原始太陽系星雲から生じた原子の集合体(マイクロクラスター)が隕石や小惑星に成長し, これらがもとになって地球ができた. やがて地球は, 核, マントル, 地殻に分離し, 地殻では種々の鉱物が形成され, 生物そして人類が誕生した. 地球の鉱物や化石を固体物理の手法で調べ, ミクロな物性からマクロな地球や宇宙を理解しようとするのが「地球物性」,「宇宙物性」である. 自然放射線により天然物質中に生じた格子欠陥や結晶析出時に取り込まれた常磁性不純物を, ESRをはじめ物性物理学の手法で調べることにより, 対象物の年代値や履歴を解明することができる.
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