日本物理学会誌
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70 巻, 12 号
選択された号の論文の29件中1~29を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    2015 年 70 巻 12 号 p. Cover1-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 松井 哲男
    原稿種別: 巻頭言
    2015 年 70 巻 12 号 p. 897-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2015 年 70 巻 12 号 p. 898-899
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2015 年 70 巻 12 号 p. 899-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 瀧澤 誠
    原稿種別: 本文
    2015 年 70 巻 12 号 p. 900-901
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 海部 宣男
    原稿種別: 本文
    2015 年 70 巻 12 号 p. 902-911
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
    今年2015年は,欧州物理学会が提案しユネスコが主催する「国際光年(IYL2015)」である.天文学は光=各種の電磁波を用いた望遠鏡を最大の手段として宇宙を探ってきたから,国際天文学連合も共催団体としてプログラムの一つ"Cosmic Light"を受け持ち,活発な活動を展開している.本稿は,国際光年に関連する記事の一環として望遠鏡の歴史をという編集委員のご依頼により,まとめたものである.私自身は,1960年代半ば,まだ新しい分野だった宇宙電波の観測で宇宙の未知の領域を開いてみたいという希望を抱いて天文学の世界に入った.日本最初の宇宙電波望遠鏡となった三鷹の口径6mミリ波望遠鏡からスタートし,野辺山の45mミリ波望遠鏡,ハワイの8.2m光学赤外線望遠鏡"すばる"の建設に携わり,最近チリで稼働を開始したアルマ電波望遠鏡では,日・米・欧共同によるその実現に努力した.振り返れば,天文学者としての40年の大部分を,新しい宇宙を開く望遠鏡の開発と建設に費やしてきたことになる.ここ数年は,日本学術会議を中心とした学術の全分野にわたる大型計画推進の流れの確立に,微力を注いでいる.望遠鏡の歴史については,たくさんのテキストや物語が書かれている.また,全電磁波にわたる多様な望遠鏡の構造や機能を解説することも,その方面の著作に譲りたい.ここでは国際光年にちなみ,「人類が世界を認識する手段の発展」という視点を中心に置いて,望遠鏡という科学の道具を振り返ってみようと思う.そういう視点から見ると,ガリレオ・ガリレイにはじまる望遠鏡の進歩がいかに「宇宙で発見される驚き」にドライブされてきたかという感を,改めて深くする.光の研究については古くはプトレマイオス,また11世紀アラビアのイブン・アル・ハイサムなどの先駆的な仕事がある.だが17世紀初頭のヨーロッパにおける望遠鏡と顕微鏡の登場は,激しい勢いで光学研究を加速した.スネルやデカルトによる反射・屈折の法則の再発見,シルレの『光学宝典』,ホイヘンスの波動理論,ニュートンの色分散の研究と反射望遠鏡の発明,それにロバート・フックやレーウエンフックによる顕微鏡の開発など,17世紀を通しての光学研究・光学機械の発展は,実に目覚ましい.その後も望遠鏡の進歩は絶え間なく続き,20世紀に至っては当時の機械工学の極致でもあるパロマー山天文台の5m望遠鏡の活躍,補償光学など波動光学を駆使した8〜10m望遠鏡の実現,電波望遠鏡の登場と電波干渉計の発明,そして電磁波の各波長における先端的スペース望遠鏡など.望遠鏡が切り開いてきた技術は,列挙すればきりがないが,そのような技術的冒険を冒して望遠鏡をここまで発展させてきたものは何かといえば,やはり宇宙に見出される驚き・期待であり,その努力は新たな発見によって報いられ続けてきたのである.そのような宇宙の限りない奥深さを追求してきた人類の強力な認識手段,望遠鏡について私なりに振り返り,その未来についても触れてみよう.
  • 関口 仁子
    原稿種別: 解説
    2015 年 70 巻 12 号 p. 912-920
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
    2体力は2粒子の間に働く力であり,古典論,量子論問わず基本的な力である.また,それがわかれば2粒子(2体系)系の運動は完全に理解することができる.では多粒子系(多体系)の運動ははたしてその2体力の積み重ねだけで説明できるのであろうか?あるいは,3体力といった3粒子以上の系になって初めて効果が現れるような力が存在するのであろうか?近年,原子核物理学ではこの「3体力」の存在が注視されている.原子核の中では数多くの陽子と中性子(これらを核子と呼ぶ)が一辺が1兆分の1cm(1^<-14>m)程度の非常に狭い空間に閉じ込められている.その中で働く核力と呼ばれる力は,湯川秀樹の中間子交換理論に基づき,2つの核子の間に中間子という粒子を交換することで説明される"2体力"として考えられてきた.その一方,2体力の和で表せないような3体力(3体核力)の存在も長らく予想されてきた.一般に3体力は2体力に比べて小さく,実験的な検証は難しい.1990年代,この事情が変わってくることになる.豊富な核子-核子散乱データを精度よく記述する2体の核力が確立し,コンピュータの高速化を背景にその2体力を厳密に用い3核子系以上の原子核を記述するような第一原理計算が実現され始めた.原子核物理は模型を経ることなく核力から原子核・核物質を理解する道具を得たともいえる.その結果,原子核の構造や,中性子星に代表される核物質,また3核子系散乱において,2体力のみでは理論計算と実験・観測値との間に思いのほか大きな差が生じ,3体力を考慮することによって初めてその差が説明できるということが明らかになってきた.これより3体力は原子核の性質を理解する上で欠かせない力である,という新たな視点が生まれることとなった.3核子系散乱である核子-重陽子散乱は3体力の状態依存性(運動量,スピン,荷電スピン)を明らかにする上で有効なプローブである.この系における3体力の最初の明らかな証拠は,高精度実験と3核子系を厳密に記述するファデーエフ理論計算との比較から,核子あたりの入射エネルギーが100MeV付近の散乱微分断面積に見つかった.これをきっかけに,核子-重陽子散乱の高精度測定が理化学研究所のRIBF,大阪大学RCNPのリングサイクロトロン施設をはじめ世界中の実験施設で精力的に実施され,理論との直接比較による3体力効果の定量的な議論が始まった.その結果,現在理論計算で考慮されている3体力(藤田・宮沢型が主要成分)の大きさは基本的には正しいものの,スピン観測量の実験結果から3体力のスピン依存部の記述が不十分であること,また,比較的高いエネルギーにおける後方角度散乱の実験値から,核子の運動量移行が大きい領域で更に新たに短距離型の3体力を考慮する必要がある,などの指摘がされるようになった.核力によって原子核,核物質を統一的に理解しようという研究が進みつつある中,核子-重陽子弾性散乱から得られた結果は,今後,3体力をも含めた核力の解明により精度を高めた議論が必要であることを強く示唆している.
  • 井上 貴史
    原稿種別: 最近の研究から
    2015 年 70 巻 12 号 p. 921-925
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
    中性子星は超新星爆発によって生じる小さな天体で,これまでに約1,600個が発見されている.太陽と同程度の質量を持ちながら半径は10km程しかない.その内部は,大まかに「クラストと呼ばれる表面に近い部分は原子核と電子からなり,コアと呼ばれる中心に近い部分は原子核が融けた一様な物質からなる」と考えられているが,詳細は謎に包まれている.特に,コアは密度が1cm^3あたり1兆kgにも達する極限的な環境であるため,未知の物質が実現している可能性が高い.例えば,核子からなる核物質だけではなく,ハイペロンが混在した物質も存在すると予想されている.また,コアの最深部には,バリオンすらも融けたクォーク物質が存在している可能性も指摘されている.2010年には太陽質量の2倍に及ぶ重い中性子星が発見され,中性子星内部に対するこれまでの定説は塗り替えられようとしている.カシオペア座Aと呼ばれる比較的地球に近い超新星残骸の中性子星で観測された表面温度の経年変化も,中性子星の内部がこれまで考えられたよりも複雑な事を示唆している.日本のKAGRAを初め,世界中で建設中の重力波望遠鏡が数年後に稼働を始めると,2つの中性子星の合体から放射される重力波を検出できる可能性があり,今後,中性子星内部の理解が大きく進むと期待されている.このように,中性子星は素粒子・原子核・宇宙物理学における最前線のテーマであり,その解明は現代物理学における最も重要な挑戦のひとつである.中性子星の重要な性質である質量と半径は,内部にある物質(中性子星物質と呼ぶ)の状態方程式から決まる.これまでの中性子星の研究には,実験データを基に推測された核物質の状態方程式が用いられてきた.例えば,核子散乱の実験データを再現する核力を用いて計算した状態方程式である.しかし,中性子星のコアは極限的な環境であるため,地上の実験で得られるデータでは不足する可能性がある.例えば,ハイペロンの間に働く力は,将来にわたって,実験から引き出す事は困難かもしれない.このような場合に期待されるのは,素粒子標準理論に基づいたアプローチである.クォークを支配する力学は量子色力学(QCD)と呼ばれ,現代の素粒子標準理論の一部である.陽子や中性子の質量も,陽子や中性子の間に働く力(核力)も,原理的にはQCDで説明される.しかし,QCDの非摂動性のため,これらをQCDから導く事は容易ではない.特に,核力をQCDから導く事は,絶望的に困難で現実的には不可能と考えられた.ところが,2007年,格子上に実現したQCDの数値計算から核力を導き出す画期的な方法が開発された.一方で,核力から原子核および核物質の性質を導き出す事も容易ではない.しかし,原子核物理学には長い歴史があり,専用の理論や手法が多く蓄積されている.従って,新しい画期的な方法と実績のある原子核理論を組み合わす事によって,QCDを基礎にクォークから原子核や核物質に,さらには中性子星に迫る事が可能になると期待できる.実際に組み合わせて核物質の状態方程式を計算したところ,飽和性など,定性的に望ましい結果が得られ,このアプローチの有望性が確認された.また,クォーク質量と中性子星最大質量の興味深い関係を引き出す事ができた.本研究の結果は,計算機の速さの制約から,現実と定量的な比較ができるものではない.しかし,この点は京コンピュータを使う事で確実に克服される.また,本研究のアプローチでは,ハイペロンを取り入れる拡張に本質的な困難はなく,不定性なしに実行できるので,中性子星の理論研究が格段に進歩すると期待される.
  • 金光 義彦, 山田 泰裕
    原稿種別: 最近の研究から
    2015 年 70 巻 12 号 p. 926-931
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
    太陽からの恵みである膨大な光エネルギーを直接電気に変換し生活に利用できるようにする太陽電池は非常に魅力的なエネルギー変換デバイスである.光エネルギーを電気エネルギーに変えるには半導体の優れた特性を利用する必要があり,半導体材料を基盤とした太陽電池の研究は,非常に長い歴史がある.1954年に米国ベル研究所のChapin,Fuller,Pearsonによって結晶シリコンのpn接合を用いた太陽電池が発明され,実用化を目指した研究がスタートした.1948年の点接触型トランジスターおよび1951年の接合型トランジスターの発明とほぼ同時期であり,半導体がまさに新しい時代を切り開こうとした時期の研究者の猛烈な意気込みを感じることができる.その後60年間,太陽電池の効率は非常にゆっくりではあるが着実に向上し,物理,化学,電子工学などの分野で研究対象となり実用化されてきた.また,東日本大震災以降,空き地や身近な場所で太陽電池施設を数多く見かけるようになっている.太陽電池を半導体材料の立場から分類すると,バルク型と薄膜型に大別することができる.バルク型は,シリコンの結晶を利用したもので,我が国では多くの家の屋根に設置されている.一方,作製コストも低く,しかも軽量で,さらにエネルギー変換効率の高い新しい太陽電池材料としての薄膜が最近再び注目されるようになった.以前に期待されたアモルファスシリコンや有機色素ではなく,CIGS(CuInGaSe),CZTS(CuZnSnS),CdTeなどの無機化合物半導体さらにはハロゲン化金属ペロブスカイトの有機-無機ハイブリッド半導体である.これらは20%以上の太陽電池効率を示すものも報告されており,新しい太陽電池材料として存在感を高めている.なかでも,ハロゲン化鉛ペロブスカイトCH_3NH_3PbI_3は,爆発的に変換効率が向上している期待のニューフェースである.CH_3NH_3PbI_3薄膜は,数10ナノメートルからミクロンサイズの微結晶の集合体であるにも関わらず,室温で高効率のバンド端発光を示す.グレインからなる多結晶薄膜であるが,深い非発光中心やトラップ準位が少なく光学的に良質の半導体材料である.また,室温でのバンドギャップエネルギーは1.61eVであり,直接遷移型半導体に由来する高い光吸収を示す.これらの特性は,理想的な太陽電池材料であるGaAsに匹敵する.この新材料を利用した太陽電池は,色素増感型太陽電池の有機色素をCH_3NH_3PbI_3で置き換えた構造をしており,励起子型太陽電池として特性が議論されたが,無機半導体と同じく自由な電子と正孔が高効率太陽電池動作を起こすことが分かった.現時点では,基礎物性が十分に解明されておらず,材料の安定性やデバイス寿命,さらには毒性のPbを含むなど実用に向けての課題も存在する.しかし将来的には,化学的な合成および物理的な精密測定により多くの問題が克服され,新しい実用太陽電池の開発へと結実できるものと期待される.
  • 崔 博坤
    原稿種別: 本文
    2015 年 70 巻 12 号 p. 932-935
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 小栗 克弥
    原稿種別: 本文
    2015 年 70 巻 12 号 p. 936-940
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 上田 和夫
    原稿種別: 本文
    2015 年 70 巻 12 号 p. 941-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 森井 政宏
    原稿種別: 本文
    2015 年 70 巻 12 号 p. 942-943
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 荒船 次郎
    原稿種別: 学界ニュース
    2015 年 70 巻 12 号 p. 944-945
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 石崎 章仁
    原稿種別: 新著紹介
    2015 年 70 巻 12 号 p. 946-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 世良 正文
    原稿種別: 新著紹介
    2015 年 70 巻 12 号 p. 946-947
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 小芦 雅斗
    原稿種別: 新著紹介
    2015 年 70 巻 12 号 p. 947-948
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 掲示板
    2015 年 70 巻 12 号 p. 949-952
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 行事予定
    2015 年 70 巻 12 号 p. 953-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 常定 芳基
    原稿種別: 付録等
    2015 年 70 巻 12 号 p. 953-954
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 会告
    2015 年 70 巻 12 号 p. 955-960
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 本会記事
    2015 年 70 巻 12 号 p. 961-964
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 本会関係欧文誌目次
    2015 年 70 巻 12 号 p. 965-966
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2015 年 70 巻 12 号 p. 966-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2015 年 70 巻 12 号 p. i-vi
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2015 年 70 巻 12 号 p. vii-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2015 年 70 巻 12 号 p. viii-xi
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2015 年 70 巻 12 号 p. xii-xiii
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2015 年 70 巻 12 号 p. xiv-
    発行日: 2015/12/05
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー
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