金属中の電子系, 高密度星中のイオン系, ヘリウム液面上の二次元電子系などでは, クーロン相互作用が系の性質の決定に中心的な役割を果している. この意味で,これらを強結合プラズマと総称する。強結合プラズマの特性は, 計算機実験を含む種々の実験的研究を通じて明らかになりつつあり, 通常の気体プラズマのような弱結合プラズマのそれとは本質的に異なっている. 熱力学的性質, 相関関数の振舞, さらにはプラズマ振動に関連した動的性質を検討してみると, 強結合プラズマではすでに結晶格子系に固有の特徴が顕著に現われており, 部分的には一種の格子模型が成り立つことがわかる. これらの実験的事実とその意味づけ, 関連の理論的手法の一二をとりあげ, 解説する.
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