コンピュータ科学という学問分野は, 日本では学界においても産業界においても, その存在すら必ずしも知られていないほど認識が薄い. この結果, パソコン業界に見られるように, ハードからソフトに至る全てにわたって, コンピュータ業界は製造業としの能力を失いつつある. 本稿では, まずコンピュータ科学とは何か, その中心であるプログラミングについて解説し, 物理学で多く使用される数値計算における危険性についても言及する. つづいて米国と日本におけるコンピュータ科学のカリキュラム開発について述べ, さらに一般人のためのコンピュータ・リテラシー教育についても情報処理学会での検討結果を報告する.
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