(1)カテキン水溶液の自動酸化の速度は一般に緩慢であり,また,生成する酸化物の可視部スペクトルは分子内にピロガロールを持つカテキンとカテコールグループのみを持つカテキンの2種のタイプに大別された。
(2)(-)-エピカテキンに塩基性物質あるいはアミノ酸を添加した場合,初期の段階では430mμ近辺に山を持つスペクトルを呈し,やがて380~390mμ近辺に山を有する形状に変化した。
(3)カテキン水溶液にアミノ酸類を添加した場合カテキンの自動酸化を促進することが認あられたが,その程度は塩基性の強いものほど大きかった。また,各種緩衝液を加えて,pHによる影響を検討した結果,pH7.0を越えると急激に着色物の生成が促進されることが認められた。
(4)カテキンに塩基性物質を添加した場合,酸素吸収量が著しく大きくなり酸化を促進することが確認された。なお,(-)-エピガロカテキンと(-)-エピカテキンを比較すると前者は後者に比して酸素吸収量がはるかに多いのに反し,着色の程度は劣っていた。
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