茶業研究報告
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1980 巻, 51 号
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  • 曲 清春, 青木 智, 中山 仰
    1980 年 1980 巻 51 号 p. 1-6
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    常緑樹であるチャの古葉(越冬葉)についてその落葉時期および品種間差異をほぼ,1年間にわたり経時的に調査した。
    落葉は冬季初期および春先における機械的落葉,5月初旬における機械的作用の後遺症的落葉,5月中旬から10月まで続く生理的落葉,さらに病虫害による落葉に分けることができた。
    品種別では,5-6月に落葉する型(べにほまれ),8-9月に落葉する型(ゆたかみどり)および平均的に落葉する型(たまみどり)に区別された。また,ゆたかみどりは落葉しにくく,べにほまれ,やぶきたは落葉が多かった。
    落葉は照度に依存し,受光量の少ない株中央・下位において多く,また新芽除去により古葉の落葉は減少し,新芽生育との関係が示唆された。さらに,側枝のある場合の方が落葉が少ないことが分かった。
  • 曲 清春, 青木 智, 中山 仰
    1980 年 1980 巻 51 号 p. 7-10
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    落葉しにくいゆたかみどりと比較的落葉しやすいやぶきたに関してその原因を検討した。
    ゆたかみどりの葉柄部の離層面は主枝に対し角度をつくっていたのに対し,やぶきたではそれが平行に近かった。これは葉身を支えるのにゆたかみどりの方が有利であることを示唆する。葉面積もゆたかみどりの方が小さいことにより風の抵抗が小さくなり,落葉しにくい原因になると思われる。また,葉柄に占める導管の面積が大きいことは,機械的な力に対する葉柄部の抵抗力を増していると思われる。
    さらに,導管が大きいにもかかわらず,1葉当りの気孔数が少なく,蒸散量も小さいことから水分ストレスに対する回復が早い可能性が示唆された。
  • Mitoshi MAEHARA, Katsuhiro HAKAMATA
    1980 年 1980 巻 51 号 p. 11-21
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶樹に対する窒素の適正施与量と栄養診断の基礎資料を得るために,やぶきた1年生苗を用い,水耕法により,1971年7月上旬から1年余にわたり,窒素の施用レベルを0N,1N,2N,3N,4N,6N,8N,12N,20N(Nは培養液の単位濃度を示し,生育経過および摘採,剪枝等による吸収量の変化に応じて2.5~5ppm)の9水準に変えて施用量試験を行い,茶樹の生育,収量および品質関与成分に対する窒素のCritical level(最高の生育,収量または品質を得るに必要な最低の体内濃度),その他の栄養診断指標を求めた。
    1.処理開始後8週を経て,窒素施与量と生育との関係曲線に,deficiency zone(<4N),transition zone(6N~8N),toxic range(12N<)が明瞭に現われた時期に,樹体各部の全窒素,水溶性窒素および遊離アミノ酸を分析した。これらの結果から,茶樹の生育に対する窒素のCritical levelを,全窒素濃度では,上位葉(葉齢1~2ヵ月)が4.6%,下位葉(2ヵ月<)が4%,金根(細小根)が2.7%と推定した。また,水溶性窒素とその全窒素比では,上位葉において1.4%と31%,根において1.3%と47%とそれぞれ推定した。さらに翌年の一番茶期の調査で,収量に対するCritical levelも生育に対するCritical levelもほとんど変らないことを確かめた。また,Critical levelにおける窒素吸収量は,生体重100g当り約640mg,すなわち生体重の0.64%で,これが窒素の最適吸収量を示すものと考えられた。
    2,Critical levelとToxic levelはきわめて近接し,その間にほとんどLuxury rangeを認めなかった。また,窒素欠乏により生育を停止した0N区と,窒素過剰により枯死した20N区の全窒素濃度は,それぞれ古葉において1.4%と4.3%,根において0.7%と3.3%で,この両致死濃度の比から,窒素が茶樹の体内でとりうる濃度幅は,他の養分に比べてきわめて小さいことが明らかにされた。
    3.一番茶の摘芽の全遊離アミノ酸,テアニン,アルギニン等も上記のCritical level (6N)において最大値を示したのち減少した。古葉では,6N以上ではさらに増加する傾向がみられたが,それが摘芽には反映せず,生育も低下していたことから,この増加は,新芽への移行阻害を示すものと考えられた。
    4.一番茶期では,窒素の欠乏域で,茶芽の伸育に母体地上部の乾物が多量に消費されたが,根重は,各区ともなお増加過程にあった。しかし,二番茶の伸育期には,長期間にわたり根重が減少し,窒素レベルが高く,生育の盛んな区ほど根への依存度が高かった。
    これらの結果から,茶樹においても,生育(収量)に対する窒素のCritical levelと品質に対するCritical levelとを区別して考える必要はないものと判断された。
  • 袴田 勝弘, 石垣 幸三
    1980 年 1980 巻 51 号 p. 22-29
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶樹に対するカリの適正施与量と栄養診断の基礎資料を得るために,やぶきた1年生苗を用い,水耕法により試験した。カリの施用レベルを,0K,1K,2K,'3K,4K,5K,6K(Kは培養液の単位濃度を示し,25ppm)の7水準に変えて施用童試験を行い,茶樹の生育および品質関与成分に対するカリのCritical levelその他の栄養診断指標について検討した。
    1.生育は,1K区がもっともよく,ついで2K,3K,0K,4K,SK,6Kの順で,4K以上のカリ増施区では,生育が著しく低下し,とくに,一番茶,二番茶の摘採により,根重の減少,根の腐敗がみられた。
    2.生育の良かった1K区の一番茶摘採期における上位古葉のカリ濃度は1.3%,摘芽は2.2%,茎は0.56%で,これらが茶樹の生育に対するカリのCritical levelと推定された。また,Critical levelに対するカリの吸収量は,生体重100gあたり約360mg(0.36%)であった。
    3.カリ増施により,樹体のカルシウム,マグネシウム濃度が減少し,茶葉のリン酸濃度が増加した。
    4.一番茶摘芽のアミノ酸は,その全量とテアニン濃度がカリ増施に伴って減少した。古葉のテアニン濃度もカリ増施に伴って減少したが,アルギニンとセリン濃度は,逆に増加した。
    5.茶葉のカフェイン濃度は,時期,新,古葉を問わずいずれもカリ増施に伴って減少した。また,一番茶摘芽のタンニンおよび遊離還元糖も同様の傾向を示した。
    なお,本研究は著者らが枕崎支場在勤中に実施したものであり,研究を遂行するに当たり,茶業試験場枕崎支場前原支場長より有益な御助言を賜わった。記して謝意を表します。
  • 青木 智, 中山 仰
    1980 年 1980 巻 51 号 p. 30-32
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    Over-wintering leaves of Yutakamidori and Yabukita have not active source function (that is very low photosynthetic activity) and active sink function(low TAC content) at July. Yutakamidori is restored from water stress more rapidly than Yabukita. And the former sheds leaves less than the later.
  • 寺田 孝重
    1980 年 1980 巻 51 号 p. 33-37
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 1980 巻 51 号 p. 38-68
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 1980 巻 51 号 p. 77-89
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 1980 巻 51 号 p. 90-99
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 1980 巻 51 号 p. 100-109
    発行日: 1980/06/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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