茶業研究報告
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1959 巻, 14 号
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  • 渡辺 明, 原田 重雄
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 1-7
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    発根の悪い品種あるいは発根後の生育の悪い品種のさし木育苗に対し,さし穂のホルモン処理あるいは葉数増加がいかなる効果を現わすかを知ろうとして本研究を行なつた。その結果は,まず発根に対してはホルモン処理φ効果は顕著であつたが,その効果が特定の品種に対して特に強く現われるというようなことはなかつた。次に新芽と根の生育に対しては期待どおりさし穂の葉数を増した区がよく,ホルモン処理区も9葉区または3葉区よりは劣つたが,2葉の無処理区に比べれば根の生育のみでなく芽の生育もよかつた。ホルモン処理によつて発根が促進されたことが,以後の根の生育,ひいては芽の生育にも好影響を与えたことが考えられる。
    なお芽と根の生育について品種×処理の交互作用が認められる場合があつたが,全重については交互作用が認められなかつたことから,品種と処理との組み合わせによつて芽がよく伸びて根の生育がいくぶんおさえられる場合,あるいはその逆の場合などのあつたことが考えられた。なおさし穂の大きい品種ががいして生育がよい傾向が認められ
    た。
  • 直接被覆が被覆下気温および茶樹体温に及ぼす影響について
    高橋 恒二, 青野 英也, 田中 静夫, 簗瀬 好充
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 7-12
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. こもの被覆による凍霜害防除において,茶株上から60cm離して被覆する間接被覆と,しばしは強い害を受けることがある茶株上への直接被覆との保温効果を比較した。
    2. 両被覆とも被覆内の葉温は露天の葉温よりも高く保たれたが,被覆物接触葉は非接触葉より低温となつた。こうしたことは直接被覆の場合非常に冷えた被覆物と地物との放射による熱収麦が大きく保温効果が少ないこと,および被覆物接触葉は冷えた被覆物への熱伝導によりいつそう冷えていることを示している。また被覆下の気温は両被覆とも露天より保温効果があり,特に間接被覆の保温効果はよりいつそう大きい。またその効果は風のある日より,風のない日(降霜状態)のほうが大きい。直接被覆下の気温はよりいつそう冷えた被覆物からの放射冷却に影響されて露天との気温差が少ない。
    3. 2回目の実験は-6.℃前後の低温にさらされたので,露天,両被覆とも被害を受けたが,被害後の生育は間接被覆下の茶芽が最も早く,直接被覆と露天との茶芽の生育速度には大差がなかつた。
  • 淵之上 弘子, 塘 二郎, 淵之上 康元
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 13-17
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 茶樹の耐寒性と,冬季の茶葉中の陰性コロイド含量との関係を明らかにするため,寺山宏氏によるコロイド滴定法を応用して試験を行なつた。
    2. 耐寒性程度の異なる成木の品種間の比較を試みたところ,耐寒性の強いものほど,陰性コロイド含量の多いことを確認した。
    3. 耐寒性中程度のものは,ときとして弱あるいは強のほうへ幾分接近する場合もあるが,強弱間の差は常に明らかで,同様の傾向を示すことを33ヵ年にわたる調査により認めた。
    4. 供試コロイド液中の成分につき,若干定性的に検索を試みた。しかしまだ陰性コロイドとしての主要成分を,判定するには至らない。
  • 越冬について
    刑部 勝
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 18-24
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    Studies were made on the field ecology of the tea red spider mite (Tetranyehus kanzawai Kisama), during the winter of 1958-59 at the tea gardens in Shizuoka district.
    1. The warm tea garden was suitable for the hibernation of the mites, and they hibernated on the leaves of both young and mature tea plants, but not on the defoliated leaves.
    2. The mite population in winter, was higher on the foliage of lower or inner sides of tea bush than other places. The mites usually lived on the under side of the leaves, and many were found on the near partof the mid rib. The leaves on which they lived curved downwards and the depressions were seen at the center of the foliages.
    3.They spent winter in adult female form. The color of the adult female became dark red to cinnaber toward winter, and this cinnaber females did not lay eggs.
    4.It was seemed that the mite commenced hibernation from the middle or end of October to the beginning of November, and began to work from the end of January to the beginning or middle of February.
  • 品種別煎茶の特質調査
    上野 健二, 杉山 春喜智, 斎藤 弘, 岩堀 源五郎
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 24-34
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    (1) 品種別製造法を確立するため1949~1958年にわたり,煎茶用の11品種を用いて,製品の特質ならびに製造操作における品種間差異について調査を行なつた。
    (2) 11品種を一番茶型と二・三番茶型の二つのグループに分けることができる。煎茶としては,一番茶型に属するやぶきた・あさつゆ・S6・U9の4品種が品質良好と認められた。
    (3) 生葉を,ロビポンドチントメーターで測定した,B/Rと色沢評点との間には正の相関があるが製品の色調との間には一定の関係が認められなかった。
    (4) 製品の全窒素および可溶性窒素は,それぞれ審査合計点ならびに滋味評点との間に正の相関が認められる。
    (5) 蒸熱時間および粗揉程度については,粗揉操作では,やぶきた・U9・たまみどり・S6は重量減55%が45%に比して品質良好なことが認められた。蒸熱については,S6以外の品種には一定の関係がみられなかつた。
    (6) ここに用いた11品種については,製造操作に関する試験を除き全部打切りとし,新しい品種ならびに有望について引き続き特質調査を行なう予定である。
  • 上野 健二, 斎藤 弘, 岡田 文雄, 深津 修一
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 35-40
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 輸出向き玉線茶の実態を知るため,中国産の荒茶3点,わが国の輸出茶5点,ベトナム産の荒茶3点および当部生産品5点について調査を行なつた。
    2. 普通審査法によつて品質を比較した結果,日本茶はいずれも中国およびベトナムの茶に比べて2色沢が線色であり,水色・味ともに薄かつた。
    3. 茶の成分については,全窒素は城印ガンバウダー,チュンミー以外のものは大差ないが,ベトナム茶は可溶窒素,タンニンおよび熱湯可溶分が多く,日本茶は灰分およびアルカリ度が低いことが認められた。
    4. ヨンコン茶の荒茶について,品質とペクチンおよび全窒素との関係を調査したが,全ペクチンは製品の水色・香気および味と,全窒素は外観および香気とそれぞれ相関々係が認められた。しかし全ペクチンについては追試の要がある。
    5. 輸出茶は前回に比し品質はかなり改善されているが,さらに若芽摘を行なつて原料生葉そのものの品質を向上させる必要がある。
  • 加藤 博, 久保 田濃, 成富 勝弘, 鈴木 栄司, 滝谷 洋
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 41-47
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 回転型の透気乾燥方式による,人工萎凋機(図1)を試作し,各種の運転条件が,萎凋速度に及ばす影響,およびこの萎凋機を用いて萎凋した製品と,自然萎凋のものとの品質の相違につき試験を行なつた。
    2. 風量2000kg/hrまでは,風量の増加とともに蒸発水分も増加するが,これ以後はあまり'変らない。風量2000kg/hr以下の実験値について投入量Fkg(乾量),風量Gkg/hr,蒸発水分Wkg/hrの関係は次式で与えられる。
    萎凋温度45℃のとき,W=0.023F0.5G1.5
    萎凋温度40℃のとき,W=0.011F0.5G1.5
    3.風量2000kg/hr吹込空気温度40℃,胴回転数2rpm投入量30kgで萎凋した場合の茶の品質は,自然萎凋のものと大差なかつた。
  • 桑原 穆夫, 松田 昌夫, 竹尾 忠一
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 48-60
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    The extracted amount of the tannin, soluble nitrogen and soluble matter and the concentration of the tea infusion were examined under the different brewing conditions of black. tea.
    During the period of brewing, the hotter the water, the more the extracted tannin, soluble nitrogen and soluble matter from the leaf. And the longer the period of brewing, the more the extracted soluble substances.
    The tea infusions grew stronger liquors by hotter and longer brewing, but the liquor of low grade tea became duller in colour.
    As the results of these experiments, the suitable brewing conditions were supposed to be about 90°C.: 5 minutes or 100°C.: 2-3 minutes.
  • 久保田 濃, 滝谷 洋
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 60-64
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    全乾法により茶葉水分を測定する場合,乾燥温度が含水率の指示に及ぼす影響,サンプルの大きさと測定値の変異係数の関係を調べた。
    乾燥温度が高くなるに従つて含水率の標示も直線的に高くなる。その方向係数は100℃附近で約0.2である。
    サンプル量が少ないと測定値のバラツキが非常に大きくなるので1個のサンプル量は少なくとも10gぐらいにしたい。
  • 要素欠除に伴う茶樹の無機成分の変化について
    河合 惣吾, 石垣 幸三, 高柳 博次
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 65-68
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    砂耕法によつて,窒素,リン酸,カリおよび苦土の各要素欠除試験を行ない,これに伴う茶樹の無機成分含量の変化について調べた。その結果を要約すると次のごとくである。
    1. 生育調査の結果,-N区と-P区は初年度から欠乏症状を呈し,生育状態は著しく劣り,3年目にはほとんど枯死状態となつた。-K区と-Mg区では2年目こうからそれぞれ欠乏症状を呈した。各区の症状は,前報における水耕試験の場合と同様であつた。
    2. 葉および根の無機成分含量についてみると,欠除した要素はいずれもその含量が低下するが,その他の成分含量にも影響を及ぼした。この傾向の最も顕著なのは-N区で,2年目までは,N以外の無機成分が集積するようにみられたが,3年目には生育の停止に伴つて,いずれの成分も著く減少した。
    これらの原因については,さらに検討しなけれはならないが,これだけの成績では不十分であるので,今回はただ現象報告のみにとどめ,今後さらに他の微量要素や有機成分についても調べ,その影響を詳しく検討するつもりである。
  • 河合 惣吾, 池ケ谷 賢二郎
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 69-75
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    牧之原台地の黄色土型・中間型・黒色土型の茶園土壌のリン酸吸収型を調べたところ,いずれも第4型の土壌であつた。
    黄色土と黒色土に炭酸石灰を加えて石灰飽和度を2.3,25,50,75,100,125%に保ち,それらの土壌に,リン酸一石灰,.Dン酸二石灰,リン酸二アンモン,リン酸二カリを黄色土に対しては,1009当たりP2O5として1,0g,黒色土には1,5gを加えて畑地状態として2ヵ月間放置した。
    これら土壌のリン酸を0,002N硫酸(pH:3,0),1%硝安(pH:5,55),0,8%塩安(pH:5.4),0,6%硝安(pH:5,5)の水溶液にて溶出した。
    これら浸出液にて溶出されるリン酸は,いずれも石灰飽和度の増加に伴い増加したが,黒色土においては溶出
    量がきわめて少なかつた。また,リン酸ニカリを添加した場合は石灰飽和度の増加に伴い溶出量が増加しなか
    つた。
    0.002N硫酸による溶出量は黄色土では,リン二石灰>リン酸二カリ>リン酸二アンモン>リン酸一石灰の
    順であり,黒色土では,酸二石灰>リン酸一石灰リン酸ニカリ・リン酸二アンモンの順であつた。
    硫安・塩安・硝安のリン酸溶出力は,黄色土では,硫安>塩安>硝安の順であり,黒色土では硫安>硝安>塩
    安の順であつた
  • 茶園土壌の構造について
    河合 惣吾, 森田 昇
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 76-79
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    In order to know the effects of tea cultivation on the soil structure, the physical properties of Makinohara diluvial upland soils were studied.
    The accumulation of clay fraction was found in the tea sub-soil but not found in the uncultivated soil. It seemed that the aggregate of tea soil was broken and the clay fraction was made movable by tea cultivation.
  • 静岡県榛原郡南部の茶園土壌について
    河合 惣吾, 森田 昇
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 80-86
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    The tea soils of southern Haibara-gun, Shizuoka-ken were surveyed and the relation between the general characters of these soils and the growth of tea plant was investigated.
    According to the results, suitable methods for improving the tea soils of this district were suggested.
  • 牧之原台地土壌の粘土鉱物
    江川 友治, 河合 惣吾, 森田 昇
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 87-90
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    静岡県牧之原洪積台地の主要な粘土鉱物は,結晶度の低いカオリン系鉱物であり,これに,ギブサイト・石英,およびバーミキュライトよう鉱物の混在を認めた。なお普通畑・茶園・朱耕地の各土壌間や土層別の差異は,あまり明瞭でなかつた。
    本研究にさいし,一次鉱物の鑑定に種々御教示をいただいた静岡大学農学部,加藤芳朗氏に深く感謝する。
  • 富士火山灰地帯の茶園土壌(1)
    河合 惣吾, 森田 昇
    1959 年 1959 巻 14 号 p. 91-93
    発行日: 1959/11/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    The characteristics of tea soils derived from volcanic ash in Fuji district, Shizuoka-ken were researched. The profile of the sample soils was as follows.
    Layer No. Depth(c.m.) Characteristics
    I 0-20 Brownish black sandy loam, rich in humus, soft and mellow, fine granular structure.
    II 20-50 Dark brown sandy loam, rich in humus, slightly compact.
    III 50- Layer of lapillus.
    These soils were characterized by strongly acid reaction and extremely low base status throughout the profile. The degree of base saturation in the tea soils was less than 8 per cent and considerable amounts of free alumina and free iron were found in these soils.
  • 1959 年 1959 巻 14 号 p. e1a
    発行日: 1959年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 1959 巻 14 号 p. e1b
    発行日: 1959年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 1959 巻 14 号 p. e1c
    発行日: 1959年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 1959 巻 14 号 p. e1d
    発行日: 1959年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 1959 巻 14 号 p. e1e
    発行日: 1959年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 1959 巻 14 号 p. e1f
    発行日: 1959年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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