Chem-Bio Informatics Journal
Online ISSN : 1347-0442
Print ISSN : 1347-6297
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12 巻
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  • 吉田 慎一, 村田 大, 平良 俊一, 井口 恵太, 高野 昌行, 中野 喜之, 水口 和信
    12 巻 (2012) p. 1-13
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    医薬用モノクローナル抗体は、その三次元立体構造が似ているにもかかわらず、プロテインAクロマトグラフィー(医薬用抗体の精製プロセスにおける標準的なアフィニティー精製手法)の溶出ステップにおいて異なる挙動を示す。特に、従来型のプロテインAとVH3型(VH遺伝子ファミリー)抗体の可変領域との相互作用が抗体溶出特性に悪影響を与えることがよく知られている。その相互作用がプロテインAへの変異G29Aの導入によって低減されることも明らかになっていたが、その効果は常に十分とは言えない。我々は、三次元立体構造に基づいた計算化学での評価によって、新たな変異(S33EおよびD36R)を設計した。これらの変異は、抗体の可変領域との相互作用の消失だけではなく、プロテインA担体の効果的な洗浄に要求されるアルカリへの耐性を維持することも意図して設計された。次に、優れた特性を有するCドメインのG29A変異体をモデル・タンパク質としたin vitro実験によって、設計した変異の効果を検証した。ビアコア実験によって、変異体がVH3型抗体の可変領域への結合を示さないことを確認した。また、変異体を固定化した担体を用いたクロマト実験によって、VH3型抗体の溶出プロファイルが実際に改善されること、および、アルカリ耐性が維持されていることを確認した。このように抗体の可変領域への結合力を消失させたプロテインAリガンドは、例えば、抗体酵素消化反応物からのFab断片の分離精製を可能とする。このような計算化学による論理的変異設計は、タンパク質リガンド改変の効率化を可能とするだろう。
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  • 瀬戸 倫義, 尾崎 将之, 野坂 修一
    12 巻 (2012) p. 14-24
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル フリー
    全身麻酔薬の開発には分子標的、作用機序の解明が必要である。GABAA受容体は意識消失の重要な分子標的候補のひとつである。しかし、いまだ明確な分子標的の特定や作用部位の特性は未解決のままである。そこで、麻酔薬が作用し、詳細な3次元構造が分かっているGABAA受容体類似のモデル標的に着目し、対掌体麻酔薬の結合部位における適合性を調べれば、麻酔作用部位における麻酔薬の分子認識の特性が推定できると考えた。ニコチン性アセチルコリン受容体をモデルに使用して、amobarbital, 対掌体バルビタルisobarbital, pentobarbitalの結合様式(position, orientation, conformation)をドッキングシミュレーションの手法を用いて解明した。その結果、いずれのバルビツルもアゴニスト結合部位に結合し、対掌体RとSの結合はバルビツル酸環が重なる位置関係に結合した。バルビツル系麻酔薬の結合はバルビツル酸環が主な結合力になっていることがわかった。すなわち、対掌体麻酔薬といえども、受容体との主要な結合力がその不斉点を含まない部分構造に由来する場合、不斉炭素が存在してもその分子識別への寄与は相対的に小さくなることが判明した。本研究の範囲では、薬物と受容体の相互作用のほとんどがバルビツル酸環部分に依るものであり、側鎖アルキル鎖の不斉中心に起因する立体的な構造の差異は薬物結合力に大きな差異を生み出さなかった。麻酔作用部位でも同様に側鎖アルキル基の不斉点は結合力に大きな違いを生じない可能性がある。すなわち、バルビツル系麻酔薬の作用部位は対掌体の識別が弱い特性をもつと示唆された。
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  • 多田 幸雄, 山脇 一郎, 上田 修一, 松本 宏, 松浦 直資, 安本 三治, 江田 昭英, 堀 幹夫
    原稿種別: Original
    12 巻 (2012) p. 25-38
    公開日: 2012/06/28
    ジャーナル フリー
    スルホニウム化合物の分配係数 logK 値は実測されていなかったので、これまでは置換基の πの計算値のみを用いてQSAR解析を報告してきた。本研究においては、固定相としてオクチルシリル化されたシリカゲルプレート(Merck HPTLC RP-8 F253S)、移動相として 50%(V/V) エタノール水溶液を用いて、抗アレルギー剤である Suplatast Tisilate (IPD-1151) の開発におけるスルホニウム化合物の logK 値を測定した。最適化された化合物 52 および 67 (Suplatast Tosilate)の logKTLC値は、それぞれ 0.07 と 0.06 であった。従って、抗アレルギー剤としてのスルホニウム化合物の望ましい logKTLC の値はほぼ 0 であることが判明した。
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  • 関根 亮二, 木賀 大介, 山村 雅幸
    12 巻 (2012) p. 39-49
    公開日: 2012/12/20
    ジャーナル フリー
    細胞の初期状態に依存しない細胞種多様化を実現する人工遺伝子回路は,複数の細胞種への分化誘導のツールとしての利用が期待できる.本研究では,多様化後の二つの細胞種比率が初期状態に依存しない細胞種多様化を実現するための人工遺伝子回路,Symmetric Diversity Generator (SDG)を設計した.SDGは,二つのリプレッサーによる相互抑制と,二つの拡散性アクチベーターによるリプレッサー生産・拡散性アクチベーター生産のアンバランス補正との二つの機構からなる.多様化後の細胞種比率の初期状態依存性の計算機解析から,SDG設計には改善の余地があることが分かったため,二つのアプローチで設計の改善を行った.一つ目は,拡散性アクチベーターの分解速度を上げるアプローチ,二つ目は,拡散性アクチベーターやリプレッサーに対するリプレッサー生産の感度を下げるアプローチである.SDGと同様の計算機解析から,二つ目のアプローチによって細胞種比率の初期状態依存性が大きく改善されることが分かった.これは,リプレッサー生産が大きく変化する前に拡散性アクチベーターのアンバランス補正が働くことができるようになったためであると考えられる.感度に注目した二つ目のアプローチは,すでに報告されている人工遺伝子回路のパフォーマンス向上のための簡便な方法としての利用が期待できる.
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