茶業研究報告
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1977 巻, 45 号
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  • 青野 英也
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 1-12
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
  • 安間 舜
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 13-16
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    煎茶用品種の早期選抜に資するため,本ぽ定植前の交配実生の新芽に出現するアントシアンと,その個体が成木になった時の新芽に出現するアントシアンの程度との関係を検討した。
    その結果11の煎茶用交配組合せの幼成木間の表現型相関はすべて有意であった。11組合せの相関係数の算術平均は0.409であった。これらの相関係数は当初期待していたほど高くはなかった。しかし今後調査法を改良し各個体の笛1葉が現わすアントシアンの発現程度を正確に評価すればこの相関関係はかなり高めることができると思われるので,そうなれば新葉の色による煎茶用品種の初期選抜は極めて有効な選抜法となり得る。
    なお幼木期の新芽のほうがアントシアンが濃く発現するとか,逆に成木期の新芽のほうが濃く出現するというような傾向があるかどうかを検討したがそのような傾向は認められなかった。
  • 青野 英也, 簗瀬 好充, 田中 静夫
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 17-28
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    傾斜地茶園の造成が,地域の環境に及ぼす影響をは握するため,わが国茶産地の27府県を対象に,昭和40~48年にかけて造成された茶園について,その造成方法,造成上およびその後の栽培上の問題点,さらには造成茶園と地域環境との関係を,現地調査およびアンケートにより調査し集約した。
    1.昭和40~48年の間,わが国においては毎年1,000haを越す茶園が造成されたが,その60%は傾斜地で,1ほ場10haを越す大規模ほ場もかなり造成されたが,造成面積の90%は,1ha以下の零細ほ場であった。
    またこれらのほ場は,雑木林から茶園への転換が多く,その造成工法は斜面畑造成が最も多かった。さらにこれらのほ場は,標高200~300mの比較的高いところに多く,傾斜度は5~10°,傾斜面では南面が最も多かったが,大規模ほ場では二方面以上の斜面方向をもっているほ場も,かなりみられた。
    2.全国の傾斜地造成茶園のなかから,1ha以上の造成ほ場106ヵ所を選んで調査した結果,これらのほ場は平均標高約300mの地点で,約10haのほ場が多くは補助事業によって造成され,その多くは雑木林を伐採し,10a当たり約23万円の経費で,1戸当たりの栽培面積は約50aとなっている。
    またこれらのほ場は,斜面畑が比較的多く,ほ場区画は不整であるが,1区画20aを越すほ場もある。また幹支線および耕作道を含めた農道配置は,密度,幅員等は良好であるが,舗装率はわずかである。さらに排水系統については明,暗きょを中心に,一応の配置はされているが,地形改造斜面畑の埋土部等重要な部分についての排水計画はずさんである。
    なおこうしたほ場に栽植されているチャの品種は,大部分がやぶきたで,うね幅,株間等の栽植様式は,傾斜度が強くなっても,平たん地なみに広い場合が多かった。
    3.こうした大規模造成地における土壌保全対策については,園内表層土の流亡に対してはマルチ等の対策が,かなり十分とられているが,法面は不十分で,地形改造斜面畑の埋土部とともに,土砂崩壊しやすかった。
    また寒害等の気象災害も多く,標高の高い造成ほ場では寒風害,寒干害,斜面の下部では凍霜害を受けやすいことが,多くのほ場から指摘されている。造成地は概して風当たりが強いので,防風対策の必要な場合が多いが,この調査では実施しているほ場が40%程度であった。
    4.こうした茶園造成による周囲の環境への影響は,プラス面とマイナス面が指摘されている。すなわちプラス面については,このほ場造成により経営規模が拡大され,かつ農道の整備等により,省力栽培が可能になると同時に,付近の農業労働の環境をも著しく向上したことなど,地域の環境整備に貢献していることを,多くの地域で認めている。
    一方マイナス面についても数多くの指摘があったが,特に造成工法の不備,排水計画の不徹底からくる土地崩壊が,単なるほ場内だけの問題でなく,道路や田畑の埋没など,災害的な事故を起こした例がみられた。
    また災害とはいえないまでも,土壌侵食や泥水の流出による河川の汚濁,およびそれが淡水魚類に及ぼす影響なども指摘され,土地,土壌の保全対策が,この場合最も重要であることが判明した。
    本調査は27府県におよび広域的な調査であったため,委託場所としてご協力戴いた静岡県茶試鈴木主幹,木村主任研究員,岐阜県農試野原特産科長,石垣主任研究員はじめ,多くの場所の研究者,普及員,さらには市町村職員,農協職員等の労をわずらわす結果となった。この機会にあらためてこ協力戴いた方々に,謝意を表する次第である。
  • 橘 尚, 川瀬 春樹, 横山 俊祐
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 29-36
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    鉱質土壌における茶樹栽培の生産性を向上するため,幼木茶園の暗渠排水の効果について検討した。
    1. 供試茶園の土壌特性は,Lic-Lic-HC-Licで第1・2層は暗褐色一明褐色のややち密な軽埴土で,第3層は明褐色のち密な重埴土であった。
    2. 4種類の吸水暗渠を埋設し,各暗渠から1m側方へ離れた地点および対照区の水分張力変化を測定した結果,明らかに暗渠排水の効果が認められた。暗渠排水の生育に対する好影響は,樹齢の進行に伴い顕著になったが,4種類の暗渠間の差異は明らかではなかった。
    3. 吸水暗渠からの距離と生葉収量との関係は,負の1次直線あるいは2次曲線的傾向を示し,暗渠から遠ざかるにしたがって収量は減少する傾向を示した。
    4. 暗渠排水の効果は,土壌の三相分布および物理性に影響し,ひいては茶樹根系の発達にも認められた。
    5. 供試鉱質土壌の茶園における本暗渠の影響は,暗渠側方4m程度と考えられた。
  • 平島 誠治, 吉岡 幹夫, 宮崎 孝
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 37-53
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    効率的なかん水および施肥の技術を開発するため,地中に有孔管を埋設して,水および液肥を給与するシステムについて試験した。
    パイプ埋設の深さは10cmが適当で,給水の開始時はpF2.7,1回の給水量は10t/10aが適当と考えられた。
    給水時に年間10回程度液肥を混入することにより,施肥を兼ねることができ,従来の施肥法に比べて収量の増加と緑茶品質の向上が期待できることが明らかとなった。
    本試験は農林省の総合助成を受けたものであり,試験の開始ならびに遂行に当っては農業土木試験場,椎名乾治氏(現在太陽コンサルタントKK),小菅孝利氏,茶業試験場,平峯重郎氏,青野英也氏,簗瀬好充氏,大阪府農林技術センター原周作氏に多大の御援助をいただいたので,ここに深く感謝の意を表する。
  • 石垣 幸三, 保科 次雄
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 54-62
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    砂耕法により,やぶきた2年生苗を供試して窒素,リン酸,カリの三要素濃度を変えて培養し,茶樹の生育,茶葉のアミノ酸組成および茶樹器官別の無機成分含量などに及ぼす影響について調べた。すなわち,窒素はアンモニア態窒素(NH4-N)と硝酸態窒素(NO3-N)とし,N,P,Kとしてそれぞれ,0,25,50,100ppmの4段階として2年間培養した。その間茶葉のアミノ酸組成を調べ,また,器官別に無機成分含量を調べた。その結果を要約すると次のとおりである。
    1) 生育はいずれの要素も25,50ppmが良好で100ppmになるとそれぞれ過剰症状を呈した。各要素の欠除区はそれぞれ欠乏症状を呈したが,無窒素区が最も顕著であった。窒素形態で比較すると,NH4-N区のほうがNO3-N区に比べて生育が良好でNO3-N区はいずれも黄化した。
    2) 茶葉のアミノ酸組成は,無窒素区はいずれも少ないが,NH4-N区では窒素濃度の増加に伴って,テアニン,アルギニン,セリン,スレオニンなどが著しく増加した。これに対してNO3-N区では,初年度は窒素濃度の増加に伴ってテアニン,アノレギニン,セリンなどがわずかに増加したが,2年目になるといずれの組成も著しく減少した。無リン酸区ではアルギニンが著しく多く集積し,リン酸濃度の増加に伴ってアルギニン,テアニン,セリンなどが減少した。カリ濃度の増加に伴ってセリンが増加したが,その他のアミノ酸はいずれもわずかに減少する傾向がみられた。
    3) 茶樹の無機成分含量は,増施した成分はいずれの器官もそれぞれ増加する。全窒素含量はいずれの器官もNH4-N区のほうがNO3-N区に比べて多く,かつ窒素濃度の増加に伴う増加率も多かった。マンガン含量は,地上部ではNH4-N区のほうが多いが根では逆にNO3-N区のほうが多く,かつ窒素濃度の増加に伴って増加した。アルミニウム含量は,NH4-N区のほうがいずれの器官も多かった。鉄含量は全般的にNH4-N区のほうが多いが根の場合が顕著であった。拮抗作用はNH4-Nとカリおよび亜鉛,カリと苦土およびマンガンならびにリン酸と亜鉛にそれぞれ認められたが,いずれも根の場合が顕著であった。
  • 鈴木 勝弘
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 63-72
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. せん枝装置を設計,試作し,種々改良を重ねた結果,切断角25゜,くさび角30゜,刈刃のピッチ50mm,刈幅1,400mmの直線往復動刃で,サイドドライブ方式により所期の目的が達成された。
    2. 直径700mmφの円板刃(刃数12)4枚により,一度に2うね実施できるすそ刈り装置を開発した。
    3. 車輪の踏圧による土壌条件を改善するため,1うね2連の2うね用サブソイラーを試作したところ,約19cmの深耕が可能で,踏圧の影響をほぼ除くことができた。
    4. 中耕,除草用カルチベーターを試作した結果,中耕の目的は達成されたが,除草爪による浅薪は困難であった。
    5. 30mm幅の羽根ロータ型繰出装置による施肥装置を試作したが,秋肥,春肥用としては施肥量がやや不足と思われ,繰出部の改善の必要性が認められた。
    6. ミスト機による防除装置を試作し,アカダニの防除試験を実施した結果,ノズル口径2.5mmφ(平均粒径52ミクロン)でほぼ満足すべき結果が得られた。
  • 鈴木 勝弘, 滝谷 洋
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 73-84
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    往復動刃,回転刃について種々の検討を加えた結果,次のごとぎ成果を得た。
    1 往復動刃の切断角が大きくなるほど切断抵抗は減少するが,一方切断時に切断材料が逃げる傾向が増す。
    2 往復動刃のくさび角が増すと,切断抵抗も増大する。
    3 刈刃の焼入れ硬度は耐摩耗性に大きく影響を及ぼすため,少なくともRC60以上の必要性が認められた。
    4 回転刃については,切断角,切断ピッチ等よりも,切断速度のほうが,切断抵抗に及ぼす影響が大である。
  • 前田 茂, 中川 致之
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 85-92
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    各種市販茶の総合的な理化学的分析を行い,製茶の種類による相違を検討した。
    1)下級煎茶,番茶,ほうじ茶にくらべ,玉露,上級煎茶が高濃度を示した化学成分は,全窒素,カフェイン,アミノ酸,灰分,リン酸,カリウムであった。
    2)アスコルピン酸は,煎茶,かまいり茶の上級品が多く,玉露,ほうじ茶では少なかった。
    3)タンニンは,下級かまいり茶に多く,玉露,ほうじ茶では少なかった。
    4)ヘッドガスクロマトグラフィーの結果,玉露,上級煎茶は,ジメチルサルファイドのピークが大きく,下級煎茶,番茶,ほうじ茶は,加熱臭と推定される,2一メチルプロパナールのピークが大きかった。
    5)色差計による測色値は,玉露は,マイナス側にとくに大きく,煎茶,かまいり茶は,比較的小さかった。
    この実験を行なうに当たり,ご助言,ご協力を仰いだ,農林省茶業試験場,原技官,久保田技官,岩浅技官,斉藤技官,阿南技官,天野氏に深く感謝します。
  • 横山 俊祐
    1977 年 1977 巻 45 号 p. 93-95
    発行日: 1977/03/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 45 号 p. e1a
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 45 号 p. e1b
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 45 号 p. e1c
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 1977 巻 45 号 p. e1d
    発行日: 1977年
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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