日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
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71 巻, 2 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2016 年 71 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 柴田 利明
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 73-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2016 年 71 巻 2 号 p. 74-75
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 清水 克哉
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 76-77
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 肥後 順一
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 78-79
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 阿部 真典, 黒田 玲子
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 80-86
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
    動物の体は発生プログラムに基づいた,前後軸,背腹軸,左右軸の3つの体軸から構成されている.これは,海綿動物や刺胞動物などを除いた,多細胞動物の大部分を占める左右相称動物で共通の形態である.この3つの基本体軸の中で左右軸は他とは異なる性質を持っている.前後軸,背腹軸ではそれぞれで非対称な機能や役割を持っていることから分類できるわけだが,左右とは前後,背腹が決まると自動的に生じる概念的な意味合いを含んでおり,配置関係だけで特徴付けられてしまう.しかし,左右は互いに等価でありながら,同じ存在ではない.これは,右手と左手の関係で,等価な性質を持ちながら互いに重ね合わせることができない,実像と鏡像の関係で説明される.自然界にはそのような左右という概念が普遍的に存在し,動物の形態にも当てはまる.そして,多くの動物の形に見られる左右の関係には,明瞭な非対称性が見出される.外見上は左右相称に見える動物でも,その体内構造に目を向けると,各種臓器は左右非対称な配置や形態,ねじれ方をしている.しかも,その左右非対称性はランダムなものではなく,生物種によって固有の極性(左右性)が存在しており,遺伝子レベルで厳密に制御されている.決められた左右非対称な配置,形態が保たれていないと,正常に機能することができず,重篤な症状を引き起こしてしまう場合がある.近年になって,モデル生物を中心に左右性形成メカニズムの研究が進み,徐々にその詳細が分子レベルで明らかにされつつある.そのメカニズムを比較してみると,種ごとで異なるメカニズムが数多く存在する.種を超えた普遍的なメカニズムは存在するのだろうか?生物は進化の過程でどのようにして左右性形成メカニズムに多様性を獲得してきたのであろうか.この謎に対する手掛かりが,巻貝の殻の左右巻型に潜んでいるかもしれない.巻貝は左右性の研究材料として,他の生物種にはない優れた特徴を持っている.特に,巻貝胚の左右巻型決定のタイミングは非常に明確で,母性由来の一遺伝子座にコードされた巻型決定遺伝子の働きによって,第3卵割の割球配置の左右性が制御され,それによって左右対称性の破れが引き起こされていること,このとき決定した左右軸に従って,左右非対称な遺伝子発現が誘導され,左右非対称な巻型が形成されていることを我々は明らかにしてきた.この左右巻型形成の全体像をみると,脊椎動物の左右性形成において機能している遺伝子と共通なものの存在が確認されるし,対称性の破れを導く細胞レベルでの細胞骨格系が関与する分子メカニズムにも無脊椎動物との共通点が見出される.このことから,巻貝の左右巻型形成メカニズムの解明によって,動物個体の左右性形成の謎に迫る新たな知見が得られるかもしれないと考えている.
  • 山口 弘悦
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
    宇宙空間で発生する衝撃波は,地球上のものと大きく性質が異なる.地球上では物質中の粒子同士が衝突することで流体の圧縮が進むが,密度の低い宇宙空間では粒子の直接衝突がほとんど起こらない.代わりに,粒子間に働く電磁場を介して圧縮が進むと考えられている.この現象は「無衝突衝撃波」と呼ばれ,太陽風から衝突銀河団,ガンマ線バーストなど,宇宙の至るところで普遍的に観測される.しかし無衝突衝撃波の具体的な発生メカニズムは未だ解明されておらず,関連する物理過程にも我々の理解が不十分なものが多い.中でも「無衝突電子加熱」と呼ばれる,衝撃波面で電子が急加熱される現象は,衝撃波物理学における最重要未解決問題の一つとされる.本稿では,X線天文衛星「すざく」が発見した,"ティコの超新星残骸"の逆行衝撃波における無衝突電子加熱について,その詳細を解説する.集光力と分光能力に優れる「すざく」は,この天体から初めて鉄イオンのKβ蛍光輝線を検出した.Kβ蛍光は,内殻電離後の3p→1s脱励起遷移に伴う放射過程なので,M殻電子を多数残す低電離イオンのみが強い放射源となる.したがってそのスペクトルは,衝撃波加熱直後のプラズマ状態を診断する鍵となる.観測されたKβ輝線は予想外に強く,その起源である低電離鉄イオンが極めて高温の(内殻電離を十分に起こせる)自由電子と共存することを示した.筆者らが開発した最新の原子物理モデルと流体シミュレーションを駆使して理論計算を行い,観測データと比較したところ,この超新星残骸の逆行衝撃波面において電子温度が一気に1,000倍近く上昇している事実が明らかになった.超新星残骸の逆行衝撃波は,星間物質中を伝搬する順行衝撃波と異なり,非常に磁場の弱い環境(B≪10^<-8>G)にある.一方,無衝突衝撃波に関する標準的な理論によると,電子の急加熱には最低でも星間磁場(〜1μG)程度の磁場強度が必要とされており,逆行衝撃波での無衝突電子加熱は極めて起こりにくいと考えられていた.今回の観測結果は,残骸内のプラズマ自身が何らかの方法で局所的な電磁場を自己増幅し,電子が効率的にエネルギーを得る環境を作り出している可能性を示唆する.なお,本研究は初めから無衝突電子加熱の探査や測定に照準を定めたわけではなく,「超新星爆発によって生成された元素の量を精密に測定する」という主目的を果たすために非平衡プラズマの原子物理を突き詰めた結果,半ば偶然にして得られたものである.そこで本稿では,原著論文では必ずしも触れなかった,発見に至る経緯や思索の部分を重点的に記述したい.
  • 鈴木 恭一, 小野満 恒二
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
    近年,トポロジカル絶縁体と呼ばれる新しい物質群が注目を集めている.トポロジカル絶縁体は,通常の絶縁体・半導体と同様にバンドギャップが開いたエネルギーバンド構造をもち,かつ,化学ポテンシャルがバンドギャップ中に位置するため「絶縁体」である.一方で,そのバンド構造から「トポロジカル数(ドーナツの穴のような量)」が定義でき,真空や通常の絶縁体と異なる非自明な値をもつ.このため,トポロジカル絶縁体では内部から外部へ向かってエネルギーギャップが開いた状態を滑らかにつなげることはできず,トポロジカル数を変えるために境界となる場所でエネルギーギャップがゼロにならなければいけない.その結果2次元(3次元)トポロジカル絶縁体の境界線(表面)上に伝導チャネルが現れる.トポロジカル絶縁体は,「絶縁体」と名前が付いていながら電気を流すことができるのである.歴史的には2次元トポロジカル絶縁体がHgTe/HgCdTeヘテロ構造において最初に実現された.その後,多くの3次元トポロジカル絶縁体が発見され,現在も活発な研究が行われている.3次元トポロジカル絶縁体の研究が進展する一方で,2次元トポロジカル絶縁体の研究の進展は遅かった.それは,HgTe/HgCdTeヘテロ構造の作製が難しいためである.そのような状況で,最近になり直接遷移型エネルギーバンド構造をもつ半導体で構成されるInAs/GaSbヘテロ構造を用いて,人工的な2次元トポロジカル絶縁体の実現が試みられるようになっている.InAs/GaSbヘテロ構造では構成要素となるInAs,GaSbともに通常の半導体である.InAsの伝導帯とGaSbの価電子帯がエネルギー的に重複しており,ヘテロ界面を通して混成することでトポロジカル絶縁体のエネルギーバンド構造を実現する.しかしながら,このエネルギーバンド構造はエネルギー重複について非常に敏感であり,重複が大きすぎると半金属となり,重複がないと半導体となる.InAs/GaSbヘテロ構造では,HgTe/HgCdTeヘテロ構造と同様に各層の厚さを変えることで,量子閉じ込めを利用したエネルギー重複の制御が可能であるが,これに加えて,表面側と基板側に付けたゲートによる外的なエネルギー重複の制御も可能である特徴をもつ.トポロジカル絶縁体の確認は,量子スピンホール効果による伝導度の量子化を観測するのが最良であるが,量子化を妨げる様々な障害がある.筆者らは,エネルギー重複の最適化されたInAs/GaSbヘテロ構造試料において非局所抵抗測定を行い,隣り合った非局所抵抗比が電流端子の配置に依存せずに一致することからトポロジカル絶縁体の実現を示した.本手法は,内部領域が絶縁で伝導がエッジチャネルに支配されていることを非常に単純に証明できる.III-V族半導体は産業的に普及しており,InAs/GaSbヘテロ構造によるトポロジカル絶縁体の実現は,高度に発展した半導体技術の利用を可能とし,今後,トポロジカル絶縁体の詳細な物性解明とデバイス応用の促進が期待される.
  • 中山 耕輔, 佐藤 宇史, 高橋 隆
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 99-103
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
    鉄系高温超伝導体の1つであるFeSeを1層(原子3個分の厚さ)だけSrTiO_3基板上に作成すると,超伝導転移温度(T_c)が100Kに達する可能性が報告され,大きな注目を集めている.FeSeバルク試料のT_cは約8Kであり,単層にすることでT_cが一桁も上昇することになる.また,これまで発見されたバルク鉄系高温超伝導体におけるT_cの最高値(56K)をも遙かに凌駕している.はたして,この高温超伝導は本物だろうか?この点を明らかにするため精力的な研究が行われており,これまでに中国と米国の3つの研究グループが独立にFeSe単層膜の作成に成功し,いずれも超伝導の発現を支持する結果を報告している.このことから,超伝導が発現していることは間違いないと考えられる.しかし,FeSe単層膜の作成が難しいことに加えて,作成した単層膜が大気中で不安定なことなどから,正確なT_cの決定は難しいのが現状である.これまでに報告されたT_cは,20Kから100K以上まで大きなばらつきがあり,"高温"超伝導が起きているかについて統一的な見解は得られていない.もし単層膜で高温超伝導が実現しているとすると,自然に浮かぶ疑問は,「バルク体から単層膜まで,どのように超伝導が変化するか?」である.この点について,2層以上の多層膜では超伝導が完全に消失するという興味深い結果が報告されている.単層膜の上にもう1層FeSe膜を追加しただけで,なぜ劇的なT_cの変化が起こるのか,また,それが本質的な変化であるのかどうかは明らかになっていない.この問題の解決は,「なぜFeSe単層膜が高温超伝導を示すか?」を理解する上で極めて重要である.本稿では,膜厚を系統的に変化させたFeSeの高品質薄膜をSrTiO_3基板上に作成し,角度分解光電子分光法(Angle-Resolved PhotoEmission Spectroscopy; ARPES)を用いて電子状態のその場観察を行った研究について紹介する.1番目の重要な成果として,単層膜において超伝導の発現を示す超伝導ギャップを直接観測し,その温度変化から,T_cが約60Kであることを見出した.このT_cは,バルクFeSeの8Kを遥かに超えて高温超伝導と呼べるほど高い.2番目の成果として,FeSe薄膜の表面にK原子を吸着させることで,薄膜中の電子量を広い範囲にわたって制御できることを見出した.この手法を用いて,これまで超伝導を発現しないとされてきた多層膜においてもT_c〜50Kの高温超伝導を発現させることに成功した.3番目の成果として,超伝導相図の膜厚・ドープ量依存性を確立した.膜厚が薄いほどT_cは高く,FeSeとSrTiO_3との界面が高温超伝導の実現に重要な役割を果たしていることを明らかにした.また,電子ドープ量に対して,T_cがドーム型を示すことも見出した.さらに,単層膜で電子量を増やすことで,60Kよりも高いT_cが実現される可能性を示した.このように,SrTiO_3上のFeSe薄膜は,さらなる高温超伝導の探索や,二次元超伝導の研究に魅力的なプラットフォームを提供する.また,FeSeに限らず他の超伝導体においても,それを原子層薄膜化することで,バルクを超える高いT_cを実現する可能性もあり,今後さらなる研究の進展が期待される.
  • 松川 宏, 並木 雅俊
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 104-107
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 上田 和夫
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 108-110
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 坂井 典佑
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 111-112
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 雨宮 高久, 中根 美知代, 植松 英穂
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 113-115
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 炭谷 俊樹
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 116-117
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 領域委員会
    原稿種別: 学会報告
    2016 年 71 巻 2 号 p. 118-126
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 後藤 信行
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 127-128
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 小林 努
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 129-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 渡邉 智彦
    原稿種別: 本文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 130-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2016 年 71 巻 2 号 p. 131-133
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2016 年 71 巻 2 号 p. 134-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 片山 郁文
    2016 年 71 巻 2 号 p. 135-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2016 年 71 巻 2 号 p. 136-
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2016 年 71 巻 2 号 p. 139-140
    発行日: 2016/02/05
    公開日: 2018/07/20
    ジャーナル フリー
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