1. 茶うねをまたいで走行するTea Garden Tractor-62(T.G.T.一62)に装着する摘採装置について試験した。
2. 摘採装置の刈り刃部は往復動刃型で,曲率半径1,100mm,刈り刃幅1,600mmの一うね型で,刈り刃の切断性能は,切断速度比3.0,有効作業速度0.28m/sec程度が適当であった。
3. 集葉装置の具備すべき条件を知るため,トラクタの作業速度,集葉量,作業規模等から生葉吸引能力を300g/sec,集葉箱の収容能力130kgを目標として,実験装置を作製し試験した結果,集葉箱一室に排風機および生葉輸送管がそれぞ'れ必要で,生葉輸送管の口径は130mm以上が必要であることがわかった。
4. 以上の結果に基づき,T.G.T.-62に装着する送風吸引型の集葉装置を試作し,刈り刃部と連結して摘採装置とした。
5. T.G.T.一62に装着した摘採装置の作業条件は,1生葉品質,刈り跡,運転操作等の試験結果から,刈り刃の切断速度比3.0,理論作業速0.3m/sec程度が最適条件であった。また摘採作業能率はほ場作業量9.5~13.8a/hrであった。
6. 試作した摘採装置は,機体のバランス調整,刈り刃幅,刈り刃部の調節機構,騒音対策,生葉品質への二次的損傷対策等に改善すべぎ点が認められた。
この研究を遂行するにあたって,ご指導とご援助を賜った農林省蚕糸園芸局畑作振興課,荒井藤光氏,元農林省茶業試験場長,加藤博氏,元同枕崎支場長故上野健二氏,茶園用トラクタと附属作業機の考案試作をしていただいた松元機工,粟ヶ窪親男氏,松元芳見氏,相良製作所,相良三次氏,以上の方々に対し深く感謝の意を表します。
また,この報告にあたって,ご指導とご援助を賜った鹿児島県茶業試験場長,岡村克郎氏,実験その他に絶大なる協力を下さった当場職員の方々に対しても感謝いたします。
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