脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
Online ISSN : 2188-7519
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25 巻 , 2 号
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原著
  • 小林 慎弥, 石川 達哉, 師井 淳太, 吉岡 正太郎, 引地 堅太郎, 竹中 俊介, 岡田 健, 齋藤 浩史, 田邉 淳, 鈴木 明文
    25 巻 (2014) 2 号 p. 1-7
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    反対側に内頸動脈高度狭窄あるいは閉塞性病変を合併した症候性内頸動脈閉塞患者に対しSTA-MCA bypassを施行した連続4 症例について,周術期合併症や治療成績について検討した.4 例すべての周術期に何らかの神経学的悪化を生じていた.周術期脳梗塞を生じた3 例のうち2 例では前大脳動脈領域に生じており,「watershed shift」の病態が関与したと考えられた.また術後の過灌流症候群も2 例で生じていた.周術期合併症は高頻度であり,決して満足できる成績ではなかった.術前と術後3 カ月時点の予後評価では,改善が1 例,不変が1 例,悪化が2 例であった.追跡期間中に脳卒中再発は認めていない.反対側の内頸動脈高度狭窄あるいは閉塞性病変を合併した症候性内頸動脈閉塞に対するSTA-MCA bypass においては,周術期脳梗塞や術後過灌流に関する詳細な病態把握および管理に努めなければならない.
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  • 末廣 栄一, 貞廣 浩和, 五島 久陽, 奥 高行, 岡 史朗, 杉本 至健, 藤山 雄一, 山根 亜希子, 米田 浩, 小泉 博靖, 石原 ...
    25 巻 (2014) 2 号 p. 9-14
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    高体温による脳損傷増悪作用を防ぐため,急性期脳温管理の重要性が広く受け入れられている.本研究ではくも膜下出血周術期における体温の患者予後への影響を検討した.対象は当科へ入院となったくも膜下出血患者44 例とした.第4 病日から第14 病日の期間で体温測定を行った.開頭クリッピング術を行った群(clip 群)とコイル塞栓術を行った群(coil 群),Hunt & Hess 分類にてGrade I~III (軽症群)とGrade IV~V(重症群),遅発性脳虚血(DCI)あり群 とDCI なし群 ,退院時GOS にて予後良好群(GR, MD)と予後不良群(SD, VS, D)に分けてそれぞれ体温を比較検討した.clip 群とcoil 群間,軽症群と重症群間で有意差は認めなかった.DCI あり群はDCI なし群に対して,予後不良群は予後良好群に対して全病日で有意に体温が高かった.くも膜下出血周術期早期からの体温管理が重要と思われた.
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  • 久門 良明, 渡邉 英昭, 田川 雅彦, 井上 明宏, 山下 大介, 松本 調, 大西 丘倫
    25 巻 (2014) 2 号 p. 15-21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    発症4 週以内の急性/亜急性期に行う頸動脈狭窄症への血行再建の安全性を検討した.238 件(CEA:104,CAS:134)を急性/亜急性期群(A 群)と慢性期群(C 群)に分け,治療結果を比較した.各群17 件(CEA:9,CAS:8)と221 件(CEA:95,CAS:126)であった.虚血性神経症状をA 群6%,C 群3%に認め,両群間と両手技間に差はなかった.新たな脳梗塞をA 群21%(CEA:11%,CAS:40%),C 群24%(CEA:12%,CAS:37%)に認め,C 群ではCAS に高頻度であった.過灌流症候群(HPS)をA 群29%,C 群1%に認め,両手技ともA 群で高頻度であった.A 群でHPS を認めた5 例は脳血流量,血管反応性が低下しており,発症を予測した血圧管理で致死的出血はなかった.頸動脈狭窄症への発症早期の血行再建ではHPS が高頻度で,実施する場合には発症を予測した周術期管理が望まれる.
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  • Kanako Muraga, Chikako Nito, Masayuki Ueda, Toshiki Inaba, Tomonari Sa ...
    25 巻 (2014) 2 号 p. 23-30
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    Aims: Previous studies suggest that both statins and calcium-channel blockers inhibit cardiovascular and cerebrovascular diseases by their pleiotropic effects, such as antioxidation and anti-inflammatory actions. By using stroke-prone spontaneously hypertensive rats (SHRSPs), the isolated effect of each pharmaceutical has been reported, but the effect of a combination of both pharmaceuticals has not been reported. In this study, we evaluated combination therapy of atorvastatin and amlodipine for its efficacy in preventing stroke in the SHRSP model. Main Methods: We initiated treatment of SHRSPs at 8 weeks of age with atorvastatin (2 mg/kg), amlodipine (1 mg/kg), a combination of atorvastatin (2 mg/kg) and amlodipine (1 mg/kg), or vehicle. Measurement of physiological parameters and immunohistochemical assessments for oxidative stress and inflammation were done at each group. Key findings: At 13 weeks of age, the combination therapy group showed greater inhibition of an antioxidation and anti-inflammatory marker than the vehicle group, although there were no differences in blood pressure. Significance: Our study suggests that the combination therapy of atorvastatin and amlodipine may protect against hypertension-induced stroke by the additive effect of the antioxidation and the anti-inflammatory action of the both agents.
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  • 小泉 博靖, 杉本 至健, 白尾 敏之, 石原 秀行, 貞廣 浩和, 末廣 栄一, 米田 浩, 野村 貞宏, 鈴木 倫保
    25 巻 (2014) 2 号 p. 31-36
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    重症くも膜下出血自験例において急性期の頭蓋内圧(ICP)と平均血圧(MABP)の二変量の相関係数(pressure reactivity index; PRx)を算出した.この指標は脳血管自動調節能の保全状態を反映することが知られており,3カ月後の転帰との相関性について検証した.対象はWFNS grade 5 の重症くも膜下出血10 例とした.3 カ月後の転帰でGR,MD に至った転帰良好例は2 例で8 例が転帰不良であった.ICP とMABP の二変量の相関係数(PRx)を算出し,術後急性期の血管反応性の保全状態を評価した.転帰良好例の急性期PRx の平均値が0.047に対し,転帰不良例では0.230 であった.転帰不良例では血管反応性の喪失がより著しく,二変量の正の相関がより強い結果として反映された.また,急性期に遅発性脳梗塞を併発した6 症例のPRx 平均値0.309 に対し,発症しなかった4 例のPRx 平均値は0.019 であった.両者には統計学的有意差が認められ(p<0.05),脳梗塞発症例では有意に正の相関が強かった.
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  • 伊賀瀬 圭二, 松原 一郎, 荒井 政森, 五石 惇司, 貞本 和彦
    25 巻 (2014) 2 号 p. 37-41
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    3T MRI を用いて,中大脳動脈(MCA)狭窄症例の血管壁描出の可否を検討した.片側MCA 狭窄12 例および非狭窄例10 例を対象とし,両側MCA 水平部を,3T MRI のT1-CUBE 法で撮像した.狭窄側の最狭窄部と健常側,および非狭窄例の血管壁描出能とその厚さ,狭窄率との関係を検討した.全症例で動脈壁は高信号として描出された.血管壁の厚さは,狭窄例の病変側1.57±0.27 mm に対し,健常側1.19±0.08 mm であり,2 群間に有意差を認めた(p<0.05).一方,非狭窄例は,0.85±0.23 mm であり,狭窄例の病変側,健常側双方と比較して,有意に低値であった(各々p<0.001,p<0.05).また,狭窄率と血管壁厚の間には相関関係を認めた(R=0.69,p=0.019).3T MRI により,頭蓋内主幹動脈狭窄症例における血管壁の肥厚が観察され,内膜の動脈硬化性変化を反映していると考えられた.
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  • 中村 和浩, 近藤 靖, 水沢 重則, 木下 俊文
    25 巻 (2014) 2 号 p. 43-49
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    ラットを用いた脳血流量(CBF)自動調節能の計測では,自動調節能を示す血圧範囲で,緩やかなCBF 変化を示す個体が複数観察されるなど,CBF 自動調節能には個体差があることが知られている.我々は,このCBF 自動調節能の個体差について,血管平滑筋の機械モデルを用いたシミュレーション手法により解釈できるのではないかと考えた.シミュレーションはUrsino らが提案するモデルを用い,モデル係数はラットで測定された血管の機械特性に合わせて変更した.モデル係数について生理的な範囲で変化させたところ,細動脈において血圧と血管の張力を関係づける係数を少し変えるだけで,CBF 自動調節能の血圧範囲において緩やかな血流変化を示す結果が得られた.このことは,CBF 自動調節能に個体差があり,とくに細動脈の個体差によって,従来のCBF 自動調節能を示す血圧範囲で,必ずしも血流量が一定になることはないことを示したといえる.
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シンポジウム2 神経保護と神経再生
  • 新保 大輔, 鐙谷 武雄, 七戸 秀夫, 中山 若樹, 数又 研, 宝金 清博, 石塚 隆伸
    25 巻 (2014) 2 号 p. 51-55
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    虚血再灌流時に人工酸素運搬体liposome-encapsulated hemoglobin(LEH)を再開通動脈から灌流させることによる脳保護効果について報告する.ラットの一過性中大脳動脈閉塞再灌流モデルを用い,再開通した内頸動脈からLEH の灌流を15 分間行い,その脳保護効果について検討した.LEH の投与により,再灌流24 時間後の神経機能の改善,脳梗塞および浮腫面積の減少を認めた.LEH はラット赤血球よりも末梢微小血管まで灌流していた.LEH は,粒径が小さいことで狭小化した微小血管まで効果的に酸素を運搬し,微小血管内皮細胞の障害を抑制し,脳内への好中球の浸潤ならびに産生されるmatrix metalloprotease-9 の産生を抑えることで脳血液関門の破綻を抑制し,脳保護効果を示すことが考えられた.再開通動脈からのLEH の経動脈的投与は,臨床においても虚血再灌流障害を軽減化する可能性がある.
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  • 北庄司 輝, 原 英彰
    25 巻 (2014) 2 号 p. 57-61
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    現在,出血性梗塞に対する有効な治療法はなく,ワルファリンによる出血性梗塞の増大は致命的であるため,その治療法の確立が不可欠である.抗血小板薬であるシロスタゾールは神経保護作用および血管内皮細胞保護作用を含む様々な保護作用を有することが知られているが,ワルファリン服用患者には慎重投与とされている.本研究では,シロスタゾールがtight junction proteins およびVE-cadherin を増強することで,ワルファリンによる出血性梗塞の増悪を抑制することを明らかにした.また,末梢からの出血時間も延長させなかったことから,本研究が臨床に応用できる可能性も示唆された.
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  • 森田 光洋
    25 巻 (2014) 2 号 p. 63-66
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    頭部外傷に伴う脳組織の変性と再生を予測することは困難であり,このことが適切な治療方法の選択を困難にしている.頭部外傷の基礎研究が進展しない原因の一つとして,臨床を適切に反映した動物モデルがないことが挙げられる.ヒトでは頭蓋を破壊しない程度の物理的衝撃であっても脳挫傷を引き起こしうるが,これをげっ歯類などにおいて再現することは困難である.従来の頭部外傷モデルは,頭蓋を除去して露出させた脳実質に物理的衝撃を与えることによって作成されている.しかし,頭蓋除去はグリア細胞の活性化などを引き起こすため,こういったモデルでは変性が長期にわたって進行し,再生がみられる場合はほとんどない.この問題を解決するため,頭蓋の一部を薄削し,この部分から照射した光によって大脳皮質の一部を破壊する方法を開発した.この光傷害と名付けた方法を用いて,閉鎖性頭部外傷に伴う脳組織の変化を検討したところ,傷害24 時間後から出血が顕在化し,損傷部位は約1 カ月の間に縮小して脳挫傷を形成した.また,損傷の収縮過程において活性化ミクログリアが損傷内部に集積する一方,ネスチンを発現する活性化アストロサイトの突起が損傷周辺部位を覆い,この部分で顕著な組織再生が進行した.ネスチン陽性活性化アストロサイトは顕著な脂肪酸の取り込みを示したことから,損傷部位におけるエネルギー代謝を維持し,組織再生を促進しているのかもしれない.
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  • 中﨑 公仁, 鈴木 淳平, 佐々木 祐典, 岡 真一, 佐々木 優子, 本望 修
    25 巻 (2014) 2 号 p. 67-71
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    我々は脳梗塞ラットモデルにおいて,経静脈的に骨髄間葉系幹細胞移植を行うことで,良好な機能改善が認められることを報告してきた.行動学的機能回復の程度は,梗塞巣の体積の変化と必ずしも相関しない場合がある.我々はfunctional MRI (fMRI)による動的な脳機能の変化と運動機能回復の関連性について検討し,骨髄間葉系幹細胞を移植した群にのみ,fMRI にて両側に皮質賦活信号を認める群が存在し,より高い運動機能の回復を認めていたことを報告した.本稿ではその内容を報告するとともに,現在行っている骨髄間葉系幹細胞を用いた脳梗塞の医師主導第III 相治験に関して紹介する.
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  • 山下 徹, 阿部 康二
    25 巻 (2014) 2 号 p. 73-76
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    近年,様々な組み合わせの転写因子を強制発現させることによって皮膚線維芽細胞などの体細胞から異なる細胞種を直接誘導するダイレクトリプログラミングの報告が多数されてきている.このダイレクトリプログラミングによって作成されるiN 細胞は,比較的短期間で誘導でき,かつ腫瘍形成のリスクが少ないなど,多くの利点があり注目を集めている.さらに,神経幹細胞を直接的に誘導する技術も発表され,今後,脳梗塞への治療応用が期待されている.
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シンポジウム3 外科治療と循環代謝
  • 中川 一郎, 朴 憲秀, 村上 敏春, 西村 文彦, 弘中 康雄, 本山 靖, 朴 永銖, 中瀬 裕之
    25 巻 (2014) 2 号 p. 77-80
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    近赤外線酸素モニター装置(NIRS)は脳血流変化を局所酸素飽和度の変化としてリアルタイムに捉えることができるため,脳血行再建術周術期における有用性が報告されている.これまでに我々は頸動脈ステント留置術(CAS)周術期においてインドシアニングリーン(ICG)を血管内トレーサーとして用いたNIRS による局所脳血流評価の特徴と有用性について報告してきた.今回我々は症例を重ね,術後過灌流症候群(HPS)における有用性と注意点について検討した.当院でCAS を行った34 例を対象とし,ステント留置前後のNIRS の局所酸素飽和度(TOI)およびICG を静脈内投与し得られるICG 時間濃度曲線より局所脳血流係数(BFI)および平均通過時間(MTT)を計測した.HPS をきたした2 例では術後に病変側TOI およびBFI 比の上昇が持続し,病変側MTT 比は術後短縮した.ICG を血管内トレーサーとして用いたNIRS によりHPS 発症の予知や術後管理におけるベッドサイドで繰り返し行える脳循環動態モニタリングとして有用であると考えられた.
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新評議員
  • 遠藤 英徳, 冨永 悌二
    25 巻 (2014) 2 号 p. 81-84
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    くも膜下出血(SAH)の病態において,発症急性期脳損傷のメカニズムが近年注目されている.我々は,齧歯類SAH モデルを用いて,酸化ストレスの減少がAkt/GSK3β 生存シグナルの活性化を介してSAH 後の急性期脳損傷を軽減することを示した.また,実際のSAH 臨床例において,MRI 拡散強調画像が急性期脳損傷の検出に有用であり,治療後の転帰予測も可能であることを報告した.SAH 後の急性期脳損傷は転帰に大きな影響を及ぼすことから,新たな治療ターゲットとして治療方法を模索していく必要がある.
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  • 岡沢 秀彦
    25 巻 (2014) 2 号 p. 85-90
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    ポジトロンCT(PET)は,開発当初から脳循環代謝計測に用いられ,ヒト脳機能計測の代表的なモダリティーであった.近年脳賦活検査が機能的MRI (fMRI)で行われるようになり,刺激に伴う脳活動の定量的変化はMRI で主に計測されるようになったが,脳血流量やエネルギー代謝の定量測定は,依然脳PET が主役といえる.2000 年代に入り,受容体・トランスポーターイメージングが一般臨床でも用いられるようになり,分子イメージングが脚光を浴びている.高齢化社会の到来とともに認知症診断の重要性が増し,アミロイドイメージングによるアルツハイマー病診断等,臨床診療における脳PET 検査の意義が,今後益々高まっていくものと期待される.脳PET 検査,とくに定量検査の進歩を振り返るとともに,今後どのように使われていくのか,その展望を総括しておくことは,生体脳機能イメージングの今後の方向性を考える上でも重要と思われる.
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  • 工藤 雅子, 米澤 久司, 柴田 俊秀, 小原 智子, 高橋 純子, 佐々木 敏秋, 寺崎 一典, 世良 耕一郎, 寺山 靖夫
    25 巻 (2014) 2 号 p. 91-96
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    Alzheimer 病(AD)において脳内に蓄積したアミロイドの描出を18F-AV45(Florbetapir)を用いたPET で評価し,軽度認知機能障害(MCI),前頭側頭葉変性症(FTLD)および正常対照(HC)と比較検討を行った.前頭葉,側頭葉,頭頂葉,後頭葉および被殻,視床,橋に関心領域を設定し小脳を対照としたstandardized uptake value ratio(SUVR)を測定し,AD と各疾患で比較した.SUVR は大脳皮質全般でAD において最も高く,MCI はADとHC の中間であった.FTLD では低値であった.HC では白質の集積がやや高かった.18F-AV45 を用いることで優れたアミロイドイメージングが得られ,またAD とMCI,FTLD,HC の鑑別にSUVR を用いた半定量法ではアミロイド沈着の評価においてこれまでの報告と同様の結果が得られた.今後症例数を増やした統計学的な検討が必要と考えられた.
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  • 小守林 靖一
    25 巻 (2014) 2 号 p. 97-99
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    頸動脈内膜剝離術後過灌流は,脳内出血や高次脳機能障害をもたらす原因とされている.この術後過灌流を予知するため,これまで様々な検討が行われてきた.慢性脳虚血による術前脳循環予備能の低下に加え,術中の内頸動脈遮断による脳虚血が,術後過灌流の発生に関連しているか否かにつき検討した.対象は頸動脈内膜剝離術を施行した頸部内頸動脈狭窄症患者89 例.脳血流量を術前および術直後にSPECT にて定量的に測定した.術前にはacetazolamide による負荷も行い,脳循環予備能も評価した.術中には経頭蓋脳酸素飽和度をモニタリングし,術中内頸動脈遮断による脳虚血の程度を評価した.術後過灌流は術前脳循環予備能が低下していた18 例中10 例(55.6%)に認められた.術前脳循環予備能の低下と0.9 未満の術中SO2 比(内頸動脈遮断直前の酸素飽和度に対する遮断中酸素飽和度最低値の比)をもった9 例全例で術後過灌流を呈した.多変量解析では,術前脳循環予備能の低下と術中SO2 比の低下が,術後過灌流発生の有意な独立因子であった.
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  • 斎藤 秀夫
    25 巻 (2014) 2 号 p. 101-103
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    CEA 術中,酸化障害マーカーの一つである血中MDA-LDL 濃度が,術後認知機能障害と関連するかどうか検討し,CEA 術中の頸静脈中MDA-LDL 濃度が術後認知機能障害と関連があることを証明した.最近では,MRS で測定された脳代謝産物のCEA 後変化がCEA 後認知機能の変化と関連するか検討し,これらが関連することを証明した.一方,脳主幹動脈閉塞症例において,PET による脳酸素摂取率の上昇として示される貧困灌流の存在は脳梗塞発症のリスクを増加させると知られている.しかしPET を行う施設は限られており,またPET の代用として脳血流SPECT によるDiamox 反応性もあるが,このDiamox には様々な副作用があることがわかっている.そのため,IMZ-SPECT と脳血流SPECT(rest)を利用して,貧困灌流をより簡便に,そして安全に調べることができると証明した.
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  • 田口 明彦
    25 巻 (2014) 2 号 p. 105-107
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    脳梗塞予防に関しては,降圧薬,抗血小板薬,抗凝固薬などの多くの有効な薬剤が存在し,また脳梗塞超急性期における脳組織の壊死の防止に関しても,血栓溶解療法や血管内治療など有効な治療法の開発が進んでいる.しかし,超急性期以降の脳組織壊死が生じた後の脳機能の再生に関しては,現状でもリハビリテーション以外には確立された治療法がなく,新規治療法開発が切望されている.我々は基礎研究において,脳梗塞後に誘導/動員される神経幹細胞の生着・機能には血管再生が必要不可欠であり,造血幹細胞投与で血管再生・神経機能回復が促進することを世界に先駆けて報告し,さらにこれらの知見に基づき,脳梗塞患者に対する自己骨髄単核球細胞移植の臨床試験を実施してきた.本稿ではそれらの概要とともに,今後の研究の方向性についても言及する.
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  • 中村 晋之, 吾郷 哲朗
    25 巻 (2014) 2 号 p. 109-115
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    Neurovascular unit は神経細胞,脳血管内皮細胞,ペリサイト(血管周皮細胞),アストロサイト(星状膠細胞)などを構成単位とする概念である.これらの細胞は互いに密接かつ複雑に関わっており,血液脳関門や微小循環の調節など多彩な脳機能の維持を担っている.なかでもペリサイトは内皮細胞を被覆して血管を物理的に安定化させるのみならず,内皮細胞と相互に作用し,微小血管の成熟,安定化,血液脳関門の維持などに重要な役割を果たしている.脳虚血時にペリサイトは虚血周囲へ誘導され,サイトカインや神経栄養因子の分泌を行って周囲の細胞に作用し,神経細胞の保護,破綻したBBB の再構築,さらには血管・神経再生を促進している可能性がある.ペリサイトはNVU の保護や修復過程において中心的な役割を果たしている可能性が考えられ,脳虚血や認知症など種々の中枢神経疾患に対する新たな治療標的として期待される.
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  • 新妻 邦泰, 冨永 悌二
    25 巻 (2014) 2 号 p. 117-121
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    脳虚血後には種々の分子シグナリングの経路が活性化されるが,虚血の程度が強い場合には,アポトーシス関連経路が活性化されることになる.アポトーシス関連経路においてはp53 が重要な役割を果たし,転写依存的に多数のアポトーシス関連分子を活性化し,その結果としてBcl-2 ファミリーメンバーの相互作用を介してミトコンドリア膜間腔に存在するcytochrome c やapoptosis-inducing factor などが放出される.その後にcaspase-9,caspase-3 の活性化が続きアポトーシスを誘導するが,この「放出」のステップが不可逆的であるために,ここが細胞死を決定づける段階であると考えられている.本稿では,このステップを制御すると考えられるp53 依存性の分子とBcl-2 ファミリーのタンパクとの相互作用の中から,我々のグループが研究を重ねたBax, PUMA, PIDD を中心に概説する.
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  • 長谷川 雄, 鈴木 秀謙, 植川 顕, 河野 隆幸, 倉津 純一, 光山 勝慶
    25 巻 (2014) 2 号 p. 123-128
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage; SAH)を発症すると,生命の危険に陥るだけではなく,重篤な後遺症を残すこともある.予後改善のためにSAH 後亜急性期に生じる脳血管攣縮が以前より研究され,様々な治療が試みられてきたが,形態的に攣縮が軽減しても予後改善が得られないことがわかってきた.近年SAH 後72時間以内に生じる脳圧上昇を主体とした早期脳損傷(early brain injury; EBI)という概念が,新たな予後規定因子として注目されている.今後SAH 後EBI の病態が解明され,それを軽減し得る治療薬が臨床で使用されるようになれば,SAH 患者の予後改善に貢献するであろう.以前より我々はSAH 後EBI の治療において,実験的に様々なアプローチを行ってきた.本稿ではSAH 後EBI について,トランスレーショナルリサーチを目的とした基礎実験の手法を中心に概略的に紹介する.
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  • 山城 一雄
    25 巻 (2014) 2 号 p. 129-135
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    食生活の変化や運動不足に伴い,脂質異常症や肥満など生活習慣病は増加傾向にある.脂質異常症はリン酸化された内皮型一酸化窒素合成酵素の発現低下により,脳動脈における血管内皮機能障害を引き起こすと考えられる.また,内臓脂肪の蓄積は脳小血管病変の独立した危険因子であり,内臓脂肪より分泌されるアディポネクチンや炎症性サイトカインなどのアディポカインは,炎症や血栓傾向を介して血管内皮機能障害および動脈硬化に関与することが示されている.近年の報告によると小児を含む若年者の肥満は増加傾向にあり,脳梗塞における生活習慣病の重要度は,今後さらに増すことが予測される.生活習慣病により引き起こされる血管内皮機能障害のメカニズムの解明による新たな脳血管障害の治療の確立が期待される.
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