0.1~1.0ppmの範囲においてBeerの法則に従った.
    実験の条件は液量100ccにつきジチゾン0.005%溶液10ccのとき吸光度は最も大きく,そしてアンモニア水(1:1)は10cc以下においては吸光度に変化がなかった.この銀-ジチゾン錯塩は発色後2時間以内は安定であった.
    銅はEDTAを用いることによって銀の50倍,金は50倍,硝酸アンモニウムは銀の100倍以下の共存であれば全く影響しない.
  • 原 重雄
    1958 年 7 巻 3 号 p. 147-151
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    p-ジメチルアミノベンザルロダニンのアルコール溶液を用いて金の比色定量を行った.そしてこの金-ロダニン化合物の赤色の比色の場合の酸の濃度,フィルターの波長,および安定度について検討した.その結果塩酸濃度は液量100ccについて塩酸(1:20)3~8ccがよく,フィルターは562mμのものを用いたとき最も鋭敏であり,また金塩溶液に試薬を加えて後5~30分間は安定で,これらの条件においてBeerの法則に従った.つぎにこの比色におよぼす共存元素の影響を検討し,陰蔽剤を用いて,それらの影響を除去することができた.すなわち,鉄はメタリン酸ナトリウムを用いて300mg,銀は塩化ナトリウムを用いて0.2mg以下の共存であれば全く影響が認められなかった.
  • コールタール塩基成分の研究(第15報)
    津田 恭介, 池川 信夫, 進藤 英世, 佐藤 良博
    1958 年 7 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    コールタールピリジン塩基の150~200℃の溜分を赤外線吸収スペクトルにより分析した.さきに報告したメチルピリジンおよびエチルピリジンの標準スペクトルと比較することにより,β-,γ-ピコリン,2,6-,2,5-,2,4-,2,3-,3,5-,3,4-ルチジン,2,4,6-,2,3,6-,2,3,5-,2,4,5-コリジン,2,3,5,6-テトラメチルピリジン,2-エチル-4-メチルピリジンおよび2-メチル-4-エチルピリジンを含有することを確認し,それらの含有量を測定した.また,2,3,5,6-テトラメチルピリジンおよび2-エチル-4-メチルピリジンをピクレートして分離することができた.なお2-エチル-4-メチルピリジンおよび2-メチル-4-エチルピリジンは今回はじめてコールタール中に確認されたものである.
  • 武者 宗一郎, 東野 利昌
    1958 年 7 巻 3 号 p. 156-162
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    鍍金溶液中のケイフッ化ナトリウム(5~10g/l)制御用として従来の定量法はいずれもクロム酸を分離しなければならない.著者らはクロム酸を分離せずに直接硝酸トリウム標準液で光度滴定し,迅速に定量する方法を提案する.
    カ性ソーダで約pH3に調整したクロム鍍金液にモノクロル酢酸緩衝液(pH2.8),少量のFe(III)-サリチル酸塩(指示薬)およびEmasol 1130(花王石鹸製品)またはでん粉溶液を順次に加え, 510 mμまたは545mμの干渉フィルターを用い硝酸トリウムで光度滴定する.定量範囲はNa2SiF6 2.6~12mg/50ml,相対誤差±2%以下,分析所要時間20分である.
  • 太田 一男
    1958 年 7 巻 3 号 p. 162-166
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    スズおよび鉛合金中微量アルミニウムの定量は煩雑で長時間を要する.著者はその簡易迅速化をはかる目的で実験し好適操作を確立した.
    まずチオグリコール酸を陰蔽剤として使用してアルミノンによるアルミニウムの発色条件を溶液量,加熱時間,加熱温度,酸量,および硫酸塩の影響につき検討した.
    試料中のスズ(同時にアンチモンおよびヒ素も)は前に報告したように硫酸溶液中で200~220℃において臭化水素酸を滴加することにより揮散させ,鉛は硫酸鉛としてロ別し,またその他の妨害金属は水銀陰極電解により除去した.
  • 弗化チタン水素酸-過酸化水素試薬を用いる分析(第3報)
    深間内 久雄, 関口 美恵子, 道口 和子
    1958 年 7 巻 3 号 p. 166-169
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    弗化チタン水素酸と過酸化水素の混液に硼酸を加えると,弗化硼素酸イオンの生成によってチタンイオンを遊離し,過酸化水素により過チタン酸の呈色を示す.呈色の強さは硼酸の濃度に比例するから420mμでよい直線性の検量線が得られる.試薬はモル比Na2TiF6 1: NaF 4:H2O2 1およびTiについて0.1Mの濃度のNH2SO4溶液である.反応液はNH2SO4溶液となし,測定範囲は H3BO32 mg~18mgである.弗化硼素酸が強酸であるから,その酸性の影響を避けるため試料溶液はメタ棚酸ソーダ溶液とする必要がある.試薬はガラス中の珪酸によって着色するから,反応用器具,試薬容器および比色用セルにはすべて合成樹脂製品を用いた.
  • 石館 守三, 山根 靖弘, 玉野 田鶴子
    1958 年 7 巻 3 号 p. 170-174
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    チタンイオンの呈色反応を次のごときβ-ジケトンにて行った.すなわちアセチルアセトン(I),ベンゾイルアセトン(II),ジベンゾイルメタン(III),2-フロイルベンゾイルメタン(IV),イソニコチニルベンゾイルメタン(V),ο-,m-,p-メトキシジベンゾイルメタン(VI,VII,VIII),ο-,m-,p-ニトロジベンゾイルメタン(IX,X,XI),m-,p-アミノジベンゾイルメタン(XII,XIII)およびp-カルボキシジベンゾイルメタン(XIV)を用いた.これらβ-ジケトンはTi3+およびTi4+ともに塩酸酸性溶液で着色錯塩を生成する.Ti3+錯塩は大体緑色,Ti4+錯塩は黄色を呈する.Ti3+の場合は(I)および(II)が感度がよく1滴中1γ,Ti4+の場合は(IV)が感度がよく1滴中0.1γ程度である.Fe3+, Zr4+およびF-は障害するが,Fe3+は亜鉛アマルガムでFe2+に還元することにより,またF-は塩化ベリリウムを加えることによりその障害を除去できる.本法は非常に感度がよく,障害イオンも少ない.元素分析およびJOBの連続変化法より推定される本錯塩の組成はTi:β-ジケトン=1:3である.
  • 木村 健二郎, 池田 長生, 稲荷田 万里子
    1958 年 7 巻 3 号 p. 174-176
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    亜テルル酸イオンとテルル酸イオンの分離には,従来,亜硫酸ガスなどによる沈殿反応が用いられているが,筆者らは陰イオン交換樹脂を用いてこれらの両イオンを簡単かつ完全に分離することができた.
    イオン交換樹脂はAmberlite IRA-400 (RCl形)を用い,亜テルル酸イオンまたはテルル酸イオンを含む溶液の酸性度をいろいろに変えて樹脂柱に通し,これらの両イオンの樹脂に対する行動をしらべた.
    その結果,3N以上の塩酸酸性度においては.4価のテルルは樹脂柱に交換捕捉され,6価のテルルは樹脂柱を通過し,両者の分離が可能であることが明らかにされた.
  • 小島 益生
    1958 年 7 巻 3 号 p. 177-180
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    銅(II)の塩酸酸性溶液にアルコールを添加すると塩素錯陰イオンの生成が増大し,陰イオン交換樹脂Dowex 1-X8に対する分布係数Kdがいちじるしく大きくなることは前に報告したが,鉄(III),コバルト(II)についてもメチルアルコールの添加は銅(II)と同じようにKdが増加することを測定の結果認めた.その増加する傾向は三者とも同じであり,測定を行った範囲内ではKdの極大は認められず, メチルアルコールの容積%の増加とともにKdが増加するのが認められた.このことはこの三者が塩酸の濃度がかなり濃いところで,錯陰イオンの生成が完成するものと考えられる.メチルアルコール添加によるKdの変化を利用し,鉄(III),コバルト(II),ニッケル(II)の混合試料,さらに鉄(III),コバルト(II),ニッケル(II),銅(III),亜鉛(II)の混合試料を陰イオン交換樹脂柱により,低塩酸濃度アルコール溶媒でクロマトグラフ的に一斉に分離した.
  • 北川 公, 柴田 則夫
    1958 年 7 巻 3 号 p. 181-184
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2010/02/16
    ジャーナル フリー
    硫化物をパラアミノジメチルアニリンと反応させて,メチレン青を生成させそれをニトロベンゼンにより抽出して光度定量する方法を考案し検討した.
    パラアミノジメチルアニリンより生成したメチレン青のニトロベンゼン抽出液の吸収極大は670mμで,Beerの法則に従っており,抽出物は安定でその吸光度は数日問変化しない.
    試料中に硫化物以外に硫酸塩を含む場合は,その還元にスズ-強リン酸法を応用して定量する.
    応用として鉄,非鉄金属,および鉄鉱石などの硫黄の定量について述べた.
    微量硫黄の検出および定量法として,硫化水素とパラアミノジメチルアニリンを反応せしめ,いわゆるメチレン青を生成させる反応は古くはC. Lauth, C. LiebermannおよびW. Mecklenburg, F. Rosenkränzerらによって研究され,最近ではJ. K. Fogo, M. Popowskyら C. M. Jonson, H. Nishitaら,武者,岡,松尾ら, T. Kato, S. Takei, K. Ogasawaraらの報告が発表されている.これらの方法はいずれも水溶液において生成させたメチレン青を光度定量しているゆえ,チアジン系色素に見られる二量体イオンの生成およびメチレン青生成時の塩酸による会合体生成などの影響によるBeerの法則からの倚筒を避けることができない.著者らはメチレン青を有機溶媒を用いて抽出することにより,上述の影響を避けることが可能であること,および抽出により定量の感度が向上するであろうと考え,これを実験により確かめるとともに,微量硫黄の分析方法を確立するためにこの研究を行った.
  • 早川 久雄
    1958 年 7 巻 3 号 p. 185-193
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 発光分光分析を中心として
    遠山 健次郎
    1958 年 7 巻 3 号 p. 194-198
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
  • 三井 哲夫
    1958 年 7 巻 3 号 p. 199-203
    発行日: 1958/03/05
    公開日: 2009/06/30
    ジャーナル フリー
    天秤の取扱いについての諸問題のうち,とくに一般の分析用天秤によって秤量することのできる最小値について,実際的な面から記述する.著者はすでに微量天秤について,その機構や取扱い方法,進歩綜説,静止点移動の原因と対策,刃の材質の諸問題,棹受け機構について報告し,また一般分析天秤について精度,正確さおよび分銅について,また取扱いについて,除振の問題について記述しており,諸賢の御批判を仰ぎたく,別刷の御請求に応じたいつもりである.
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