硬X線領域(10-100keV)での天体の撮像観測をするために,ブラッグ反射を利用して,多層膜ミラーを広帯域化した白金/炭素(Pt/C)多層膜スーパーミラーを開発し,20-40keVに高い感度を持つ硬X線望遠鏡を実現した.スーパーミラーは,周期長と積層数の異なるPt/Cの多層膜を円錐形状の薄板レプリカ基板上に1順次積層したもので,光電吸収が効かなくなる硬X線領域で有効となる.この望遠鏡は口径40cm,焦点距離8mで,2,040枚の薄板ミラーが同心円,共焦点配置に組み込まれ,30keVで有効面積50cm
2,結像性能2.4分角(HPD)となる.これを気球に搭載して,X線天体(Cyg X-1)の硬x線の撮像観測が行われた.
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