X線観測衛星「あすか」は, 従来にない優れたエネルギー分解能, 広いエネルギー範囲をカバーするX線撮像装置を持つ.その性能を生かして, 銀河系内の超新星残骸をはじめとする広がった天体の観測を行ってきた.その結果, 輻射発生源の光学的に薄いプラズマでは, 衝突電離平衡が成り立っていないことを観測的に明らかにした.これを基に, 正確な物質組成分布を調べてみると, 至る所にムラの見えることが判った.また, 若い超新星残骸では, そのシェル部分で粒子加速の起こっていることも判った.これは, 高エネルギー宇宙線の起源と思える.この他, 超新星爆発に起因して生じた中性子星やその周辺に及ぼす影響など, 「あすか」の明らかにしたことや問題などを解説する.
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