日本先天異常学会会報
Online ISSN : 2433-1503
Print ISSN : 0037-2285
12 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1971 年 12 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1971 年 12 巻 1 号 p. App1-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1971 年 12 巻 1 号 p. Toc1-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 亀山 義郎, 星野 清
    原稿種別: 本文
    1971 年 12 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    マウス,ラットの胎仔の大脳が器官形成期のみでなく胎児期より新生児期にかけて高い放射感受性をもち,150R以上の胎児期のX線被曝によって小頭症が成立することはすでに知られている.かような小頭症をもたらす胎仔神経組織の初期変化は多くの研究者によって明かにされているが,成立した小頭症の生後の経過と晩発性脳発達障害についてはあまり検討されていない.マウスの胎生12〜17日にX線200Rを照射すると,大脳実質の広範な損傷により被曝した胎令にかかわらず,胎生末期の胎仔には小頭症あるいは小水頭症が成立した.これらの被曝仔の50〜80%は出生直後に死亡したが,生き残ったものの生後の経過は被曝胎令によって差異が一思められた.すなわち胎生12日に被曝した仔では脳外套の発達障害がつよく小水頭症のまま成体に達するものが大半を占めた.胎生14日およびそれ以降の胎児期に被曝した仔では出生時広くなっていた側脳室は次第にせまくなり補空性水頭の状態は消失するが,小頭症白体は成体に至るまで変化はなかった.ところが胎生13日に被曝した仔では出生時は小頭症を示したが,生後7〜10日に側脳室の急速な拡大と大脳外套の非薄化が始まり,日令とともに進行性に増強し生後3週以降には大半の例が典型的な内水頭症に発展した.なおこれらの例には脳室系の閉鎖,狭窄はなく,第3脳室は側脳室と同様に強い拡大がみられたが,第4脳室の拡大は軽度であった.かような出生後に発現する水頭症は胎生12日被曝にもみられたが程度は軽く,また胎生14日被曝仔にも少数みられたが,胎生15日以後の処理には全く成立せず,胎生マウス,ラットの胎仔の大脳が器官形成期のみでなく胎児期より新生児期にかけて高い放射感受性をもち,150R以上の胎児期のX線被曝によって小頭症が成立することはすでに知られている.かような小頭症をもたらす胎仔神経組織の初期変化は多くの研究者によって明かにされているが,成立した小頭症の生後の経過と晩発性脳発達障害についてはあまり検討されていない.マウスの胎生12〜17日にX線200Rを照射すると,大脳実質の広範な損傷により被曝した胎令にかかわらず,胎生末期の胎仔には小頭症あるいは小水頭症が成立した.これらの被曝仔の50〜80%は出生直後に死亡したが,生き残ったものの生後の経過は被曝胎令によって差異が一思められた.すなわち胎生12日に被曝した仔では脳外套の発達障害がつよく小水頭症のまま成体に達するものが大半を占めた.胎生14口およびそれ以降の胎児期に被曝した仔では出生時広くなっていた側脳室は次第にせまくなり補空性水頭の状態は消失するが,小頭症白体は成体に至るまで変化はなかった.ところが胎生13日に被曝した仔では出生時は小頭症を示したが,生後7〜10日に側脳室の急速な拡大と大脳外套の非薄化が始まり,日令とともに進行性に増強し生後3週以降には大半の例が典型的な内水頭症に発展した.なおこれらの例には脳室系の閉鎖,狭窄はなく,第3脳室は側脳室と同様に強い拡大がみられたが,第4脳室の拡大は軽度であった.かような出生後に発現する水頭症は胎生12日被曝にもみられたが程度は軽く,また胎生14日被曝仔にも少数みられたが,胎生15日以後の処理には全く成立せず,胎生12〜17日処理群中では胎生13日処理群に集中する傾向が明瞭であった.水頭症の多発する胎生13日被曝仔の大脳の組織化学的所見のうち,能室の大脳に先だってあらわれる注目すべき変化は大脳外套の上衣下白質の静脈系の血行障害とそれに引きつづく能実室の二次的退行変性の像であった.まづ,能梁放線の側能室外側角に近い部位に白質の鬱血と拡大した静脈の破〓による出欠があらわれ,ついでに同部位を中心に側能室上衣下の線状出欠,上衣層の脱落がみられた.生後1週間前後になると白室内に出血を伴う組織欠損があらわれ,能室の拡大開始とともに欠損部は能室に連絡し憩室状をなす例が多かった.さらに上衣下白質より皮質深層におよぶ海綿状変性を見る例もあった.側能室脈絡叢には能外套と同様に側能室内の拡大前に強い鬱血がみられた.なお大脳外套の表在性の血管および髄膜血管には鬱血は著明ではなく,出血はみとめられなかった.これらの血行障害と能実質の退行変性は皮質構築の攪乱や灰白質異所形成のような大脳外套の組織発生障害のつよい被曝仔につよく,組織構築異常の軽度の個体では血行障害も軽度であった.異常の所見はX線小頭症に出生後発現する大脳外套の血行障害が水頭症の成立に主要な役割をもつことを示唆する.この血行障害は胎生期のX線被曝による能実質の損傷と外套の組織構築の攪乱のともなっておこる血管の走行,分布の異常を基盤として発現したものと解釈される.
  • 星野 清
    原稿種別: 本文
    1971 年 12 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    著者は妊娠ラットヘのtrypanblue投与によって胎仔に成立する脊髄裂の形態形成機序を観察し,さきに報告した.その際,脊髄裂ほど重篤ではないが,脊髄奇形の存在が予想される胎仔が多数観察された.これらの脊髄奇形は脊髄異形成の名のもとに抱括されるもので,臨床的にも比較的多くみられる異常である.本験実では,これらの例の胎生末期の状悠を観察することにより脊髄異形成の存在をたしかめ,さらに脊髄異形成の出生後の状態を観察し,ヒトの脊髄異形成をいしその類症との類似点を指摘した.Wistarラットの妊娠8日にtrypanb1ue水溶液40mg/kgを腹腔内に注射し,一部は出産予定前日の妊娠20日に胎仔をとり出し,外形観察,骨格倣木の観察および組織学的観察を行なった.残りの処理母獣はそのまま出産させ,奇形仔について発育の状態,行動,神経症状の有無などについて観察した.これらの奇形仔は生後23日から125日の間の種々の時期に解剖し,骨格はX線写真あるいは骨格標木で観察し,脊髄は肉眼的および組織学的に観察した.出生前の観察:生存胎仔152例中63例が脊髄裂,無尾,短尾,内反足または外反足を示し,躯幹下部の発育不全を伴なう例が多かった.これらの奇形仔には骨格似本により,腰椎の癒合,欠損,変形,仙尾椎の欠損,変形がみられ,組織学的観察により,脊髄が正常任にくらべ短かく,仙椎下部まで達していないものが多数みられた.出生後の観察:処理母獣77例中25例が奇形仔を3週間以上哺育した.出生時の外形観察で脊髄裂,あるいは無尾または短尾,内反足または外反足を示し,〓幹下部の発育不全を合併した例を脊髄異形成とみなした.これらの脊髄異形成では,後肢の運動麻痺,屎尿の失禁などの神経症状が生後1週から2週にかけて明らかとなり,麻輝した後肢では肋肉の萎縮が進行し,それに伴なって内反足または外反足のいずれかの状態が観察された.生後3週以後では屎尿の失禁による褥瘡が顕著になってきた.これらの例にはX線写真および骨格標本の観察によって腰椎の癒合,欠損,変形,側湾,前湾などのほか,仙尾椎の部分あるいは全欠損がみられた.また,脊髄は正常より高位で終る傾向があり,組織学的観察では中心管の分岐や,後索および側索の一部で髄鞘形成の遅延を示す例もあった.妊娠ラットのtrypanblne処理により出生仔に成立した脊髄異形成を伴なう先天性仙椎欠損症は,形態学的所見症状のいずれもヒトの先天性仙椎欠損症の症状に極めて類似し,本実験結果は,ヒトの先天性仙椎欠損症の原因の一つとして胎生環境の異変を考慮すべきことを示唆する.実験奇形学の分野では,奇形仔の哺育,生後観察は困難であるとされ,出産直前の観察が一般に行なわれているが,木実験では脊髄裂のような重篤な奇形を含めて,脊髄異形成の奇形仔を長期問飼育し,後肢の運動麻痒や尿尿の失禁などの利軽症状を観察することができた.中枢糾経系の発生障害の検索には,胎生期,新生児期の形態学的観察に止まらず出生後の行動異常,神経症状の観察が必要であろう.
  • 池田 高良, 島田 勝信, 岡本 直正, 角谷 哲司, 中山 俊彦, 佐藤 秀生
    原稿種別: 本文
    1971 年 12 巻 1 号 p. 21-33
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    D_1-trisomy症候群に関しては欧米では既に約200例の報告があるが,吾国では未だ数例にすぎない.本症候群は多くは胎児・新生児にみられ,比較的特異な奇形を合併しているため出生時容易に診断される.青々は最近,剖検時の染色。外分析によって本症候群を確認しえた2例に遭遇したので報告する.症例1は既に報告したものであるが補足所見がえられたので改めて記載する.尚,D_1-trisomy症候群の臨床的事項に関しては肌に多くの記載がだされているので,他の文献にゆずり,本報告では若干の発火病理学的考察を行なった.症例臨床的および病理学的所見は欧文表1および2に記載してある.症例1.剖検番号HG-1862臨床上特異的た所見は母親の低身長,姉の兎唇,患児の血清LDH活性の上昇である.碍擬は妊娠中著患なく,両親・姉ともに染色体異常はない.病理学的所見1.無嗅脳症(完全)および左前頭葉発育不全2.小脳白質における異所性灰白質および未分化細胞集団形成3兎唇・口蓋裂(両側)4.心・大血管異常a.肺動脈発育不全を伴う部分的大血管転換症b.心房中隔欠損C.二弁性肺動脈弁d.単一冠状動脈e.大血管分岐破格C型(足立による)5.両側上下肢における名指・趾症6.腕帯ヘルニア7.メッケル憩室8.総揚問膿症および腸回転異常9.胆管走行異常10.耳介変形および下方付着(軽度)11.踵骨後方突出および舟底状足底12.1腎微小嚢胞(上部細尿管性)13.甲状腺嚢胞14.肺気腫および気管支拡張症15.頭蓋骨化骨不全16.副脾17.停禰睾丸症例2.剖検番号HG一1864臨床的特異所見は母親の低身長,既往妊娠6回中5回流産(4回向然流産,1回人工流産)である.両親ともに染色体異常はない.病理学的所見は症例1と類似している.症例1の診断項目中程度はやや異るが,1,2,14,5,6,7,8,1011,121,13,15,16が本例にもみられる.これらのほか,横隔膜ヘルニア,二次性右心症,左上大静脈遺残,単一脇帯動脈がみられた.類似症状中の程度の差異点は,痕跡的嗅脳の存在,右足のみの多趾症,重症糖ヘルニア,などである.亦,腎微小嚢胞は下部細尿管の拡張によるものであった.
  • 木野 義武
    原稿種別: 本文
    1971 年 12 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    羊水穿刺がつよい催奇形作用を示し,口蓋裂,四肢奇形が成立することはすでに報告されている.著者は羊水穿刺による実験的四肢奇形の成立機序を検討する目的で,Wistarラットの胎生期の各時期に羊水穿刺をおこない,四肢奇形の成立臨界期を確かめ,ヒトの先天性四肢切断および絞捉輪に,きわめて類似している欠損奇形の成立過程を経時的に観察した.妊娠第13,14,15および16日のラットを麻酔下に開腹L,片方の子宮角を実験側として胎仔のキ水穿刺をおこない,他方を対照側とした.術後腹壁を縫合し,胎令20日に再び開腹して胎仔をとりだし,実体顕微鏡下で観察した.奇形は四肢,口蓋に発生した.奇形成立頻度は胎令15日処理群迄は,処理した胎今日と共に増加し,15日処理群では胎仔の86%に奇形成立をみた.四肢奇形は後肢につよく現われ,欠指,短合指,背屈指,爪欠損,内反足,裂手のほか,妊娠15日処理群ではさらに,大腿欠損,下腿欠損,足部欠損などの重篤な奇形がみられた.妊娠14,16日処理群には手,足の奇形は成立したが,大腿,下腿の欠損奇形はみられなかった.ついでこれら四肢奇形の発生過程観察のために妊娠15日のラット胎仔を穿刺後5分より15分,30分,11時間,3時間,6時閉,12時間,24時間,以後生まれるまで1日妨に観察した.15分後に後肢足板の指問陥凹部のmarginal blood sinusからs軽度の出血が認められた.この出血は,時間の経過とともにしだいにひろがり3時問後がもっとも著明であった.出血のつよい例では,出血は指間部の問葉組織から足板全体に拡がり,12〜24時問後には足板は出血性壊死におちいり,壊死部分は脱落して胎生末期には先天性四肢切断の像を示した.羊水穿刺による初期変化である四肢末端の出血の成立錘序を知るために,次の実験を追加した.妊娠15日のラットを麻酔開腹後,ただちに子宮の動静脈を結紮し母体より子宮を易咄Lた.易咄した子宮に羊水穿刺をおこない37oC生理食塩水中に移し観察したところ30分後に指間部のmarginalbloodsinusからの出血がみとめられた.また易咄Lた子宮に羊水穿刺を右こない,ただちに子宮を切開して子宮筋の収縮をとり除き,羊膜,卵黄嚢膜に包まれ胎盤をつけた状態で胎仔をとりだし,37Tの生理食塩水中で観察したが,寮制後1時間経過しても出血はみられなかった.これより羊水塚刺後の出血の発生には子宮筋の収縮が重要た役割をもつ事実を知ることができた.妊娠15日の正常たラット胎仔は,大腿骨,下腿骨の原基は既に形成され,足板には軽度の指裂もできている.したがってこの時期の羊水穿刺によって多発する四肢の欠損奇形が四肢原基の無形成あるいは形成不全によるものでないことは明らかである.羊水穿刺後の初潮変化は指間部問葉組織の出血で,この出血の程度によって絞才厄輪から切断までの一連の欠損奇形が成立する過程を観察できた.先天性四肢切断および絞拒輸の成因については古くより議論されているが,未だ結論はえられていない.著者の実験では,ヒトの先天性四肢切断の原因とされている羊膜索や線維索による絞拒,羊膜貫通による絞拠はみられなかった.また羊水穿刺後発生し,四肢切断を招来する出血は指間陥凹部よりはじまっている点から,羊膜による絞拓が出血壊死の原因とは考え難い.
  • 原稿種別: 文献目録等
    1971 年 12 巻 1 号 p. 45-56
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1971 年 12 巻 1 号 p. 57-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1971 年 12 巻 1 号 p. 58-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 文献目録等
    1971 年 12 巻 1 号 p. Misc1-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1971 年 12 巻 1 号 p. App2-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1971 年 12 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1971 年 12 巻 1 号 p. Cover3-
    発行日: 1971/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
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