液体に, 分子と空孔とからなる準結晶格子構造を考え, 分子の運動を, 格子点を平衡点とする單振動と空孔を通しての格子点からの移動とに分離して取扱う。分子分布凾数, 融解熱及びエントロピー, 蒸発熱及びエントロピー, 比熱と圧力に就いての議論は満足すべきものと思われる。それ故, この理論は閉じたものではないが, 分子分布凾数と熱力学凾数との結合に対する一つの試みとなるてあろう。そして, 物質に於ける分子運動に, 一つの特性付けを提出するものである。なお, この理論に依つて Communal entropy が批判される。
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