金属中の伝導電子群を対象とする量子プラズマの理論は,フェルミ粒子系多体問題の一つの典型として,ながい歴史をもっている.,ところが金属中の電子密度はあまり大きくないので,クーロン相互作用の効果が運動エネルギーの効果に比べて無視できず,縮退した電子液体とも呼べる強結合系になっている.,本稿では,そのような強結合効果が電子系の基底エネルギー・圧縮率・動径分布関数・励起スペクトル等の理論計算にどのように取り入れられているかを解説し,異なった計算の手法から得られた結果の比較や散乱実験データとの比較を通じて,この分野での研究の現状を振り返ってみる.
抄録全体を表示