日本白内障学会誌
Online ISSN : 2188-613X
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ISSN-L : 0915-4302
29 巻, 1 号
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総説
≪特集1≫白内障・水晶体への多角的アプローチ
≪特集2≫水晶体と眼内レンズの機能と特性
原著
  • 馬嶋 清如, 市川 慶, 酒井 幸弘, 内藤 尚久, 磯谷 尚輝, 片岡 嵩博, 中村 友昭, 市川 一夫
    2017 年 29 巻 1 号 p. 72-79
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/03
    ジャーナル フリー

    水晶体再建術の1年後に,過度な前囊収縮に伴い眼内レンズ(intraocular lens:IOL)の支持部先端が前囊側へ引き上げられたように形状を変化させ,その支持部先端が散瞳下において瞳孔縁から観察された1例を経験したので,発症メカニズムを含めて報告する.本症例で挿入されたIOLはAlcon社製のSA60ATで,支持部の固定は3-9時であり,既往歴としてはサルコイドーシスに起因するぶどう膜炎があった.術前に撮影した超音波生体顕微鏡の画像から3-9時方向の水晶体横断面の外周径を計測後,外周径から同方向の前囊切開窓の径を引いた数値のなかにIOLが挿入されたモデル画像を作製した.その結果,支持部は前囊切開縁の収縮により水平軸方向ではなく前囊側へ引き上げられるように形状を変化させ,それに伴い支持部先端は散瞳下において瞳孔縁から観察されうる状況に陥ることがわかった.

  • 山本 直樹, 平松 範子, 谷川 篤宏, 宮地 栄一, 堀口 正之
    2017 年 29 巻 1 号 p. 80-83
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/03
    ジャーナル フリー

    イモリは,水晶体を切除しても虹彩色素上皮細胞が脱分化して水晶体が再生される.筆者らはこの虹彩組織に注目してヒト虹彩組織幹/前駆細胞を分離し,この細胞にエピゾーマルベクターを導入してiPS細胞を作出した.作出した虹彩由来iPS細胞は,アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase:ALP),Sox2,SSEA-4陽性の細胞であった.次に,このiPS細胞を筆者らが考案した回転浮遊培養法にて,水晶体上皮細胞に分化誘導した.既報のES細胞を用いた分化誘導法と今回の結果を比較すると,水晶体上皮細胞のマーカーの一つであるαA-crystallineの遺伝子発現が増加し,αA-crystalline蛋白質を発現する細胞凝集体が形成された.

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