牧之原台地の黄色土型・中間型・黒色土型の茶園土壌のリン酸吸収型を調べたところ,いずれも第4型の土壌であつた。
黄色土と黒色土に炭酸石灰を加えて石灰飽和度を2.3,25,50,75,100,125%に保ち,それらの土壌に,リン酸一石灰,.Dン酸二石灰,リン酸二アンモン,リン酸二カリを黄色土に対しては,1009当たりP
2O
5として1,0g,黒色土には1,5gを加えて畑地状態として2ヵ月間放置した。
これら土壌のリン酸を0,002N硫酸(pH:3,0),1%硝安(pH:5,55),0,8%塩安(pH:5.4),0,6%硝安(pH:5,5)の水溶液にて溶出した。
これら浸出液にて溶出されるリン酸は,いずれも石灰飽和度の増加に伴い増加したが,黒色土においては溶出
量がきわめて少なかつた。また,リン酸ニカリを添加した場合は石灰飽和度の増加に伴い溶出量が増加しなか
つた。
0.002N硫酸による溶出量は黄色土では,リン二石灰>リン酸二カリ>リン酸二アンモン>リン酸一石灰の
順であり,黒色土では,酸二石灰>リン酸一石灰リン酸ニカリ・リン酸二アンモンの順であつた。
硫安・塩安・硝安のリン酸溶出力は,黄色土では,硫安>塩安>硝安の順であり,黒色土では硫安>硝安>塩
安の順であつた
抄録全体を表示