茶業研究報告
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1955 巻, 6 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 安間 舜, 原田 重雄
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 1-2
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 寒天培養基を茶株から10mまで種々の距離に放置し,茶の花粉の風による飛散と,その発芽力につき調査した。
    2. 発芽能力のある花粉が,10m以上も飛散し,それ.には花粉の老化度や風力・湿度等が関係するようである。
    3. 飛散花粉中,比較的粘性のあるものは一塊となつて飛びよく発芽するが,単独で飛来するものは粘性がなくほとんど発芽しない。
    4. これまで用いらてれきた防虫網(lmm目)による隔離方法は,自殖種子を得るには不適当と思われる。
  • 挿穗澱粉含量と挿木発根性
    中山 仰, 原田 重雄
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 3-6
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 茶の品種による挿木発根性の難易の原因を明らかにするため,5品種を用い5月22日から10日ごとに6回挿木し,各時期の発根状態と挿穂の澱粉含量との関係を調査した。
    2. 発根歩合,根重,根数,最長根長等を調べた結果,概して澱粉含量の多い品種ほど発根が良好な傾向を認めた。
    3. 各品種,各時期を通じて早期に挿した場合は澱粉含量が少い割に発根は良好で,後期にはその逆の関係がみられたが,これは挿穂の分裂機能の差によると思われる。なお,C3は澱粉が少い割に発根が良好であつたが,これはC3が他品種に比して根数多く,ホルモン処理効果の少かつたことからみて,特に分裂機能がまさることによ否ものと思われる。
    4.以上の結果から,発根性の品種間差異は主として挿穂の澱粉含量と茎組織の分裂機能のいかんによつて生.ずるものと考えられる。
  • ホルモン処理効果の品種による差異
    中山 仰, 原田 重雄
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 7-9
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    前報に用いた5品種についてα-ナフタレン酢酸処理を行い,その効果の品種間差異を調査した。根重,根数に現われた影響は品種によつて若干異なり,C3,なつみどりの両品種の根数はホルモン処理によつても増加しなかった。そして澱粉含量の多い品種ほどホルモン処理区の成績がよい傾向がみられた。
  • 挿木における尿素の葉面撒布
    青野 英也, 高橋 恒二
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 10-14
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 茶葉が葉面から肥料成分を吸収する事実をfRCSめたので,1953~54年にわたり挿木における生育促進としての尿素葉面撒布の効果について検討した。
    2. 環面撒布を母樹の枝条と,挿木後とに分けて行つた結果,その効果は主として前処理すなわち母樹の枝条に撒布したものが良く,挿木後地上部の生育が良かつた。
    3. 前処理の生育相に及ぼす効果を調査した結果,葉型,葉面積ともに変化なく,内部組織も変化は認められなかつた。また挿木苗の枝条の伸育は葉面撒布によつて多少抑制された。
    4. 前処理をした試料について化学分析を行つた結果,環面撒布によつて窒素化合物が増加して,これが組織の発達を促し,挿木の生育を促進する一つの大きな要因であると考える。
  • 薬剤撒布並びにガス燻蒸試験
    南川 仁博, 斎藤 哲夫, 刑部 勝
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 15-21
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. クワノカイガラムシが茶園に発生蔓延の徴候が見られたので,1951年から防除試験を開始した。現在静岡県の茶園における発生面積は千数百町に及んでいる。
    2. 藥剤撒布試験では'幼虫孵化期に石灰硫黄合剤20傍,機械油乳剤0.5%,粉末松脂合剤0.4%,パラチオン乳剤1,000倍及び同粉剤1.5/が効果があつた。しかしパラチオン剤は撒布中,中毒を起す危険があるので使用しないようにされたい。
    3.成虫には撒布藥剤は効果がなかつた。
    4.青酸ガス製剤の1種カルチットの燻蒸は幼虫及び成虫に効果は顕著であつた。しかして使用藥量は,夏季5錠(燻蒸時間15分),秋季5錠(20分),冬季7.5錠(30分)である。次きに噴出器を小型に改造して価額を安くすることが望ましく,また殺虫効果を均等にするために噴出される粉末が均一に分散するよう一層工夫が必要である。茶樹に対する青酸ガス燻蒸は今後使用方法の改善によつて,本虫防除に対し期待されることが大きいと考えられる。
  • 上野 健二, 原 利男, 堀 恒雄
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 22-31
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1.北アフリカ市場に輸出される日本茶と中国茶との品質の相違を明らかにするため,1954年に中国茶10点及び日本茶8点を蒐集し,それらの形状,色彩,水色及び化学成分等の調査を行つた。
    2.蒐集した試料は両国の茶ともハイソン,.ガンバウダー,チュンミー及びソーミーの4種の玉線茶である。
    3.形状については,ガンパウダーを除いては,日本茶のほうが中国茶より粒度が大きく,この差異はチュンミーに著しかつた。次に普通審査により形状を鑑定した結果,中国茶のほうが日本茶より優良であつた。
    4,色彩については,I.C.I.表色法によると,両国の茶とも主波長には差は認められなかつたが,明度及び刺〓純度は中国茶のほうが大きかつた。これより中国茶は日本茶より黄色が強く,特にソーミーにこの傾向が著しかつた。
    5.水色については,両国の茶とも大差なかつた。
    6.両国の茶の化学成分の相違については次の結果が得られた。
    i) 中国茶は日本茶より窒素成分,熱湯可溶分,粗灰分,灰分のアルカリ度及び可溶分中の窒素成分の割合が高い。またタンニン含量もガンパウダーを除いては同様の傾向が認められた。
    ii) 窒素成分間の比率については,中国茶は可溶窒素が多く,日本茶は不溶窒素が多かつた。
    iii) これらの分析結果より,中国茶は日本茶より優秀な原葉で製造されたものであることが推定される。
  • 桑原 穆夫, 横沢 光雄, 鈴木 幸隆
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 32-38
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    If the qualities of tea made by a miniature process could be estimated as equally as ordinary product, this method would be very useful for tea breeding and manufacturing experiments.
    Miniature process machines were designed, matched 200-300g. of tea leaves for Sencha and Guri tea, which consisted of a steamer, primary roller, and final roller. The operation of these machines was very easy and the process was time-saving.
    The tea produced by this method had the qualities as nearly same as the ordinary products and very small variance within the qualities.
  • 鳥井 秀一, 金沢 純
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 38-40
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1.茶葉並びた茶種子申に含まれる 遊離糖のうち,さきに未詳のものとして報告した2種のオリゴ糖について,その構成糖を調べた。
    2.その一(スポットb糖)はオルシン反応陽性で,n-ブタノール・酢酸・水(4:1:1)の展開ではラフィノースとほぼ似Rfを示すが,n-ブタノール・ピリジン・水(3:2:1.5)の展開では明らかにRf値は低い。構成糖はラフィノースと同様にガラクトース,グルゴース,フラクトースの3種であるが,ラフィノースよりもガラクトースの含有比が大きい。
    3.いま一つの糖(スポットa糖)もオルシン反応陽性で,上記両種の展開剤によつていずれもスタキオースに近いRf値を与えるが,構成糖はスタキオースの3種に対し,ガラクトース,グルコース,フラクトース,キシロースの4種から成り立つている。
    4.したがつて,これら両種の糖は明らかにラフィノース,スタキオーズとは異なつた新しいオリゴ糖と考えられる。
    この実験に用いたスタキオースは,東京六学応用微生物研究所,丸尾文治助教援より恵与せられたもので厚く謝意を卸る。なお,この報文の概要は昭和29年10月,日本茶業技術協会研究発表会において講演し,また日本農芸化学会誌29, 620-2(1955)に掲載された。
  • 金兵 忠雄, 水野 卓
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 41-45
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1.審査総評点の高い紅茶ほど「可溶性窒素+粗直接還元糖」含量が大で,その相関はかなり高い。
    2.熱湯可溶分,タンニン,可溶性窒素(特に可溶性残余窒素),糖類以外の還元性物質(〃X〃)などと紅茶の審査評点との相関もやや高く,これらの含量の大なる紅茶ほど,品質が上位のようである。
    3.不溶性窒素,粗繊維,粗ペクチン,粕灰分,エーテル抽出物などの含量の少い紅茶ほど概して高品質であり,審査評点とは負の相関にある。
  • 大井川上流の茶産地土壤について
    高橋 恒二, 森田 昇
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 46-48
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    Exchangeable cations and cation exchange capacity were determined on the soils taken from both upper and lower horizons of decayed tea gardens in the tea. producing country along the upper stream of the Ôi (Kawane district, Shizuoka Prefecture).
    In this country, the mesozoic and diluvial soils are distributed.
    The mesozoic soil (Mikura stratum soil) was very poor in base content, especially in potassium and had very small cation exchange capacity as a result of severe leaching clay.
    the diluvial soil showed non-erosive with respect to various morphological properties. However, the soil was very strongly acid in reaction, according to heavy leaching and the degree of base-saturation ranged from 25 to 50 per cent.
  • 富士火山灰地帯の不良茶園について
    高橋 恒二, 森田 昇
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 49-52
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    In the district of Fuji volcanic ash soil, many decayed tea gardens are distributed.
    Under almost of these gardens, a volcanic gravelly sand layer lies beneath the surface soil, which cannot be penetrated by the tea root and make the productivity of the garden very poor.
  • 河合 惣吾, 高柳 博次
    1955 年 1955 巻 6 号 p. 52-55
    発行日: 1955/10/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1.黒ボクに由来する茶園土壞の腐馗の形態を,これに隣接した普通畑土壤及び未耕土のそれと比較した。
    2,WAKsman注によるα-フラクションは畑の種類により明瞭な差異はなかつたが,β-フラクションは普通畑土壇及び茶園土壤に比較的多く,未耕土に少かつた。
    3.SIMON失によれは,洗澱係数(P.Q,)は未耕土が最も.大きく,茶園土壤,普通畑土壤の順であるが,全体的にはあまり顕著な差異はなく,いずれも分解し難い腐朽物質がその大部分を占めているものと思われる。
    4.真正腐値酸は末耕土に少く,茶園土壤,普通畑土壤にやや多いが,全体的にはきゃめて少かった。
    5.腐殖化度(H.Q.)は普通畑土壤が最も大きく,茶園土壤,未耕土の順であるが,いずれもその数値は小さく,腐植化は進捗していないものと解される。
    6.真正腐瓸酸のうち灰色腐植醐こ相当するA型は未耕土に多く,褐色腐植酸に相当する]3型はむレろ普通畑十壇笈アド夲鬩十壇淀多がつた。
  • 1955 年 1955 巻 6 号 p. e1c
    発行日: 1955年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1955 年 1955 巻 6 号 p. e1d
    発行日: 1955年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1955 年 1955 巻 6 号 p. e1e
    発行日: 1955年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1955 年 1955 巻 6 号 p. e1b
    発行日: 1955年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1955 年 1955 巻 6 号 p. e1a
    発行日: 1955年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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