チャイキイロアザミウマの茶園における調査方法や防除方法などについて試験を行った。
茶園におけるチャノキイロアザミウマの生息数の調査には,たたき落し法が適していることがわかった。
誘引剤としてアニスアルデヒドとシンナムアルデヒドをシャーレの水の中に入れたものには,チャノキイロアザミウマは誘殺されなかった。
着色水盤へのチャノキイロアザミウマの誘殺は緑色に最も多く,次いで黄色であった。
緑色の粘着トラップには高さ7mでもチャノキイロアザミウマが付着した。
防除薬剤はカルタップ水溶剤,メソミル水和剤,NAC水和剤,アセフエート水和剤の効果が高かった。
一番茶へのチャノキイロアザミウマの被害を少なくするには秋期防除の効果が高かった。
茶園では,コカクモンハマキ,チャノホソガ,ミドリヒメヨコバイを防除する場合,りん製剤のほか,カルタップ水溶剤やメソミル水和剤も組入れた防除を行うとチャノキイロアザミウマを特別に防除する必要はない。
ツバキ科の植物のほか,マサキ,カシ,ツツジなど広範囲の樹木に寄生することがわかった。
なおこの試験を行うに当たり,ご教示,ご助言をいただいた農林省茶業試験場高木技官,福岡県園芸試験場宮原課長および寄生植物の調査にご協力いただいた福岡県林業試験場の関係者各位に深謝の意を表する。
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