Chem-Bio Informatics Journal
Online ISSN : 1347-0442
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9 巻
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  • 宮本 秀一, 河合 聡人, 樋口 成定, 西 有希, 谷本 敏子, 上梶 友記子, 中田 大介, 福見 宏, 寺尾 啓二
    9 巻 (2009) p. 1-11
    公開日: 2009/02/03
    ジャーナル フリー
    コエンザイムQ10(CoQ10)をγ-シクロデキストリン(γ-CD)との複合体にすることにより、安定性、分散性ならびに生物学的利用率が改善することは既に知られている。しかしながら、γ-CD/CoQ10複合体の3次元構造については、現在のところあまりよくわかっていない。そこで我々は、化学的解析と分子モデリングの手法を用いて、複合体の分子組成と3次元構造を調べた。NMR解析とHPLC解析を行ないCoQ10とγ-CDのモル比を調べたところ、γ-CD/CoQ10は2.5であることが分かった。γ-CD/CoQ10複合体のDSC解析を行なって、包接体形成を示唆する結果を得た。さらに、γ-CD/CoQ10の比率に対応する3種類の複合体モデル(γ-CD×2+CoQ10;γ-CD×3+CoQ10;γ-CD×5+CoQ10×2)を構築し、分子力学と動力学計算を行ない、いくつかの考えられる複合体構造を提示した。最後に、それらの構造をもとに、複合体構造の構造的特徴とエネルギーについて考察した。
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  • 谷澤 英樹, 谷口 美恵子, ギミレ ガンガ D., 美宅 成樹
    9 巻 (2009) p. 12-29
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    コイルドコイル領域中の柔軟な部位の検出システムを構築した。システムは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてミオシンのロッド部分の折れ曲がりの観察、及び、その他のコイルドコイルを含むタンパク質を解析することによって評価した。本システムは2つのモジュールから構成されている。コイルドコイル中の周期のずれを検出するモジュールとコイルドコイルのコア領域における疎水性の低い領域および、アウトフィールド領域における疎水性の高い領域を検出するモジュールである。AFMによるミオシンの1分子観察の結果、主な折れ曲がり領域が4か所存在することが示された。本検出システムを用いてミオシンのアミノ酸配列を解析した結果、17か所の柔軟な領域があると予測したが、それらのうちの16か所が実験において折れ曲がった領域(4か所)に重なっていた。さらに予測した領域周辺の構造ゆらぎについても解析した。解析は、SCOPデータベースから取得したコイルドコイルの立体構造中の温度因子(B-factor)を計算した。その結果、コアで疎水性が低い領域は通常のコイルドコイルに比べて、構造ゆらぎが大きかった。逆に、アウトフィールドで疎水性が高い領域は構造ゆらぎが減少していた。これらの事実は、コイルドコイルの構造変化は、この2つの領域の均衡によって成り立つことを示している。本論文では、コイルドコイルの柔軟な部位周辺の動的な構造変化と生体機能との関連についても議論を行った。
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  • 青木 孝造, 田中 成典, 中野 達也
    9 巻 (2009) p. 30-40
    公開日: 2009/02/25
    ジャーナル フリー
    Goddardらにより提唱された電荷平衡(QEq)法は、分子の3次元構造に基づいた原子電荷の計算方法として、その有効性が広く認識されている。我々の研究グループでは、QEq法におけるクーロン相互作用の計算に西本-又賀の式を用い、連立一次方程式の反復計算を不要にし、計算時間の大幅な短縮を実現した修正電荷平衡(MQEq(NM))法を提案している(T. Nakano et al., Chem-Bio Inf. J. 1, 35 (2001))。本論文では、西本-又賀の式を大野-Klopmanの式に変更し部分系間の電荷移動を制限できるように拡張したMQEq(OK)法、ならびに大野の式を用いたMQEq(O)法、DasGupta-藤永の式を用いたMQEq(DH)法に関し、その有効性を検討した。MQEq(OK)法、MQEq(O)法、およびMQEq(DH)法による原子電荷は、HF/6-31G(d,p)法によるMulliken電荷、CHELPG電荷、およびMerz-Singh-Kollman電荷をよく再現しており、原子電荷の計算方法として有用であることが示された。
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  • 河合 健太郎, 高橋 由雅
    9 巻 (2009) p. 41-51
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    近年、ACE/NEP阻害剤やCOX/LOX阻害剤のように、複数の標的に作用する薬物の開発が行われている。そこで我々は、機械学習モデルであるサポートベクターマシン(SVM)を利用して、ACE/NEPデュアル阻害剤を同定するための分類器を構築した。機械学習を用いてこのような薬物を分類するために、マルチラベル分類に関する技術が必要とされている。今回、この問題に対応するため、マルチラベル問題を複数の2クラス問題に分解する方法を採用した。本研究では、薬物データベースであるMDDRから、降圧作用に関連する複数の活性クラス(標的タンパク質など)についてのマルチラベルデータを取得した。また、薬物の構造表現方法として、topological fragment spectra(TFS)法を用い、SVMによる分類モデルを3-fold交差検証により評価した。そして、本モデルがACE/NEPデュアル阻害剤を過剰予測することなく、正しく識別できることを確認した。
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  • 小田 彰史, 高橋 央宜
    9 巻 (2009) p. 52-61
    公開日: 2009/08/22
    ジャーナル フリー
    本研究では、フリーで入手可能なソフトウェアArgusLabによるヴァーチャルスクリーニングのための化合物のスコアリングの評価を行う。計算によって得られた結合自由エネルギーと、実験的に得られている結合親和性との比較によりソフトウェアの能力を評価した。その結果ドッキングエンジンとしてArgusDockを使用した場合に有意な相関が得られた。一方でGADockを使用した場合には低い相関係数しか得られず、ArgusLabのもつスコア関数であるAScoreがGADockに対してはうまく機能しないことがわかった。また、AScoreを構成する各項のうち、van der Waals相互作用の項はこの目的では重要ではないことが示唆された。
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  • 山岸  良介, 八木 博隆, 古市  真木雄, 村瀬 匡, 石井  元, 水野  洋, 島田  次郎, 皆川  宏貴, 大西  楢平, ...
    9 巻 (2009) p. 62-74
    公開日: 2009/09/26
    ジャーナル フリー
    蛋白質の立体構造を実験的に解明することは、現在においても容易なことではない。従って、様々な構造予測法が開発され、それを用いた予測構造も数多く発表されている。また、その構造情報をもとに、rational designを行ったり、実験結果を解釈している研究例も多い。しかし、立体構造が解かれたあとに、自分たちが行ったこれらの結果を十分に検証している報告は少ない。そこで我々は、独自に開発したホモロジーモデリング法の精度を、予測モデルと最近解かれた結晶構造を比較し、検証した。さらに、我々が予測モデルの助けを借りて得ることができた耐熱性変異体を分析し、rational designは正しかったのか、耐熱化機構に関する解釈は正しかったのかについても検証を行った。ここでは、乳酸センサーへの利用が期待されている乳酸酸化酵素(LOX)を例に用いた。この酵素は、多くの重要な酵素が基本骨格として採用しているTIM バレル構造を有する。本研究を通じて得られたTIM バレル構造に有効なモデリング方法や耐熱化手法についても提案する。
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  • 菅野 清彦
    9 巻 (2009) p. 75-93
    公開日: 2009/10/17
    ジャーナル フリー
    消化管内での溶解および膜透過過程は微分方程式で表現されている。本研究の目的は、経口吸収率(Fa)の近似解析解と数値積分解を比較することである。近似解析解としては、消化管を単一コンパートメントと仮定し、(I) 一次線形近似 (Fa =1–Pn/(PnDn)exp(–Dn) + Dn/(PnDn)exp(–Pn), Dn: dissolution number, Do: dose number, Pn: permeation number はそれぞれ溶解速度、溶解度/薬物用量比および 膜透過速度を表す無次元数)、 (II)律速過程近似 (Fa = 1–exp(–Pn), Fa = Pn/Do and Fa=1–exp(–Dn)) および (III)定常状態近似(Fa =1–exp(–1/(1/Dn + Do/Pn)), if Do < 1, Do = 1)を検討した。一方、数値解析は、胃、小腸および大腸を、それぞれ1,7,1のコンパートメントで表現し、薬物移動、溶出、膜透過などをすべて動的にシミュレートした。体内への吸収は小腸のみとし、小腸の各コンパートメントは均一と仮定した。これらの仮定は、非解離性化合物でトランスポータなどの基質でない場合には概ね適切であると考えられる。計算は実際の薬物範囲を想定して行った (溶解度:0.001 – 1 mg/mL、 拡散係数:0.1 – 10 ×10⁻⁶ cm²/sec、 薬物用量1 – 1000 mg、 薬物粒子径 : 1 – 300 μm、 有効膜透過係数: 0.03 – 10 ×10⁻⁴cm/sec)。 合計 7056 の条件で計算を行った。一次線形近似および律速過程近似は、Faを過大評価したのに対し(r² = 0.80 and 0.98, root mean square error (RMSE) = 0.28 and 0.079)、定常状態近似ではほぼ数値解析と一致する結果が得られた(r² = 0.99, RMSE = 0.047)。
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  • 鈴木 忠宏, 岩橋 由美子
    9 巻 (2009) p. 94-107
    公開日: 2010/01/07
    ジャーナル フリー
    アフラトキシンB1Aspergillus flavusが生成する二次代謝産物であり、人畜に対して発癌性を含む強い毒性を示す。そのメカニズムには未解明の点も多く、更なる調査が求められている。本研究ではアフラトキシンB1の毒性をより明らかにする為に、酵母S. cerevisiaeを利用した発現解析を試みた。酵母のSer/Thr phosphatase 2C変異株ptc1Δを用い、細胞膜や細胞壁の耐毒性を弱める為に低濃度のSDSを添加した培地でアフラトキシンB1を曝露した。マイクロアレイの結果はDNA合成の阻害、修復遺伝子の誘導、スフィンゴ脂質代謝及び細胞壁合成遺伝子群の発現異常、糖新生の誘導を示した。これらの結果は、スフィンゴ脂質の代謝異常が細胞周期の調整に必要なシグナル放出及び糖新生経路への炭素源供給に異常を引き起こし、細胞増殖や細胞壁の構築が抑制されることで細胞外のストレスに対する耐性が落ちていくことを示唆した。
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