非唱質半導体においては結晶半導体における不純物に代って構造的欠陥に基くバンド・ギャップ中の局在状態が重要な役割を演じでいることが多い. Se等のカルコゲン元素を成分とするカルコゲナイド非晶質半導体ではlone pairが価電子帯を形成していることを化学結合論に基いて説明する. そしてこのようなlone pair電子の存在が構造に柔軟性をもたらし, 構造的欠陥によるギャップ中の局在状態の特異な振舞に導くことを最近のStreet-Mottらのモデルによって説明し, 光誘起ESR等の興味ある実験事実がうまく説明されることを示す.
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