高C3A型セメントをベースとして少量混合成分(石灰石、フライアッシュ、高炉スラグ)を10%添加したセメントについて、反応性骨材を用いたモルタルの高温高アルカリ(NaOH)溶液中での膨張特性(ASTM C1260に準拠)を評価した。モルタル膨張量は、高C3A型セメントをベースにフライアッシュを添加した系で小さくなる傾向がみられた。XRD/Rietveldや27Al MAS NMRによると、膨張量に差異の生じたNaOH溶液養生後7日から14日の間で、高C3A型セメントでは水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、C3Aおよびカトアイト等が減少し非晶質相が増加する変化が確認された。
膨張コンクリートの一軸拘束膨張試験方法のA法および一軸拘束膨張・収縮試験方法のB法について、JIS A 6202に規定されているダイヤルゲージ法だけでなくコンタクトゲージ法も併用し、A法およびB法のPC鋼棒とコンクリートとの付着が長さ変化率に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果、A法では収縮率が-200×10-6程度まではB法と同様に収縮率が測定できることを、B法では収縮率が-300×10-6程度を超えるとPC鋼棒の転造ねじによる付着が端部で充分でなくなり、コンタクトゲージ法に比べて、ダイヤルゲージ法による収縮率の絶対値が小さくなることを、それぞれ明らかとした。B法における収縮率の適用範囲を限定する必要があること、およびA法にコンタクトゲージ法も併用すると、膨張コンクリートの一軸拘束状態の膨張率の測定を経た後の、拘束の無い収縮率も測定できる可能性を示した。
既往の研究において、1 DAY PAVEをベースとした早期交通開放型透水性ポーラスコンクリート舗装の配合を提案し、材齢1日で曲げ強度4.25N/mm2、透水係数0.623cm/secを有する駐車場を施工した。本研究では、この配合を用いて、大型車両が通行する採石場において、幅5m×長さ20mの透水性ポーラスコンクリート舗装を厚さ30cmで施工し、大型車両が通行する環境における本配合の性能を検討した。その結果、転圧方法を3層に分けて転圧することで、材齢1日において曲げ強度3.5N/mm2を確保し、大型車両の通過する環境においても透水性ポーラスコンクリート舗装として十分機能することが確認された。