茶業研究報告
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1975 巻, 42 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 竹尾 忠一
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 1-13
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 松下 繁, 安間 舜, 鳥屋尾 忠之
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 14-18
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    日本種,中国種,アッサム雑種およびアッサム種の各種茶樹について発根性(さし木後約60日目の発根率,根数および根重)の評価を行った。
    緑茶および紅茶用の主要品種の多くは発根性のよいグループにはいることがわかり,中国種,多田系印度雑種,アッサム雑種,アッサム種の問ではアッサム種が最も劣った。また根数および根重はアッサム種,中国種,アッサム雑種の中にも大きな変異があることがわかった。
    さらに,発根率,根数および根重は,年度によるばらつきがみられ,また品種と年度との交互作用も認められるので,なるべく年度によるくり返しを行って発根性を評価したほうがよいように思われた。
    終わりに臨み本稿の校閲をいただいた前枕崎支場長坂本裕博士と本調査に協力を仰いだ農林省農林水産技術会議施設計画室筑波分室家弓実行技官に厚くお礼を申し上げる。
  • 簗瀬 好充
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 19-24
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    冬季における茶樹各器管の耐凍性の差異と,その時期的変化を調査したところ,成葉および枝条は耐凍性が高く,芽と幹の基部はやや劣り,根の耐凍性は著しく劣った。
    地上部の各器管は厳寒期に最も高い耐凍性を示したが,根は耐凍性の高まりが少なく,特に細根は厳寒期にもほとんど耐凍性の高まりを示さなかった。
    また,幹の基部は耐凍性の獲得がおくれ,これが裂傷型凍害を発生させる原因の一つと考えられるが,1974年冬には,裂傷を伴わない幹の基部の凍害もかなりみられた。
    各器管の耐凍性は品種によって異なり,地上部の耐凍性はふじみどりよりやぶきたがまさり,根の耐凍性は逆にふじみどりのほうがまさる傾向を示した。また,苗齢については,一年生より二年生のほうが耐凍性が高かった。
  • 小泊 重洋
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 25-30
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    チャノサンカクハマキの加害が茶の品質および収量にどのような影響を及ぼすかを調査した。
    1. 三角巻葉が混入することにより,製茶品質は著しく低下する。とくに水色への影響が著しいが,3%以下の混入率では悪影響はみられない。また,巻葉前の加害は品質に影響しない。
    2. 1~3令までの加害は収量や生育にほとんど影響しない。本種による減収は巻葉後の食害および落葉によって生ずるものである。
    3. 以上のことから,防除は巻葉前に行い,巻葉を作らせないことに主眼を置くことが必要で,万一巻葉が生じた場合にはすみやかに摘採する。
    おわりに,本試験の品質審査にあたって,当場森薗市二氏(現静岡茶市場),柴田雄七氏をわずらわせた。ここに感謝の意を表する。また,本試験遂行上,貴重な御助言を頂いた向笠芳郎氏にも併せて深謝する。
  • 竜野 二郎, 花田 十矢, 加治屋 秀昭, 松久保 哲矢
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 31-36
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 暖地においては生葉品質の特性のためか粗揉工程でむれ,揉み不足等を生じ茶品質の低下が著しく且つ製茶能率も低い。そこでこの改善をはかるため蒸葉の葉打処理について試験した。
    2. 暖地における蒸葉の葉打処理程度は重量減15%前後が最適と考えられた。また,これに適する粗揉機の使用条件は熱風吹込み温度を70℃,もみ手バネ圧を3.0~3.5kgとし他は当場標準法が適当であった。
    3. 試作した連続式葉打機はY式50K型粗揉機の本体を改造したもので機内シャフトに葉ざらい手8本をスパイラル状に装着した。また熱風発生装置は本体背面上部にFH330型送風機(風量31m3/2,100rpm)を3台並列に装着し,それぞれにガスバナーを取付け,本体上部の端に蒸葉投入装置を,もみ底の端に処理葉の取出し装置を取付けたものである。
    4. 連続式葉打機の使用法は機械回転数.40rpm,送風法は熱風―熱風―冷風法で送風機回転数は2,100rpm前後,熱風吹込み温度は80~90℃,機内通過処理時間は一番茶期6~9分,二,三番茶期6分で生葉投入量は毎分5kgが適当と考えられた。
    5. 暖地産の茶葉について蒸葉の葉打処理を行い,これを粗揉工程で強圧,低温,多風量で処理することは茶葉水分の蒸散を均一に且つ急速にすすめ得たためむれや上乾きが少なくなって品質が向上したものと考えられる。
    この研究を遂行するにあたって連続式葉打機の試作にご協力をいただいたカワサキ機工株式会社九州営業所に対し深く感謝の意を表します。
    また研究の遂行と報告にあたって有益なご助言とご指導を賜わった鹿児島県茶業試験場長岡村克郎氏に対しても感謝いたします。
  • 大西 市造
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 37-46
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 工程の進行とともに茶葉幅とわん曲度は減少し,みかけ比容積は逆に大きくなる。また5段階加すいより4段階加すいのほうが長短度は大きく,細よれとなった。これから工程初期における加すい時期の遅速が整形上大切な要素となることがわかった。
    2. 揉手1往復当たりの茶葉応力は,最大応力部分と無反応個所が存在し,加すいの移動とともに応力は増加するが,茶葉水分,機種の構造などの違いによって,かならずしも近似的な波形は示さず,加えて茶葉の反転,分散,緊締度などに関係があると思われる力積値の変動要因についても注目する必要がある。
    3. 各機種とも懸すい荷重については,それぞれ重すいの重さと竿の長さに比例的に働くが,実際運転中におけるロット(作用点)の荷重は,メーカーにより支点,力点,ロットの取り付け位置などが異なるため,重すいの移動に対する動荷重変位比率に違いが生じるので,精揉操作の加すい配分には十分な考慮を払うべきである。
    4. 精揉工程における均質な製品を得るための方法としては,投入時の茶葉の性状についてのチェックと機械自体のしくみを明らかにするとともに,投入茶量,所要時間,荷重方式の組み合わせは,取り出し水分(11.9%)外観評点(40点)の基準値より遠くにあるものは排除し順次集約したプログラムの作成を行い自動化への基礎資料を求め,さらに発展させる方向に進めなければならない。
    終りに本研究を実施するにあたり,ご協力を仰いだ当研究所製造課の諸氏をはじめ,種々適切な助言をいた〓いた農林省茶業試験場竹尾室長ならびに京都府中小企業総合指導所工業技術課 小柳技師に深く感謝の意を表します。
  • 西條 了康, 大沢 キミコ, 竹尾 忠一
    1975 年 1975 巻 42 号 p. 47-53
    発行日: 1975/02/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    摘採茶生葉の貯蔵に及ぼすエチレンの影響を調べるために,エチレンを外部から与えたときの茶芽の形態,茶葉化学成分,製茶品質等の変化を検討した。
    (1) 一心三葉に摘みとった茶生葉をエチレン1ppm,貯蔵温度20℃で2日間貯蔵したところ,葉の60%が落葉した。同条件でエチレン10ppm以上ではほぼ100%落葉した。しかし,貯蔵温度を5℃とするとエチレン100ppmでも落葉は起こらなかった。
    (2) クロロフィルは,エチレン0,1,10,100ppm温度20℃で3日間貯蔵してもほとんど変化がなかった。
    (3) ビタミンCは,温度20℃で2日間貯蔵するとエチレンの有無にかかわらず著しく減少し,5℃の低温ではエチレン100ppmでもほとんど変化がなかった。
    (4) タンニン,カフェイン,アミノ酸(テアニンを除く)はエチレンの有無にかかわらず温度20℃で3日間の貯蔵によって増加した。
    (5) 製茶品質はエチレン100ppm以下,温度20℃で2間貯蔵しても,顕著な差はなかった。エチレン500ppm以上では苦味が増す傾向が認められた。
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