セメント工場で粘土代替原料として利用されている石炭灰、汚泥、建設発生土等の産業廃棄物にはAl
2O
3が多く含まれている。そのため、使用量を増やすとクリンカー中のC
3A量が増加する。今後、これら廃棄物の利用拡大を目指すには、C
3A量の増加がセメントおよびコンクリートの品質に及ぼす影響を把握しておく必要がある。そこで、C
3A量を12%まで高めた普通ポルトランドセメントを実機で製造し、その品質を評価した。その結果、C
3A量の多いセメントは、一般的に言われているように耐硫酸塩性は低下するが、コンクリートのフレッシュ性状、圧縮強度、収縮性状に与える影響は認められず、実用上の問題は無いと判断された。
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